保育園時代、ひょんなことから、S公園のS池にカッパがいると子供たちの間で話題になり、以来、クラスはことあるごとにカッパと交流する生活を送ってきた。
そのうちカッパは「かっぱのすけ」と呼ばれるようになり、たとえば、子供たちが公園に行って手紙を置いて遊んでいると、いつのまにか手紙がなくなり、かっぱえびせんが置かれていたり。かっぱのすけから手紙が保育園に届いたので、お礼にキュウリを池のはたに置いて遊んでいると、帰るときにはやっぱりキュウリは消えていたり・・・というような不思議な出来事が次々と起こる。そのうち、親も一緒になって、カッパのデザインをあしらったTシャツ(もちろん親子お揃いの)を作って着たり(遠足には子供たちお揃いのカッパTシャツで出かけた!)、卒業アルバムもかっぱのすけが欠かせないキャラクターとなった。
かっぱのすけは子供たちの一番の心の友だったのだ。
小学校に上がって1年間は新しい生活に夢中で、かっぱのすけのことを忘れてしまったかに見えた。4月に1年生が入学してきてお姉さんお兄さんになった2年生は、もう子供扱いされなくなり、小学校の中で主役では無くなった。そんな今日この頃、ノイノイは、妙に保育園をなつかしがるようになった。
近所に散歩に出たとき、通りかかった保育園の柵にかじりついて中を見つめるノイノイ。全然離れようとしない。やっと帰る気になったかと思ったら玄関の前まで行ってもいい?と聞くので保育園の玄関まで行くと、見知った先生が気づいてくださり、ついには中に入ってなつかしい先生に再会してきたりした。それが昨日土曜日のこと。
そして、今度はカッパだ。
かっぱのすけにまた会いたいと言い出して聞かない。
こんな手紙を書いて、
裏面はこんなふうにして、
どうしてもかっぱのすけに渡したいと言ってS公園に行く。
保育園のころのように、S池の傍らにそっと置いてきた。
ちょっと遊んでからまた戻ると手紙が無くなっていてかっぱえびせんが置かれているはずだと言って、そわそわしながら遊び、10分も経たないうちに手紙を置いた場所を見に行く。
でもね、手紙はノイノイが置いたままの形で残っているの。
ガックリと肩を落とし、半分泣きそうになるノイノイ。
もう、保育園の子じゃないからかっぱのすけには会えないんだね・・・。
がっかりしたまま家に帰り、そのまま昼寝(ふて寝)
夕方気を取り直してTSUTAYAに行き、長い時間かけてDVDを選んで借りた後自転車に戻ると、なんと、ノイノイの前カゴにかっぱえびせんが!!見つけたときのノイノイの嬉しそうなこと!
きっとかわいそうに思ったかっぱのすけが手をびゅーーーんと伸ばしてノイノイのカゴに置いてくれたんだね。でも、きっとこれが最後だよ、だってもうノイノイは保育園の子じゃないんだもの。ね、ありがとうって言って、さようならって言おうね。
そんな話をしてかっぱえびせんを食べましたとさ。
| |