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2001年11月09日(金)
で、リピートすると

なんとか仕事を片付けて渋谷へダッシュダッシュ…って、渋谷、歩きづらいんじゃー!ひとが邪魔なんじゃー!しかも雨だし。顔中に四つ角を貼り付けてガスガス歩きシネマライズへ。渋谷は嫌いな街だがこの映画館は好きだ。席の段差が高いので前に大きなひとが座ってもスクリーンを遮られない。

原作(おもしろすぎ)読み読みリピートしていたが、今回は全部読み終わっていたので細かいとこがいちいち面白かった。気になるとこもいろいろ。

●レサマ・リマが「このコロッケは上顎にくっつかない」って言った理由がわかった
●ハビエルさんの睫毛は隙間なく生えている
●ベニシオさんは身長190cm↑で、ハビエルさんはもっと背が高いらしい。でもそのハビエルさんよりデッカかったペペ役のひとって一体…2mくらいあるんですか。ちなみにレサマ・リマ役のひともハビエルさんくらいおっきかった。皆バレー選手ですか
●つーかペペ男前
●トマス役のひとがかわいい。最初ラサロが出てきた時「トマス生きてたのね!(泣)」と思った。似てないか?やー、トマス、いいやつだったよね…(涙)
●ラサロすてきー
●ハビエルさんてチャーミングやな〜。ちょっとした笑顔とかがいい。味ありすぎ
●つーかキューバって…

リピーターも多いのか、今回ビクトル中尉にうっとり妄想のシーンとか「出国してよし!」のとことかがやたらウケていた。あ、あとボンボンの運び屋っぷり。「そ、そんなに入るん?」みたいなどよめきが(笑)。

ポスター欲しいんだけど雨だしどうしようかなあ…あと1回は来たいし今度にしようか…でも行けないかも知れないし…と迷いつつグッズ売場へ行ったらちゃんと二重張りのビニール袋(と言うか、これはひょっとして傘袋では…)に入れて売っていたので買って帰った。へへへ(嬉)。明日パネルに入れよう。



2001年11月10日(土)
『ソロ・アンソロジー』『ノーアート・ノーライフ』

本日は芝居はしご。

◆レニ・バッソ×珍しいキノコ舞踏団×発条ト『ソロ・アンソロジー』@スフィアメックス

ずっと気になっていたのになかなか行けなかったコンテンポラリー・ダンスもの。今回はタイトル通り各カンパニーの主宰(北村明子、伊藤千枝、白井剛)がそれぞれ20分のソロを披露するオムニバス。

いっぺんに3タイプのものを観られるおトク感はあったが、時間が短かったなーと思ったのも正直な感想。でもその分、それぞれのフルプログラムをきちんと観たいなとも思わせられたので、初見としては面白かった。

演奏も振付に組み込むレニ・バッソ「dovetail」、時計の秒針とメトロノームの音のみで展開する発条ト「衝動とミディアムスロー」は全くタイプの違うもので刺激的。人間の身体の動きの美しさと面白さがガチッと出ていたところは共通していた。

いちばんの目当てだった珍しいキノコ舞踏団「ウィズユー2」。伊藤さんを観るのはリチャード・フォアマンの『マインド・キング』以来。生意気の手掛けたアートディレクションやammakasie nokaの音楽含めかわいいキテレツさ。来年3月に原美術館で『フリル(ミニ)』の再演をやるそうなので是非行きたい!(初演行きたかったのに年末で公演期間も短くて行けなかったんだー)

◆ナイロン100°C『ノーアート・ノーライフ』@本多劇場

最前ド真ん中がとれてしまい緊張。

意外と言えば意外?ケラ初の男芝居。温水洋一さんがナイロン初出演ってのも意外。大人計画時代から近そうなところで活動してたのですっかり出てたものと思ってた。

いやー痛い!いやーいいタイトル!芸術家って結局なんなのかしら。商業的に成功しちゃダメなのかしら、クスリと酒に溺れて苦悩してないとダメなのかしら、生きてるうちに評価されたらダメなのかしら、女に食わせて貰うのがいいのかしら。いちばん才能のあるひとがいちばん最初に創作をやめちゃったりする理不尽さ、自分のやりたくない事に限って世間に評価されてしまうやりきれなさ、贋作の面白さと奥深さ。イコール「全てのアートは編集である」。

ケラは自分の書くものに自覚的だし、ものを外に向けて発表する事に腹が据わっている。作家としては当たり前の事の筈なのに、本当にこれを実践出来るひとはそういない。だから観ていて気持ちがいいし、自分の考えと違うと思う事を書かれても納得出来る。石野卓球と同じ風通しの良さを感じるなあ。

役者陣は勿論皆面白い!三宅さんみのすけさん大倉くんらナイロン組は外部で観ても面白いけどやっぱナイロンでしか観れない妙さがいいよー。みのすけさんなんて先月はテネシー・ウィリアムズの芝居に出てたんだもんね!山崎さん温水さんも正攻法でやればやる程面白い。廣川さん大山くん吉増さんもツボの押さえどころが絶妙。あのヘンな間はナイロンでしか観れない。

しかし大倉くんは観れば観る程面白い分心配になる。余計なお世話ですが。笑われれば笑われる程本人悩みそう。そこがまた面白かったりするんだけど。いや…高橋洋くんに近いモノの臭いがするのよ…追いつめれば追いつめる程面白いものが出てくるって言う。バランス感覚を失わないでくれればいいけど。いやホント余計なお世話だけどね…。

それにしても最前は大変!面白くて大変!スイカ割ったら匂いが漂ってくるし!タバコ吸えば煙が流れてくるし!大倉くん見上げるのが大変だし!(笑)首がガチガチに…そ、そんなにやる気出して買ったチケットじゃないのに…(笑)。

あと「出(で)禁止!」がしばらく自分内ではやりそうです(大笑)。「出入り禁止」の「出」だけが禁止ね(笑)あ、あと近かったおかげで大倉くんの手の綺麗さを堪能出来ました〜。きれいや〜。…つうか、大倉くんの凄いファンみたいだなあこの文章。いや、凄いファンなんですけど。



2001年11月11日(日)
『メメント』

これはヘタな事書けないわ〜…ネタバレ云々言うより先入観がなければない程面白いと思うよ!1回目はまっさらで観た方がいいよ〜。

初見はとにかく「やられた!」のひと言。序盤は素直に10分ずつ遡るストーリーに付いて行っていたが、途中ちょっとしたズレが起こる。そこからが「え?え?あれあれあれ?」と言う間にエンドロールが〜。や〜ら〜れ〜た〜!

あのー田舎の方はご存知かもしれませんが、山を登る列車って(ウチの地元的には汽車と言う)一気に傾斜をのぼれないから3歩進んで2歩下がる、ジグザグ運転ってのをするんですよ。あれ車に弱いひとは酔うんですけど、あんな感じですよ(この例えで解るのか)。かなり頭の中をひっかき回された。繰り返しなので飽きやすいひとはダメかも。

レナードがとにかく気の毒で可哀相ででもかわいくて。彼のぼんやりくんなクセにタフな生き方には、人間てはかない生き物ね、でもしぶとくてしたたかな生き物ね、としょんぼりしたり元気が出たり。

あと音がいい。音楽もなんだけど、車をロックするときの「ぴょる」って音がね〜、やたら何度もあってね〜、頭を回るのよ!あれにはかなり不安感をかき立てられた。

6月くらいにボックスオフィスベスト10で初めてこれの映像を見て、「ガイ・ピアースに似てるひとが出てるねえ」とか言ってたら本人だったと言う(笑)彼のカメレオン・アクターっぷりは健在。でもかわいさは隠せないね!金髪にしてヒヨコちゃんの様だわ!そりゃナタリーもいぢめたくなるでしょうよ、「ふふふふ、忘れておしまいなさい!」ってな〜(←言ってません)。

そしてこの映画の前に流れた『修羅雪姫』の予告編を観ていて気付いた、ピアースさんと伊藤英明って鼻から下が似てる。鼻から上は正統派の二枚目なんだけど、鼻から下の骨格が全体的に出っ張ってる。これがちょっと間の抜けるかわいさの所以だね!ちなみに伊藤くんはウチではわんわんと呼ばれています(顔に落書きされた犬っぽいから)。

閑話休題。リピート決定だがあの混雑さでは次回いつ行けるやら…。今度はサミーの話のとこをもっと集中して観るぞ!



2001年11月14日(水)
いまさらなおぼえがき

『ノーアート・ノーライフ』

大倉くん(まだ言いたりないか(笑))は『ピンポン』の撮影の為スキンヘッドになっていたので、前半はヅラだった。後半は服役後って設定だったので(贋作絵描きだったんで捕まった)そのままの頭で出てた。坊主くらいに迄は髪のびてました。

『ピンポン』楽しみだなー。クドカンだし!窪塚くんだし!大倉くんはアクマ役だそーですが。や、ハマりそう。

『GO』もはやく行かなければー!

考えてみれば来年の『彦馬がゆく』、松重さんに大倉くん伊原さんってエラい平均身長高いメンツですな(笑)。う、後ろの席がいいな(前だと見上げ過ぎて首がガチガチになるから)。や、チケットまだ抽選中なんですけど。とれますように!



2001年11月16日(金)
おわかれねー

『夜になるまえに』が最終日なので、シネマライズへ行く。

今日意地でも定時で帰ろうと月〜木曜日に大残業した為、疲労困憊で予告の時点で寝る。ペペがレイナルドをナンパするあたりで目が覚める。あああ!最終日なのに!

●ペペに「扁平ケツ!」と言われた後、お風呂場で鏡見て気にしてるアレナスがおかしいよー
●コロッケもだけどアイスもうまそー
●原稿をカマチョに持ってくとこ〜凧が飛んでるとこが好きだ!ああ好きだ!曲ともども!
●ピニェーラに助言されつつガンガンタイプライター打つとこも好きー
●テーブル上のバレエも好きー
●ビクトル中尉、片眉に傷付けててさりげなおしゃれ

そんな訳で今夜でアレナスとはおわかれ。明日からシネマライズではアメリだね。

仕事で作ったカレンダーが出来てきた。もう今年も終わりかい!はやいよ!



2001年11月17日(土)
広い世界を見るのだ

映画はしごの日。

待ち合わせ前に新国立劇場のショップへ行って、6月に上演された『贋作・桜の森の満開の下』のプログラムを買う。当時交通費くらいしかない程の赤貧で行ったので、プログラムなぞ買えなかったのさー(トホホ)。いつか古本で見付けてやると思っていたところ、11月からショップでバックナンバーの販売を始めたとの事で、嬉々として初台へ。やー、思い出すな思い出すな。良かったよなー素晴らしかったよなー新国立のレパートリーに入れたのだからまた数年後にやってくれるかな。

ところで新国立、2003年のレパートリーに鴻上さんの『ピルグリム(仮)』が入ってるんだけどこれはあの『ピルグリム』!?(仮)となっているからには書き直すのだろうけど。キャストはどうなるのかな。

渋谷へ移動、さて何本観れるか。以下ネタばれありですよ。


『まぶだち』@シネ・アミューズ・イースト

本日初日で、予定外の舞台挨拶に遭遇。ラッキー。

タイトルのあっけらかんさとは裏腹に結構重たい中身。が、ラストはもの悲しさを含みつつ爽やか。担任教師の典型的な嫌らしさがいかにもって感じで閉口したが、その教師が時々真理をついたいい事を言うので、「なんでそれが判ってんのに生徒をああ扱うかねえ」と思う。その反面この教師はひょっとして偽悪者なのかなとも思わせられて、性善説を信じたくもなる。信じたくともそれが理解されない時も多い。理解しあえないまま別れたり死んだりしてしまうのは仕方のない事かも知れない。誰も責められない。

嘘吐きだけど面倒見はいい、でもそれは自分が必要ないと思われるのが怖いからと言う主人公の男の子と、その“まぶだち”二人の、風が吹けば飛んでしまう様な危うさは歯痒くもあり羨ましくもあり。

技術の教師の「え、ええ?な、なにっ?」って受け答えが良かったな。臨場感ありありでドキドキした。


『ソードフィッシュ』@渋谷パンテオン

トラボルタ、ああトラボルタトラボルタ。トラボルタって凄い名字だなあ。トラでボルタですよ。瞳がすんごいアイスブルーで綺麗だなー。でも下膨れちゃんで変な髪型なのなー。それが格好よく見えるのは何故なのだ!二挺拳銃ですよ!マシンガンですよ!映画談義ですよ!いやー…格好いいよ…カーチェイスんとことかもう最高!

爆破シーンは流石で、大画面で観て良かったなと思った。CGも格好いい。ハル・ベリー(ステキ〜)の胸もCGかと思う程美しー。ヒュー・ジャックマンってこんなに格好よかったのね(初見)。つうかスタンリーのハッキングシーンの楽しそうな事!水を得た魚ですよ!活き活きしちゃって!しかもすげー格好よく撮ってるし。「うお、かっこええ!俺もハッカーになるう!」てひとが増えるね(笑)いや実際楽しいだろうしね…。面白さを知ったら寿命縮まっても止めらんないかもな。

ところで最後のとこ、「ジンジャーの死体が見付かってない」ってとこで、違う方向で騙されてしまいましたよ…「え、ひょっとしてジンジャー=ガブリエルだったの?」とか思ってしまってね…最初は「え、ひょっとしてガブリエル=ジンジャーだったの?」だったんですけど。変装にも程があります。CG使っても無理っちゅうねん。でもジンジャー→ガブリエルだったら、ほら着ぐるみとかで何とかなるかなとか…1分後には全部間違いですよと思い知らされましたが。バカにも程がある<自分。

『スナッチ』のビニー・ジョーンズや『トラフィック』のドン・チードル(また捜査官だったねー。今度はFBIだけど)などキャスト的にも楽しめました。ビニー・ジョーンズのブルーアイズも綺麗だよねー。

しかしこういう映画はしばらくは観れなくなるんだろうか。映画だからこそこういうのが観たいものなのにな。『オーシャンズ11』も撮り直ししてるらしいし、どうなるのかな。


『GO』@渋谷東映

主要映画館では16日迄だったが、館を移動してロングランしてくれていたので助かった!

いやもうクドカン最高!演出最高!役者最高!おねえさん涙出ちゃったわ!話が圧倒的に面白い。ハズシのツボも面白い。キャラクターが皆濃くてねえ、おとうちゃんおかあちゃんがファンキー!窪塚くんは走る姿とドロップキック姿(笑)がすんごいのびやかで観てて胸がスッとする。柴咲コウちゃんも美形で裏表がなくて。

主義主張はハッキリある。テーマ的には重い。テーマがデカいとその意味を考え出してしまって話を追う集中力が途切れてしまう事があるのだけど、この作品にはそれがなかった。ストーリーにとにかく力がある。「これからどうなるの?杉原は、桜井はどうするの?」とぐいぐい興味を引っ張っていく。何度も繰り返されるナレーション「これは僕の、恋愛に関する物語だ」。さりげない台詞に深い意味、重みのある振りをして空っぽの言葉、「20円で売ってやる」程度の民族のアイデンティティ。終始ドキドキ、最後は笑顔。

クドカン節小ネタも随所にちりばめてあっておっかしー。「しゃぶしゃぶさせろよー」とか「おばちゃんに角がはえてんだよお!」とか「ヤス、牛乳飲むんだよ!階段落ちすんだから!」とか。くーだーらーねー!(大笑)でも絶対外せないよこれ!

あといろんなとこにニヤリとしちゃう役者さんがちょこちょこ出ていて面白かった。田中哲司さんとか温水洋一さんとか森下能幸さんとか。おかあちゃんに「ヤスだぁ!」と騒がれて「プライベートなんで…」と困り顔の平田満さんとか(笑)お、おもろすぎ。

この行定監督の作品って初めて観たのだけど、テンポがよくって気持ちよかったー。オープニングのキャスト名がガンガン出るとこでもうグッと引きつけられた。

主役ふたりに顕著なように、胸のすく爽快さ、気持ちよさ。快作。



2001年11月18日(日)
『シルヴィ・ギエムの「ボレロ」』

東京バレエ団全国縦断公演『シルヴィ・ギエム・オン・ステージ2001』@東京文化会館

100年にひとりのバレエ・ダンサーと言われる、シルヴィ・ギエムを客演に迎えた東京バレエ団公演。しかもモーリス・ベジャールの『ボレロ』!現在これの上演権は東京バレエ団しか持っていないとの事。お誘い頂いて来たものの、そんないーもん観られるんですかっ、いいんですか!

この日はプログラムB、演目は『白の組曲』、『ラシーヌ・キュービック』、『スプリング・アンド・フォール』、そして『ボレロ』。C席ながらも結構いい席で、全体のフォーメーションがよく見える所だったので楽しめた。ラシーヌ〜は実際に立方体の小(大?)道具を使って演技をするのだが、新体操の起源みたいなものが感じられて面白かった。

バレエは勿論芸術的な感性の豊かさが大事なものだろうけど、その美しさはスポーツにも通じるなあと思う事がある。美しいフォームは力強さを生むし、その維持力と言うものは鍛えられた身体でないと表現出来ない。身体の筋肉の美しさ、姿勢の綺麗さなども含め。

で、本日のメイン『ボレロ』。女性がメロディーを踊るボレロは初めて観るので「いったいどんな…」と思っていたのだが(やっぱベジャールのボレロと言うと、ジョルジュ・ドンに代表される、メロディーリズムともに男性ダンサーってのが印象にあるので)こーれーがー素晴らしかった!鳥肌たちっぱなしであっと言う間の15分。ぎゃー、もう終わりー!瞬きするのもオペラグラス通すのも勿体ない、固唾をのみっぱなし。ボレロを踊る時のギエムは、長い髪を全部降ろし、上半身も極薄の肌色の衣裳なので、遠目だと上半身裸の様に見えて、これがまた格好いいの!色気があるのに好色さはない、セクシーなのにそれは男女ともに魅せられてしまう、毅然とした息を呑むような美しさ。儚さと力強さが全身からみなぎっている。どんなに高くジャンプしても羽根の様なふんわりとした着地。あ、あなたは妖精ですか!?凄い、凄いよー。

カーテンコールでのギエムは踊っていた時とは別人の様に、かわいらしいお辞儀を何度もして手を振った。あんなに格好いいひとが、とてもかわいく見えた。

あーあーあー。また観たいよー。プログラムDは『春の祭典』もやるそうだし。いやホントに観て良かった。誘ってくれて有難う!また誘ってくれ!