■映画の感想です。映画館で観たもの中心。普通にネタバレしてるのでお気をつけください。
■好きなのはハリウッドエンターテイメント。邦画は苦手。イケメン俳優に甘いです。美しい男を発掘するのがライフワークです。
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2004年09月25日(土) 「17歳の処方箋」

こっちの映画もサリンジャーサリンジャーと謳われてましたが「16歳の合衆国」とは全然カラーが違います。ていうか15,6の少年が家出してニューヨークを放浪するだけでサリンジャーだライ麦だと宣伝するのはそろそろやめようよ(笑)。でもまあ、それなりに面白い映画ではありました。サリンジャーつながりで言うならちょっと「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」に近いかな。いや話に共通点はないんだけど、なんていうか、ほろ苦いコメディといった趣。

大人たちに反抗して退学を繰り返す17歳の少年イグビーが、家出してNYに行って女の子と知り合ったりして引き戻されて、ずっと疎んじていた母親の死を経験し、そうして外に向かって歩き出す、みたいな話。こんな風に書くと割とありがちなストーリーに聞こえるかもしれませんが中身は結構ユニークで、とにかく登場人物達がかなり個性的。高圧的で自信家な母親、イグビーが子供の頃に精神を病んでしまった父親、本心の見えないエリートの兄、金の亡者である資産家の名付け親、彼の不倫相手、NYで出会った大学生、等々。これらの人の間でイグビー君は逃げて、藻掻いて、自由になろうと放浪する。独創的な話の流れなのであまり共感度は高くないものの、一風変わった仕上がりになっていてこれはこれで良い感じだと思います。

主演のキーラン・カルキン君はすごくのびのびと演技してて好印象。さらにその他のキャストが非常に豪華(しかも私の好きな人たちが集合)なので、顔ぶれ見てるだけでも満足でした。特にライアン・フィリップが良かったー!何となく「ゴスフォード・パーク」を思い出した。こういう、キレイだけど何考えてんだかわかんないような役いいね!似合ってるよ!それにしても30目の前にして大学生役に何の違和感もないんだからこの人も童顔だよなあ…(笑)。




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17歳の処方箋 【IGBY GOES DOWN】

2002年 アメリカ / 日本公開:2004年
監督:バー・スティアーズ
出演:キーラン・カルキン、ジェフ・ゴールドブラム、スーザン・サランドン、
アマンダ・ピート、ライアン・フィリップ、クレア・デーンズ、ビル・プルマン
(劇場鑑賞)


2004年09月24日(金) 「16歳の合衆国」

これは意外な拾いモノだったなあ。決して万人向けではないです。少々リリカルに過ぎる感じで映画としての完成度も高くはない。でも例えばサリンジャーが好きな人とかは何かしら感ずるところがあると思う。そういう作品でした。いや私が言うんだから間違いないよ(笑)。サリンジャー(厳密に言うと「ライ麦」のホールデン)を意識したことは監督自身もインタビューで明言してたし。

ごく普通の16歳リーランド君がある日唐突にガールフレンドの弟を殺してしまう。殺された少年は知的障害を持っていて、リーランド自身も彼女と一緒によく面倒を見ていたのだった。なぜリーランドは殺人を犯したのか? 
日本においても少年犯罪が多発する近年、この手の事件がおこるとメディアは必ずネット依存だの引きこもりだの育った環境だの家庭問題だのを持ち出して「心の闇」とか何とか謎の言葉を大仰に掲げて犯罪者としての背景を作り上げるじゃないですか。それが無意味だとは言いませんけど、でも、そうやって画一的なものの見方で理由をつけて犯罪者というレッテルを貼るだけでは見えてこない部分も確実にあると思うのね。リーランド少年は独白します。「彼等が求めているのは『理由』だ。僕に謝罪させ、母親や父親の所為だと言わせたいんだ。あるいは映画やテレビの影響だと」 ―― 理由なんて、実は彼自身にもはっきりとは説明できない。彼は普通の少年でした。暴力的でもないしドラッグにおぼれてるわけでもない。彼を殺人に駆り立てたのは哀しみです。この世は哀しみに満ちているというティーンエイジャー特有の切ない悟り、そして絶望。

サブカル用語に「セカイ系」というのがございます。これは端的に言うと、自分自身で感覚できる範囲のみをこの世の全てだと受け止めてしまう世界観のことだそうで、サリンジャーなんかもこの一派と言われておりますが(笑)、要するに多感な年代にありがちな心理状態なわけで、そのへんが、この映画では上手く表現されていた(と思う)。リーランド君は人より鋭い感受性を持て余しています。まるで神経が肌に露出しているかのごとく、感覚が異様に鋭敏になっている。だから少年院の教師の浮気を匂いで敏感に嗅ぎ取ります。その種の不実と犯罪との違いがわからない。NYのカルデロン夫人の哀しみが胸をよぎる。
被害者の少年ライアンは、リーランドの目の前で、木の枝によって塞がれた通学路を一生懸命自転車で乗り越えようとしたのでした。ただまっすぐに進むことしか知らない純粋な魂。ほんの少し横にずれて障害物を回避することすらできない。この卑俗で理不尽な世界では彼は、この先ずっと同情や嘲笑の対象としかなり得ないだろう。そして彼自身もそのことを心得ているだろう。それは16歳のリーランドにとってこの上ない、絶対的絶望的な哀しみだったのです。

「人生は断片の総和よりも大きいのよ」とカルデロン夫人は諭します。合衆国というのは複数の支分国が連合して構成する国家を指しますが、リーランドは鋭すぎる感受性ゆえに受け止めた断片を統合できなかった。それが原題「THE UNITED STATES OF LELAND」なのだと思います。




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16歳の合衆国 【THE UNITED STATES OF LELAND】

2002年 アメリカ / 日本公開 2004年
監督:マシュー・ライアン・ホーグ
出演:ライアン・ゴズリング、ドン・チードル、ジェナ・マローン、
クリス・クライン、ケヴィン・スペイシー、レナ・オリン
(劇場鑑賞)


2004年09月23日(木) 「バイオハザード 2 アポカリプス」

うあー楽しかったですよ! でもまあ、まず最初に断っておくと、私は原作ゲームのファンなのでこの映画に対してもたぶん評価が甘いです。しかも現在ちょうどリアルタイムにラクーンシティでアウトブレイクしてる最中なので無駄にテンションも高いです。おそらく今日の感想はゲームのバイオ知らない人にとってはまるで意味不明かと…おまけにネタバレしてます……すいませ……。

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お話は第一作目の続きで、アリスが目覚めて街に出るところからスタート。この荒廃した街の風景なんかがいかにもゲームのバイオって感じでとても良かったです。ビジュアル的によりゲームの世界に近くなった感じ。
それで今回はジルも出てきたりするんだけど、これがまたゲームそっくりなジルですげー感動。ほんとにあのままなんだよ!しっかしやけに露出度高いコスだなあと思ってたら、彼女ラストエスケープではデフォルトでああいう衣装だったんですね。いや私の記憶の中のジル(=最初のバイオハザード)は専らS.T.A.R.Sの制服姿だったからさ(笑)。いきなり色っぽくてビックリしたよ。(これ以外にも今回はラストエスケープをモチーフにした部分が多いらしい。)

あとゲームそっくりと言えばリッカー。見た目はもちろん動き方とかも超リッカーだった。リッカーって、トカゲのでっかいみたいなあの舌が長いモンスターね。それでジル達が教会でこいつらに狙われるシーンがあってね、あーリッカー相手にハンドガンじゃ心許ないよなあーとかプレイヤーマインド120%で見ていたら、颯爽とアリスが現れてド派手に退治してくれるわけだ。いやあ圧巻だったねぇ!そりゃもうダンテもビックリなカプコン的スタイリッシュぶり(今回のアリスの超人ぶりはダンテに匹敵すると思います)。まあデビルメイクライと見紛うような華麗なるアクションはひとまず置いておくとしても設定面でゲームに忠実で嬉しいというか、つまり、例えばここでベレッタ2,3発で簡単にリッカーが始末できたりしたらマニアは興醒めなわけですよ。奴らグレネードランチャーとか使って倒す敵だから。そのへんも含めて序盤のこの教会シーンは今回の映画の中で一番好き。非常にカプコンぽかったと思う。妙な誉め方だけど。
追跡者(ネメシス)もほとんどゲーム通りの見た目だったし(ロケットランチャー持って登場だぜ!)、ゾンビ犬も出てきたし、あとはハンターでもいればモンスターは完璧だったネ! 通常の人間ゾンビももちろん出てきますが、すごかったですよ数が(笑)。あわわどうしようこれじゃ弾が足りないよ!と自分のことのようにうろたえました。引き続きプレイヤーマインド120%。

ただ、ストーリーが後半ちょっとイマイチだった気はします。救出する・脱出するということよりも人間同士の戦いになっちゃうし、それに「さあどうぞ手合わせしてください」と言われて始まるラスボス戦なんてありえないだろ普通!しかも武器なし(格闘)で!(笑)

そんな感じでバイオ好きな一オタクとしてはたいへん楽しめました。でも一人で観たので見終えた直後の興奮をその場で発散できなかったのが非常に悔しかったです。周り見回すといかにもバイオやってそうな人がたくさん一人で観に来ていたので(仲間?やっぱそういう映画なのこれ?)いっそ片っ端からつかまえて語り合いたかったです。(やめて!)
あと毎回思うけどパンフレットもオススメ。映画にかかわることだけじゃなくてゲームの紹介とか銃器の解説とか充実してて大好きだー。






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バイオハザード 2 アポカリプス 
【RESIDENT EVIL: APOCALYPSE】

2004年 アメリカ・カナダ・イギリス / 日本公開:2004年
監督:アレクサンダー・ウィット
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、シエンナ・ギロリー、ジャレッド・ハリス、イアン・グレン
(劇場鑑賞)


2004年09月21日(火) 機内上映先取り3本「エターナル・サンシャイン」「ステップフォード・ワイフ」「マイ・ボディガード」

ということで先日の旅行の行き帰りの飛行機で観た3本です。まあ機内上映だし吹き替えだし窮屈なエコノミー席で機内食食べたりトイレに立ったりしながらの鑑賞なのではっきり申しまして話をきちんと把握できてませんことをご了承ください。以下感想というよりはあくまで印象。あんまり信用しないでね。いずれも今年中には日本公開される模様。
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※ 一部ネタバレ含みます。知りたくない人は空白部分を反転させないように!
※ 一言感想のつもりがえらい長文になってしまいましたすみません。1日1本、3日くらいに分けて読んでいただくとちょうどいいかもしれません…。



■ 「エターナル・サンシャイン」 →公式

これが一番くせものだった。いちおう真剣に観てたはずなのに内容がイマイチきちんと頭に残ってないんだよね。吹き替えに慣れなかったのか(耳からよりも目から情報入れる方が得意なのよ…)、あるいはジム・キャリーが苦手ゆえ無意識に集中できてなかったのか。
ストーリー説明するとネタバレになってしまいそうなので念のため隠しますが、脳をいじって特定の記憶だけを消去する話。と書くとまるでアフレックさんの「ペイチェック」のようですが(笑)ぜんぜん違って、ジャンルはラブコメ。いや、コメディではないか。静かなラブロマンスといったところ。「記憶」「思い出」「気持ち」、形を持たず目にも見えないこれらの言葉の微妙な違いについてしみじみ考えさせられる。
ジム・キャリーはコメディ路線ではなく素朴で不器用な青年を演じてます。むしろこっちが素に近いのかな。相手役のケイト・ウィンスレットはもう、こういうぶっ飛んだ役ピッタリだね。ハマり役だと思いました。脇ではキルスティン・ダンストちゃんやトム・ウィルキンソンなどが出ています。結構豪華だな。あ、それからイライジャ・ウッド!偉大なフロドの直後にこんな役でいいのか〜(笑)。

季節が冬で、映像全体が寒そうな色合いというか冷たい質感というか、そのあたりの雰囲気がちょっと「忘れられない人」('93)を思い出させたな。



■ 「ステップフォード・ワイフ」 →公式

ああやっぱり邦題だとステップフォード「ワイフ」になっちゃうのね!(笑) だったら昔のを踏襲してそのまま「ステップフォードの妻たち」にすればいいのにー。原題はTHE STEPFORD “WIVES”、あくまで複数形なのだということをここで改めて強調しておこう。

高級住宅地ステップフォードに引っ越してきたらそこに住む妻達はみな夫に従順で個性がなく異常なくらいに完璧な主婦だった。一体裏には何が…?という話。私オリジナルの方は観てないので比較ができないのですが普通に面白かったです。こういう話だったんだ。内容的にも現代にマッチしたアレンジになってたと思うな。理想を追いたいのは男の方なのか、女の方なのか。いえ、永遠のヲトメであるわたくしは決してウェリントン夫人を笑えませんわ。自分勝手な王国を築き上げ、そしてわたくしだけの完璧な殿方にくちづけてその生首を抱きうっとりと目を閉じる(←完全ネタバレにつき反転注意)、あゝ、そんなこと、いつの日か私自身もやってしまいそうですもの。

キャストがみんな適役でした。主演のニコールもそうだけど夫役のマシューもいかにもって感じだし、あとウォーケン様!やーやはりこの方の魅力というか迫力というか存在感は既に人間離れしてる域ですねあらゆる意味で(笑)。素敵すぎます。ベッド・ミドラーも久々に見たよ!せっかくだから一曲歌ってくれてもよかったのに!(無理)
ところどころにちりばめられた小ネタも面白かった。オーリィ君の写真とかヴィゴ様Tシャツとか(笑)。マイクの名前の由来にも地味に笑いました。



■ 「マイ・ボディガード」 →公式

つうか「マイ・ボディガード」って!ぜんぜん原題と意味違うじゃんよ! このタイトルがこの映画のことだとは調べるまでまったく気付きませんでした。
これは結構バイオレンスです。邦題に騙されて甘い話を期待してはいけません。資産家の子供誘拐が頻発するメキシコを舞台に、仕事でガードしていた子供(ダコタ・ファニングちゃん)を攫われたデンゼル・ワシントンがすさまじい復讐劇を繰り広げる。
スローモーション多用とかカメラワーク、バイオレンスぶりスタイリッシュぶりなど映像全般はいかにもトニー・スコットといった感じ。話もなかなか引き込まれるものがある。ただそれだけにキャラを上手く生かせてないのが残念だったなあ。デンゼル・ワシントンの過去とかもっと説明があっても良かったと思うし、それにウォーケン様! や、こっちにも出てるんですよクリストファー・ウォーケン。出てるんですけど、「ステップフォード・ワイフ」に比べると非常に勿体ない中途半端な使われ方でした。どうせなら悪役に回った方がよかったんじゃないの?(笑) あとなんか身体が妙に太ってたのは役作りでしょうか。顔はまあ普通なんだけどお腹周りがちょっと…。私はスリムな方が好きですウォーケン様。
ダコタ・ファニングちゃんのおしゃまさんぶりは相変わらずアッパレだな。この子はこの歳で既に自分を見せる術を心得てるよ。もうお見事と言うしかありません。愛くるしい子供を完璧に演じてました。

あーあと、これは内容とはぜんぜん関係ない極めてヨコシマな戯れ言なんだけども、大の大人が幼女の虜になり我を忘れて殺戮に走るという、デンゼル・ワシントンのこのロリっぷりは個人的にかなり萌えでした。いかにもロリな人じゃなくあえてデンゼル・ワシントンが演ってるところにグッとくるというか、自分じゃ硬派にオトシマエつけてるつもりで実は幼女相手にメロメロになってるだけ、しかも本人その自覚はないみたいな感じがなんとも最高。もしもこのへん狙って撮ったなら私は愛を込めて心からの賞賛を送りたいよトニー・スコット。でもこの人「ハンガー」('83)みたいな耽美モノも撮ってるし「スパイ・ゲーム」('01)なんかある意味レッドフォード×ブラピ熱愛映画だし(えっ違うの?)「トゥルー・ロマンス」('93)ではロマンチックと暴力殺人を同価でミックスしちゃってるし、振り返ってよーく考えるとなかなか侮れぬ不健全経歴(超私好み)の持ち主。意外と狙ってやってるのかもな。…ってなんかヨコシマな話の方が長くなってしまいましたが、とにかくこれ、「レオン」なんか軽く超えてロリータ殿堂入り映画だと思います(笑)。

そうだそれから聖書の引用の時「ローマ人への手紙」を“ローマじん”って言ってたのが気になった…普通“ローマびと”だよねえ…ああやっぱり色々苦手だ吹き替えは。


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サラッと流そうと思ってたのに書いてるといつも長くなる…ほんとすみません。ここまで読んで下さった方ありがとう。この飛行機で行ったNY旅行記もアップしてますので、ご興味あれば、よかったら見てやって下さいねー。→コチラ(別窓開きます)





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エターナル・サンシャイン
【Eternal Sunshine of the Spotless Mind】

2004年 アメリカ / 日本公開:2004年(予定)
監督:ミシェル・ゴンドリー
出演:ジム・キャリー、ケイト・ウィンスレット、
イライジャ・ウッド、キルスティン・ダンスト
(2004年9月機内鑑賞/AA)


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ステップフォード・ワイフ 【THE STEPFORD WIVES】

2004年 アメリカ / 日本公開:2004年秋(予定)
監督:フランク・オズ
出演:ニコール・キッドマン、マシュー・ブロデリック、ベット・ミドラー、
グレン・クローズ、クリストファー・ウォーケン
(2004年9月機内鑑賞/AA)


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マイ・ボディガード 【MAN ON FIRE】

2004年 アメリカ / 日本公開:2004年12月(予定)
監督:トニー・スコット
出演:デンゼル・ワシントン、ダコタ・ファニング、クリストファー・ウォーケン、
(2004年9月機内鑑賞/AA)






2004年09月20日(月) 「キング・アーサー」

※ ネタバレしてます注意!




うーん、大好きな娯楽大作系だしそれなりに楽しくはあったんだけども、何となくイマイチ感漂う後味でした。私の場合話の展開に多少難ありでもツッコミ入れて楽しめる方向の作品なら気に入ってしまう傾向にありますが(「タイムライン」とか「デイ・アフター・トゥモロー」とか)、そういうのともちょっと違うんだよね。いや、ツッコミ入れるところがないという意味ではなくて(笑)。

なんつーか題材からしてもう少しスペクタクルなものを期待していたんだけど、「トロイ」なんかと比べると(比べちゃいけない?)ずっと地味。戦闘シーンとか。即物的なことだけじゃなくて内容的にも、「キング・アーサー」というタイトルの割に描かれてるのは王アーサーじゃなく騎士としてのアーサーとその仲間達って感じで、むしろ捨て身で活躍してるのはアーサーより仲間の方なんですよ。それともアーサーが王になるまでの物語として受け取るべきなのかなあ。でもどっちにしろアーサーという人物に威厳や魅力があまり感じられないというか、なんか悲痛な顔で仲間の死を悼みながら次のシーンではもう幸せそうに結婚してるし、…ってそういやグウィネヴィアも瀕死で救出された割にやたら回復が早かったな(笑)。結構ちゃっかり者な印象だよ主役の二人。

アーサー以外の騎士達は良かったです。特に予告の段階で目をつけていたランスロット!素敵だったわよ!でも結局死んじゃうんだもんー。君これからグウィネヴィアと浮気しなきゃならんのに(笑)そこで清らかにくたばってどうするよ! あと私的にはトリスタンもお気に入り…だったんだけど、こっちも…。うう、いい男ばかり殺すなよブラッカイマーさんよぅ。

個人的にはクライヴ・オーウェンて主演よりも脇で出てきてキラリと光るタイプの役が似合うような気がします。「ゴスフォード・パーク」とか、セクシーでミステリアスでいい感じだった記憶が。確か「ボーン・アイデンティティー」でも一瞬出てきてたよな。あれはほんと、一瞬で勿体なかったけど。




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キング・アーサー 【KING ARTHUR】

2004年 アメリカ / 日本公開:2004年
監督:アントワーン・フークア
出演:クライヴ・オーウェン、キーラ・ナイトレイ、ヨアン・グリフィズ
(劇場鑑賞)


2004年09月11日(土) 「ディープ・ブルー」

これはすげぇ!すげぇよ!なんつーか純粋に映像に驚いた。どうやって撮ったんだと思うような映像満載。大いなる海とそこで暮らす生き物の姿を克明にとらえた海洋ドキュメンタリーです。

海そのものの映像ももちろん壮大なんだけども、何と言ってもやはり生き物たちの姿が壮絶です。特に冒頭で出てきたシャチの狩り。シャチが浜辺でちゃぷちゃぷ遊んでるかわゆいアシカの子供を襲いに来るんですが、その様子がえらい残酷でちょっと鳥肌たちましたマジで。なんていうか、見たくないのに目が離せない感じ。こんなの子供に見せてもいいんだろうか…「フリー・ウィリー」とか観て育った子は絶対ショック受けちゃうよ!(笑) でもね、浜辺まで狩りに来るシャチの方でも座礁の危険を冒してる。厳しい生存競争の一環なわけです。

それから海の中の様子、珊瑚礁が続く浅瀬から光の届かない深海まで、月並みな表現で申し訳ないんですが本当に未知の世界です。陸に棲む我々のものとはまったく異なる世界が、そこにはある。魚全般をはじめタコとかクラゲとか深海魚とかって奇妙な形してるよなーなどと私は常々思っていたけども、あれはそれぞれ海の中で暮らすに最適な姿なんだよね。変だと感じるのは陸で生きてる人間の視点で見てるからなんだ。と、今更のようにそんなことを考えて一人で納得。こういうの見るとついつい神の存在とか持ち出したくなっちゃうのですが(特定の宗教の神ではなく概念としての広義の神ね)、それは知識や想像を超えた未知なる世界を垣間見た衝撃に対して、自分の気持ちに折り合いをつけるためなんだろうなあ。少なくとも積極的信仰を持っていない平均的日本人の私にとっては。

無論ショッキングなものばかりじゃなくてかわいい映像もたくさんありました。とりあえずペンギンがかわいかったです。というか私これ見て初めてペンギンが鳥だということを理解しました。だって飛んでるんだよ!(嘘じゃないもん!)
あとシロクマ親子。いやシロクマってほんとにかわいいんですねY澤さん(笑)。なんか親子で出てきて氷をダーン!ダーン!って叩いたりして、それでイルカ捕まえようとして失敗してずぶ濡れ(しょんぼり)。ちょっと悲哀を秘めてるところがなんとも可愛らしい。

音響なんかも迫力あったし(ちょっと過剰な部分もないではないが)、こういう作品こそアイマックスで上映してくれればいいのになーと思いました。大画面で体感したいものです。ただこの映画、映像はほんとにすごいんだけどそのすごい映像を単純に並べて見せてるだけなので、構成面には期待せずあくまでドキュメンタリーだと割り切って観た方がいいかもしれません。同じようなジャンルでは例えば「WATARIDORI」の方がずっと映画としての完成度が高かったと思います。
公式サイトは→コチラ。綺麗な壁紙たくさんDLできますよ〜。



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ディープ・ブルー 【DEEP BLUE】

2003年 イギリス・ドイツ / 日本公開:2004年
監督:アラステア・フォザーギル
声の出演(ナレーション):マイケル・ガンボン
(劇場鑑賞)



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※ちょっと旅行のため一週間ほどネット落ちする予定です。レスとか滞りますがすみませんー。しかし9月に入ってから映画すごいたくさん観てるのに半分も更新できてない…。帰ってきたら頑張ります。


2004年09月08日(水) 「Re:プレイ」

新宿で公開されてる時から観たい観たいと思いつつ結局行けないままだった本作、来てくれましたよ新橋に!もう喜び勇んで駆けつけました。ありがとう新橋文化劇場。大好きだ。女性はいつでも700円という信じがたい価格破壊の二番館、いかがわしさも都内一(コラ)。今度はぜひ「テッセラクト」あたりお願いします(これも見逃した)。


※ 以下内容に触れてるのでこれから鑑賞予定の方は読まないで下さい。


こういう映画は何書いてもネタバレに繋がるようで説明が難しいんだけど、とりあえず主演のライアン・フィリップが病院のベッドで目を覚ますところから本編スタート。彼はどうやら過去二年間の記憶を失っているらしく状況をまったく理解できてません。今が2002年だという医者の言葉も信じられない。それで不安定な精神状態のままMRI検査を受けてたらいきなり奇妙な男の幻影に襲われて、必死の抵抗の果てにハッと我に返るとなぜか今度は二年前(2000年)の同じ病院にワープ。そうかさっきのは夢だったんだ、この2000年こそが本当の現実なんだ、…と思ったのも束の間、彼はそれから自分の意志とは無関係に2000年と2002年を何度も行き来することになるのでした。繰り返し繰り返し「リプレイ」する。そうして時折よみがえる記憶の断片を拾い合わせながら、自分に何が起こったのか探ってゆきます。

ざっくりジャンル分けしちゃえばサスペンスということになりますが、主人公が過去(2000年)に戻った時に起こした行動が現在(2002年)にも影響してきたりしてちょっとSFっぽい感じも面白い。さらに全体的には心理ホラーとして仕上がっているので一粒で二度三度美味しい印象がありました。私こういうの好きだなあー。オチがズルイよ!という意見もあるかと思いますが(笑)、私はオチそのものよりそこに至る過程の方が大事だと思う。ラストのどんでん返しに頼る作品よりも観てる間中ハラハラできる映画の方が楽しいじゃないですか。その点この映画は優秀で、悪夢が延々無限ループしてるような緊迫した閉塞感が見事だった。観客には主人公と同じ視点しか与えられてないので何がなんだかわからない当惑感も味わえます。ところどころに意味ありげなセリフがちりばめられていて、なんか観終わった後にもう一回確認したい事項が結構あるなあ。これ「“アイデンティティー”」の脚本家が書いた舞台劇を映画化したんだそうですね。なるほど納得。あれが大丈夫な人はこの映画もきっと楽しめるんじゃないかな(私はむしろこっちが好きだ)。ところでこの原題は激しくネタバレだと思うのですがいかがでしょう(笑)。邦題の「Re:プレイ」の方がタイトルとして気が利いてると思うぞ。

主演のかわいいライアン・フィリップたんも好きですが、なにげに兄役でロバート・ショーン・レナードが出てたのですごい嬉しかったです。顔見たの久しぶりー。「テープ」以来かな。あとこれまた久しぶりのスティーブン・レイなんかも出ていてさすがの胡散臭さでした。面白かったー。公式サイトは→こちら!



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Re:プレイ 【THE I INSIDE】

2003年 アメリカ / 日本公開:2004年
監督:ローランド・ズゾ・リヒター
出演:ライアン・フィリップ、スティーブン・レイ、パイパー・ペラーボ、
サラ・ポーリー、ロバート・ショーン・レナード
(劇場鑑賞)




2004年09月07日(火) 「リディック」

うわー長髪髭面ヴィン・ディーゼルを初めて見たYO!(なによりもまずそこに衝撃)

スターウォーズとマトリックスとターミネーターのいいとこ取り出して混ぜ合わせたような壮大な予告編をさんざん見ましたが、蓋を開けたらやっぱりヴィン・ディーゼルの肉体アクション映画でした。や、決して文句言ってるわけじゃなくて、これはこれで楽しかったです。私けっこう彼のこと好きなので。
それでストーリーの方は、極悪非道な犯罪者、銀河系のお尋ね者であるリディックがいろんなところから追われまくるという話、……なんですが、あのーちょっとすいません、リディック全然悪人に見えないんですけど!(笑) だって行く先々でいちいち人助けしてるんですよ。なんか動物(動物…?)ともしっかり仲良くなってるし、いっそ善人だと思います。前にも書いた気がするけど、役柄はともかくこの人っていかつい身体のくせに眼差しがかわいいというか優しいというか、とにかくどうしようもないイヤな奴には見えないんだよなあ。ワルはワルでもこう、曲がったことが嫌いな筋の通った不良みたいな? え、「ワイルド・スピード」と混同してますか私。でも「ノックアラウンド・ガイズ」とかもそうだったしなあ。「トリプルX」も似たような感じじゃない?

あと、ほんと全然どうでもいい話なんですけど、敵側のリーダーが頭にかぶってた兜というか防具を一目見た時から「阿修羅像!」とか思ってしまって、なんかもうそれからずっとこの人が出てくるたびに可笑しくて可笑しくて大変でした。そんなくだらないことで見当違いに笑いを堪えていたのはおそらく日本中で私だけだと思います。おのれの鑑賞レベルの低さが身に沁みた一日でした(今更)。それとくだらないついでにもう一つ言わせてもらうと、同じく敵側のヒロインみたいな人のあのアイメイクはちょっとやりすぎだと思う(笑)。パンダだよあれじゃ…。と、そんな感じで敵側の人がみんな微妙に面白かった映画です。いや、そんな感想は間違ってるな。えーと、だから結局、ヴィン・ディーゼルの人の良さを堪能する映画です(ってこれもなんか違う…)。まあいいや。楽しかったから。

ジュディ・デンチの存在意義はよくわからなかったなあ。どういうポジションの人なんでしょうか(というかそもそも何者なんだ。消えたり現れたり)。私ぜんぜん知らなかったんですが、この映画「ピッチブラック」という作品の続編だそうですね。前作観てたら印象も違ったのかも。



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リディック 【THE CHRONICLES OF RIDDICK】

2004年 アメリカ
監督:デヴィッド・トゥーヒー
出演:ヴィン・ディーゼル、コルム・フィオール、アレクサ・ダヴァロス、
カール・アーバン、タンディ・ニュートン、ジュディ・デンチ
(劇場鑑賞)


2004年09月02日(木) (雑記:不惑なキアヌ)

さあ今年も9月2日がやってまいりました。キアヌ君お誕生日おめでとうー! なななんと40歳!40歳になったらしいですよ奥さん!嘘!信じられない!私が貴方に恋したあの頃はまだ余裕で20代だったじゃないの!
そんなわけで9月2日は例年キアヌ関連作をピックアップするのが個人的習わしでしたが(→去年の9/2→一昨年の9/2)、今年はちょっと過去作観直してる余裕がなかったので新作DVD情報などサラッと流してお茶を濁したいと思います(笑)。ごめんキアヌ。愛はあるから許してね。アイラブユー!好き好き大好き超愛してる!(時事語)


■ DVD情報その1→ビル&テッドシリーズ

ちょうど去年の9/2に紹介してますね。今までも「地獄旅行」の方だけは発売されてたんだっけ?「大冒険」の方は多分初DVD化。私このシリーズ個人的に大好きなんです。映画として面白いかどうかはともかく初期キアヌの 盛大なアホっぷり 貴重なカワイ子ちゃんぶりが拝めるのでおすすめ。マトリックスなキアヌしか知らない人なんかはこれ観て軽く衝撃を受けてみるとよいと思います。いや、私ほんとにこの頃のキアヌが好きなのよ。11/10から期間限定発売。

あーこれであと「ラジオタウンで恋をして」がDVDになってくれたら言うことないんだけどなー。あの映画大好きなんだけどなー。出たら絶対絶対買うのになー。



■ DVD情報その2 →「恋愛適齢期」

今年3月に公開された本作、いよいよDVD化です。こちらは11/29日発売。ラブコメとしても普通に面白いし、何よりこういうジャンルでキアヌが大してボロも出さずに格好良いキャラを演じてるのはたいへん珍しいことなのでこの機会にぜひ観てやって下さい。キアヌの白衣姿に「ありえない!」とかツッコミ入れてみるのもまた一興。(こんな言い方して本当にファンなんだろうか私は)
それはそうとひそかに気になっているのが特典映像。上でリンクはったワーナーの方には「未公開シーン」としか書いてないんだけど、こっちには「1.未公開シーン ゛Karaoke」と……あ、あの、Karaokeってカラオケですか…キアヌ恒例の意味不明な歌や踊りが今回はなかったからホッと胸をなで下ろしたところだったのに、実はやっぱりやってたんでしょうか。「スウィート・ノベンバー」みたいに歌ってたらどうしよ…あるいは「ザ・ウォッチャー」みたいに踊ってたらどうしよう…。………。…ま、まあ、ほんとにカラオケシーンだとしてもキアヌだとは限らないしね。ダイアン・キートンかジャック・ニコルソンが歌ってるんだよねきっと。(などと言いつつキアヌが歌ってるのならそれはそれで見てあげたい親心<親心って)


■ 新作情報 →「CONSTANTINE」

うー本国アメリカですら公開は来年の2月、日本に来るのはいつになることやら…。いちおう予告編はもう見られます。が、この程度じゃまだ何とも言えないなあ…。レイチェル・ワイズは「チェーン・リアクション」に続いて二度目の共演ですね。キアヌと共演するしレイフと共演するし(レイフとも二度目じゃん!)ジュードとも共演してるし羨ましいことこの上なし。



あと最近はキアヌ結婚説なども囁かれていたそうですが、これは本人がきっぱり否定したらしいのでみんな安心するように(笑)。40代に突入しても今までと変わらず元気に頑張って欲しいです。また日本にも来てね!お誕生日おめでとうー。


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