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やすみ日記
梅子
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2014年07月05日(土)
「ミナペルホネン」皆川明さんトークセッション

「ミナ ペルホネン」のデザイナー皆川明さんのトークセッションに行ってきました。

「ファッションとサステナビリティ〜ミナ ペルホネンといっしょに考える、ちょっと未来のファッションのこと〜」というお題でした。
リコロンと京都カラスマ大学と同志社大学が主催。
トークセッションのお相手は、京都精華大学講師の蘆田裕史先生。
お二人共、シンプルな白シャツ姿でした。
デザイナーというと、個性の強いトンガった人をイメージしてたのですが
皆川さんは自然体の、ふんわりした方でした。
蘆田先生は、読み込んで付箋を貼りまくった皆川さんの著書を片手に、トークをすすめられました。
ミナペルホネンは京都にも直営店のあるファッションブランド。
20年前、皆川さんが一人で始められたそうです。

★デザイナーになるきっかけ
皆川「高校時代、陸上をしていて、ファッションの道に進むことは全く考えてなかった。
高校卒業後、バックパックでヨーロッパを旅行していたところ、パリでファッションショーのバイトをしたことがきっかけ」

★デザイン学校へ。
皆川「文化服装学院の夜学へ進みますが、課題ができず、1年留年。
ファッションショーに出す服も友人に縫ってもらい、
3年間で、自分で作った服は1着だけです」

★ファッション業界への疑問
皆川「不器用だったから逆に、自分は何年やればプロになれるだろう? と興味がわきました。
セールはどうしてあんなに割引できるのか? 
早いサイクルで流行が移り変わる世の中でいいの?
といった疑問から、服だけではなく、システムを作ることを考えました。
ミナペルホネンではセールをしていません」

★ハギレ
皆川「ミナペルホネンでは4年くらい前から、
ハギレでバッグを作ったり、ハギレの詰め合わせをお店で売っています。
薄利で倒産していく生地屋さんが多く、アイデアがあっても形にできない人が増える。
モノづくりの現場がダメになっていくと思いました」

★レンタル
皆川「ファッションブランドとして変わった試みですが、ミナペルホネンの服はレンタルしてます。
糸から作ったりしているので高価な服が多く、学生さんにはなかなか買ってもらえない。
でも、着てもらわないと良さはわかりませんので」

★循環
皆川「究極の目標は、服を長く使ってもらって、循環しなくても良い社会。
今、椅子をつくってますが、裏地は違う色にしています。
10年経ってすりきれたら違う色が出てきて楽しめるように」

★永続性
皆川「洋服は、好きだから着るもので、丈夫だから着るということはない。
トレンドと関係なく美しいもの。主観が大事」

★ファストファッションが流行っているけど、買い手についてどう思う? 
皆川「どうも思わない。
作り手が、魅力ある商品を作れるかどうかの方が問題。
安さ速さがもてはやされるのは、作り手の問題だと思う。
長く使う良さを体験してもらい、人生が楽しくなることを伝えられていない。
手間がかかってるから美しい、というのは違う気がするけど、やはり、美しいものは手がかかっていると思う」

★東京以外のお店を、京都と松本に出したのはどうして?
皆川「古い町並みが好き。ローカルの良さがある。
京都は昭和2年のビル、松本は築100年の元薬局に出店してます」

★ファッション教育について思うことは?
皆川「近江商人の三方よし(売り手・買い手・社会)という言葉がありますが、
私は、作り手(デザイナー・工場)の満足も大事だと思います。
家具屋だった祖父母から学びました。
ミナペルフォネンでは、生産の工程を見せる展覧会をしています」

★いい服ってどんな服?
皆川「感情的に満足。使ってる時に幸せ。機能として優れている」

<客席からの質問>

■ミナペルホネンの一番の魅力とは?
皆川「自分たちの最善を尽くしてることです。
でも、魅力はお客さんが思うことなので、自分たちから言うことはないです」

■永続性のある商品だと、経済が動かなくなるのでは?
皆川「それでも、好きなものを長く使って、感情が満足する方がいいと思う」

■着物のいいところは?
皆川「着物は、余り布が出ず、100%使えるところがいいです。修理して、長く使えますし」

■着物から、洋服に取り入れたい部分は?
皆川「洋服って、色・素材感でスタイリングするものですが、
着物だと、季節感・場所にあったストーリーでスタイリングできるところです
ブラウスとスカートとバッグを、草原・空・鳥の柄にしてみるなど、ストーリー性を洋服で表現できるといいですね」

■ハギレを売った利益の使い道は?
皆川「児童福祉施設の進学支援をしてます。年間に二人、大学に進学しました」

■実体験が大事ということを伝えるために、何かしてますか?
皆川「何もしてないです。
無理に働きかけても意味がないので。
自分が良かったと思うことを言うのみです。
私は手に覚えるのが遅くて、幼稚園の頃、泥団子をつくるのも苦手でした。
ただ、ゆっくり覚えるから、その分工夫をします。
専門学校時代も、部分縫いが綺麗に縫えなかった。
今は、図案と形のみ決めてます。
みんなの得意を集めればいいと思います。
安く沢山作ってる人とは競争しない。
今のやり方が性格に向いてると思います」

<感想>
長く先のことまで考えて作ってるんだな(椅子の話にビックリ)ということと、
優しい話し方で、押しが弱いのが印象的です。
でも、人がついてくるんですね。

「作り手の満足が大事」。潰れたブランドもいっぱいある中で、理想を20年貫き通してるって凄いことです。
デザイナーって、デザインだけじゃなくて生き方とか思想も売ってるのですね。

<会場にて>
司会の持木さんが、ミナペルホネンの着物を着てはって、超可愛かった!!
写真じゃ伝わりにくいんですけど、 近くで見ると、花柄の総刺繍なんですよ。
色も綺麗だし細工は細かいし、素敵すぎる。
帯も刺繍です。可愛い。

キャプチャ1


私は、後ろに座ってた方から、「帯可愛いですね。どうやって結んでるんですか? 帯留めは自分で作ったんですか?」と色々聞かれました。
こちらのブログの方でした)

隣に座ってた方は銘仙をリメイクしたワンピースを着てはって、可愛かったです。
お客さん9割方女性でしたが、可愛い方が多かったなぁ。

帰りは、寺町通を歩いて、新島会館から河原町駅まで帰りました。
後ろを学生3人組が歩いていて、ファッション業界の未来や「皆川さんの話が聞けてよかった」ってことを、熱く語ってはって、微笑ましかったです。

<今日のコーディネート>
そらこさんの半幅帯。
キャプチャ3