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2001年10月25日(木)
いりきぼうず

ヤクルト優勝おめでとう〜。今となっては特に応援しているチームもないけれど、最近ヤクルト飲んでいるのでちょっと嬉しい。

もうひとつ嬉しいと言うか良かったねえ〜と言う事が。

3戦目のヤクルト先発の入来投手は、姉の小学校の同級生。

小学生だと男女の境なく遊ぶもので、入来兄も遊びに来たりしていて、ウチのガラスを割った事がある(笑)。今の姿から予想もつくでしょうがわんぱく坊主で、私もいぢめられましたヨ!

その頃から野球は得意でリトルリーグにも入っていて、ご両親も熱心な方だったので、高校は越境入学で鹿児島に行ってしまい、それきりなんだけど、ウチの実家では今でもこのひとの事をいりきぼうずと呼んでいる。

近鉄に入団した時は、「うわープロって凄いねえ」と言っていて、その後弟さんが巨人に1位指名で入団して「兄弟して凄かったんだねえ」(弟さんとは面識なし)と家族で喜んだもんでした。その後兄はいろんなチームを渡り歩き、巨人に入った時も「兄弟で活躍して凄いねえ」と言う感じ。

ところが兄は巨人を解雇されてしまいしょんぼり。弟も怪我と不振に悩まされ、去年は散々。

が、今年はふたりとも好調で。兄はテスト入団したヤクルトで活躍して弟も復活。兄弟でオールスターに出たり。今年は特に兄弟でいろんなとこでとりあげられてたなー。

で、火曜日の3戦目。初の日本シリーズ先発で、いてまえ打線をピシャリと抑えてくれましたー。派手なガッツポーズがトレードマークになってますが、姉に言わせると「投手年齢としてはもー結構なトシだから、ああして気合いを入れないと踏ん張れないのよ」だそーですが、いやあホントによかったよかった!日本一おめでとう!

いりきぼうずは私の事なんか憶えてないだろうけど、影ながら応援してますよ。



2001年10月26日(金)
山の手事情社『Fairy Tale』

1ヶ月振りの青山円形劇場。山の手公演ではあったものの、脚本は平田オリザ、衣装プランが加納幸和で、青年団やク・ナウカの役者が客演。実質P4の公演と言ってもいい。P4のホームグラウンドとも言える利賀フェスには行った事がないので、これはP4の活動成果としても興味深く観れた。

随分前からこの公演は決まっていたし、チケットを買ったのも9月ド頭。が、ここでも9月11日を境に演じる方も観る方も以前と違った頭で臨んだ所はあると思う。私は初演には行ってないので尚更だ。

明日テロを決行しようとしている革命家達の、最後の打ち合わせ。計画に納得していない者、革命理念はよくわかってないけど何故かやる気満々の者、早く家に帰ってヤリたい者。アジトになっている、普段はいわゆる社会人として生活している夫婦の家には、町内広報誌の編集をしてほしいとお隣さんが上がり込んでくる。リーダーの決断に納得いかない者の意見がひと通り出た所に、当のリーダーがアジトに到着。リーダーはクマのきぐるみを着ている。そうか、このグループのリーダーはクマなんだ…と言うトホホ感。

結局革命して何になるのか?そもそも革命って何なのか?安田さんが演出ノートに書いてる通り、政治目的のテロ行為はユートピア論にもなり、共存が無理なら棲み分けのシステムを考えなければならない。そのシステムが弱者への圧力にならない様にする為には?そんな事は可能なのか?それよりも家に帰ってごはんを作って彼氏を待ってセックスする方が大事じゃないか?そんなふうに論議しているうちに、何が本題かわからなくなっていくイライラ感や、男女のドロドロ感と言うか、直接的な行為は何もないのに(むしろ山の手メソッドでそれを“型”化している)そこはかとないエロさが立ち上がってくるのは、安田雅弘演出の醍醐味だと思う。やっぱり好きだなあ安田さん。鈴木勝秀さんと並んで好きな舞台演出家。

同時に複数の会話が舞台上に成り立つ部分や、無意識にひとを傷つける悪意のない故に罪な言動を意識的に使う手法等は平田オリザのそれだったが、山の手の公演としても面白いものだった。ただ、内容が内容なだけにかなり悶々として観た。明後日のカタログシリーズは毎回楽しい内容なので、これでバランスとれるかな。



2001年10月27日(土)
『バッド・ニュース☆グッド・タイミング』

今年は『Vamp Show』再演もあり2本の三谷幸喜作品がパルコ劇場で観れた。嬉しい。しかも今回2列目ド真ん中と言うとんでもない席がとれてしまった。三谷作品でこんな前とれたの、TOPSの『99連隊』以来だよ!

キャパが100人ちょいのTOPSから500人のパルコ劇場に変わっても、このひとの作品はやっぱり面白い。役者さんも絶対外さないので安心してチケットがとれる。今回は三谷さん本人が徹底的に拘っているコメディを更に突っ込んで「含蓄も何も感じさせない、メッセージなど何もない、とにかく笑って笑って2時間のあと駅に着く頃にはストーリーを忘れてしまってもいい」ものにしたいと言っていた。観客も勿論笑いに来てる姿勢満々なのでレスポンスが凄い!何も考えずにゲラゲラ笑いっぱなしでもう頬骨が痛い!腹筋痛い!笑い皺くっきり!

伊東四朗さんと角野卓造さん演じる元漫才コンビ、エントツトンカツがサイコー。伊東さん何やってもおかしいよ!角野さんは真面目にやればやる程笑える。久野綾希子さんのおおらかママも最高。沢口靖子さんは角野トンカツの台詞にもあったけど「フランス人形の様に美人」だったー。すんげーきゃわゆい〜。生瀬さんがメロメロになるのも解るよ!その分ボケボケ振りも凄い破壊力です。でもいちばん芯がしっかりしてて土壇場に強いのもこの新婦だったなー。

新婦とその両親、自分の父親に散々振り回されて終始泣きそうな顔の生瀬勝久さんもよかったー。一時期どんどん痩せてくので心配だったんだけど戻らないって事はこれがベストの体重なんですか…いや大丈夫ならいいんですけど。顔のパーツがいちいちデカい!手がデカい!脚長い!スタイルいい!新郎の衣装が決まりすぎ!声も無駄にいい!走る姿が美しい!ああ大好きだー!槍魔栗時代から好きですよ!と言いつつそとばこまちは最近観に行ってなくて、座長引退したのも知らなかった…このひとの脚本演出仕事も好きだったので時々はやってほしいです。

そしてストーリーを完全にコントロールしていたのはこのひと、八嶋智人さん。もうあんた面白過ぎや!助けてくれ!オープニングの仕切りといい卑怯だよ!なんでそんなに態度デカいんだ!おかしすぎる!伊藤正之さんも状況を飲み込めないまま伊東さんに怒られたり叩かれたりして泣きそうになってんのがもう最高。どんどん汗が出てきてんのがまた笑えて。かわいそうやーでもおかしいよ!

なんだよ結局全員がいいんじゃん!いやこれが三谷作品を安心して観れる根拠ですよ。次回の『彦馬がゆく』再演も楽しみです。松重豊さんをはじめキャストもまたいいしね!

散々笑った分、再結成の話は勘違いが生んだものだとコンビふたりが気付いて、しょげた時の劇場の静まりは“効いた”。三谷さん、やっぱり笑ってだけじゃすまなかったよ…狙ってるでしょ!涙出ちゃったよ。

考えてみれば三谷さん、名前が幸喜。コメディ作家としては最高の名前だね!



2001年10月28日(日)
山の手事情社『jam 2001』

本公演よりも人気があって役者が悩んでいる(笑)山の手の本領発揮、カタログ・シリーズvol.6。

メニューは、四畳半システムの実践と説明、歩行と滑舌の基礎稽古、家族椅子取りゲーム、メイクマシン、親切が徒になる空間、弁論大会のフリーエチュード、観客からお題を貰って15分で芝居を1本作るショートストーリーズ、ものまね試合、山の手独自のダンスとも言えるルパム。

フリーエチュードの強靭(狂人?)さの面白さと難しさを追求していた90年代前半の山の手が、今の山の手メソッドを始めた最初のものがルパムではなかったかな。自分の身体を自由自在にコントロール出来る迄鍛えられた役者さんの身体や姿勢は美しい。その鍛えられた肉体を使ってここ迄バカな事(失礼)をやれてしまうとこがまた格好いい。三村さんの「死ぬ気でやれ!」と言って爆笑されてしまう役者陣のド根性と言うか、役者魂と言うか、役者としての意地とプライドがガッツリぶつかりあう瞬間は大笑いしながらも感動しちゃうよ!

特に家族椅子取りゲームと親切が徒になる空間は、ちょっとでも隙を見せるとあっと言う間にはじきだされてしまう、喰うか喰われるかの緊張感が物凄い。観客は爆笑、演者は必死なあまり目が血走ってる。今日は山本さんがどんどんはじかれて可哀相でした(笑)家族に入り込もうと話し出した途端三村さんに「TV消せー!」って切られちゃったからね(=家族になろうとした山本さんをTVの中のものと設定してしまった)。うーんうーんどう説明すればいいんだ、実際観たらあんなに笑えるのに!わかんないひとは次回のカタログシリーズを観て下さい(笑)。

ものまね試合は、以前ジァン・ジァンでやった『ぴん』でも大ウケだった三村さんの「自己紹介」と水寄さんの「ひとりぐらしじゃん」をまた観る事が出来て嬉しかった!いやーもうこれ名作!

来年1月にまた『ぴん』があるそうなんで、今から楽しみで仕方がない。山の手はホントに面白いよ…どんどん外に広めていってほしいもんです。あ、あと内藤さん、一刻もはやく引っ越して下さい。心配です。次の公演楽しみにしてますよ。またお手紙書きますねー。

それにしても。昨日に引き続き今日も笑い過ぎで顔が痛いのよ…。



2001年11月01日(木)
事は成り行き次第なんて口癖やめろよ

…おっしゃる通りです、小林建樹さん。語感とイヤーキャッチを何よりも考えて歌詞を組み立てる、よこしまの塊だから(笑)、と言う割にズパーッとした事書くよねえ。あまり歌詞聞くタイプではないのだけれど、このひとの言葉は聞き流せないものが多い。高畠俊太郎と同じ位好きな詩人だわーと思ったり。…そういや、ふたりとも根無し草っぽいよね(笑)年齢聞いて心配になったり(笑)。

もともとは大好きなギター弾き、窪田晴男が最近ひとりのアーティストにつきっきりらしいよ!との話を聞いて、「ならよっぽどのクセ者に違いない」と思って学祭のライヴを観に行って、その帰り道にはもうCDと年末のワンマンライヴのチケットを買っていた1年前。久々にハマッた邦楽男性アーティストなもので、ライヴも女の子が多くてドキドキしてしまったり。スタンディングであんなに身の危険を感じずに観れたライヴは久し振りでした(笑)。

演奏と歌の集中力がとにかく凄い。インストアライヴでもそうなので、あんた、最後迄持つん?とハラハラしそうなハイテンション。窪田が言うには「毎回点で物事と付き合う、演奏をしてても前の演奏の事を持ち出す事が少ない、3分半くらいの間に自分を全部投げ出せる集中力があると言う事で、ポップスをやるには向いている」。聴く方にビシビシ来る訳だ。その分消耗度も凄いかもしれないけど。

サポートの方々も凄腕の方ばかり。と言っても窪田以外何をしてるひとなのか全然知らないままで、ライヴで観て凄いワーと思っていた所、最近教えて貰ったサイトでベースのナスノミツルさんはグラウンド・ゼロのメンバーだった事が判明。ナスノさんが来れない時はバカボン鈴木さんだし、ここらへん自分が昔から聴いてきた音楽と繋がってるもんだなあと面白かったりする。

9月に出た3枚目のアルバムも良かったし、今月末のワンマンも楽しみだなー。窪田さん、いろいろと心配なんで、ついててやって下さいよ…。



2001年11月03日(土)
シアターガイド

9月上演の読者投票で、『欲望という名の電車』が作品1位、篠井英介さんが役者1位、久世星佳さんが4位、スズカツさんが演出家2位。うーれーしーいーなー!つーか当然よ!おーほほほほほ!(キャラ違ってます)

だってホントに良かったもんよう。辛口いいたい放題のえんぺ1行レビューでもそんなに批判めいた文なかったもんな…だって、ホントに、素晴らしかったもん…。舞台は結構な本数観てるけど、今回は一生もんのものを観たと感じた程で。

スズカツさんが2位って事は1位は誰よ!?と思ってみたら。鴻上尚史さんでした。『ファントム・ペイン』と上演期間が被ってたもんねー。早稲田劇研の先輩後輩の因縁?がここにも(笑)。

やっぱり演出家の鈴木勝秀がいちばん好きだよ…脚本仕事もいいけども。どの戯曲をやっても鈴木勝秀色が、臭いが、どーしよーもなく感じられる息詰まった感が大好きですよ。脚本家、草サッカー選手、のんだくれ、いろいろ肩書きありますが(笑)演出家の彼は心底愛してるって言えますよ!

これからは篠井ブランチがずっと観られる(筈)。本当に嬉しい。9年待った甲斐があったよ!再演再演!レパートリーにして下さいよ!そしてどんなにチケットとりづらくなっても円形劇場で観たいな…なんて、実際とれなくなったら「広いとこでやってくれ!」って泣くだろうけど(笑)。いや、スズカツさん関連の芝居で最前がとれなかったの初めてなもので…。



2001年11月08日(木)
リピート癖

観たいものは沢山あるのに、どうも気に入ると同じものを何度も観に行ってしまう傾向がある。

最初に「いくら何でも自分…」と気付いたのは芝居。でもこれは「舞台は生ものだから、毎日違うから!アドリブもあるし!」と思っていた。が、思い返してみれば芝居に限らず。

中原中也詩集を何故か5冊持っている。『霧の旗』『マークスの山』『夜になるまえに』が2冊ある。『氷点』も4冊ある。

文庫化されたらついつい、とか、出版社ごとの装丁や本文組みの違いとか、映画化されて新装されたりするとついつい…実家に置いてきてしまったものを買いなおしたりとか。

あと古本屋のワゴンに出されてたりするとついつい連れて帰りたく…アホかー!

レコードはCDになったから半永久的だし大丈夫!と思っていたが、やっぱり日本盤米盤英盤豪盤独盤…アホかアホかー!

映画はしばらく治まっていたのだが(過去最高は黒沢清監督の『地獄の警備員』…いや、諸事情あって(笑))今年久々にそのリピート癖に火を点けた『トラフィック』。ああ今でもどっかの映画館にかかっていたら飛んで行くよ!はやくDVD出ないかな!いやプレイヤー持ってないけど!

ちなみにベニシオ・デル・トロ表紙のTITLeは2冊ある。いや、映画誌以外でカバーストーリーなんてこれからも滅多にないだろうし!て言うか映画誌でもピンで表紙になった事ないよね確か(日本では)!?

そんな訳で明日はまた『夜になるまえに』に行く予定。16日迄だって言うから。大画面で観たいのよう。残業になりませんように!