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2003年09月18日(木) 高円宮杯・Jユース杯 展望(後編:Jユースカップ展望)

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■試合日程と展望
[Jユースカップ]
■湘南ベルマーレユース
 最近の大会:03年クラブ選手権・関東地区ベスト12(地区予選敗退)
       02年Jユース杯 ・グループリーグ3位(予選敗退)
       02年高円宮杯  ・不出場
 最近の対戦:●0−1 1999.10.03・Jユース杯予選(H)
       ○5−0 1999.09.12・Jユース杯予選(A)
       ●1−2 1999.09.03・高円宮杯準決勝
 対戦の予定:09月21日(日) 14:00 馬入ふれあい公園サッカー場(A)
       11月01日(土) 15:00 清水エスパルス三保グラウンド(H)

−−−−−−−永里−−−−−−−
−−−鶴見− 中村友 −高瀬−−−
−藤田−−−−川添−−−−田辺−
−−−斎藤−−渡部−−宮川−−−
−−−−−−−徳永−−−−−−−


 湘南(平塚)ユースとは、実に4年前、池田・太田らの代に3度も干戈を交えて以来、久々の対戦となる。その時の湘南(平塚)は、茂庭・田辺を3年に、2年には美尾・中里・杉本らという黄金世代で、唯一の勝利の際は主将の茂庭がトップに合流し、不出場であった。余談だが、高円宮杯準決勝は、私がユースに入れ込む契機となった試合である(あの時の純平は凄かった)。
 その当時は4−4−2だったが、今年のクラブ選手権予選ではトップに合わせて、3−3−3−1を採用していたそうである。今回、フォーメーションに変化があるかもしれないが、核となるのがFWの永里(3)であることに疑いはない。湘南唯一の国体神奈川選抜選手は、準決勝岡山戦でハットトリックを達成するなど、大会得点王に輝く大ブレイク。湘南では攻撃の核であり、永里の頭と足下に当ててから、トップ下の3人がポストを受けて攻め込んでくる。守備では、動きの豊富な藤田(3)、競り合いに強い川添(3)、カバーリングに長けた渡部(2)らが中心に粘りがある。なお、永里・渡部・鶴見(2)の3人は、今年のサテライトで清水と対戦している。
 とはいえ、初戦9月21日の試合は猛暑の国体に出場した選手は、不出場の可能性も。また、湘南は夏を境に引退する3年生も多い(上記布陣は下級生中心のもの)。清水の場合にも、篠田悠・高野一の登録が間に合うか分からない上に、鈴木の怪我という情報もある。このあたりが、どう影響するか。

[WHO’S THE KEY]
●森安洋文 1985.04.23生 [177cm/68kg]
 恐らく対面に位置する鶴見は、今年のサテライトで田中と津田を交わして、羽田のゴールマウスを破った16歳。それがどれだけ凄いかは別にして、スピードと巧緻性を兼ねた好選手である。森安はしばしばこのタイプを苦手にしているが、早い段階で間合いを掴み、自らの特長である力で潰すことができるか。同時に1トップ+3トップ下が予想されるだけに、4バックの清水は数的同数。森安にはサイドからの強引なカバーリングで、中央永里らの飛び込みを阻止してもらいたい。

●高柳亮太 1985.06.27生 [178cm/68kg]
 ワントップの永里はポストプレーだけでなく、自ら反転してスピードを活かした突破を仕掛けることもある。いや、本来はそれが彼のプレースタイルなのだろう。高柳には上背を活かして永里に制空権を譲らないこと以上に、反転する永里と、その後ろの3人の飛び出しに備える必要がある。クラブ選手権では地上戦1対1の応対に後れを取った高柳だが、巧みなラインコントロールと冷静なカバーリングにおいて、その知性を発揮することで汚名返上を果たしたい。


■柏レイソルユース
 最近の大会:03年クラブ選手権・グループリーグ3位(予選敗退)
       02年Jユース杯 ・グループリーグ3位(予選敗退)
       02年高円宮杯  ・不出場
 最近の対戦:○3−2 2002.11.17・Jユース杯予選(H)
       ○6−0 2002.11.10・Jユース杯予選(A)
 対戦の予定:10月25日(土) 14:00 柏の葉公園総合競技場(A)
       11月16日(日) 14:00 清水ナショナルトレーニングセンター J-STEP(H) ※枝村の誕生日!

−−−−−菅沼−−小森−−−−−
−−−大峡−−−−−−船山−−−
−−−−−石原−−柳澤−−−−−
−遠藤−−石川−−岩崎−−石田−
−−−−−−−大桶−−−−−−−


 昨年もJユースカップで同じ組となった柏だが、意外に5年間ではこの2試合しか対戦歴がない。昨年は、クラブ王者の貫禄を見せつける2連勝。アウェイでは若い選手を起用しながら大勝を収め、ホームでは最高に熱い試合だった。当然、その激戦を覚えている選手は多く、特に柏はリベンジに燃えてくるだろう。
 その柏、今年は某船橋の高校の監督が代わったためか、クラブ史上最も充実した1年生軍団をユースに迎えた。羨ましい限りだ。尤も柏の場合、Jrユースから高校に流出しても、高校から有力選手がトップに入ることも多い気がするが。…閑話休題。船山(1)を初め、その能力に疑いはないが、それだけに昨年の磐田同様、パフォーマンスが不安定なきらいがある。本来、エースとして君臨すべき菅沼(3)も殆どトップに合流していたり、国体は埼玉選抜に招集されたりで、今ひとつチームと噛み合わない。布陣は4−4−2ながら個人の特徴を優先させる格好で、右は船山が率先するのに対し、左は中盤が中に絞って巧みなキックを持つ遠藤(2)が引き出されることが多い。
 タレント揃いなだけに、特に中盤は「黄金」の香り漂いがち。柏も3年生が引退することがあるクラブだが、渋く試合を引き締める石原(3)が抜けるようだと、その傾向は顕著に。清水としては逆に、ビルドアップとドリブル、チャンスメイクとフィニッシュ、チェックとカバーリングと役割分担を明確にして、効率よく攻めたいところだ。

[WHO’S THE KEY]
●鈴木真司 1986.08.29生 [169cm/58kg]
 セカンドストライカーか、左サイドMFか、どちらにしても相手キープレーヤーの菅沼・船山と相対する位置となるだろう。真司の宿す突破力や得点力は、柏の両名にも劣るものではない。だが、今回真司に求められるのは、それ以外の部分、FWなら阿部のスペースを潰さずにチャンスメイク、MFならポジションチェンジで守備に回る動きが求められる。ファンタジスタ対決は、より組織的に1枚剥けた選手が勝利することだろう。

●篠田悠輔 1987.04.20生 / 高野一也 1987.04.18生
 濱屋・柳澤・福地・船山・中臺と新旧のU-16日本代表を揃える柏が相手となるだけに、自分たちの日本での位置を掴む、またとない機会となるだろう。セスク(バルセロナ→アーセナル)のような、とんでもない才能と対決してきた彼らだが、優れるのは技術よりも、むしろパスや飛び出しのタイミングなのだそうだ。個人技に走ることなく、チームに如何に組み込めるかが、鍵になるのではないか。


■横浜F・マリノスユース
 最近の大会:03年クラブ選手権・ベスト4
       02年Jユース杯 ・ベスト8
       02年高円宮杯  ・不出場
 最近の対戦:●0−3 2001.12.16・Jユース杯決勝トーナメント1回戦
       ○4−3 2000.12.27・Jユース杯準決勝
       ●2−3 2000.08.02・クラブ選手権予選リーグ
 対戦の予定:11月03日(月) 14:00 静岡市清水蛇塚スポーツグラウンド(H)
       11月09日(日) 14:00 横浜F・マリノス戸塚トレーニングセンター(A)

−−−−−谷口−−村岡−−−−−
−坂井−−−−−−−−−−荒井−
−−−−−鈴木−−今田−−−−−
−染宮− 加藤広 −奥山−−天野−
−−−−−−−飯倉−−−−−−−

 クラブユースの両壁と言われた00年の死闘が、記憶に鮮烈な対横浜戦だが、01年にも一度、対戦している。前半は五分の展開ながら北野のスピードで先取点を許すと、後半は深沢の退場もあって、一方的な試合となった。当時の試合に参加したのは、清水が枝村・阿部・篠田、横浜が谷口(3)・鈴木(3)・荒井(3)の中盤3人に村岡(3)。対横浜戦3試合連続3失点という不名誉な記録を残しているが(それでも一勝してるのは凄いけど)、そろそろ名誉挽回といきたいところだ。
 横浜は谷口が国体での華麗な復活を遂げており、強力な中盤を軸に攻めてくるだろう。その谷口は国体同様、FWで起用される可能性もある。同じ4−4−2を採用するが、異なる点が2つ。一つは、182cmの谷口や193cmの加藤広(2)などフィジカルで1対1に優位に立つ選手が多いこと。ムービングサッカーに拠らなくても、最短距離を繋いで一気にゴール前に迫る力強さがあるし、CBの跳ね返し能力も高い。また、キッカーとフィニッシャーの揃うセットプレーは脅威となる。もう一つは、フリューゲルス合併効果を享受する、充実した控えの層。谷口抜きでクラブ選手権4強を達成したことが、それを雄弁に物語っており、ハーフナー(1)のような強力な駒をベンチに残している。
 似通った相手なだけに、むしろ異なる部分=自分たちの特長を出せた方が勝つだろう。清水の場合は、やはりサイドの攻防において上回りたいところだ。


[WHO’S THE KEY]
●枝村匠馬 1986.11.16生 [175cm/67kg]
 類似するシステムを採用し、実力も拮抗する相手だけに、中盤の主導権争いが鍵を握るだろう。予想される潰し合いに負ければ、一方的な試合もありうる。空中戦の点でも、枝村に掛かる責務は大きい。また、制空力のある両CBに対し、単純に阿部に頼る攻撃では跳ね返される可能性が高く、3列目から飛び出してFW、或いはウイングとしてフィニッシュに絡む動きも求められる。最近、頓に「貴族化」の進む枝村だが、春先の運動量を取り戻せるか。

●石垣勝矢 1987.08.22生 [180cm/65kg]
 前述の通り、190cm代の加藤広やハーフナー、抜群の制空力を持つ谷口・奥山(3)らを揃える横浜のセットプレーには、警戒が必要である。ならば、現在のチームで空中戦最強を誇る石垣にも、出番が回ってくるかもしれない。ただ、逆に本職のFW陣は技術と速さに長じた抜け目のない選手が多く、ユースのスピードには慣れていないためなのか、時折ふっと集中力を切らす傾向は、早急に改善する必要があるだろう。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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