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2003年09月29日(月) 高円宮杯 滝二−国見戦、札幌−国見戦

データ量オーバーと怒られたので、仕方なく別掲。
しかし量、多すぎるよな。書き終わるまで1週間掛かったし…、少し考えよう。

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03年09月27日14:15開始 藤枝市総合運動公園サッカー場
 高円宮杯 第14回全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会
 滝川第二高校 対 国見高校 ※45分ハーフ

▼布陣
滝川第二高校:            国見高校:

−−−−−瀧原−−森本−−−−−   −−−−−兵藤−−平山−−−−−

−−−−−新井−−高松−−−−−   −−−−−−−渡邊−−−−−−−

−稲垣−−−−山道−−−−柏木−   −藤田−−城後−−中村−−川口−

−−−中根−−中杉−−小石−−−   −−−深浦−−坂上−−益永−−−

−−−−−−−上杉−−−−−−−   −−−−−−− 関 −−−−−−−

交代:後半00分:高松→木島      交代:前半38分:平山→内藤
   後半15分:瀧原→岡崎         後半44分:川口→田中
   後半25分:稲垣→岡田

▼試合展開

前半09分:国見、兵藤の左CK。速いボールを送り込むと、ゴールエリア内ほぼ中央の平山が何故かフリーに。ややハンド気味にも見えたが、トラップしてボールを足下に落とすと、慌てて詰め寄る滝二選手を体でブロックして左足シュート。難なく決めて、国見先制。1−0。

前半23分:国見、DF小石がクリアしたセカンドボールに食いついたのは兵藤。PA外左寄りからドリブル突破を図り、体勢の整っていない小石を振り切ってPA内に進入すると、丁寧にグラウンダーの左クロスを送る。ゴール中央の平山が美味しく左足でファーに流し込み、2−0。

前半34分:滝二、自陣PA手前で中根が相手突破を塞いでボールを奪取すると、前の稲垣に繋ぐ。ターンオーバーでマンマークが戻りきらない隙に、稲垣が左側からスルスルと上がり(国見はマークの受け渡しを殆どしないため、対応するマークが戻れないと、かなりボールを持たれてしまうことがあった)、国見陣内に入る。ここから狭いゾーンで稲垣→新井→稲垣→新井と細かく繋いでPA手前に達すると、マークが混乱したかプレスの掛からないまま、新井はスルスルと中央に移動。そのまま新井はミドルを選択すると、シュートは右ポストに激突、跳ね返ってゴールに吸い込まれた。2−1。

前半46分:国見、滝二の集中力が切れたか、右サイドの川口が暫時、持つ時間を得ると、意を決してゴールに向かって一直線。緩急に戸惑ったか滝二の対応は完全に出遅れ、PA内からシュートを放つ。GK上杉が一度阻んだが、ボールの勢いは完全には失われず、川口が上杉を飛び越えて追いかけ、再度シュート。今度は何も妨げるものはなく、3−1。このゴールで前半終了。滝二にとっては、非常に痛い終了間際の失点であった。

後半09分:滝二、今度は稲垣が自ら自陣左サイドでボールを奪い、自らドリブルで前進する。前半の場面同様、ノープレッシャーであれよあれよと40M近くも持ち込むと、PA外中央から再びミドル。GK関が一歩も動けないシュートがゴール左に決まり、3−2。滝二が追いすがる。

後半16分:滝二、小石警告

後半39分:国見、ここまで滝二の地上戦攻撃にタジタジだったが、漸く後半最初のCKのチャンスを掴む。右CKを蹴った兵藤、50Mロングキックが、相手のカウンターに備えて残っていた(かに見えた)坂上まで届いてしまう。正直、ミスキックにしか思えなかったが、坂上はゴールまで40M近くはある位置から、速いボールをPA内へと送り込む。そのボールに城後がフリーで飛び込み、ダイブングヘッド。国見のショーロコーナーならぬ、ロングコーナーが決まり、試合を決定づけた。2−4

後半42分:国見、川口警告

 滝川第二高校 2−4 国見高校

滝川二          国見
5/11(4/3) シュート 11/6(6/4)
1/2(0/0) 右クロス 9/8(4/1)
4/5(1/3) 左クロス 8/7(2/3)
0/1(0/0) 右側CK 3/1(1/1)
1/1(0/0) 左側CK 3/0(2/0)
1/0(−/−)  犯OS  1/1(−/−)
5/6(−/−) ファウル 8/8(−/−) ※前半/後半(成功数・枠内数)


個人的好印象選手:川口、兵藤(国見)、新井、木島(滝二)


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03年09月28日14:15開始 藤枝市総合運動公園サッカー場
 高円宮杯 第14回全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会
 コンサドーレ札幌U-18 対 国見高校 ※45分ハーフ

▼布陣
コンサドーレ札幌U-18:        国見高校:

−−−−−石井−−酒井−−−−−   −−−−−兵藤−−城後−−−−−

−−−−−−−藤田−−−−−−−   −−−−−−−渡邊−−−−−−−

−小川−−鈴木−−斉藤−−石郷−   −横田−−中村−−藤田−−川口−

−−−松下−−吉田−−真田−−−   −−−益永−−坂上−−地崎−−−

−−−−−−−蛯沢−−−−−−−   −−−−−−− 関 −−−−−−−

交代:後半00分:斉藤→葛野      交代:後半31分:渡邊→吉岡
   後半16分:石郷→三浦         後半40分:吉岡→田中
   後半32分:松下→戸井


▼試合展開

前半21分:国見、相手がタッチに逃げる度に襲いかかるロングスロー。中村の投げ入れるボールは余り速くはないが、とにかく1対1に強い国見、PA内で兵藤が体を張って落下地点を譲らず、バウンドしたボールを拾いながらマークを背負いつつゴール方向に向き直すが、そこでDFがチェックに入る。だが、交錯しつつボールの転がった先に城後、至近距離から蹴り込んで、それまでの劣勢も苦にせずに、国見が先制に成功する。0−1。

前半23分:国見、右サイドからドリブルを仕掛ける川口に小川が密着マークで対抗するが、ターンを駆使して粘りに粘り、後ろにフォローに来た中村に戻す。中村のアーリークロスにPA内ゴール前で兵藤が飛び上がると、頭を痛くなるくらい捻転させてヘディングシュート。いまいち当たり損ねだったが、それが幸いして上手く勢いを殺し、GKを欺いてファーに吸い込まれた。0−2。

後半13分:国見、センターライン付近で右よりの中村から、50M対角線フィードが逆サイドの横田の足下にピタリ。横田は対応に来た石郷に対して上体を揺さぶるフェイクで半身ズレさせると、上げた左クロスにニアに飛び込んだ172cmの兵藤が、またも168cm真田の上に跳んでヘディングシュート。これも思いっきり頭を捻ってボールをファーに流し込み、0−3。

後半13分:国見、会場のアナウンスが3点目を奪った兵藤の名前を告げる途中に、蛯沢が痛恨のキャッチミスを犯して、途端に国見の決定機。川口のクロスを兵藤が強烈に合わせて、ハットトリック達成。0−4。

後半38分:札幌、三浦警告

 コンサドーレ札幌U-18 0−4 国見高校

札幌           国見
7/10(4/5) シュート 15/10(7/6)
6/3(2/2) 右クロス 7/12(2/3)
1/2(0/1) 左クロス 8/7(4/2)
0/0(0/0) 右側CK 1/3(0/1)
0/0(0/0) 左側CK 4/3(1/1)
0/0(−/−)  犯OS  3/2(−/−)
3/4(−/−) ファウル 5/7(−/−) ※前半/後半(成功数・枠内数)


個人的好印象選手:兵藤、中村(国見)、石郷、鈴木(札幌)



2003年09月28日(日) 高円宮杯 滝川第二高校戦

03年09月28日12:00開始 藤枝市総合運動公園サッカー場
 高円宮杯 第14回全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会
 対 滝川第二高校 ※45分ハーフ

▼布陣
−−−−−真司−−阿部−−−−−

−大瀧−−−−−−−−−−谷野−

−−−−−真希−−枝村−−−−−

−篠田−−高柳−−村越−−森安−

−−−−−−−海人−−−−−−−

控え:前田、石垣、高野、上埜、岡村、柴田、獅子内
交代:後半23分:谷野→柴田(そのまま右MFに)
   後半36分:篠田→高野(そのまま左SBに)

滝川第二高校:

−−−木島−−瀧原−−橋本−−−

−−−−−−−新井−−−−−−−

−中根−−−−山道−−−−柏木−

−−−山上−−中杉− 長谷川 −−

−−−−−−−上杉−−−−−−−

交代:後半07分:橋本→岡崎、後半24分:木島→芝崎、後半38分:山道→小川


▼試合展開

 実家から行く高円宮杯2日目。弟に録画させたスルガカップのVTRに、キックオフの録画を追加して、東進。昨日と違って片道約1時間と余裕があるため、バスで行こうと開始1時間半前に藤枝駅に着いたが、コインロッカーに荷物を入れてバス停に向かうと、次のバスは30分後。意味ないじゃん。結局、今日もタクシーに乗る。今日は入口で高円宮杯スペシャルキーホルダーをゲット。これは嬉し…くもないが、何でも昨日ももらえたらしい。先着100名様とかなのだろうか。殆ど特典効果はなさそうだが。
 相変わらず素晴らしい藤枝市総合運動公園サッカー場だが、連戦でやや芝の荒れも目立つ。とはいえ見た目の問題で、ボールの転がりに殆ど影響はなさそうだ。晴天ながら、昨日より幾らか暑く、第二戦の札幌−国見の試合では芝生・スタンド関係なく、豪快な格好で居眠りする観客が続出した。だが、何よりも違うのは来場者の数。昨日の倍、1000人は越えたのではないか。トップや選手権の試合と重ならなかったのも大きいだろうが、やはり昨日の試合が県内で大々的に報道されたのが大きかろう。スポニチなどは、デカデカとブンの写真を載せ、トップの記事を数倍する量であった(笑…ごとじゃないんだが、本来は)。

 清水は連戦に関係なく、昨日と全く同じ布陣。後半は半ば流し気味であったし、それほど問題にはなるまい。少数主義故に、致し方のないところもあるが。一方の滝川第二高校こと「滝二エスペランザ」は数十名の部員を抱える強豪校のメリットを活かし、大きくメンバーを変えてきたが、

(スタメン表に基づく予想)    (実際)
−−−−−新井−−瀧原−−−−− −−−木島−−瀧原−−橋本−−−
−−−木島−−−−−−橋本−−− −−−−−−−新井−−−−−−−
−−−−−山上− 長谷川 −−−− −中根−−−−山道−−−−柏木−
−中根−−山道−−中杉−−柏木− −−−山上−−中杉− 長谷川 −−
−−−−−−−上杉−−−−−−− −−−−−−−上杉−−−−−−−

 試合前にスタジアムにアナウンスされたポジションは4−4−2、ところが実際に始まってみると3−4−3。ポジションも事前に発表されたのと違う位置にいたりして、清水サイドを(観戦者も)混乱に陥れた。ちょっとずっこいぞ、黒田監督(苦笑)。一方で滝二は昨日に続いて、DFの要である183cmの河本がベンチからも外れ、本来ボランチの中杉をリベロに置く最終ラインの平均身長は172cm。対空防衛能力に大きな不安を抱えて、「ESPダービー」に臨むことになった。




(試合前の整列、そして集合写真。集合写真は後列が左から海人、森安、枝村、高柳、阿部、谷野。前列が同じく左から、村越、篠田、真司、真希、大瀧。ブンちゃんの笑顔が輝いてるぜ!)



[前半]
 前述した通り、序盤の清水はメンバー表とポジションの違う相手に戸惑い、マークを離す場面が目立つ。ただでさえ国見戦の後半でも相手を混乱させたこの布陣は、サイドの高い位置で数的有利を作るのが容易であり、トップ下の新井も絡みながら細かいパスで清水を崩しに掛かると同時に、清水のSBの攻め上がりを萎縮させる効果があった。
 1分、自陣左で山上が阿部と競り合ったボールを木島が拾って前へ、クロスを瀧原が頭で合わせて、オープニングシュートは滝二が記録する。その後は中盤の潰し合いが続き、対する清水の初シュートは8分の高柳のミドルであった。だが、これで清水が流れを掴んでお家芸のサイドアタックを仕掛け、9分に谷野の右クロスに阿部が、11分に篠田の左クロスにファー(右)で大瀧が(!)、合わせる場面を作る。
 このあたりで序盤のようなマークの混乱はなくなったが、12分に純粋に1対1の勝負で森安が木島に突破され、左クロスを瀧原が足で合わせる場面を作られる(当たり損ね)。これで再び拮抗した潰し合いになり、ファールが増えるが、17分の新井のミドル(GK正面)で流れは滝二に。19分、瀧原と木島の連携で左サイドから崩すと、20分、新井がPA左角外から突破を仕掛けるが、村越がフェイクに我慢して進路を塞ぐと、左に切り返したところでトラップが大きくなった、…と思わせて、駆け込んだ木島に。森安はまたもマークを離してしまい、フリーで縦に抜け、ゴール至近距離をフワリを抜ける左クロスを送る。GK海人は見送らざるを得なかったが、落下地点に素早くカバーした篠田が頭で跳ね上げ、辛くもCKに逃れた。新井の右CKはニアでカット。
 その後、久々に海人がPA内で相手プレスを切り返しで交わすファンタジーを見せ、ロングフィードを受けた大瀧から枝村とのコンビネーションで最後は枝村が裏に抜けたが、GKの飛び出しが一歩早かった。一進一退の攻防の中、今日も給水休憩で一区切り付くことになった。清水はSB、特に森安が防戦一方で攻め上がれないのが足枷になっていたが、それでも実力派両ボランチを軸に中央突破を図る展開の幅を見せ、五分に対抗していた。

 給水後、最初の好機を掴んだのは、今日は相手の滝二であった。山道の右アーリークロスを村越が跳ね返すが、これを拾った瀧原に粘られ、戻して中根のシュートは枠上。しかし、ちょっとした休憩が緊張を緩める効果は確実にあったようで、清水も好機を得る。28分、相手の安易な縦パスを読んだ大瀧がハーフラインを越えながらカット、勢いのままクサビを阿部に当て、自らも左スペースへと攻め上がる。阿部はそこへダイレクトで叩く、…と見せて巧みなトラップで背負うマークの裏にボールを送り、自らも急速反転してこれを突破。フリーでPA手前まで持ち込むと、狙い澄ましてシュートを放つ。強烈なボールがゴール右に決まって、清水が先制した。1−0。
 しかし、滝二はこれも既定路線とばかりに、動じずに中盤の潰し合いを続ける。清水は36分、真希の左サイドのドリブルは止められるが、相手のパスを奪われた真希が食いついて軌道を変えて枝村がカット、大瀧とのワンツーで前に出た枝村からのダイアゴナルフィードで谷野が抜け出し、右クロスに真司が頭で合わせたが、頭というより顔に当たってしまい、威力なし。だが、理想とする複数が長短のパスで素早く絡む展開が出たことで、清水の圧力は強まる。
 続けて38分からの展開は、実に厚みがあった。村越が奪って縦の枝村に送ると、枝村から縦に大瀧、戻して枝村、左に捌いて篠田からアーリークロスに対して大砲の弾丸のように阿部が突っ込むが、GKが何とか間に合う。だが、GK上杉のキックを素早く奪い返し、クサビのパスを阿部がアウトサイドキックで右サイドに綺麗に(!)流す。走り込んだ真司が更に左足アウトサイドキックで前に流そうとのオサレな試みは失敗するが、敏速にフォローした谷野が奪ってDFから奪いながら抜け出し、速い右クロスを送ったが、DFに跳ね返される。しかし、このセカンドボールも真希がPA外で拾い、ペナルティーアークの大瀧?とのパス&リターンで裏に抜け、強烈なシュートを放ったが、クロスバーが滝二の失点を防いだ。だが、清水の攻撃はなおも続き、篠田の左クロスはDFが跳ね返すが、そのこぼれから滝二がたまらずファウル。大瀧のFKは跳ね返されるが、谷野が拾って単身右サイドを抉り、クロスをニアで阿部が頭で叩き落としたが、右に外れた。

 しかし、この攻勢が潰えたことで、先に清水が緊張の糸を切ってしまったようだ。粘り強くこの時間帯を耐え抜いた滝二は、42分の速攻から橋本が上げた右クロスで反撃開始。ファーで森安がタッチに逃げたが、スローインの際にまたも木島へのマークを離してしまい、木島のクロスを逆サイドで橋本が折り返すが、今度は村越がCKに逃れる。新井のショートコーナーから中根の上げたクロスは枝村がゴールラインにクリアして、やり直し。すると、意表を突いた地を這う速いキックが、正確にPA内ゴール10Mでフリーの瀧原の足下へ。ところが、瀧原はこれを外してしまう。
 だが、これは次の場面の練習に過ぎなかった。ロスタイム、森安と対峙する木島から、内側から追い越した中根へとパスを渡ると、谷野が前に回り込む間に左サイドに流す。すると、森安がまたまた木島を離してしまい、単身ゴールライン際、PAの僅かに外まで持ち込んで速く低いクロス。今度は3Mもない至近距離で、再びエース、瀧原。会場からも「決まった!」と声が出たほどの決定機だったが、機敏にキッカーを察知していた海人は、ポジション修正済み。インサイドで狙ったはずのキックを正に真正面で「キャッチ」し、二次攻撃すら許さなかった。
 素直な攻撃では、海人には通用しない。ある意味、失点以上に大きなプレッシャーを滝二に与えて、前半を折り返した。

滝川二       清水エスパルス
6(3) シュート 7(2) ×高柳、○阿部、×大瀧、◎阿部、×真司、×真希、×阿部
3(0) 右クロス 6(3) ×真司、×森安、○谷野、○谷野、×谷野、○谷野
10(4) 左クロス 4(1) ○篠田、×阿部、×篠田、×篠田
1(0) 右側CK 1(0) ×大瀧
2(1) 左側CK 2(1) ○枝村、×枝村
1(−)  犯OS  1(−) 阿部
7(−) ファウル 12(−) 阿部、大瀧、枝村、谷野、大瀧、阿部、枝村、谷野、阿部、村越
               村越、村越

[後半]
 開始早々1分、真希が自陣左サイドでヒールパスの当たり損ねというオサレミスで瀧原にボールを奪われ、右クロスに163cmの新井が飛び込むという危機を迎える。頭を掠めただけで終わったが、新井と瀧原がの役割が逆ならば、決定的な場面であった。だが、その直後の2分、大瀧が柏木に倒されて得たFKを、ほぼ中央、距離30Mはある位置から真希が強烈、だが激しく曲げて落ちるキックで滝二ゴールを脅かし(GKセーヴ)、素早く汚名は返上した。
 その後は前半同様、潰し合いの時間が続き、5分、清水陣内での木島のファウルで得たFKを、倒された森安が大瀧に正確にチェンジサイド。計ったようなスルーパスを大瀧が送ると、追い越していった篠田がライン寸前で追いついて、ダイレクトで左クロスを上げる。が、これは味方が追いつかず、ファーに流れた。しかし、滝二のスローインは枝村がカット、PA右角手前の真司とのワンツーで横に動き、今度はPA内の阿部へと縦にクサビ。阿部が柔らかく右横裏に返すと、そこに枝村が抜け出してGKと1対1に。以上、ここまで全てダイレクトプレー。そして枝村は憎らしいほど冷静に、得意の左足アウトサイドフックでスライドしてGKを外すと、ガラ空きのゴールに左足で押し込んだ。2−0。片手を突き上げて、誇り高らかなゴールパフォーマンス。
 拮抗したバランスを大きく崩す2点目に滝二は動揺したのか、8分に相手陣内深くからのスローインで、大瀧が投げ戻す。すると真希は相手プレスが遅れを確認、意を決してドリブルを開始する。PA外で行方を遮る相手を内に切れ込んで交わすと、PA内で次の相手を今度は縦に弾んで方向転換、そこを塞ぐ相手に再び内に跳ねてGKへの至近距離に達する。小さな振りから強烈なシュートを放つが、188cmの巨体を倒した上杉がブロック、だがリバウンドの先にいた阿部が、トラップで殺到するDF1枚交わす余裕を見せて確実に押し込み、3−0。阿部と真希は抱き合って喜びを分かち合い、続けざまに決定的な3点目が決まった。

 安全圏に逃げた清水に追いすがろうと、滝二は強引に攻める。12分の瀧原のミドルは枠外、14分に左から新井のFKのクリアを再度PA内に蹴り込み、後ろからのボールを中杉が合わせたが、これも枠外。清水は14分に海人のキックが滝二ベンチを直撃して相手をビビらせようとするが(笑)、むしろ近くにいた大瀧を驚かせただけで終わる。すると17分、新井が左に捌いたボールを木島が森安を背負って受けると、左回転して振り向きながらシュート。だが、海人がコースを見切って正面で受け止めた。滝二は焦りからか前半のショートパスが失われがちで、強引な突破やミドルは成功してるように見えて、清水DF陣に確度を落とされていた。
 滝二の攻勢を凌いだ清水は21分、真希が奪い、受けた枝村がスルーパス。左サイドに真司が抜けてクロスを送ったが、ファーに流れる。だが、谷野がフォロー、後ろに戻して再び枝村が受けると、クロスを上げるキックフェイントを見せながら中央へとスライドして、阿部へとクサビ。ダイレクトでPA外左45度に戻すと、フリーで篠田が駆け込んで30Mミドル。反応した者はいなかったが、ゴールの左角がシュートを跳ね返した。一方の滝二は24分、中根が中盤を持ち上がり、ボランチの間を通して中央の新井へとパス。ラインブレイクが遅れたが、ミドルを狙った時にはブロックが間に合う。だが、近くの瀧原が拾い、標的を定めて再度ミドルを放ったが、唯一空いていたコースには海人が満を持して構えていた。余裕の有無が、両者の意外性の有無となっていた。
 滝二はそれまで幾度と無くサイドを切り裂いていた木島を24分に交代。確かに疲れは見えていたが、結果としてこれが強引な攻勢をも終わらせてしまうことになる。29分に森安が新井を止めて縦に送ると、柴田が中根を交わして突破、チェンジサイドから枝村→真希→大瀧と繋ぎ、一人抜いて左クロス(DFクリア)と久々に小気味よい展開。さらに30分、真司の左クロスはマークに引っ掛かってクリアされるが、枝村がセカンドボールをカット。すぐに斜め右に入れると中に入ってきた柴田がDFの裏でクサビになり、即座に更に右へと叩く。そこに柴田と入れ替わっていた阿部が、PA内右40度から痛烈なシュート。ゴール左に決まって、阿部は連日のハットトリックを達成する。4−0。

 ほぼ完全に試合が決まったことで、その後は何とも言えぬ気怠い雰囲気となる。単発攻撃とその潰し合いが続き、39分の滝二・芝崎のドリブルシュート、40分の清水・枝村から阿部のミドルがあった程度。そうした中、41分、滝二の裏を狙ったフィードをカバーした高柳の前方フィードが、巨漢瀧原の体に妨げられる。慌てて反転する高柳を尻目に、そのまま前進した瀧原が拾い、PA内でシュートに行くが、高柳のスライディングが何とか間に合い、左CKとなる。新井がほぼ中央に海人が出られない速いボールを送ると、中央でマークを外した岡崎がテクニカルなバックヘッドを放ち、4−1。
 この失点で清水は気を取り直したのだが、どうも空回り。42分にセーフティーリードにも関わらず、森安がラフプレーで警告を受け、44分に阿部のプレスでルーズになったボールを真司が拾い、PA右端から20Mダイレクトループを狙うオサレプレーは、大きく枠を外して観衆の溜息を誘う。最後は左コーナー付近で大瀧と真希が相手のファウルを誘いながら時間稼ぎをするが、奪われたのを逆ギレして後ろから引っ掛け、今度は大瀧に警告。
 試合のクロージングには失敗したが、何はともあれ内容を伴う2連勝で、最終戦を待たずに決勝トーナメント進出を決めた。国見戦か決勝トーナメント初戦か、どちらに注力するかは難しいところだが、この年代の雄たる国見高校との一戦は楽しみである。

滝川二       清水エスパルス
8(4) シュート 9(5) ○真希、◎枝村、○真希、◎阿部、×篠田、◎阿部、×柴田
               ×阿部、×真司
1(1) 右クロス 0(0)
2(0) 左クロス 6(0) ×篠田、×阿部、×真司、×大瀧、×真司、×真希
2(1) 右側CK 0(0)
0(0) 左側CK 1(0) ×枝村
1(−)  犯OS  6(−) 枝村、真司、阿部、阿部、阿部、真希
13(−) ファウル 14(−) 森安、森安、大瀧、阿部、村越、大瀧、阿部、真司、村越、森安
               柴田、大瀧、森安、大瀧




(試合を終えて戻るイレブンに拍手を送る観客、その観客に挨拶する選手たち。内容の伴った見事な勝利であった)



▼試合結果
清水エスパルスユース 4−1 滝川第二高校
 得点:前半28分:清水・阿部文一朗(大瀧義史・前方フィード)
    後半05分:清水・枝村匠馬 (なし)
    後半08分:清水・阿部文一朗(なし)
    後半30分:清水・阿部文一朗(柴田和也・ポストプレー)
    後半41分:滝二・岡崎慎司 (新井俊樹・右CK)
 警告:後半42分:清水・鈴木真司 (ラフプレー)
    後半44分:清水・大瀧義史 (ラフプレー)


▼選手寸評
●阿部文一郎 90分出場:シュート6(枠内4、得点3)、クロス2(成功0、左2)
 競り合いでの粘り勝ち、スルーパスから1対1、クロスへの飛び込み、ドリブルシュート、こぼれ球の押し込み、右45度ミドルと、多彩なゴールパターンを見せた2日間だった。シュート以外でも、ゴール前で体を張ったポストに良く、サイドに開いて突破してチャンスメイクも良く、正に絶好調の趣がある。
 
●山本海人 90分出場:被シュート14(被枠内7、失点1)
 海人と言えばふぁんたじーあだが、この日は渋い判断の良さが光った。毎度ながら「○○、縦を切れ!」などの具体的なコーチングで守備陣を巧みに操り、闇雲に奪うのではなく、攻撃の確度を落とさせていた。枠内シュートを7本打たれながら、横っ飛びすることが殆ど無かったことが、それを証明している。

●篠田大輔 81分出場:シュート1(枠内0)、クロス4(成功1、左4)
 この日の大瀧は中に絞ってトップ下的な動きをすることが多かったが、篠田がサイドを長い距離を走ってカバーし、攻撃の幅を狭めることがなかった。守備では対面をほぼ完封、加えて中央へのカバーリングを怠ることもなく、影に形に攻守を支え続けた。

個人的好印象選手:木島悠(2年)、新井俊樹(3年)



2003年09月27日(土) 高円宮杯 コンサドーレ札幌戦

03年09月27日12:00開始 藤枝市総合運動公園サッカー場
 高円宮杯 第14回全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会
 対 コンサドーレ札幌U-18 ※45分ハーフ

▼布陣
−−−−−真司−−阿部−−−−−

−大瀧−−−−−−−−−−谷野−

−−−−−真希−−枝村−−−−−

−篠田−−高柳−−村越−−森安−

−−−−−−−海人−−−−−−−

控え:前田、石垣、高野、上埜、岡村、柴田、獅子内
交代:後半13分:谷野→柴田 (そのまま右MFに)
   後半19分:篠田→高野 (そのまま左SBに)
   後半38分:真司→獅子内(そのままFWに)

コンサドーレ札幌U-18:

−−−−−−−酒井−−−−−−−

−−−石井−−渡邊−−三浦−−−

−−−−−鈴木−−斉藤−−−−−

−西田−−吉田−−松下−−石郷−

−−−−−−−蛯沢−−−−−−−

交代:前半36分:渡邊→藤田、後半16分:西田→小川、後半39分:三浦→外崎


▼試合展開

 遂に高円宮杯開幕。今年から大会方式が変わり、JFAが本腰を入れてアピールしているため、混雑を恐れてタクシーを使ったが、意外に少ない客入り。500名ほどだろうか。選手権県予選と重なったこと、エスパルスのトップの試合があったこと、1000円という有料試合であることなどが理由として考えられるが、少々拍子抜けさせられた。だが、500円のプログラムは全ページカラーになり、川淵キャプテンの尊大な対談もあり、どこに貼ればよいのか大会エンブレムのシールまでついて、実にお得な内容である。…要らないものも多いが。
 しかし、会場の藤枝市総合運動公園サッカー場は、相変わらず素晴らしい専用スタジアム。芝も国体の影響も感じさせず、短く刈り揃えられている。この規模の大会を行う会場としては、全国でも五指に入るだろう。天気も暑くない程度に穏やかな好天に恵まれ、嫌が応にも胸を踊らされるものがあった。

 清水は注目の篠田悠輔と高野一也は、メンバー入りせず。報道では怪我が理由とされていたが、練習や練習試合には参加しているようなので(篠田悠はゴールも決めているらしい)、恐らく協会への選手登録が大会メンバー期限に間に合わなかったためだと思われる(以下、篠田=篠田大輔、高野=高野美臣)。代わりといっては何だが、杉崎と望月に代わってJrユースの岩本大が背番号12に、池田康彦が背番号18に登録された。両名は全チームを通じて唯二の中学生選手であり、昨年の山本真希に続く2人目、3人目の大会出場を期待したいが、この日はベンチ入り18名から外れてしまった。
 清水のメンバーは、先週の湘南戦と全く変わらない面子。今週は阿部と海人、森安がトップの練習に合流したそうで、まあユース本来の趣旨から考えれば当然なのだが、大会に向けたチームの総仕上げという点では、やや気になるところ。
 一方の札幌、金曜早朝に起きた十勝沖地震は、札幌周辺の選手とその家族には、あまり影響がなかったと祈りたい。スタメンは予想に反して4バックの4−2−3−1(発表ポジションに従えば4−3−3)。札幌は3バックと4バックを使い分けるチームだが、全国では3バックを用いることが多く、また4バックの清水に1トップ+3トップ下を採用したのも意外だった。真っ向勝負を挑むという意志の顕れだろうか。メンバー的にはほぼベスト、注目の1年生、藤田はベンチスタートになった。

 
(新生高円宮が遂に開幕。入場する両イレブン。10月を前に、枝村は既に衣替え済みの長袖! 選手は前(右)から大瀧、真司、真希、村越、枝村、篠田、谷野、阿部、高柳、海人、森安。キャプテン1人を前にして、残りの3年生が後ろとはどういうことだ(笑))


[前半]
 財前監督の意図は分からないが、札幌の4−2−3−1は明らかに失敗であった。MFに5人の選手を集めたことで、結果として清水の最も得意とする中盤での勝負となってしまったからである。清水は3分の村越のロングシュートで口火を切ると、4分に真司が捌いたボールを大瀧がドリブルから左10度シュートと機先を制す。札幌は石井と渡邊のドリブルからそれぞれ1分と7分にFKのチャンス、11分には森安のマークが遅れた隙に石井が裏に突破して渡邊に左クロスを渡したが、最後にDFのクリアに遭い、シュートまで至らない。
 清水は徐々に攻勢を強め、12分に海人のキックをDFが跳ね返したのを真司が拾い、早くも長袖な枝村のドリブルから大瀧、戻して篠田の左クロス。13分は村越のキックを阿部が落として今度は大瀧がドリブル、枝村に戻してチェンジサイドに再び篠田が左クロスを送る。長短を交えた素早いパス回しに翻弄されて遂にエースの阿部へのマークが空き出すが、13分の阿部のミドルは当たり損ね、16分は真希が大瀧のワンツーから突破、ライン寸前で上げた左クロスに阿部が合わせたが枠外(というか、左からのクロスにニアで左足で合わせても決まらんて)。未だ国体の重しを引きずるエースだが、空中戦で圧倒し、20分にも阿部の落としたボールを枝村が拾ってスルーパス。大瀧の左クロスのコボレを真司が拾って戻し、真希のPA外シュートは大きく外れた。

 攻め込みながら得点の奪えない清水に、大して暑くもないのに何故かこの試合の前半だけあった給水休憩の余裕が与えられる。仕切直しの26分、最終ラインで暫く溜めた村越が、阿部の動き出しを確認して60Mロングフィード。だが、一度外に回って中に入ろうとした阿部の動きに反し、ボールは外の右SB石郷の守備範囲に向かう。だが、石郷がクリアミス、ふわりとゴール前へ。GK蛯沢が飛び出すが、突っ込む阿部と競り合ってバウンドするボールをキャッチしきれず、再び上空へ。第二回戦、互いに反転するが慌てた蛯沢はお手玉で逃れ、もう一度上空へ。三回戦、蛯沢は倒れ込みながらキャッチにいくが、無情にも届かずに阿部の不戦勝。左ポスト付近に転がったボールを詰めたが、これが国体の呪縛なのかDFブロック。だが、阿部はこぼれを今度は自らの体ごと押し込み、実に泥臭いシュートで先制点をもぎ取った。1−0。ブンちゃん、虚に包まれたまま駆け寄る大瀧を見て初めて笑顔。観客は拍手しつつも苦笑。
 得点直後にも森安のチェンジサイドから真希、枝村と渡ってワントラップからヒールスルーパス、大瀧が裏に抜けて逆サイドに振るが、谷野の右クロスはファーに流れる。28分、大瀧のスルーパスに真希の強烈なシュートはバー。その後、村越が鼻血の止血でフィールドから離れて攻勢も一休みとなるが、32分、真司がPA内で奪うとライン際から角度0度シュート、って、そんなの「オフサイド」の阿部弘志でもあるまいに、決まるわけもなくサイドネット。

 だが、このあたりから真司の世界(ワールド)が全開。札幌は34分に、石郷の絶妙なクロスがファーに逃げるのを、海人が体の柔らかさを活かして掴まえたのが、唯一の効果的な攻撃。36分に藤田を投入、三浦をFWに上げて2トップに修正するが、奏功しなかった。
 35分、真司の突破のクリアを村越が拾ってフィード、大瀧がスルーパスを送ると、阿部が抜け出してファーに流し込もうとするが、ここは蛯沢がキャッチ。36分、森安の右クロスをファーで大瀧が受け、右→左と切り返し2発。折り返したボールはDFがクリアしたが運悪く森安の元へ、転がるボールにタイミングを図り、ダイレクトで得意のミドルを放ったが、ニアポストの下を狙ったボールを、蛯沢が一度はこぼしたものの何とか抑えた。
 しかし、真司劇場は続く。38分、阿部の右クロスをバックヘッドで左に流し、大瀧のクロスを導く。これはDFにクリアされるが、続けて森安のチェンジサイドを真司が柔らかく落とし、左外から走り込んできた大瀧が凄絶なシュート。バーを激しく揺さぶって垂直に落下、バウンドしてフィールドに戻ってきたのを、思い出したようにDFがクリアする。

 すると40分、一度枝村に当てて受けた森安が、自陣右サイドから速いパスを縦に送る。谷野と入れ替わって右に開いていた真司、今度はボールに触れないままパススピードに合わせて走る、坂本轍平的ドリブルを見せる(本当に真司の世界は漫画だ)。PA右横で西田が応対に来たところでボールに触れて止まり、一息入れるかと思いや、股抜き。爆発的ダッシュで自らは西田の右をすり抜け、満を持して右クロスを送る。ニアに待ち構えた谷野はワントラップする余裕があり、冷静にGK蛯沢の左脇下を狙ってゴールニアに決めた。2−0。
 これで札幌は意気消沈したか、42分にパスミスを犯すと、「たまたまそこにいた」といった感じの中盤左よりの枝村、軸足に重心が乗らない状態ながら、体の後ろにあった右足で巧みにトラップ。次の瞬間、アウト回転に掛けたダイレクトスルーパスを送る。札幌ゴール前でただ一人、このパスに反応していた阿部が中央から右斜めに抜け出し、蛯沢の位置をよく見て、丁寧にインサイドでゴールニア右に決めた。3−0。湘南戦の反省が活きた模様(笑)。
 その後、阿部が腿トラップからスルーパス、枝村の右クロスを大瀧がアクロバティックなボレーで合わせる場面があったが、蛯沢が更なる失点は許さず、試合を折り返した。

札幌        清水エスパルス
0(0) シュート 15(9) ×村越、○大瀧、○阿部、×阿部、×真希、◎阿部、×真希
               ×真司、○阿部、○森安、×大瀧、○阿部、◎谷野、◎阿部
               ○大瀧
2(0) 右クロス 8(2) ×真司、×谷野、×谷野、×森安、×真希、×森安、◎真司
               ○枝村
2(1) 左クロス 10(2) ×大瀧、○真司、×篠田、×篠田、×篠田、○真希、×大瀧
               ×大瀧、×大瀧、×大瀧
0(0) 右側CK 0(0)
0(0) 左側CK 0(0)
2(−)  犯OS  2(−) 阿部、大瀧
3(−) ファウル 6(−) 森安、村越、谷野、枝村、阿部、森安、??


[後半]
 後半も開始早々、枝村のパスから大瀧が反転シュートを放ち、清水の攻勢ではじまるが、札幌も4−4−2のシステム変更の効果が少しずつ出てくる。2トップが最終ラインをある程度、上がらせない時間が生まれ、一瞬、SBの位置で数的有利になることがあった。生命線は藤田のキープ力と右SB石郷の走力で、2分に藤田のヒールパスから石郷が裏に抜けて右クロス、4分に藤田が三浦に当ててワンツーで抜け出し右クロスと、前半殆どなかった攻撃の形は作り出す。5分には石井の突破から得たFKで、惜しい鈴木のシュート(初シュート!)もあった。
 だが、清水の攻勢が緩んだわけでもなく、7分に谷野の突破で右CKを得る。大瀧のキックはGKがフィスティングで掻き出すも、そこで待っていたのは1試合で1度はミドルを打たねば気の済まない男、枝村。トラップで軽く左にスライドしてコースを空けると、右足一閃。が、このシュートもバーの下を強かに打ち付けて垂直に落下、バウンドして戻ってくるが、今度は清水の真司が先に反応して頭で押し込もうとしたが、シュートの勢いが残っていたか、左上に外れた。
 12分、真司のポストから真希が大きくチェンジサイドすると、左サイドライン際でゴール方向を向いた大瀧が十分なスペースを得て、石郷と1対1。本日ノリノリの大瀧、上半身を揺さぶるフェイントと足下の切り返しと跨ぎで完全に相手を翻弄し、最後左への切り返しで半身ズレて左クロスを送る。そこに猛然と走り込んできた阿部が強烈なダイビングヘッドを決めて、ハット達成御礼、4−0。阿部はジャンピングガッツポーズで喜びを爆発させた。

 さすがに清水も一段落。札幌が中盤で持てる時間も長くなり、16分には藤田のキープから石郷が追い越してパスをもらい、右クロスに海人がカブるが森安クリア。だが、その背後で石井が拾い、今度は左から折り返すが、混戦の中央で誰も合わせられず。この場面で篠田が痛み、高野と交代。清水も21分に、森安のチェンジサイドを左の大瀧がダイレクトで中央に戻すと、足下深くに入ったボールを真希が足首柔らかにトラップし、ドリブル開始。自陣から30M余りを一気に踏破してPA内に侵入、コースを塞いだDFの前で急速進路変更して右に切り返した瞬間、右足のシュート。だが、ボールは左ポストの僅か外に外れた。清水の攻撃は、最短距離で効率的に攻めるものが多くなり、24分には海人のロングキック→真希がチェンジサイド→阿部が右アーリークロスと3本の長いパスで好機を作るが、飛び込む真司より一つ早く、蛯沢が抑えた。
 札幌はその直後、藤田がドリブルで突っかけ、村越を半身ズラしてシュートを放ったが、当たりが弱くて高柳に引っ掛かり、海人が危なげなくキャッチ。清水は26分に枝村の斜めのフィードで阿部が抜け出し、右クロスが大きなワンツーとなって枝村が合わせるが宇宙開発。28分、今度は真希の対角線フィードに再び阿部が抜けて右クロス、今度合わせたのは札幌DFだったが、これが本日4度目の札幌ゴールバー直撃となる。
 何とか1点でも返したい札幌は30分の藤田、高野の的確にスライディングに一瞬怯んだものの素早く体勢を立て直し、体を倒した高野を逆に置き去りにして強引な突破に成功する。十分にサイドを抉った右クロスは、村越と森安の間に生まれたスポットに上手く入り込んだ酒井が遂にフリーに。漸く巡り合わせた札幌の決定機だったが、宇宙開発ボレーで潰してしまう。

 札幌は集中力が切れたか、一方の清水は試合終了に向けてパス回しが復活。33分、真希の粘りから高野→真希→真司と繋いで左クロスは、阿部が当てきれず。35分、高野のチェンジサイドから柴田→枝村→高野→枝村→阿部→枝村と繋いでシュートは、威力十分もGK正面。札幌は40分、CKのワンチャンスに藤田が思いきってボレーを放ったが、大きく上。なおも清水の攻撃は続き、43分、大瀧が追い込んで獅子内がカット、前の阿部に繋ぐと1人交わして左クロスに柴田が突っ込むが、今度は清水が宇宙開発に終わった
 ロスタイムに入り、海人の時間も考えたロングボール。なんでもないボールだったが、前でジャンプした阿部がブラインドになったのか、吉田が痛恨の後逸。阿部にCB2人が引きつけらたため、その裏に入った獅子内はポカンとフリー。落ちてくるボールを待ち構え、PA手前でワントラップから15Mミドルは、反応の遅れた蛯沢から逃げるようにサイドネットに低く突き刺さった。5−0。怪我から公式戦復帰した獅子内、両手を挙げて存在を高らかにアピール。
 その後も札幌は高柳のクリアミスから左CKを得ながら、これを海人にキャッチされると、海人のロングキックを今度は松下がクリアミスして清水にCKを与えるなど、最後までピリッとしない内容。清水の完勝で、試合を終えることになった。

札幌        清水エスパルス
5(1) シュート 11(4) ○大瀧、×枝村、×真司、◎阿部、×枝村、×真希、×枝村
               ○枝村、×柴田、×村越、◎獅子
8(1) 右クロス 5(1) ×阿部、○阿部、×阿部、×柴田、×枝村
3(0) 左クロス 8(5) ◎大瀧、×阿部、○真司、×枝村、×大瀧、○阿部、○大瀧
               ○枝村
1(0) 右側CK 2(0) ×大瀧、×大瀧
2(1) 左側CK 2(0) △枝村、×枝村
1(−)  犯OS  1(−) 阿部
5(−) ファウル 7(−) 森安、大瀧、阿部、柴田、柴田、高野、柴田


(試合終了後の挨拶。列も間隔が空いてしまった札幌イレブンの疲れ方が、清水と対照的である)


(観客への挨拶。性格がよく出ている。一番はしゃいでるのは勿論、真司(笑))


▼試合結果
清水エスパルスユース 5−0 コンサドーレ札幌U-18
 得点:前半26分:清水・阿部文一朗(なし)
    前半40分:清水・谷野由紘 (鈴木真司・右クロス)
    前半42分:清水・阿部文一朗(枝村匠馬・スルーパス)
    後半12分:清水・阿部文一朗(大瀧義史・左クロス)
    後半44分:清水・獅子内善雄(なし)


▼選手寸評

●阿部文一郎 90分出場:シュート7(枠内6、得点3)、クロス5(成功2、右3左2)
 序盤こそ力みが見られたが、湘南戦に続いての爆発で、完全に国体を過去のものとした。本人が試合後に答えた通り、清水ではエースとしての自覚と周囲の支援が明確。高いシュート枠内率が、それを雄弁に物語っている。一方、後半はサイドに流れて力強い突破でチャンスメイクする場面もあった。

●大瀧義史 90分出場:シュート4(枠内3)、クロス8(成功2、左8)、アシスト1
 左サイドだけでなく盛んなポジションチェンジでトップ下に入り、ゴールに近い位置で多彩なアイデア(とそれを可能にする技術)を披露した。だが後半、全体の運動量が落ちてポジションチェンジが少なくなると、消える時間も長くなって逆に石郷の果敢なサイドアタックを許すこともあった。

●鈴木真司 83分出場:シュート2(枠内0)、クロス4(成功2、右2左2)、アシスト1
 「真司の世界」が発動した前半の15分間ほどは圧巻。漫画の発想を実現する技量以上に、それを実行する行動力が凄い。一方で阿部と中盤を繋ぐセカンドFWとしての役割も、忠実にこなしている。課題はやはりシュート数。真司の得意なエリアにMF4人が走り込む戦術上、難しい部分はあるのだが。


個人的好印象選手:藤田征也(1年)、石郷裕二(3年)



2003年09月21日(日) Jユース杯 予選リーグ 湘南ベルマーレ戦(A)

03年09月21日14:00開始 馬入ふれあい公園サッカー場
 第11回Jユースカップ2003 Jリーグユース選手権大会
 対 湘南ベルマーレユース(A) ※45分ハーフ

▼布陣
−−−−−真司−−阿部−−−−−

−大瀧−−−−−−−−−−谷野−

−−−−−真希−−枝村−−−−−

−篠田−−高柳−−村越−−森安−

−−−−−−−海人−−−−−−−

交代:後半00分:篠田→高野(そのまま左SBに)
   後半31分:谷野→柴田(そのまま右MFに)

湘南ベルマーレユース:

−−−−−永里− 中村友 −−−−

−−−鶴見−−−−−−藤田−−−

−−−− 宇佐川 −宮崎−−−−−

−斎藤−−渡部−−鈴木−−田辺−

−−−−−−−徳永−−−−−−−

交代:後半00分:宇佐川→吉川、後半17分:田辺→高瀬

 ※湘南のメンバーは某ベルマーレサポ氏のご協力によるもの。感謝。


▼試合展開

 熱は余り出ないものの、頭痛が長引く悪質な風邪に悩まされて3日間寝込んだ筆者。おかげで横浜国立の惨劇に立ち会わなかったのは、幸運といえるのかどうか。純粋なチームの完成度の差が如実に表れただけの試合を、惨劇と言ってよいかは分からないけれども。
 折しも台風来襲中。病み上がりにも関わらず、「昨日までは暑かったし」という極めて意味のない根拠で半袖を着た筆者は、レインコートを着た観戦中はともかく、後に東海道線で震えることになる。トップチームで傷ついた心を癒されたいのか、嵐の中でも観客は100名ほど。トップに傷つけられているのは、湘南サポも同じらしい、…はあ。会場の馬入ふれあい公園サッカー場は、かのナイジェリア代表がW杯キャンプを行った由緒正しきグラウンドなのだが、ナイジェリア代表の練習の激しさを物語るように(嘘)、或いは本当に馬を芝に入れたんじゃないかと思えるぐらい、芝が荒れ放題。特に両ゴール前とセンターサークル付近は芝が禿てぬかるんでおり、ボランチはボールコントロールに苦しめられた。
 清水は夏のベストメンバーを変えずに、緒戦を迎えた。阿部・大瀧・森安の国体選手も揃って先発する一方、篠田悠・高野一の注目の両名は姿を見せず。結局、高円宮杯のメンバーからも外れたようなので、まだ選手登録が間に合っていないのだろう。一方の湘南も国体選手の永里が登場したが、メンバー攻勢は夏から大きく入れ替わった。主力の3年生がそれほど引退したわけではなさそうだが、1年生の宮崎・鈴木を抜擢。システムも4−4−2に変えてのスタートとなった。

[前半]
 序盤の攻防は一進一退。互いに単純なボールコントロールミスが多く、雨の影響を感じさせる。6分には森安がダイレクトで上げた右クロスを、湘南DFがクリアミス。混戦となるが、最後は大きく蹴り出す。しかし、その森安が7分、サイドチェンジのパスを追い掛けようとして転倒、鶴見の25M独走を許し、最後のシュートはファーに外れた。これで流れを掴んだ湘南は10分、中村友の右クロスに篠田がクリアミス、幸運な右CKの好機を得る。鶴見が蹴った速いボールを、ファーに離れて位置した斎藤が直接ボレーシュート。これがGK海人の位置を逆を付いて鮮やかに決まり(田辺の肩を掠めて軌跡が変わったとする説もあり)、湘南が先制する。0−1。
 大はしゃぎの湘南選手とベンチ。だが清水は直後の11分、ロングボールを湘南選手が僅かに触って、やはりラッキーな左CKを得る。このボールを追い掛けていた大瀧が一つ早いタイミングでショートコーナーを選択、枝村が左クロスを入れたが、DFが跳ね返す。だが、再び枝村が拾ってスルーパスを送ると、CKの位置から戻りつつあった大瀧が受けて反転、再度左クロス。GK徳永がキャッチしたかに見えたが、雨と泥と回転で滑りやすいボールは無情にも彼を裏切り、スライディングで突っ込んだ村越がそれをネットに押し込んだ。1−1。こちらは淡々と自陣に戻る清水イレブン…(少しは喜べよ)。

 これで流れを掴んだ清水は、攻勢を強める。13分、谷野のクロスにファーで飛び込んだ阿部のヘッドがジャストミート、GK徳永がハイボールを巧くディフレクトしてCKに逃れる。16分、真希→大瀧と繋いで戻したボールを篠田がチェンジサイド、阿部が頭で競り勝って落とし、谷野がドリブルを仕掛けるが、DF入ってこれもCKへ。19分、大瀧のパスを枝村が受けると、そこに真希が走り込んでスイッチ、25Mの距離からのドリブルシュートに威力はあったが、ファーに外れた。21分、谷野が一人交わしてPA内に切れ込み、右クロスはDFに引っ掛かるが、阿部が強引に割り込んでシュートまでいくが、ニアサイドネット。
 湘南は清水の速いテンポのパス回しに後手に回り、展開を創れないでいたが、22分、阿部のオフサイドで得た間接FKを清水PA内に蹴り込んで高柳のクリアミスを誘い、左CKを得る。鶴見がニアに合わせたボールは跳ね返されるが、それを拾って二次攻撃。永里がポストから戻して渡部が受けるが、トラップが乱れて阿部が奪取。力ずくで渡部を抜き去ってスルーパスを送ると、飛び出した真司に綺麗に通る。PA内まで独走したところでシュートを放ったが、ぬかるんだフィールドに体勢を崩し、ファーサイドに外れてしまう。しかし、ここまでのブン、シュート以外は完璧である。

 更に清水は24分、枝村が奪ってドリブル、右に開いた阿部にスルーパスを送ると、阿部がサイドを縦に勝負しながら、意表を突いて強烈なシュート。これは僅かに上に外れるが、28分、右ライン際で突っかけた谷野が戻すと、PA角でフォローした真希が素早くスルーパスを送る。これに上手く回り込んで抜け出した阿部が、ゴールを向きながらダイレクトでシュート。…抜け出す形は完璧、シュートの質も高かったが、肝心のコースがGK正面。更に大瀧がこぼれ球をフォローして押し込もうとしたが、当たり損ねてGKキャッチ。…ここまでのブン、シュート以外は完璧である。
 湘南は33分、永里がポストから反転、シュートを放つと、滑るボールに海人がキャッチできずにDFはクリアする。だが、湘南はこれを拾って左に展開、鶴見がPA内に切れ込んでシュート、これがスライディングでブロックに行った森安の足に当たり、あわやオウンゴール。鶴見の右CKは、今度はPA外中央の宮崎に合わせ、トラップからシュートを狙ったが、清水の出足が上回ってゴールへと飛ばさない。
 37分、スローインから真希がドリブルを仕掛け、弾んだボールをヒールで後ろへ(この試合、両チームから宮本を思わせるお洒落ヒールが何度か見られた)。大瀧の左クロスをGKこぼすが、DFクリア。39分、左サイドの展開から真希が大きくチェンジサイド、森安がハーフライン付近で受ける。これに対するプレスが一瞬遅れ、スルスルと前に出た森安はアーリークロスを選択。矢のようなボールに対し、単身飛び上がった阿部が高い「点」で合わせるが、僅かに軌跡を変えたのみでGKを惑わすに能わず、その腕に収まる。
 以後は試合は動かず、枝村のFKのリバウンドから大瀧が打ったシュートが大きく上に外れたところで、前半は1−1の同点で折り返した。悪コンディションで不確定要素が多く、予断ならない試合である。

湘南        清水エスパルス
5(3) シュート 12(5) ×大瀧、◎村越、○阿部、×真希、×阿部、×真司、×阿部
               ○阿部、○大瀧、×枝村、○阿部、×大瀧
4(1) 右クロス 5(2) ×森安、○谷野、×谷野、×森安、○森安
1(0) 左クロス 8(0) ×真希、×枝村、×大瀧、×大瀧、×真司、×大瀧、×真司
               ×篠田
3(2) 右側CK 3(0) ×大瀧、×大瀧、×大瀧
1(0) 左側CK 2(0) ×枝村、△大瀧
1(−)  犯OS  1(−) 真司
2(−) ファウル 8(−) ??、枝村、大瀧、村越、大瀧、真司、森安、真司


[後半]
 後半、清水は競り合いに強さを見せるなど随所に好プレーを見せていた篠田に代えて、1年の高野を投入。一方の湘南は宇佐川に代えてDFの吉川、斎藤をボランチに田辺を右WBにそれぞれ一列上げ、3−4−2−1にシステムを変えてきた。
 これに戸惑ったか、試合は再び一進一退に。3分、それまで高柳に制空権を奪われてきた永里が遂に競り勝ち、素早く左サイドに叩いて速攻。森安のプレスが掛かる前に抜け出した鶴見がサイドを抉り、クロスを送るがファーへと流れる。しかし、ルーズボールに反応した田辺が至近距離からトラップ&シュート。が、そのトラップの刹那に飛び出した海人と交錯し、ボールは左に外れた。左CKは、海人が片手一本でPA外に掻き出す。
 一方の清水は6分、高野のクサビのパスに阿部が反転してシュートに行ったが、当たり損ね。…ブンはシュート以外は完璧なのだが…。9分には右に開いた阿部のクロスをファーでDFがクリアし、左CKに。枝村が蹴ったボールはファーにこぼれ、高柳がフォローして右クロスを入れたが、これを跳ね返されて速攻。前線に残る永里まで渡るが、ここで残っていた真希が速やかにチェックに入り、CKに逃れる。真希はDFでも十分に通用するところを見せつけた。

 15分、左サイドから阿部が突破を図ると、中に切れ込んだ地点で大瀧がスイッチ、PA手前45度からミドルを放つ。やや威力に欠けたが、滑りやすいボールをGK徳永は受けずにフィスティング。PA外にクリアしたボールを拾ったのは、しかし森安。切れ込む森安に湘南DFのチェックが遅れ、再び放たれたミドルに再び徳永が反応したが、クリアしきれずにPA内に転がるボールは阿部の前。豪快に叩き込まれた逆転弾が、阿部を無得点で終わった国体の呪縛から解放した。2−1。でも、喜び方は淡々。
 逆転された湘南の方も、いよいよ攻めに出た。システム上、数的有利になりやすいサイドから、強気にドリブルを仕掛けて死力を尽くす。18分、藤田のドリブルが谷野のファウルを誘い、左50度20Mから鶴見のFKに誰かが頭で合わせたが、枠の上。21分、交代投入された高瀬のドリブルを高野がタックルに入って右CKに逃げ、鶴見のキックを吉川が頭で合わせたが、ファーに外れる。22分、再び高瀬のクロスを海人がパンチングで逃げるが、中村友が拾ってドリブルシュートは海人が抑える。
 その間、清水は大瀧を軸に左サイドから素早い攻撃を仕掛けていたが、28分、中盤から左に展開したボールから突っかけた真希が、早いタイミングでスルーパス。中央からPA内左へと巧く抜け出した阿部、その足下に飛び込んだGKをジャンプして転倒すると、判定はPK。サテで沢登に学んだのか、国体で狩野に学んだのか、怪しいPKを獲得すると阿部自ら確実に決めて、3−1。クラブ選手権の東海大会と全国大会で、2回連続してPKを外した阿部だが、この呪縛からも解放できたようだ。

 続けて30分、左サイドから真司と大瀧が絡んで速攻。ボールを中央に戻すと枝村が駆け込むが、左への切り返しにボールが地面に囚われ、DFのチェックを受ける。ルーズになったボールを、しかし枝村は軽く右足で前に押し出す。そこに真希が走り込み、裏に抜けながら低いシュートを放ったが、GKこれを弾く。そこに真司、横転したGKを尻目にガラ空きのゴールへちょこんと押し込もうとしたが、ボールの勢いに負けたのかニアに外してしまう。
 32分、鶴見のクロスは村越が跳ね返し、森安が受ける。それを鶴見が奪い返してPA内に切れ込むと、横から回り込んだスライディングに倒れるが、湘南ベンチの激昂も空しく、ノーファウルの判定。清水も34分、真司が空中戦で競り落とすと、阿部が戻して柴田がサイドチェンジ、大瀧のシュートは右に外れる。36分、枝村の右クロスに阿部のワントラップシュートは、当たり損ねてGK正面。…やっぱり、呪縛に囚われてるかも。

 このあたりで、いよいよ雨足が強くなり、2点リードで精神的にも余裕ができた清水の選手たちは、少々ハイに。村越がクロスをヒールでクリアしたり、真希は審判の気づかないところで相手選手と小競り合いを起こしたり、真司は一度ファウルになりながら次の瞬間に再び足裏を見せてスライディングして警告をもらったり、その直後に森安がボールを奪われた藤田を後ろから押し倒して警告をもらったり、…。怪我と退場がなかったことは、本当に幸運だった。
 ロスタイム、清水の電光石火の速攻。ほぼ中央から素早く真希、枝村と縦に繋いで、PA内右側にスルーパスを送る。そこへDFの外側から回り込んだ阿部がフリーで突っ込んだ。インサイドでファーに流し込むだけでハットトリックとなる完璧なお膳立てに、阿部は勢いに乗り過ぎたかインステップで強シュート。そして、ボールはアウトに掛かって、ニアに外れる。これを不思議に思うか、「やはり…」と思うかは、恐らく阿部のプレーを見続けた時間によるだろう(苦笑)。
 何にせよ、これで試合終了。大事な緒戦で確実に勝点3を奪い、Jユースカップ好発進となったと同時に、高円宮杯に向けて調整が順調だと感じさせた。

湘南        清水エスパルス
6(2) シュート 12(8) ○阿部、○大瀧、○森安、◎阿部、×大瀧、◎阿部、○真希
               ×真司、×大瀧、○阿部、○阿部、×阿部
2(0) 右クロス 8(1) ×高柳、×真司、×阿部、×高柳、×谷野、○枝村、×柴田
               ×柴田
6(1) 左クロス 4(0) ×大瀧、×高野、×大瀧、×大瀧
3(1) 右側CK 2(0) ×大瀧、×大瀧
2(0) 左側CK 2(0) ×枝村、×枝村
2(−)  犯OS  2(−) 村越、谷野
3(−) ファウル 8(−) 谷野、谷野、??、??、真司、真司、森安、真希


▼試合結果
清水エスパルスユース 3−1 湘南ベルマーレユース
 得点:前半10分:湘南・斎藤貴之 (鶴見聡貴:右CK)
    前半11分:清水・村越大三 (なし)
    後半15分:清水・阿部文一朗(なし)
    後半28分:清水・阿部文一朗(PK)
 警告:前半44分:湘南・宮崎明浩 (ラフプレー)
    後半28分:湘南・徳永雅俊 (異議?)
    後半39分:清水・鈴木真司 (ラフプレー)
    後半40分:清水・森安洋文 (ラフプレー)


▼選手寸評

●村越大三 CB、90分出場、シュート1(得点1、枠内1)
 相変わらず荒い部分があってヒヤヒヤさせられるが、空中戦・地上戦の双方で1対1に完勝。得点も奪った。積極的でありながら潰しの確実性が増してきており、フィードの質も確か。良いタイミングで声を出して士気を高めるなど、守備の柱に成長しつつある。

●高柳亮太 CB、90分出場、クロス2(右2)
 村越ほど完璧とはいかなかったが、相手のキーマンである永里を殆ど封じきった仕事の大きさは、同等の評価が与えられるべき。特に空中戦で存在感が大きく、相手のサイド攻撃を片手落ちにした。中盤との連携も良く、ラインを高く保ち続けた。

●山本海人 GK、90分出場
 清水の得点場面を見ても分かるように、ミスの許されないGKには非常にやりづらい悪コンディションだったが、パンチングを主体に的確な状況判断を示した。キャッチできない分、より広く、より高い守備範囲で貢献しており、新境地を開いたと言えるかもしれない。

●阿部文一朗 FW、90分出場、シュート11(得点2、枠内8)、クロス1(右1)
 文中にも書いたが「シュート以外は完璧」。そのシュートにしても総数の半数近くを一人で放ち、枠内率73%という誇るべき数字を残しているのだが、大外しの印象が強いのは何故だろう。要はGKの裏をかく狡猾さが足りないのだが、そうなったらブンらしくない気がしないでもない。

個人的好印象選手(湘南):鶴見聡貴(2年)、藤田貴史(3年)



2003年09月18日(木) 高円宮杯・Jユース杯 展望(後編:Jユースカップ展望)

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■試合日程と展望
[Jユースカップ]
■湘南ベルマーレユース
 最近の大会:03年クラブ選手権・関東地区ベスト12(地区予選敗退)
       02年Jユース杯 ・グループリーグ3位(予選敗退)
       02年高円宮杯  ・不出場
 最近の対戦:●0−1 1999.10.03・Jユース杯予選(H)
       ○5−0 1999.09.12・Jユース杯予選(A)
       ●1−2 1999.09.03・高円宮杯準決勝
 対戦の予定:09月21日(日) 14:00 馬入ふれあい公園サッカー場(A)
       11月01日(土) 15:00 清水エスパルス三保グラウンド(H)

−−−−−−−永里−−−−−−−
−−−鶴見− 中村友 −高瀬−−−
−藤田−−−−川添−−−−田辺−
−−−斎藤−−渡部−−宮川−−−
−−−−−−−徳永−−−−−−−


 湘南(平塚)ユースとは、実に4年前、池田・太田らの代に3度も干戈を交えて以来、久々の対戦となる。その時の湘南(平塚)は、茂庭・田辺を3年に、2年には美尾・中里・杉本らという黄金世代で、唯一の勝利の際は主将の茂庭がトップに合流し、不出場であった。余談だが、高円宮杯準決勝は、私がユースに入れ込む契機となった試合である(あの時の純平は凄かった)。
 その当時は4−4−2だったが、今年のクラブ選手権予選ではトップに合わせて、3−3−3−1を採用していたそうである。今回、フォーメーションに変化があるかもしれないが、核となるのがFWの永里(3)であることに疑いはない。湘南唯一の国体神奈川選抜選手は、準決勝岡山戦でハットトリックを達成するなど、大会得点王に輝く大ブレイク。湘南では攻撃の核であり、永里の頭と足下に当ててから、トップ下の3人がポストを受けて攻め込んでくる。守備では、動きの豊富な藤田(3)、競り合いに強い川添(3)、カバーリングに長けた渡部(2)らが中心に粘りがある。なお、永里・渡部・鶴見(2)の3人は、今年のサテライトで清水と対戦している。
 とはいえ、初戦9月21日の試合は猛暑の国体に出場した選手は、不出場の可能性も。また、湘南は夏を境に引退する3年生も多い(上記布陣は下級生中心のもの)。清水の場合にも、篠田悠・高野一の登録が間に合うか分からない上に、鈴木の怪我という情報もある。このあたりが、どう影響するか。

[WHO’S THE KEY]
●森安洋文 1985.04.23生 [177cm/68kg]
 恐らく対面に位置する鶴見は、今年のサテライトで田中と津田を交わして、羽田のゴールマウスを破った16歳。それがどれだけ凄いかは別にして、スピードと巧緻性を兼ねた好選手である。森安はしばしばこのタイプを苦手にしているが、早い段階で間合いを掴み、自らの特長である力で潰すことができるか。同時に1トップ+3トップ下が予想されるだけに、4バックの清水は数的同数。森安にはサイドからの強引なカバーリングで、中央永里らの飛び込みを阻止してもらいたい。

●高柳亮太 1985.06.27生 [178cm/68kg]
 ワントップの永里はポストプレーだけでなく、自ら反転してスピードを活かした突破を仕掛けることもある。いや、本来はそれが彼のプレースタイルなのだろう。高柳には上背を活かして永里に制空権を譲らないこと以上に、反転する永里と、その後ろの3人の飛び出しに備える必要がある。クラブ選手権では地上戦1対1の応対に後れを取った高柳だが、巧みなラインコントロールと冷静なカバーリングにおいて、その知性を発揮することで汚名返上を果たしたい。


■柏レイソルユース
 最近の大会:03年クラブ選手権・グループリーグ3位(予選敗退)
       02年Jユース杯 ・グループリーグ3位(予選敗退)
       02年高円宮杯  ・不出場
 最近の対戦:○3−2 2002.11.17・Jユース杯予選(H)
       ○6−0 2002.11.10・Jユース杯予選(A)
 対戦の予定:10月25日(土) 14:00 柏の葉公園総合競技場(A)
       11月16日(日) 14:00 清水ナショナルトレーニングセンター J-STEP(H) ※枝村の誕生日!

−−−−−菅沼−−小森−−−−−
−−−大峡−−−−−−船山−−−
−−−−−石原−−柳澤−−−−−
−遠藤−−石川−−岩崎−−石田−
−−−−−−−大桶−−−−−−−


 昨年もJユースカップで同じ組となった柏だが、意外に5年間ではこの2試合しか対戦歴がない。昨年は、クラブ王者の貫禄を見せつける2連勝。アウェイでは若い選手を起用しながら大勝を収め、ホームでは最高に熱い試合だった。当然、その激戦を覚えている選手は多く、特に柏はリベンジに燃えてくるだろう。
 その柏、今年は某船橋の高校の監督が代わったためか、クラブ史上最も充実した1年生軍団をユースに迎えた。羨ましい限りだ。尤も柏の場合、Jrユースから高校に流出しても、高校から有力選手がトップに入ることも多い気がするが。…閑話休題。船山(1)を初め、その能力に疑いはないが、それだけに昨年の磐田同様、パフォーマンスが不安定なきらいがある。本来、エースとして君臨すべき菅沼(3)も殆どトップに合流していたり、国体は埼玉選抜に招集されたりで、今ひとつチームと噛み合わない。布陣は4−4−2ながら個人の特徴を優先させる格好で、右は船山が率先するのに対し、左は中盤が中に絞って巧みなキックを持つ遠藤(2)が引き出されることが多い。
 タレント揃いなだけに、特に中盤は「黄金」の香り漂いがち。柏も3年生が引退することがあるクラブだが、渋く試合を引き締める石原(3)が抜けるようだと、その傾向は顕著に。清水としては逆に、ビルドアップとドリブル、チャンスメイクとフィニッシュ、チェックとカバーリングと役割分担を明確にして、効率よく攻めたいところだ。

[WHO’S THE KEY]
●鈴木真司 1986.08.29生 [169cm/58kg]
 セカンドストライカーか、左サイドMFか、どちらにしても相手キープレーヤーの菅沼・船山と相対する位置となるだろう。真司の宿す突破力や得点力は、柏の両名にも劣るものではない。だが、今回真司に求められるのは、それ以外の部分、FWなら阿部のスペースを潰さずにチャンスメイク、MFならポジションチェンジで守備に回る動きが求められる。ファンタジスタ対決は、より組織的に1枚剥けた選手が勝利することだろう。

●篠田悠輔 1987.04.20生 / 高野一也 1987.04.18生
 濱屋・柳澤・福地・船山・中臺と新旧のU-16日本代表を揃える柏が相手となるだけに、自分たちの日本での位置を掴む、またとない機会となるだろう。セスク(バルセロナ→アーセナル)のような、とんでもない才能と対決してきた彼らだが、優れるのは技術よりも、むしろパスや飛び出しのタイミングなのだそうだ。個人技に走ることなく、チームに如何に組み込めるかが、鍵になるのではないか。


■横浜F・マリノスユース
 最近の大会:03年クラブ選手権・ベスト4
       02年Jユース杯 ・ベスト8
       02年高円宮杯  ・不出場
 最近の対戦:●0−3 2001.12.16・Jユース杯決勝トーナメント1回戦
       ○4−3 2000.12.27・Jユース杯準決勝
       ●2−3 2000.08.02・クラブ選手権予選リーグ
 対戦の予定:11月03日(月) 14:00 静岡市清水蛇塚スポーツグラウンド(H)
       11月09日(日) 14:00 横浜F・マリノス戸塚トレーニングセンター(A)

−−−−−谷口−−村岡−−−−−
−坂井−−−−−−−−−−荒井−
−−−−−鈴木−−今田−−−−−
−染宮− 加藤広 −奥山−−天野−
−−−−−−−飯倉−−−−−−−

 クラブユースの両壁と言われた00年の死闘が、記憶に鮮烈な対横浜戦だが、01年にも一度、対戦している。前半は五分の展開ながら北野のスピードで先取点を許すと、後半は深沢の退場もあって、一方的な試合となった。当時の試合に参加したのは、清水が枝村・阿部・篠田、横浜が谷口(3)・鈴木(3)・荒井(3)の中盤3人に村岡(3)。対横浜戦3試合連続3失点という不名誉な記録を残しているが(それでも一勝してるのは凄いけど)、そろそろ名誉挽回といきたいところだ。
 横浜は谷口が国体での華麗な復活を遂げており、強力な中盤を軸に攻めてくるだろう。その谷口は国体同様、FWで起用される可能性もある。同じ4−4−2を採用するが、異なる点が2つ。一つは、182cmの谷口や193cmの加藤広(2)などフィジカルで1対1に優位に立つ選手が多いこと。ムービングサッカーに拠らなくても、最短距離を繋いで一気にゴール前に迫る力強さがあるし、CBの跳ね返し能力も高い。また、キッカーとフィニッシャーの揃うセットプレーは脅威となる。もう一つは、フリューゲルス合併効果を享受する、充実した控えの層。谷口抜きでクラブ選手権4強を達成したことが、それを雄弁に物語っており、ハーフナー(1)のような強力な駒をベンチに残している。
 似通った相手なだけに、むしろ異なる部分=自分たちの特長を出せた方が勝つだろう。清水の場合は、やはりサイドの攻防において上回りたいところだ。


[WHO’S THE KEY]
●枝村匠馬 1986.11.16生 [175cm/67kg]
 類似するシステムを採用し、実力も拮抗する相手だけに、中盤の主導権争いが鍵を握るだろう。予想される潰し合いに負ければ、一方的な試合もありうる。空中戦の点でも、枝村に掛かる責務は大きい。また、制空力のある両CBに対し、単純に阿部に頼る攻撃では跳ね返される可能性が高く、3列目から飛び出してFW、或いはウイングとしてフィニッシュに絡む動きも求められる。最近、頓に「貴族化」の進む枝村だが、春先の運動量を取り戻せるか。

●石垣勝矢 1987.08.22生 [180cm/65kg]
 前述の通り、190cm代の加藤広やハーフナー、抜群の制空力を持つ谷口・奥山(3)らを揃える横浜のセットプレーには、警戒が必要である。ならば、現在のチームで空中戦最強を誇る石垣にも、出番が回ってくるかもしれない。ただ、逆に本職のFW陣は技術と速さに長じた抜け目のない選手が多く、ユースのスピードには慣れていないためなのか、時折ふっと集中力を切らす傾向は、早急に改善する必要があるだろう。



2003年09月17日(水) 高円宮杯・Jユース杯 展望(前編:総論+高円宮杯展望)

 今年は時期が重なったので、高円宮とJユース杯の展望を一度にまとめてみる。べ、別に2回書くのが面倒くさかったわけじゃありませんよ…?

清水エスパルスユース

東海地区第一代表、3年連続4回目(高円宮杯)[静岡県] 監督・築館範男


 クラブ選手権は、5試合8得点6失点で3位。予選から今ひとつ調子が上がらない中、GK山本海(3)を軸に辛抱強い守備で勝ち残っていたが、磐田との激戦の影響か(休養日はあったのだが)、準決勝では緊張の糸が切れたように惨敗を喫し、後味の悪い終わり方になってしまった。しかし、Jrユースで全国2位になったメンバーが多く残っていた昨年に比べ、今年は戦力的に劣ると思われていただけに、十分な健闘だったと言えよう。ただ、全国という舞台の中で、様々な課題が見えたのも事実である。
 個人的に気になったのは3点。1対1の脆さ、中盤の運動量の不足、選手層の薄さである。しかし、これらは単独の問題ではなく、それぞれが密接に関係した複合的な課題と言える。即ち、1対1の脆さを補うべく、コレクティブな陣形を形成するため、豊富な運動量が要求される。よって消耗が激しくなるが、交代できる選手(特に消耗の激しい中盤センター)がいなかった。東海では、例年より多くの選手が起用され、むしろ層は厚いように思われたが、残念ながら全国で戦うには、最低限必要となるフィジカルを満たしていない選手が多かった。このあたりは、良い経験になっただろう。また、攻守の要(特に精神面で)である大瀧(3)と高柳(3)が1対1に劣勢になることで、チームが機能不全に陥ることも多かった。
 当然、これから秋冬の大会で、これらの課題を解消できるかがポイントとなる。しかし、何度か話していることだが、平均年齢の低い清水は、ここからの伸びが期待できる。東海である程度できたことで、クラブ選手権では油断もあったように思えるが、全国を経験して痛感した自分の足りない部分を、選手個々人が如何に還元していけるか注目していきたい。


■選手名簿
別記参照方。


■基本フォーメーション(名前の横は学年)

−−−−−−−鈴木2−−−阿部3−−−−−−−
      (篠田悠1)
−大瀧3−−−−−−−−−−−−−−−谷野1−
(鈴木2)             (高野一1)
−−−−−−−枝村2−− 山本真1 −−−−−−
      (大瀧3)
−篠田大3−−高柳3−−−村越2−−−森安3−
(岡村2) (石垣1)
−−−−−−−−− 山本海3 −−−−−−−−−


 最大の注目は、スペイン・エスパニョールからの帰国した篠田悠(1)・高野一(1)の動向。両名とも既にユースの練習や練習試合に合流しているようだが、登録の問題がいつクリアできるか。篠田悠は、阿部(3)との強力2トップが否が応でも期待される。高野一も有力な右MF候補であり、初めての全国と思えない溌剌さだった谷野(1)らと競うことになるだろう。どこでもできる山本真(1)や森安(3)のポジションを含めて、多様な組み合わせが想定される。春夏の準レギュラー組では、クラブ選手権で良い動きを見せた、岡村(2)・高野美(1)の両レフティが楽しみ。更に、ユースと同じくクラブ選手権ベスト4を果たした、Jrユースからの抜擢もあるか。注目は層の薄いボランチを務められる、長沢に池田、岩本。


■出身現役Jリーガー・チームプロフィール
別記参照方。


■出場までの軌跡(高円宮杯)
04月05日:○10−0 日生第二高校(三重) 得点:大瀧3、枝村2、八木2、山本真、森安、岡村
04月12日:●1−3 グランパス (愛知) 得点:森安
04月19日:○6−3 東邦高校  (愛知) 得点:森安2、八木、石垣、大瀧、枝村
04月26日:△1−1 四中工高校 (三重) 得点:枝村
04月29日:○1−0 岐阜工業高校(岐阜) 得点:枝村
 −−2ヶ月近い中断−−
06月25日:○2−1 静岡学園高校(静岡) 得点:阿部、森安
07月05日:○4−1 藤枝東高校 (静岡) 得点:阿部2、森安、八木
07月16日:○4−1 ジュビロ磐田(静岡) 得点:鈴木、大瀧、阿部、枝村
07月19日:○4−0 各務原高校 (岐阜) 得点:枝村、阿部、大瀧、山本真

[参考・クラブ選手権]
5試合3勝1分1敗、得点8失点6(3位)
 得点者:阿部3、森安2、枝村2、鈴木
 得点占有率:阿部140%、森安120%、鈴木100%、枝村40%


■試合日程と展望
[高円宮杯・全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会]
■コンサドーレ札幌ユースU-18(北海道代表:6勝1分、2年ぶり2回目)
 最近の大会:03年クラブ選手権・グループリーグ4位(予選敗退)
       02年Jユース杯 ・ベスト16
       02年高円宮杯  ・不出場
 最近の対戦:●0−2 2000.08.02・クラブ選手権準々決勝
 対戦の予定:09月27日(土) 12:00 藤枝市総合運動公園球技場

−−−−−三浦−−酒井−−−−−
−−−−−−−石井−−−−−−−
−小川−−斉藤−−鈴木−−石郷−
−−−松下−−吉田−−眞田−−−
−−−−−−−蛯沢−−−−−−−


 札幌ユースと対戦したのは、ここ5年間だと2年前、深沢の代のクラブ選手権のみである。高円宮杯出場権を賭けたこの試合、先制された清水の攻撃は札幌の堅守に跳ね返され、最後は新居のスピードから追加点を奪われて、万事を休している。この年、札幌は準優勝、清水は何とか5位決定トーナメントを勝ち抜いて、改めて高円宮杯出場権を掴んだ。清水は阿部と当時中学生の枝村・鈴木、札幌では鈴木(3)・酒井(3)・石郷(3)・吉田(3)が、当時の激闘を直接知る者である。
 札幌のスタイルは、当時と同じ3−5−2でのカウンター。しかし、前線の突破力に頼りがちだった2年前と違い、今年は鈴木と斉藤(2)が組むボランチ2枚に展開力があるため、左右中央に巧みに散らすハーフカウンターに注意する必要がある。最終ラインのフィードも良い。カウンターは強固な守備力があって初めて成立するものだが、上背はなくとも3バックで粘り強く守ってくるだろう。何より警戒すべきは、GKの蛯沢(3)。長身な上に俊敏な反応があり、当たり出すと厄介な存在である。他では、清水が獲得競争で敗れた(らしい)藤田(1)に注目。機を見て、攻撃的なポジションで使われてくるはずだ。

[WHO’S THE KEY]
●阿部文一朗 1985.04.02生 [182cm/75kg]
 W杯のアンリ並にポストとバーにぶつけまくり、静岡の国体敗戦(4強は上出来だと思うが)の戦犯に挙げられたブンだが、動き自体は決して悪くなかった。精神的に引きずる部分があるだけに、早めに立ち直ってもらうことが第一。札幌のゴール前の人垣を崩すには、阿部の突破力は欠かせないからだ。MFも含めて誰がフィニッシュを担うのか曖昧だった静岡選抜と違い、清水でのエースの座は明確。阿部はただ、シュートを打てばいい。

●山本海人 1985.07.10生 [188cm/78kg]
 展開は清水優勢が予想されるが、ただでさえ高いDFラインを更に押し上げた時、それはむしろ札幌の狙い所。広大な裏のスペースにカウンターを仕掛けてくるだろう。しかし、これは海人の大胆な飛び出しと足技の披露するところ。むしろ危険なのは、ボランチ鈴木の非凡な威力を誇るミドルシュートである。兎角、集中力が途切れがちなのが気になる海人であるが、有利な展開にも油断せず、任務を完了してもらいたい。


■滝川第二高校(関西第二代表:予選Bブロック2位、6年ぶり3回目)
 最近の大会:03年高校総体 ・ベスト16
       02年高校選手権・ベスト4
       02年高円宮杯 ・不出場(関西大会ベスト4)
 最近の対戦:なし
 対戦の予定:09月28日(日) 12:00 藤枝市総合運動公園球技場

−−−−−岡崎−−瀧原−−−−−
−−−新井−−−−−−中杉−−−
−−−−−稲垣−−中根−−−−−
−柏木−−河本−−三村−長谷川−
−−−−−−−上杉−−−−−−−


 公式戦でクラブ勢と高校勢とが対戦する機会は、この高円宮杯しかないが、4年前(第10回)に初出場を果たした清水と、前回出場が6年前(第8回)の滝二では、当然ながら今回が初顔合わせとなる。今年の滝二だが、春のFBS杯では国見・市船を破って優勝し、プリンスではガンバと激戦を繰り広げるなど(順位決定戦では滝二がメンバーを落としたため、参考にならない)、好調が伝えられる。高い個人技を基盤に、ポジションチェンジとショートパスを繰り広げる小気味良いサッカーを展開するチームで、似通ったスタイル同士、正面から四つに組むことになるだろう。
 上記布陣は、あまり当てにならない。基本はボックスの4−4−2なのだが、4バック+2ボランチを土台にして、前線の枚数は様々な変化があるらしい。しかし、チームの正に大黒柱となるのは、GK上杉(3)−DF河本(3)−MF新井(3)−FW瀧原(3)という強力なセンターラインで変わらない。上杉がU-18代表候補、他の3人は国体兵庫選抜に選ばれている。上杉・河本は共に185cm前後の巨躯を誇り、総体優秀選手にも選ばれた主将の新井は、小柄ながら突破力と技術に秀でた滝二らしい司令塔。瀧原は180cmを越える長躯を活かして前線の核となるが、むしろ警戒すべきは周囲を衛星的に動く岡崎(2)の方かもしれない。セカンドストライカーは他にも木島(2)、橋本(2)ら候補が多く、勝負の機を見て交代投入してくるだろう。

[WHO’S THE KEY]
●大瀧義史 1985.05.05生 [165cm/57kg]
 主将、小柄、クラッキ、レフティ、闘志、柔らかいスルーパス…、大瀧と滝二・新井との対決は運命的だ。長短緩急自在のキックを宿し、ユースに入ってサイドのプレーに磨きを掛けた大瀧に対し、新井はドリブル突破をもう一つの武器に、トップ下での働きに傾注している。パスサッカーの核としての責任と、ポジションチェンジの流れで時として陰でサポートに回る責任と、二重の責任をより大きく果たすのは、どちらになるだろうか。

●岡村総一郎 1986.11.01生 [170cm/54kg]
 互いにスタイルの似通っているだけに、拮抗した試合も予想される。こうした展開を破る鍵となるのが交代選手だが、前述の通り優れたセカンドストライカーを揃える滝二に対して、清水では左サイドの岡村を推したい。元よりスピードには定評のあった岡村だが、身長の伸びと比例してドリブル突破の破壊力は増している。何より短い時間でミッションコンプリートするのに必要な、勇気と闘志が彼にはある。


■国見高校(九州第二代表:予選Aパート1位、4年連続9回目)
 最近の大会:03年高校総体 ・優勝
       02年高校選手権・準優勝
       02年高円宮杯 ・優勝
 最近の対戦:なし
 対戦の予定:10月04日(土) 12:00 藤枝市総合運動公園球技場

−−−−−平山−−兵藤−−−−−
−−−−−−−渡邉−−−−−−−
−内藤−−藤田−−中村−−川口−
−−−地崎−−坂上−−益永−−−
−−−−−−− 関 −−−−−−−


 国見とも初顔合わせとなる。強すぎるせいか、どうにも嫌われ者の国見だが、フィジカル偏重でロングボールの放り込みばかりとか、マンマークDFで戦術に乏しいとか、イメージで語られていることが多い。しかし、国見のサッカーはそれほど単純なものではない。フィジカルにしても中村(3)や兵藤(3)などサイズでは見劣りする選手も多く、日々の鍛錬の賜物である。また単調な放り込みについても、あれだけ早いタイミングで長いボールを蹴り込むのは、相当の基礎技術が要求される。育成年代において、これほど徹底して基礎運動能力と基礎技術を磨いているチームはないだろう。
 ということで、国見に勝つには最低限の基礎能力を選手各自が身につけていることが前提となる。今年の国見は188cmの平山(3)がクローズアップされることが多いが、むしろ平山が落としたボールに突っ込んでくる兵藤・渡邊(2)を止められるか。優勝した高校総体では、この2人で全得点19点中13点を奪っている。国体を怪我で欠場した兵藤の負傷が長引いたとしても、左サイドの守備に課題を抱える清水にとっては右WB川口(3)の突破力も脅威。守備は、今年も2ストッパー+1スイーパーの配置が健在。ある程度、2トップが抑えられるのは仕方がなく、むしろ盛んなポジションチェンジを経て、MFが上手く前線と絡むことができるか。ポジションチェンジは築館戦術の特徴でもあり、大いに期待したい。

[WHO’S THE KEY]
●山本真希 1987.08.24生 [175cm/68kg]
 総論では余り触れなかったが、国見の心臓と言える存在が中盤の中村北斗。真希は清水の中で最も国見らしさも持つ選手で(坊主だからというだけでなく・笑)、高い基礎技術と運動能力、早いタイミングでの大きな展開が持ち味としている。しかし、国見戦では+αの部分、枝村らとの盛んなポジションチェンジや、走り出したら止まらないドリブル突破を存分に披露し、マンツーマンDFの達人である中村を混乱に陥れたい。

●村越大三 1986.05.15生 [177cm/67kg]
 都倉(川崎)、大久保(仙台)、岡本・藤井(磐田)という各チームのエース相手に勇戦し、大いに名を上げた村越だが、平山・兵藤・渡邊というU-18代表トリオは、間違いなく最強の相手。朝練の個人練習で磨かれた国見ドリブラーは昔から評価が高いが、清水で地上戦1対1最強の村越が対抗できなければ勝利は覚束ない。また、対国見戦の負けパターンである蹴り合いに陥らないように、正確で意図のあるフィードを望む。


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2003年09月14日(日) JY: メニコンカップ 清水エスパルス出場選手紹介

 メニコンカップ2003公式HPより、清水エスパルスの選手紹介を引用しました。問題有れば、右下の「MAIL」より連絡下さい。即刻、削除いたします。

≪氏 名≫   山崎 晃太
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サッカーを始めたきっかけ
サッカーの試合を見て
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好きなサッカーチーム
ユベントス
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好きなサッカー選手
ブッフォン
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その理由
体をはってゴールを守るから
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将来の目標
プロサッカー選手
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東西対抗戦の試合に対する意気込み(抱負)
でるからには100%で戦う
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自分のサッカー技術面でレベルアップをしたい点
・クロスボール
・前に出るタイミング
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≪氏 名≫   岩本 大
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サッカーを始めたきっかけ
両親がサッカーをやっていたから
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好きなサッカーチーム
清水エスパルス、ACミラン
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好きなサッカー選手
ネスタ
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その理由
読みに優れていて、フィジカル面も強くいいDFだから
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将来の目標
プロサッカー選手
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東西対抗戦の試合に対する意気込み(抱負)
勝つ
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自分のサッカー技術面でレベルアップをしたい点
ヘディング技術を高めたい
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≪氏 名≫   桑原 卓哉
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サッカーを始めたきっかけ
テレビで観ていて興味を持ったから
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好きなサッカーチーム
アーセナル
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好きなサッカー選手
アンリ
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その理由
観ていると楽しいから
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将来の目標
欧州のクラブでプレーする
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東西対抗戦の試合に対する意気込み(抱負)
自分の最高のプレーをみせたい
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自分のサッカー技術面でレベルアップをしたい点
右足でのキックの精度
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≪氏 名≫   池田 康彦
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サッカーを始めたきっかけ
兄の影響
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好きなサッカーチーム
清水エスパルス、Rマドリード
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好きなサッカー選手
稲本、マケレレ
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その理由
稲本・中盤のディフェンスがうまくて、点をとれるから
マケレレ・中盤のディフェンスがかなりうまいから
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将来の目標
日本代表
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東西対抗戦の試合に対する意気込み(抱負)
絶対勝つ、自分のプレーをする
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自分のサッカー技術面でレベルアップをしたい点
・攻撃参加の質を高めて、量を増やしていきたい
・トラップ、シュートなどすべての細かい技術に気を遣いたい
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≪氏 名≫   小出 洋孝
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サッカーを始めたきっかけ
兄がサッカーをやっていて、親のすすめで始めた
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好きなサッカーチーム
清水エスパルス、レアル・マドリード、アーセナル
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好きなサッカー選手
ロベルト カルロス
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その理由
左足から放つシュートがすばらしいので
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将来の目標
Jリーグでプレーし、海外でもプレーしてみたい
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東西対抗戦の試合に対する意気込み(抱負)
いつでもゴールを意識してプレーしていきたい
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自分のサッカー技術面でレベルアップをしたい点
・両足、特に右足の強化
・攻守の切り換えのはやさ
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≪氏 名≫   長沢 駿
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サッカーを始めたきっかけ
兄がやっていたので
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好きなサッカーチーム
アーセナル、レアルマドリード
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好きなサッカー選手
アンリ、ジダン
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その理由
アンリの華麗なドリブル、ジダンの華麗なパス
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将来の目標
世界に通用するプレーヤー
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東西対抗戦の試合に対する意気込み(抱負)
身長が高い分、高さのあるヘディングを見せたい
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自分のサッカー技術面でレベルアップをしたい点
判断を早くすること、パスの精度を上げること
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2003年09月13日(土) 静岡国体 少年男子2回戦

03年09月13日10:00開始 清水日本平運動公園球技場
 第58回国民体育大会夏季大会 サッカー競技・少年男子2回戦
 宮崎県選抜 対 北海道選抜 ※35分ハーフ

▼布陣
宮崎県選抜:(4−4−1−1)

−−−−−−−−−−−−−上田@鵬翔高−−−−−−−−−−−−−

−下木屋@日章−−−−−−興梠@鵬翔高−−−−−−黒木@鵬翔高−

−−−−−−−−−東@鵬翔高校−−増田@鵬翔高−−−−−−−−−

−原@日章学園−−上田@鵬翔高− 水永@宮崎日大 −安田@鵬翔高−

−−−−−−−−−−−−−片岡@鵬翔高−−−−−−−−−−−−−

交代:なし

北海道選抜:(3−4−1−2)

−−−−−−− 菅原@室蘭大谷 −斉川@札幌第一−−−−−−−−−

−−−−−−−−−−−− 藤枝@室蘭大谷 −−−−−−−−−−−−

−高橋@帯広北−−斉藤@コンサ−−鈴木@コンサ−−石郷@コンサ−

−−−−−吉田@コンサ−−秋元@札幌第一−成田@白石高−−−−−

−−−−−−−−−−−−−蛯沢@コンサ−−−−−−−−−−−−−

交代:後半00分:藤枝@室蘭大谷→山下@函館有斗、後半09分:高橋@帯広北→田中@帯広北
   後半22分:石郷@コンサ →眞田@コンサ


▼試合展開

後半06分:宮崎、黒木(鵬翔)の右クロスはクリアされるが、ファーに流れたボールを原(日章)がフォロー、マイナス45度に戻したボールをPA手前左寄りで増田(鵬翔)が受けて、柔らかいクロスをDFラインの裏に送る。抜け出した興梠(鵬翔)が頭で合わせたボールは、再三好セーブを見せていたGK蛯原(コンサ)のタイミングを狂わせ、ファーサイドに吸い込まれた。1−0。

後半16分:北海道、中盤中央から斉藤(コンサ)のダイアゴナルフィードに、左サイドから山下(函館有斗)が突破を仕掛け、強引に対面の安田(鵬翔)を振り切る。満を持して送った低いマイナスのクロスに、駆け込んだのは斉川(札幌第一)。切り返してマークを外すと、豪快にミドルを突き刺した。1−1。

後半19分:宮崎、中盤右サイドから安田(鵬翔)のクサビのパスを、柔らかいトラップでピタリと足下に収めた興梠(鵬翔)、スッとスルーパスを転がすと黒木(鵬翔)がサイドを単独で抉り、右クロス。これまでチャンスに決めきれなかったワントップの上田(鵬翔)が突っ込むと、遂に自らの高さを活かしたヘッドを決めた。2−1。

 宮崎県選抜 2−1 北海道選抜

個人的好印象選手:
 下木屋@日章・東@鵬翔高校(宮崎)、蛯沢@コンサ・斉川@札幌第一(北海道)


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03年09月13日 清水日本平運動公園球技場
 第58回国民体育大会夏季大会 サッカー競技・少年男子2回戦
 福島県選抜 対 静岡県選抜 ※35分ハーフ

▼布陣
福島県選抜:(4−4−1−1)

−−−−−−−−−−−−−萬代@福島東−−−−−−−−−−−−−

−−−−−大友@福島東−−遠藤@福島東−−高橋@磐城高−−−−−

−−−−−−−−−伊藤@郡山高−−国嶋@福島東−−−−−−−−−

−根本@郡山北工−柳原@福島東−−大原@福島東−−金澤@平工業−

−−−−−−−−−−−−−貌癲郡山高−−−−−−−−−−−−−

交代:後半25分:伊藤@郡山高→伊藤@湯本高、後半34分:金澤@平工業→高木@湯本高

静岡県選抜:(4−1−3−2)

−−−−−−−−−阿部@エスパ−−岡本@ジュビ−−−−−−−−−

−−−−−狩野@静学高−−船谷@ジュビ−−水野@清水商−−−−−

−−−−−−−−−−−−−赤星@藤枝東−−−−−−−−−−−−−

−平岡@清水商−−松下@静学高−−小林@静学高−−森安@エスパ−

−−−−−−−−−−−−−松井@ジュビ−−−−−−−−−−−−−

交代:後半06分:阿部@エスパ→沼野@ジュビ、後半21分:岡本@ジュビ→藤井@ジュビ


▼試合展開

後半34分:攻め上がった森安(エスパ)は中に軽く切れ込むと、グラウンダーで巻く右クロスを送る。これを水野(清商)がポストに入って横に流し、藤井(ジュビロ)がシュートを狙ったが、DFブロック。しかし、素早く拾った藤井が反転してDFをスクリーンしつつ、戻したボールを水野、幾らかボールタッチを入れてタイミングを図って、ミドルを放つ。このシュートは十分にGKの範囲内だったが、焦る気持ちを抑えられずキャッチにいってしまい、痛恨のファンブル。後逸したボールがゴールネットを揺らし、水野は森安と抱き合って、喜びを爆発させた。0−1。

 福島県選抜 0−1 静岡県選抜

個人的印象:
 阿部文一郎:力み過ぎ継続。決定機に3回程、宇宙開発。だが、強引な突破は脅威であった。
 森安洋文: 萬代に勝つなど競り合いの強さを発揮。決勝点は森安の巧みな低いクロスから。

個人的好印象選手:
 水野@清水商・小林@静学高(静岡)、大原@福島東・伊藤@郡山高(福島)



2003年09月12日(金) 静岡国体 少年男子1回戦

03年09月12日10:30開始 清水日本平運動公園球技場
 第58回国民体育大会夏季大会 サッカー競技・少年男子1回戦
 福岡県選抜 対 福島県選抜 ※35分ハーフ

▼布陣
福岡県選抜(4−1−3−2):

−−−−−−−−−平山@第五高−−塚本@福岡第一−−−−−−−−

−−−−−桑原@筑陽高−−吉岡@第五高−−伊藤@第五高−−−−−

−−−−−−−−−−−−−田畑@第五高−−−−−−−−−−−−−

−真戸原@筑陽−−山北@第五高−−青柳@筑陽高−−井出@第五高−

−−−−−−−−−−−−−田中@第五高−−−−−−−−−−−−−

交代:延長00分:塚本@福岡第一→財津@第五高

福島県選抜(4−4−1−1):

−−−−−−−−−−−−−萬代@福島東−−−−−−−−−−−−−

−−−−−大友@福島東−−遠藤@福島東−−高橋@磐城高−−−−−

−−−−−−−−−伊藤@郡山高−−国嶋@福島東−−−−−−−−−

−根本@郡山北工−柳原@福島東−−大原@福島東−−金澤@平工業−

−−−−−−−−−−−−−貌癲郡山高−−−−−−−−−−−−−

交代:後半32分:伊藤@郡山高→伊藤@湯本高

▼試合展開

前半13分:福島、中盤左寄りで根本(郡山北工)がパスカットすると、その勢いで軽く前進してアーリークロスを入れる。PA内中央でフリーでトラップした遠藤(福島東)は、十分にGKを引きつけて左斜め前方へとラストパス。受けた萬代(福島東)はややトラップ乱れたが、丁寧に無人のゴールに押し込み、福島が先制する。0−1。

前半22分:福岡、中盤の吉岡(東海第五)からパスを受けた桑原(筑陽)、柔らかいループパスでDFの裏を狙うと、塚本(福岡第一)がオフサイド崩れの隙を突いて完全にフリーで抜け出す。そのままドリブルで持ち込み、確実に1対1から流し込んで、福岡同点。1−1。

前半27分:福岡、敵陣で平山(東海第五)がドリブルで持ち込んで、横の塚本(福岡第一)へと横パス。塚本はすぐにシュートを狙ったが、これはDFブロック。しかし、リバウンドを後ろ向きでDFをスクリーンして自ら拾い、そのまま反転してミドル。これが決まって、福岡が逆転する。2−1。

前半28分:福島、失点直後、国嶋(福島東)のフィードから右サイドに抜け出した高橋(磐城)がマイナスのクロスを入れると、PA手前で萬代(福島東)が柔らかくトラップして左に流れながら、右足一閃。見事にゴールに突き刺さり、今度は福島が追いつく。2−2。

延長01分:福島、左サイドで大友(福島東)が競り合ってこぼれたボールを、抜け目なく待っていた萬代(福島東)が拾い、入れ替わって前に飛び出した国嶋(福島東)に預ける。国嶋は更に右に展開、そこに遠藤(福島東)が飛び出して上げたクロスに、単身飛び出したのは交代投入された伊藤(湯本)。右足で押し込み、福島が劇的なVゴール勝ちを果たした。2−3。

 福岡県選抜 2−3V 福島県選抜

個人的好印象選手:
 塚本@福岡第一・桑原@筑陽高(福岡)、萬代@福島東・高橋@磐城高(福島)


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03年09月12日12:30開始 清水日本平運動公園球技場
 第58回国民体育大会夏季大会 サッカー競技・少年男子1回戦
 奈良県選抜 対 静岡県選抜 ※35分ハーフ

▼布陣
奈良県選抜(4−1−3−2):

−−−−−−−−−太田@奈良育−−谷口@耳成高−−−−−−−−−

−竹内@奈良育−−−−−−奥野@奈良育−−−−−−林@奈良育英−

−−−−−−−−−−−−−上田@奈良育−−−−−−−−−−−−−

−鬼岩@奈良育−−草場@奈良育−−塚田@一条高−−西本@奈良育−

−−−−−−−−−−−−−松田@一条高−−−−−−−−−−−−−

交代:後半00分:太田@奈良育→武末@上牧高、後半16分:谷口@耳成高→山口@奈良育

静岡県選抜(4−1−3−2):

−−−−−−−−−阿部@エスパ−−岡本@ジュビ−−−−−−−−−

−−−−−狩野@静学高−−船谷@ジュビ−−水野@清水商−−−−−

−−−−−−−−−−−−−赤星@藤枝東−−−−−−−−−−−−−

−平岡@清水商−−松下@静学高−−小林@静学高−−森安@エスパ−

−−−−−−−−−−−−−松井@ジュビ−−−−−−−−−−−−−

交代:後半18分:阿部@エスパ→沼野@ジュビ、後半26分:岡本@ジュビ→藤井@ジュビ
   後半28分:船谷@ジュビ→大瀧@エスパ


▼試合展開

前半04分:静岡、自陣から松下(静学)のパスを阿部(エスパ)がポスト、そこからマークを強引に弾き飛ばして反転し、ドリブルを開始する。と、次の瞬間、一気に前方へスルーパス。バックスピンの掛かった綺麗な30M級ロングパスに「あれは本当にブンか?」という一部の疑問の声が上がる中、飛び出した船谷が1対1から鋭いシュートを突き刺す。0−1。

前半11分:静岡、水野(清商)の左CK。中央に蹴り込んだボールを相手GKがキャッチに行くが、阿部(エスパ)と競り合って体勢を崩し、ファンブルしてしまう。こぼれたボールを平岡(清商)が柔らかく倒れながら、長い足を目一杯伸ばしてボレー。0−2。

後半26分:静岡、巧みなドリブルで右サイドを突破した水野(清商)、右クロスを入れるがGKが触れてファーに流れる。これを、岡本(ジュビロ)→船谷(ジュビロ)と小気味よく繋ぎ、最後は飛び込んできた狩野(静学)が、中央フリーで強シュート。0−3。

後半31分:静岡、またも水野(清商)が突破、PA内に切れ込んで更にDFを抜き去ると、最後はスイッチした藤井(ジュビロ)がシュート。GKが弾くが、左サイドから猛烈に駆け込んできた大瀧(エスパ)が豪快にネットに突き刺した。0−4。

 奈良県選抜 4−0 静岡県選抜

個人的印象:
 阿部文一郎:地元で全開。華麗なスルーパスで先制アシストしてみたり。でも力みすぎ。
 森安洋文: 「黄金」な中盤の尻拭いを静学コンビと黙々とこなす。攻め足りなさそう。
 大瀧義史: 投入後2分後に得点ゲット。藤井と共に意欲的なフリーランで沈滞感を拭い去る。

個人的好印象選手:
 水野@清水商・松下@静学高(静岡)、林@奈良育英・奥野@奈良育(奈良)


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03年09月12日13:50開始 清水日本平運動公園球技場
 第58回国民体育大会夏季大会 サッカー競技・少年男子1回戦
 広島県選抜 対 宮崎県選抜 ※35分ハーフ

▼布陣
広島県選抜:(4−2−3−1)

−−−−−−−−−−−− 馬屋原@サンフ −−−−−−−−−−−−

−−−−−田坂@サンフ−−錨帖サンフ−−西山@サンフ−−−−−

−−−−−−−− 前田和@サンフ −高萩@サンフ−−−−−−−−−

−吉村@サンフ−−中野@サンフ−−吉弘@皆実高−−高柳@サンフ−

−−−−−−−−−−−−−佐藤@サンフ−−−−−−−−−−−−−

交代:後半10分:馬屋原@サンフ→田村@サンフ、後半18分:錨帖サンフ→阿部@皆実高
   延長09分:佐藤@サンフ →山本@皆実高


宮崎県選抜:(4−4−1−1)

−−−−−−−−−−−−−上田@鵬翔高−−−−−−−−−−−−−

−下木屋@日章−−−−−−興梠@鵬翔高−−−−−−黒木@鵬翔高−

−−−−−−−−−東@鵬翔高校−−増田@鵬翔高−−−−−−−−−

−原@日章学園−−上田@鵬翔高− 水永@宮崎日大 −安田@鵬翔高−

−−−−−−−−−−−−−片岡@鵬翔高−−−−−−−−−−−−−

交代:後半18分:上田@鵬翔高→四反田@宮崎西、延長18分:上田@鵬翔高→山田@都城高


▼試合展開

前半07分:広島、馬屋原(サンフ)のポストから、高萩(サンフ)のスルーパスに西山(サンフ)の飛び出しと電光石火の一撃が決まり、刹那にPA内で1対1に。素早い左足の振りから鮮烈なシュートがファーに突き刺さり、広島が先制に成功する。1−0。

前半23分:宮崎、右45度から35M程のやや距離のあるFK。原(日章)の蹴ったボールは激しくゴール前で巻いて落ち、増田(鵬翔)の頭を掠めてファーサイドへと吸い込まれた。1−1。

後半20分:広島、自陣から吉弘(広島皆実)のダイアゴナルフィードに対して、宮崎DFはオフサイドトラップを仕掛けたが、右大外の西山(サンフ)が上手く遅れて飛び出し、独走。PA内まで切れ込んでマイナスに折り返すと、合わせたのは田村(サンフ)。GKの股間を破り、広島が再び突き放す。2−1。

後半24分:宮崎、今度は左サイドから40M以上距離のある位置でのFK。増田(鵬翔)の蹴ったボールは思った以上に伸びてGKがやや目測を誤ると、その裏で頭一つ高かった水永(宮崎日大)が綺麗に合わせて、宮崎がまたもや同点に追いつく。

 広島県選抜 2−2 宮崎県選抜
  (PK戦 3−5)

個人的好印象選手:
 西山@サンフ・高柳@サンフ(広島)、興梠@鵬翔高・原@日章学園(宮崎)


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03年09月12日16:20開始 清水日本平運動公園球技場
 第58回国民体育大会夏季大会 サッカー競技・少年男子1回戦
 北海道選抜 対 栃木県選抜 ※35分ハーフ

▼布陣
北海道選抜:(3−4−1−2)

−−−−−−−− 山本@釧路湖陵 −斉川@札幌第一−−−−−−−−

−−−−−−−−−−−−−高橋@帯広北−−−−−−−−−−−−−

−菅原@室蘭大谷−藤枝@室蘭大谷−鈴木@コンサ−−石郷@コンサ−

−−−−−吉田@コンサ−−秋元@札幌第一−成田@白石高−−−−−

−−−−−−−−−−−−−蛯沢@コンサ−−−−−−−−−−−−−

交代:前半31分:山本@釧路湖陵→山下@函館有斗、後半26分:高橋@帯広北→田中@帯広北


栃木県選抜:(4−2−3−1)

−−−−−−−−−−−− 稲葉@佐野日大 −−−−−−−−−−−−

−−−−−名波@清陵高− 根本@佐野日大−川匂@矢坂中央 −−−−

−−−−−−−−−竹井@國學院−手塚@佐野日大−−−−−−−−−

−池田@小山南−−佐藤@小山南−高塚@佐野日大−中山@矢坂中央−

−−−−−−−−−−−−−高橋@真岡高−−−−−−−−−−−−−

交代:後半04分:池田@小山南→阿久津@佐野日大


▼試合展開
 北海道選抜 0−0 栃木県選抜
  (PK戦 4−2)

個人的好印象選手:
 蛯沢@コンサ・藤枝@室蘭大谷(北海道)、高塚@佐野日大・中山@矢坂中央(栃木)



2003年09月02日(火) 高野、サッカー留学終え清水ユース復帰へ(日刊スポーツ静岡版)

高野、サッカー留学終え清水ユース復帰へ

 スペイン・エスパニョールにサッカー留学していたMF高野一也(16)が、古巣・清水ユースに復帰する意向であることが1日、明らかになった。8月の北海道国際ユース出場を機にエスパニョールを離れ、故郷・島田に戻った高野は、日本サッカー界への復帰を希望。静岡サレジオ高の編入試験に合格し、既に学校生活もスタートさせており、今週中にも清水ユース復帰に向け最終調整に入る。

 2年5カ月のスペインサッカー留学を終え、高野が日本に戻ってきた。8月17日の北海道国際ユース最終戦・北海道選抜戦勝利後、スペインに帰国するチームを離れ地元・島田に戻り、休養。日本サッカー界復帰を目指していた。8月29日に静岡サレジオの編入試験を受け、合格。1日から学校にも通い始めた。
 4月に腰を痛め、まともに練習できない状態が続いたことをきっかけに、エスパニョールサイドから帰国の打診を受けた。北海道国際ユース後、そのまま帰国することが決定。最後の公式戦の思いを胸に臨んだ本番は、全3戦に出場。本来のウイングではないサイドDFでの起用に加え、負傷し状態は100%ではなかったが、スピーディーな突破で3−1勝利に貢献。1対1での巧みな技術も披露した。


−−日本復帰を決めた、今の心境は
 高野 日本で心機一転、頑張りたいです。

−−古巣復帰については
 高野 スペインに行く時から、戻る時は清水という移籍契約でしたから。プリンスリーグ優勝も知っている。先輩も多く、出られるか分からないがチーム内の争いに勝っていかないと。

−−その闘争心は、スペインで学んだもの
 高野 スペインでは、競争に負けたらいらないといわれる。そういう人をいっぱい見てきましたから。

−−スペインへの思いは
 高野 競争が激しいし、体も強く技術もある。自分のためになった。将来はまたスペインでやってみたいが、自分はまだ実力が足りない。まずは日本で頑張り、実績を作っていきたい。


 日本で再出発したばかりの高野。スペインで磨き上げられた技術と厳しいハートで、再び県ユースサッカー界を盛り上げてくれることは間違いない。

 ◆高野一也(たかの・かずや)1987年(昭和62年)4月18日、島田市生まれ。六合東小でサッカーを始め、六合中1年で清水Jrユース入りし、さなる杯優勝。中学1年時、世界少年サッカー大会で来日したエスパニョールと練習試合を行った際に誘いを受け、12月に練習参加。翌3月エスパニョールに移籍し、スペインに渡った。その年のカタルーニャ州リーグで優勝(今季は2位)。家族は父、母、弟。160センチ、56キロ。血液型O。


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 日刊スポーツ静岡版(9月2日付)を、ほぼそのまま全文引用した。今年、何度か試合会場でも見られた高野一也が、清水エスパルスユースに復帰を果たす見込みとのこと。清水とエスパニョールの育成担当者は、移籍後も定期的に情報を交換していたということであり、契約上の拘束もあったようだが、予定通りの復帰と言えるだろう。選手登録が整理する前にユースに合流すると問題があるのか、今までは(元所属チームとなる)Jrユースの練習に参加していたという話である。
 エスパニョールでは体の大きさなどから、なかなか先発の座を掴めず、途中投入の多かった高野だが、テクニックの高さは監督他も認めていた。先日の北海道国際ユースでも、スペイン人のチームメイトと比べても、技術的には抜けた存在だったという。状況判断に優れ、スピード豊かな突破から精度の高いクロスが持ち味。スペイン留学にも当初から意欲的で、気持ちの強さも大きな武器だが、一方で北海道国際ユースでは派手な一発退場劇を披露している。阿部文一郎とは、少年団(六合東SS→FC島田)時代からの後輩。山本真希とは、FC島田からのチームメイトになる。
 ユースでは、Jrユースやエスパニョールと同様に、右MFでの起用となるだろう。右MFは今年、谷野・柴田・上埜・獅子内などが使われているが、逆に言えば固定されるに足る結果を示した選手のいないポジションであり、結果としては的確な「補強」と言えるだろう。実は名前を挙げた全員が高野と直接の面識がない選手であり、特に高野が抜けた後に異例の2年生セレクションで入った柴田との競争は、興味深い。名前も同じ「カズヤ」である。同級生には更に「高野」美臣がおり、果たしてチームメイトからの呼称が何になるかも興味深い(笑)。

 ※なお、篠田悠輔も近日中にエスパニョールから帰国する予定とのこと。彼はエスパニョールでもデビュー戦でハットトリックを決めるなど、ほぼ不動のエースストライカーの座を確保していたが、今年の春先あたりから文化や生活環境の問題から帰国したいという意向はあったようで、何度かユースの試合会場にも顔を見せていた。そもそも移籍を決めた際も、積極的だった高野に対して篠田は迷いも大きかったようで、「外泊ができない甘えん坊」と心配するお母さんのコメントもあった。一時は周囲の説得もあり、高野がサッカーに関係なく留学生として残るというので翻意したようだが、高野が正式にエスパルスに戻ることになり、篠田も自分の意志を固めたのではないだろうか。
 篠田は清水FC出身で全日本少年大会でも3位に輝き、99年U-12ナショナルトレセンにも選ばれた逸材。中1から、優勝した高円宮杯に山本真希と共に出場している。その当時はスピード豊かなドリブラーで、いかにも「清水らしい」見ていて面白いFWだった。エスパニョールでは得点王の経験もあり、昨期のカタルーニャリーグでは18得点を挙げて、チームの2位に貢献。チームのU-16スペイン代表FWを上回る活躍で、監督も「このまま頑張ればプロになれる!」とべた誉めしていたそうだ。先日の北海道国際ユースでも、負傷明けで2ヶ月ぶりの試合ながら、出場した北海道選抜戦では1得点1アシスト。この年の清水FCの同期でユースに残っているのは、石垣勝矢と八木和秀の両名のみと全日本3位の割に少なかったが、強力な選手が戻ってくることになる。
 帰ってくれば、阿部と組むセカンドストライカーは右サイドMFに次ぐ今年の課題のポジションであり、これまた絶好の「補強」となる。とはいえ、クラブ選手権では真司が良い動きをしていただけに、右MFでの起用もあり得るだろう。高円宮杯に篠田・高野の両名が出られるようなら、大幅な戦力アップとなることは間違いない。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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