初日 最新 目次 MAIL HOME


I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
kai
MAIL
HOME

2013年08月30日(金)
yanokami indoor festival

yanokami indoor festival@LIQUIDROOM ebisu

先週の23日、@PearlJamから“Happy birthday, Layne. We miss you!”とツイートが流れてきた。時差があるので、アメリカでは22日。思えば命日のことはよく憶えていても、誕生日を意識することがこれ迄なかった。ALICE IN CHAINSのレイン・ステイリーが亡くなって11年になる。生きていれば46歳。

その流れで最近レイン周辺の音源をよく聴いており、彼が参加していたMAD SEASONのアルバムも開いた。今年の春、デラックスエディションとして再発されたものだ。このシアトルのバンドはレインと、ジョン・ベイカー・ソーンダースふたりのメンバーを亡くしている。ライナーに、残されたメンバーであるバレット・マーティンが、ジョンの葬儀で弔辞に引用した言葉を書いていた。シアトル市名の由来となった、ドゥワミッシュ(Duwamish)族のシアルス(Sealth)酋長の言葉。「死など存在しない。あるのは世界の変化だけだ」。

ハラカミくんの誕生日に京都で行われている『広い世界』のことを思い出した。彼は今42歳。命日だけでなく誕生日のことを思い出す、と言うのはいいことだな。世界は広い。違う世界で彼は歳を重ねていると思えば、少し心が軽くなる。

-----

インドアフェスとのタイトルだったので、出演者が順番に演奏して行く感じなのかなと思いつつ入場すると、既にyanokamiのセッティングがされていた。yanokamiの演奏にゲストが絡んで行く進行なのだと了解する。アナウンスされていたゲストはU-zhaan、砂原良徳、ILLREME、森下真樹。PAはzAkさんだったとのこと。演奏は勿論のこと、構成演出も素晴らしかった。フェス自体がひとつの作品だった。矢野さんとユザーン、スタッフの方々が丁寧に、だいじに、考えに考えて作りあげた作品だ。yanokamiの楽曲、ゲストの選んだ楽曲、そしてハラカミくんがソロで作った楽曲が、普遍性を持ったまま新しく生まれ変わるさまが色鮮やかに拡がった。

矢野さんのショルキー演奏も飛び出した(!)アクティヴな「にじぞう」、矢野さんとユザーンの人力ドラムンベースのような「終りの季節」、矢野さんの“たいこだけで、やっていけるんですかぁ?”が聴けた(爆笑)「川越ランデヴー」、ハラカミくんへの手紙のようなイルリメのラップ。まりんは「Bamboo Music」「おおきいあい」ともに原曲を想起させる鋭いトラックを提供。「ハラカミくんのトラックは難しいんですよ、腹立つ」なんて憎まれ口を叩いていたが、オリジナルからのサンプリングなし、88不使用で「Joy」を完コピした彼なりの愛情表現だろう。リキッドのステージ、フロア、PA隣のスペースを自在に行き来しyanokamiの楽曲に肉体性を加えたダンサーの森下さんは、昨年の『TOKYO M.A.P.S Akiko Yano Edition』にも登場した「yanokami舞踊部」だ。「東京コシツ」は「独身男性は肉じゃがに弱い」なんて声ネタをサンプリングして使っていたハラカミくんのユーモアに通じるものがあり、思わずニヤニヤした笑みが零れる。ユーモアと言えば、まりんが辞めて十年以上経つのに「あの、電気グルーヴって、今……?」と訊いた矢野さんもすごいが「ふたりとも死にました」と応えたまりんの毒っぷりも見事。こういうとこ、彼があのふたりに挟まれ電気に在籍していたことを納得させられる要素でもある。笑いとともに一瞬場がしんとなり、慌てたように「天国でハラカミくんと仲良くやってると思います」と付け加えてまたウケていた。こういうブラックさ、ハラカミくんにもあったなあ。まりんは「おおきいあい」のオリジナル収録アルバム『グラノーラ』リリース日迄記憶していて、そういやこのひとYMOカルトQキングだったわと思い出した(笑)。個人的にもこのアルバムは、窪田晴男が参加していることもあり(しかも「おおきいあい」は矢野さんと窪田さんの共作なのだ)思い入れがある。

ずっと笑っていたけれど、「Don't Speculate」でイルリメくんが“君はこんな歌を口ずさんだ”と唱った場面(これは素晴らしく凄まじかった!音源出ないかなと思う程に…また聴きたい、聴きたい。あの言葉を全部知りたい)、「にじぞう」の演奏が始まったときには思わず涙が零れた。にじぞうのハンカチを持ってきていたのだ。まさかyanokamiで、矢野さんの演奏が加わった「にじぞう」が聴けるとは…ふいをつかれた。そして「Bamboo Music」。途中急にぼろぼろと涙を零すおおかみが頭に浮かんだ。ハラカミくんの死後一週間でこの音源がリリースされたときの、ジャケットのイラストだ。その絵が浮かんだと同時に、また涙が溢れた。

さまざまなアレンジが施され、原曲に新しい音や声が加えられることを矢野さんは「ひとんちのおにぎりみたいに感じるかも知れませんが」と独特乍らも絶妙な表現で説明していたが、「重要有形文化財は、老朽化が激しくなると本来の建物のなかを直したりしつつ後ろにビルを建てたりする。そんなふうにyanokamiビルディングを建てている心境」「去って行くひとはいるし、時間とともに忘れ去られて行くのは仕方がない。でも、レイ・ハラカミが作ったものの輝きは失われない。彼の音は唯一無二。だから私たちはどうにかしてこれを残し、伝えていきたい。固く握ったこの手を離さない」とも言っていた。いつも毅然としている矢野さん。ハラカミくんがいなくなったあともそうだった。楽曲そのものの素晴らしさを伝えるため、迷いや惑いは決して見せない。でも、この夜の矢野さんは、これ迄より少しエモーショナルだった。演奏は勿論ブレることはない。歌もそうだ。だけど、MCにそれは顔を出した。

そしてユザーン。今回のフェス開催にあたり、NYと東京、関東と関西を繋ぎ、制作やブッキング等あらゆる尽力をしていたのは彼だ。彼の存在なしで今のyanokamiは有り得ない。そうそう、ユザーンとまりんは「本人欠席なのにソールドアウトですよ。どういうことですか!」なんて言っていた。

そう、死など存在しない。あるのは世界の変化だけなのだ。レイ・ハラカミの音楽は、彼を愛するひとびとの力によって、あらゆる世界で鳴り響いている。

---
セットリスト

01. 恋は桃色
02. You Showed Me
03. 終りの季節(w/U-zhaan)
04. Full Bloom(w/U-zhaan、森下真樹)
05. 流星より愛をこめて(w/ILLREME)
06. Don't Speculate(w/ILLREME)
07. YES-YES-YES
08. にじぞう
09. 東京コシツ(森下真樹)
10. Ruby Tuesday(w/U-zhaan、森下真樹)
11. Bamboo Music(w/砂原良徳)
12. おおきいあい(w/砂原良徳)
13. 川越ランデヴー(w/U-zhaan)
14. Night Train Home(w/U-zhaan)
15. ばらの花(w/U-zhaan)
encore
16. David
17. 気球にのって(全員)
---



2013年08月24日(土)
SNATCH Vol.6『プロジェクトB』

SNATCH Vol.6『プロジェクトB』@池袋シアターグリーン BOX in BOX THEATER

オクイさんとこの(本人曰く「面倒見てる」)劇団SNATCH。これ迄ライヴハウスやクラブでの公演を打っており、今回初めての劇場での公演だそうです。今回は脚本に楠野一郎さんを迎え、「小4の狂った夢日記のような」脚本を「小2の魂で演出」しました、とのこと。いんやこれが面白かった。

「プロジェクトA」からの〜「プロジェクトB」、で、A地区に対してB地区、このB地区が音声だと「ビーチク」な訳で、そう聴こえてしまった時点でもう勝ち!ですよね(笑)こっちもああ、そういう心持ちで観るわ!てなったわ。もう終始ニヤニヤですよ。数多のアホ小ネタを全力で振り切って演じる役者陣の若さも眩しい!楠野さんもオクイさんも無茶振りするわね…とは言うものの、その振り切りっぷりに沿う若さかと言うと、そこ迄は若くないってところにまたなんてえの、ちょっとした哀愁があってまたいいわ……。ジャッキー・チェンを全く知らないと言う訳ではない、でもきっと元ネタがピンと来ると言う世代でもない、この微妙さ加減。単に若い子が振り切ってると「ああ若いもんね」って感じですが、中途半端に若い子が振り切ってるとある種の覚悟が見えて、そこにほろりときてしまったりするのです。

とは言うものの、皆さん舞台で見せる姿勢、舞台で出す声と言う基本的なことがとてもしっかりしていて観ていて気持ちがよかった。主役の子(こないだの猫背シュージに出てた子ね)なんかぱっと見ひょろっとしてておたくな感じで「30歳の童貞のカンフーおたく」って役柄にピッタリ!てな振りをしといて、実際脱いでみると腹筋がシックスパック。「30歳の童貞のカンフーおたく」だからこその鍛錬を積んでいたのだ、とはっとする訳です。この爽快さ!アクションシーンもいいキレでした。女優陣もパンツ見せるときは思い切り見せる!溌剌と見せる!その健康的なところがとてもよかった。皆さんツラ構えがしっかりしていて、キャラクターもあって、印象に残るひとばかり。当日パンフに配役表が載ってなくて残念、あの役の子は誰?とか知りたかったのに…と思っていたらオクイさんのツイートが。そういうことだったのか〜。掲載されるのが楽しみです、彼らの今後にも注目したいなと思いました。

小ネタはとにかく満載で、私もどれだけ拾いきれたか判りませんが(『誘拐報道』ってDVD化されてなかったんですね……)80年代の日本、カンフー映画の吹替、返還前の香港、ジャッキーへの愛、などなどがみっっっっっっっちり詰まったホンで、そこかしこに楠野さんの人間性がちらつくところも愛しい。そしてこれどうすんのってな無茶転換、無茶段取りがものっそいあったと思われるホンを見事に演出したオクイさんも愛しい。あと小中学生男子の性への執着に、たいへんだよね…と思いました(笑)。

スタッフワークも素晴らしかったなー。木人の子の手がかわいかった、あのディテール!まるい!指がない!木人だから!背中にくっついてるきのこのディテールもたまらんかったです。美術のひと(仁平祐也さん)すごい。そして衣裳に小原敏博さんも参加してましたよ。オープニングから派手で、シアターグリーンのキャパをはみ出す過剰さがあってそこにもおおっとなりました。このへん意識的なプランだと思いますが、そこに立つ役者たちの過剰さは最初から狙ってやれることではなく、全力でやったからこうなっちゃったって感じがまたよかった。

はーそれにしても端々にエモい地雷が仕込んであった…うっかり泣きそうになっちゃったじゃないかこのやろう。今回の作品を最後に、オクイさんはSNATCHを離れるとのこと。あのメンバーならきっと大丈夫、これからのSNATCHに幸あれ!



2013年08月17日(土)
DE DE MOUSE in planetarium『to milky way planet tour』

DE DE MOUSE in planetarium『to milky way planet tour』@北とぴあ プラネタリウムホール

昨年は七夕、今年はお盆。同じ八月中旬のライヴだけど、昨年はこのプラネタリウムツアーが始まったのが七月上旬で、東京公演もそのテーマを継続していたんですよね。今回は八月中旬からツアーがスタートなので、お盆。「七夕じゃなくても天の川はありますからね」てなことをデデくんも言ってました。

映像は昨年とほぼ同じだったかな。もともとここの会場で投影しているプログラムなのだと思います。東京以外のプラネタリウムはデジタル投影だそうで、これはこれでまた違った質感のものが観られそう、他の会場にも行ってみたい。演奏はデデくんの野蛮、やんちゃなところが出ていた。帰宅して会場限定のEPを聴いて、その精緻さとのギャップに驚いたりする。このひと最初に聴いたのがツインドラム編成のキレッキレなライヴだったので、いろんな編成、構成で聴く度その多面性に驚かされるし、観る度面白くて興味がわく。

ロビーにはででまうす提灯や、きゅうりの馬になすの牛が飾られてた。昨年に引き続き手作り感があってかわいい。場内アナウンスも事務的でない感じがいい。恒例になるといいなあ。昨年はクリスマス時期にもあったんだけど(行けなかった)冬に観ても楽しそう。開演前のBGMもテーマに沿った選曲なので、冬だとまた違う趣なんだろうなあ。

いい夜でした。



2013年08月16日(金)
さいたまゴールド・シアター×瀬山亜津咲 ワーク・イン・プログレス公開『ザ・ファクトリー3』

さいたまゴールド・シアター×瀬山亜津咲 ワーク・イン・プログレス公開『ザ・ファクトリー3』@彩の国さいたま芸術劇場 大練習室

ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団の瀬山亜津咲さんを演出・振付に迎えたゴールドシアターのタンツテアター。昨年行われたワークショップの成果を今回『ザ・ファクトリー』シリーズとして上演し、来年本公演を行うとのことです。

「ダンスの技巧に目を向けるのではなく、舞台で日常を再現する『演劇』のように、身振りや個人の体験を作品に取り入れ、個々の中にある様々な感情を仕草や表情、動きで表現する。」(当日配布のパンフレットに記されていたタンツテアターの解説)は、ゴールドシアターととても相性がよかった。一列に並んで行進したり、片足で立ち目を閉じて静止する姿は、歴史ある身体ならではの様相を見せる。とは言うものの、劇団員は六十代から八十代。「高齢者」という言葉ではひとくくりに出来ない世代差が確実にあり、そう言った意味では他の劇団と変わりはない。そして、体力的な個人差と言うものも明確になってくる。

その個人差を、ユニークなものとして見せる。集団で行う同じ動作にぐらつきはじめたひとりが「ダメだ男は。こっちでやろうぜ」と言い、男性陣がぞろぞろそれについていく。彼らは壁によりかかり動作を反復するが、やがてさぼりだす(笑)。女性たちが並んで靴下を脱ぎ、足をマッサージする動作がダンスになる。むくんでいるわ、だるいわ、と言った感じのものから、帰宅して靴下脱いでほっとしたわ、と言うようなもの迄、そのダンスはバトンタッチされていく。皆笑顔だ。裸舞台(そもそも会場が練習室なので、劇場らしい舞台はない)の左右に置かれたパイプ椅子に、ドリンクや上着を置く様子も十人十色。身体が追いつかない振付のパートで、椅子に座って他の演者を見つめるひとの姿も、スケッチしたくなるような個性ある「かたち」がある。

そうは言っても皆さんよく動くのだ。舞台に立つ身体だ。トレーニングの成果も相当あるのだろう。

ソロのパートもある。台詞もある。かつて教師をしていたのだろうか、学校に暴漢が現れたときのため、生徒に避難方法を語りかける女性。椅子に座り、ゆっくりと手足を動かす女性。練習場の壁沿いにあるバーにぶらさがり「ナマケモノ!」と言う女性。男性の頭を並べ、スイカに見立てて割ろうとする女性(大ウケ)。個人史を語る男性、杖をつき歩く男性、跳び回る男性。客演の若手(ネクストシアターの平山遼さんと市野将理さん、ダンサーの三原慶祐さん)が要所要所で彼らをサポートする。悲しみを爆発させたように駆ける女性を受け止めるパートが美しい。男女ペアになり静かに踊るパートでは、セクシュアルな空気も漂う。手をつなぐ、顔を寄せる、寄りかかる。テキスト下にあるドラマをほのかに感じさせる。それは役のものか、本人のものか。

そういえば身体の堅いネクストのメンバーのパートはウケたわあ。ストレッチのトレーニングするんだけど曲がらない曲がらない(笑)。ここにも個人差。

音楽はシャンソンが多かったかな(この辺りベジャール〜バウシュ的)。あっけらかんとしたラテンもあった。個人的に印象深かったのは坂本龍一の「美貌の青空」がかかったパート。人生の激流、立ち尽くす荒野、そこに芽吹く光。その繰り返しに寄り添う音楽たち、そして夏の虫の声。終盤、最高齢の重本惠津子さんが透き通るようなソプラノで唄う。彼女は参加するパートが多くはなかった。しかし、喉という器官は澄み切った美しい高音を奏でた。身体の可能性を感じさせる素敵なパートだった。

しかし衝撃は最後のパートにあった。男性最高齢の盒鏡兇気鵑ひとり中央へ。講談だろうか、一席ぶつ。すらすらとリズミカルに、流暢に語り終える。「こどもの頃ね、ラジオで聴いていたんです。憶えようと思って聴いていたんじゃない、ただ流れていたのをなんとなく毎日のように聴いていただけ。ある日、憶えようと思って思い出してみたんです。そしたら憶えようもなにも、憶えてた。」そしてひとこと、「まあね、ルーツなんて、たいしたものじゃないんですよ。」ぱっと暗転。

この幕切れ!人生は美しい、と言う感傷に流されそうになっていた頭をガツンとやられた。最高にクールな演出だった。最後にポン、と鼓の音が聴こえたかのよう。落語のような絶妙な「サゲ」でした、鳥肌。

そして『我らに光を ―さいたまゴールド・シアター 蜷川幸雄と高齢者俳優41人の挑戦』を読み返している。彼の、彼女の「たいしたものじゃない」ルーツがどんなに豊かなものであるか。どんなふうに作品に反映されているか確認し乍ら。来年の本公演、とても楽しみです。

-----

千秋楽だったこともあり、カーテンコールでは最後列のブースにいた瀬山さんをメンバーが呼び込んで、ハグしたり握手したり。蜷川さんや井上さんとはまた違う風が吹き込まれたと言う印象がありました。劇団の可能性はどんどん拡がる。



2013年08月15日(木)
市川海老蔵 第一回自主公演『ABKAI ―えびかい―』

市川海老蔵 第一回自主公演『ABKAI ―えびかい―』@シアターコクーン

・歌舞伎十八番の内『蛇柳』
・新作歌舞伎『疾風如白狗怒涛之花咲翁物語。〜はなさかじいさん〜』

『蛇柳』はとても久し振りの上演(1947年以来)だそうで、ほぼ新作と言っていいくらい一から検証しなおし、作っていったそうです。しかし異形の者と仏道の者の闘いと言う図式は古典芸能でよくあるもので、それに伴う動きや装置、衣裳等は馴染みのあるものでした。『土蛛』や『黒塚』と通じるものがあったり。これを観た翌日、Eテレ『にっぽんの芸能』の勘三郎・團十郎追悼特集を観ていたら、『娘道成寺』の押戻の構成と衣裳がとてもよく似ていた。大青竹で悪霊たちを追い払う場面ね。

新作『疾風如白狗怒涛之花咲翁物語。』は副題にもあるとおりはなさかじいさんの話なんですが、宮沢章夫のホンなのでただのはなさかじいさんで済む筈がないのであった。おとぎ話マッシュアップ!桃太郎も一寸法師も出てくる!白いいぬを紅で染め、名前はシロからアカに!鳴き声もワンからあややに!自然をだいじにしない人間とか、失って気付くものとか、ひとの噂から魔女狩りみたいなことになるとか、笑いを交えつつもじんわりくる。いろいろと自分を振り返る。ひとを刺して傷付けもすれば、花粉を運び新しい命が生まれる手助けをする虫の存在がポイントで、子役の福太郎くんのかわいらしさと達者な演技に客席がわいておりました。

かなり盛り沢山の内容だったので、わたわたしてしまっていた感じはしました。台詞での説明が多かったり。宮沢さんのtwitterを見ていると、年明けから何度も書きなおしたりしていたようだった。それは歌舞伎のルールに則ってのことであったり、上演時間を考慮してのようだったり、演出が絡んでのことだったりといろいろあったようなので、その流れもちょっと知りたかったりしました。どこがどのように変わったのか、カットされたのか気になるー、初稿とか読んでみたい。「あやや」の書き声は作者と演者どちらのアイディアなのかとか知りたい(笑)。

そして笑えるところ、狙ってるとことそうでないとこの境目が判らないところがまた面白くて……シロが死んじゃって桜色の灰になる場面がですね、いぬがサクラチップで蒸し焼きにされて薫製になったみたいな姿で…いぬの形のまま桜色のかたまりになるから。こう、なんて言うんですか、その前に「アカ」と言う名前から牛肉の「あか」を連想したりしてニヤニヤしていたものですから、尚更笑いのツボに入ってしまい。宮本亜門の無邪気さ炸裂!な印象もありました。宮本さんて引用がピュアと言うか、他のひとの作品から「このアイディアすごいなあ、僕のところでも使ってみたい!」と素直に出してくる感じがあって、憎めなかったりする。

フードコーナーにはABKAツサンドとかありました。



2013年08月14日(水)
『ワールド・ウォーZ』

『ワールド・ウォーZ』@新宿ピカデリー スクリーン6

た、たのしい!ブラピの眉はずっと八時二十分!Zが愛嬌ある!モブ芸!納涼〜。なんつうか、アメリカ人って…てなところも端々に。

いんやそれにしてもゾンビ祭でしたわ。ワールド・ウォーZのZはゾンビのZですよ。この映画PLAN-B製作ですよ。いや〜ブラピいいわ〜。こんなに笑えるとは……。そうそんでゾンビのモブ芸が素晴らしくてですね。これはもう人間性がとか倫理がとか家族愛がとかって教訓や啓蒙なんぞあってたまるかって作品だと了解してゲーム的にハラハラドキドキ楽しみました。いろいろとバカ映画でもある。大好き!演出もテンポよくて、その緩急にノリよくツッコミを入れられるところがいいです。

あっこんないいこと言ってるからこのひと死んじゃう!動物が怯えてるからなんかある!えっ自転車かよ!?とか、前振りや小ネタもいちいちふるってて楽しい…もう楽しい!まあそういう見方です。あとやはり主役に華があるのがよい。華がありつつ、アクション映画にあるこのひと絶対生き残る的な万能感がないとこがまたいい。何せ八時二十分の困り眉ですもの。かわいいね!

しかし観た日にちが日にちってこともあり、twitterで流れてきた神戸拓光選手のブログを読んだばかりと言うこともあり、そして日航機事故については関連書籍を結構読んでいたこともあり(ボイスレコーダーも聴いてる。今YouTubeにあるんですね。昔は個人?のサイトにあがっていた)…飛行機が墜落するシーンの臨場感はかなり恐怖。Zに襲われるところよりも何よりも、ここがいちばん怖かった。この辺りも演出しっかりしてるなあと思った。そしてあれだ、仕事を依頼した人物が死んじゃったっぽいから、保護していたその家族も放り出したれって言う考え方とか人種差別とかな…やっぱ人間がいちばん怖いってことで。

まあそっからするといろいろと置き換えられますよね。個人はいいひとなのに集団になると暴徒化するとかさ……アメリカ人てパニックになると平気でスーパーマーケットから略奪するんだ〜とかさ(苦笑)。まあ震災のときに思いましたけど、日本人その辺り穏やかですよね(多少はあったが)。しかしその分陰湿な面があったりしますしね。あと恐怖は想像力の産物なのだなあと改めて思いました。

ところで前の席の下の拾えないようなところに携帯電話が落ちててですね(多分前の回のお客さんが落としてっちゃったんだと思う)、一定間隔でブーブー言っててですね。そしたら劇中携帯鳴ってZに気付かれるシーンがあって違う意味でもウケた。やーこういうドカーンバキーンギャーが多い作品だったからよかったものの…まあそれでもうるさかったが。「携帯は切っとけよ!」(※渡辺いっけい)いちばん可哀相なのはその席にいたひとだろう。自分の携帯じゃない、なのに自分のとこからブーブー聴こえる、どこで鳴ってんのか判らない上に自分が鳴らしてるみたいで迷惑そうにされると言う……。もーホント劇場の携帯いや。音も画面もいや。ついでに勝手に写メるやつらもいや。え〜撮っちゃダメなのとか訊くバカもいや。その判断も自分でつけられんのかい(違う話題になってきた)。

※一部でしか通じなさそうなので説明すると、NODA・MAP『キル』初演で、上演中に携帯鳴らしたバカがいてしかも出なくてずっと鳴ってて、舞台上からいっけいさんがアドリブで一喝したことがあったのです。客席大ウケそして同意の拍手。同じシーンにいた篠井さんはオロオロしていた。



2013年08月13日(火)
『niji-zou ハンカチ展』

『niji-zou ハンカチ展』@KITTE H TOKYO

決して広くはないスペースに、にじぞうのでっかいオブジェがどんと。にじぞうのことを知らないひとたちが「なにあれ、かわいい」と寄ってくる。原画の展示もありました。

あらかじめ作ってあるプリントハンカチの他に、店内にあるハンカチににじぞう刺繍をアイロンでくっつけてくれるサービスもありました。刺繍入りハンカチ買って来た。かわいい。おまけでシールももらった。

店内でずっとハラカミくんの「にじぞう」が流れてた。本人がいなくても、あちこちで音楽が流れている。これからもそうであればいいと思う。鎌倉のアクセサリー店でハラカミくんの曲が流れていて、それは2011年の9月のことで、お店のひとに思わず声をかけてしまったことがある。彼の音楽が好きで、いつもかけていると言っていた。鎌倉行くと必ず寄るお店。



2013年08月11日(日)
岩合光昭 写真展『ねこ』

岩合光昭 写真展『ねこ』@ヒカリエホール A

岩合さんの写真展、百貨店のギャラリーやイヴェントスペースで観ることが続いていたので、久々に広いスペースで沢山の作品を観られて嬉しかった!海ちゃんの写真も沢山あったし……あと以前一度雑誌で観てすっごいインパクトだった鎌倉のおっさんみたいなとらねこの写真、展示で初めて観られて嬉しかったー!もうすごいんだよこのねこ…顔といいポーズといい……確か光明寺(別名猫寺)か妙本寺にいたねこ。

グッズ売り場は当然盛況。件の鎌倉のねこのポストカードもあったので、まんまとまとめ買い、ホクホクですよおほほほほ。



2013年08月10日(土)
『SHORT PEACE』

『SHORT PEACE』@新宿ピカデリー スクリーン4

「日本」がテーマの短編四本からなるオムニバス。タイトルからピンとくるように、大友克洋が基盤。とは言え『Short Peace』掲載の作品が一本もないところが面白いですね。「武器よさらば」は『彼女の想いで…』に掲載されています。

-----
「九十九」監督:森田修平
「火要鎮」監督:大友克洋
「GAMBO」監督:安藤裕章、CD:石井克人、キャラクター原案:貞本義行
「武器よさらば」監督:カトキハジメ
-----

どれも面白かったー!が、一部物足りなかったー!ははは、見せたい画とか企画がまずありき、と言う印象がありました。勿論画の美しさは文句なしに楽しみましたし、これらを再現するためにはすごい技術が必要なのだろうなあと感心はしましたが。ぶっちゃけ言ってしまうと、「火要鎮」は美術館で観る映像作品、と言う印象でした。情景を再現するための情報を見せる比重が高い。それなら美術館で観たいべ……。「GAMBO」は異形の生き物のガチンコレスリングの迫力にグロテスクさを加味したものと説明が出来てしまう辺りが惜しい。構成に関しては「九十九」がCM(と言うか、ACのCM)にも出来そうなまとまりがありました。かわいい作品。

話逸れるが今クマブームがきてて、『ライラの冒険』のイオレク・バーニソンの画像集めをしてたりしてたとこに「GAMBO」観るとさー…あのクマ虐待……もう胸がつぶれそう!ちょ、やめてよ!と言う思いでいっぱい!(泣)鬼が人間の娘さらってきて孕ませるとか、その胎児の描写とかもエグかったわー。つらい……。

個人的にはやはり「武器よさらば」にアガッた。原作の面白さやインパクトが見事に再現されており、なおかつ監督の色がはっきりした、原作から一歩踏み出したアクションシーンの迫力も堪能。東京ローズネタがあったことにもニヤリ。東京ローズのこと、先月迄知らなかったのだものなあ。いいタイミングで観た。

しかしー、前方席だったせいか画面酔い。『MEMORIES』の「大砲の街」で酔った悪夢が思い出されやばいなーと思ったが、混んでて前しか席がなかったんだよー。最後の最後、「武器よさらば」で鬼酔いした。弾道とか追ってる間にだんだん首が、肩がガチガチになり、頭痛から吐き気が……オエー。悲しい。

オープニング映像の監督は森本晃司でした。



2013年08月04日(日)
『春琴 Shun-kin』

『春琴 Shun-kin』@世田谷パブリックシアター

最終公演だそうです。2010年以外の三演拝見、2008年は一階席前方、2009年は三階席。今回は二階席で観ました。

佐吉と春琴の出会いのとこで泣いたのは初めてだったなあ…過去観た二公演では、お互いを生理的に必要としたふたりの関係性と変態性が強烈に感じられ、その辺りマクバーニーも意識的に演出していたと思う(それについては2008年の感想に書いた)。今回は佐吉の春琴への憧憬や肉体的に初めて接した女性への忠誠、そして一生彼女以外の女性とは交流しなかったと言うくだりが純粋に胸に迫った。これを一途な愛情だと安直には解釈出来ないが、他者が介入出来ない、ふたりの中にしかない閉じた世界を覗き見る感覚を持った。

とは言え、どこ迄意図したのかは判らないが、ちょっと興味深い場面があった。震災後この作品が上演されたのは初めてだったのだが、立石さん演じる女性が歳下の恋人と電話で話す場面で、「震災以降さあ、周りで結婚するひとが急に増えてさあ」と言う台詞があったのだ。「ああ〜(同意)」と言う笑いが起こった。自分の周りでも確かに多い、おめでたも多い。そういえば今回笑いの場面が結構増えた感じがした。観た回がたまたまそうだったのかな。春琴が生んだこどもが佐吉そっくりだった、と言うくだりで笑いが出た回は初めて観た気がする。

閑話休題。成河くんのメルマガにあったが、ホンにある漢字の部首迄追求し、その意味と解釈を議論し尽くすマクバーニー(このエピソード面白かったな、メルマガ以外でも公開されてほしいくらい)が、この台詞を単にイマドキの話題だからと言う理由で加えたとは思えないのだ…考え過ぎだろうか。震災によって命の危険を感じ、孤独を強烈に感じたから?自分の人生が急に愛しく、いや、率直に言えば惜しくなったから?生理的必要品としての他者を求める、セックスに限らずだ。その是非を問う訳ではないが、現象としてとても興味深い。春琴が佐吉を求め、佐吉がそれに従ったことの解釈としても、この新しく加えられた台詞は新鮮でした。

それにしても『春琴』でもあまちゃんネタを聞くとは思わなかった(苦笑)。NHKのラジオドラマを録音する、と言う設定だったからね。と言えば、ここってマクバーニーにはどう伝わってるのかな…うーん、やっぱり考え過ぎなのかな。

それにしても傑作だったなと、最終公演を観て改めて思う。もう観られなくなるとは残念です。いいチームだった。おつかれさまでした、素晴らしい作品を有難うございました。

そしてフジ帰りだったこともあり、トレント(か、あのステージプラン考えたひと)が『陰翳礼賛』を読んでいたら面白いなーと思ったりしました。NINのステージ、光と影の使い方がとても印象的だったんですよね。特にオープニング、スクリーンに映し出された五人のシルエット…のわー今思い出しただけで鳥肌たった。横にスライドさせるLEDスクリーンの移動も屏風や襖のように感じたし、黒子の存在にも日本的なものを感じた。そもそも今回のステージの参考となった『Stop Making Sense』が、歌舞伎に影響された演出だったそうです。日本文化に造詣が深いデヴィッド・バーンのいい仕事。トレントはもっと理系と言うか、日本の伝統文化よりテクノロジーの方に興味がありそうですね。それが融合するとああなる感じでしょうか。



2013年08月03日(土)
『歓喜の歌』『地下室の手記』

劇団姦し『歓喜の歌』@ザ・スズナリ

あめくみちこ、かんのひとみ、那須佐代子から成る劇団姦し、赤堀雅秋脚本・演出による二作目。そもそもは赤堀さんの作品世界に惚れ込んだ女優三人が、彼を座付作家に迎え旗揚げした劇団です。で、赤堀節炸裂でした。じわじわ来る、今来てる。ハッピーエンディングではない、でもバッドエンドではない。日常は続き、問題は解決していない。何かが起こったことで登場人物の何かが劇的に変化するとか、何かによって登場人物が前向きになるとか、そういうことはないのです。でも、何かちいさなちいさな光がある。そしてその光は唐突に出現したものではなく、最初からそこにあったものだ。気持ちが沈んでいるとき、荒れているときに気付かなかったもの。それが、ちょっとしたことで目の前で輝くようになる。

3軒茶屋婦人会『ウドンゲ』を観たときにも思ったけど、赤堀さんが自分よりも年長の、それも女性を描くときの視点と言うものが気になっています。とても興味深い。厳しいんだけど、根底に愛を感じる。赤堀さんの愛は、人間って愛しいなあ、ダメだけど。と言うもの。社会常識から外れたダメ、人間としてと言う範疇から外れたダメ、ダメにもいろいろある。あるひとから見れば、家族が死ぬってときに?と眉をひそめそうな言動も、そのまたあるひとから見ればああそうだよな、人間って死ぬものな、と納得してしまうもの。その微妙なニュアンスを掬い上げる「人間を見つめる力」、そしてそれを「微妙なまま留まらせる手腕」が赤堀作品の真骨頂のように思います。注意深く注意深く微妙を掬い上げて行くと、それは繊細になる。シェイクスピアとチェーホフの台詞の絡め方も絶妙。大仰で芝居がかった台詞を語る登場人物、それをひき気味に聞く他の登場人物たちと観客。しかし語られる言葉そのものに耳を傾けると、成程そこにはある真理がある。先人への敬意をこういった形で見せる、その照れ屋な作家にまたグッときたりしました。

「家出」した三人の女性が抱えるもの。行き着いた先で出会うひとたちの抱えるもの。あるひとにとっては深刻で、あるひとにとってはそうでもない。お互い深入りはしない。そして不在の人間へ思いを馳せる構造。現れない男たち。三人の女性の旦那や同居人、死を待つ民宿の主人。登場人物たちの口を通して、そのひととなりが浮かび上がる。「どうってことのない話」が、ひとには必要だ。とりとめのない話、何それって話。それらの話をそのように話す、役者たちの力量も見事でした。

****************

カタルシツ『地下室の手記』@赤坂RED/THEATER

イキウメの別館カタルシツ、第一回公演はドストエフスキー作品『地下室の手記』を安井順平が“実演”。チラシにあった宣伝文句「理路整然と罵詈雑言」、これってまさにイキウメ作品で安井さんが演じる役のイメージにドンピシャだったのでこりゃー楽しみだーと思っていました。いんやそれにしても、それにしても。安井さんのポテンシャルたるや。

フリースタイル?と思わせられる導入部分からあっと言う間に持ってかれる。地下室とされる彼の部屋には、シェルターのように生活必需品が置かれている。食品、飲料、電子レンジ。それら小道具をどう扱うか…観た日はカップ麺にお湯入れて放置していましたが、リッツとかもあるし、食べたり呑んだりする日もあるのかな。他の日を観たひとの感想を辿ると、実際ちょっとずつ違うらしい…うーむ、どのくらいの割合アドリブなんだろう……と、思わせられてしまうところで既にまんまと術中にはまってますね。

ほぼ原作通りとのことですが、帝政ロシアから現代日本に舞台を移し、告白を「ネット中継」する、と言う形をとっています。中継はニコ動。ニコ動なので当然レスポンスが画面に流れます。実際画面の向こう側にいる視聴者には窺い知れない「俺」、同時に画面の向こう側の視聴者にしか見せられない「俺」、中継が始まったばかりのとき視聴者がいなくてちょっとさびしそうな顔をする、画面からは見えなかった「俺」。イキウメと言えば、のあの音楽を逆手にとった演出も冴える。いい話ぽくしてんじゃねーよ!俺はここから出ねえからな!かくしてクズは地下室にこもりつづけるのであった。さて、金が尽きたとき彼はどうなっているか。資本主義って大変ですよね。

とにかく安井さんありきと思わせられる舞台だったんですが、安井さんならこれやれるでしょってああいうホンにした前川さんもすごい。ガチンコです。イキウメ客演常連だった安井さんが正式に劇団員になったのが一昨年。前川さんはこの機会を窺っていたのではないだろうかと思いました。役者・安井順平のプレゼンテーションとしても非常に優れた作品。回想として現れる「訪問者」小野ゆり子さんも、実体を感じさせる存在感で時間軸を狂わせ、印象に残りました。

イキウメ次回は客演に手塚とおるさん、しかもホラー、しかも円形!円形でやった『太陽』の恐怖描写、ホンットに怖くて逃げ出したくなるくらいだったんで期待も膨らむ!



2013年08月02日(金)
極東最前線『ハナキン☆ナイトフィーバー』

極東最前線『ハナキン☆ナイトフィーバー』@Shibuya CLUB QUATTRO

eastern youth×在日ファンク。フェスの谷間によくこのメンツ揃ったなー。渋谷のクアトロ25周年だそうで、そのアニバーサリーイヴェントに含まれてもいました。それにしても今回はすごかった…すごくよかった……。極東はいつもいいけれど、いつもガチンコだけど。

在日との対バンは二度目ですね。一度目(広島)のときタモさんが在日のメンバーに手ぬぐいとおこづかいあげた話になごんだ…「これでコーヒーでも飲みな」って。親方!そんなこんなで在日のメンバーはey兄さん!て感じでした(笑)。が、ライヴはマジだったわーハマケンのマジを見たわー。真顔だった!顔がマジだった!怒濤のメドレー格好よかった!

eyは、語らないところでメンバーも伝えたいことがあっただろうし、それはこちらも同じ。この春〜夏にはいろいろあった。まあ普段の暮らしにもいろいろはあるけどね。ニノさんのアンプのフラッグ格好よかったな、ロシアアヴァンギャルド仕様で。書かれている言葉にも感じ入りました。吉野さんも具体的にいろいろ言う訳ではないけど、ああ、と思うようなことは言っていた。

しかもかなりのレアセトリ。
街はふるさと 破壊無嶄八月 目眩の街 靴紐直して走る 長い登り坂 天沼夕景 青すぎる空 泥濘に住む男 雨曝しなら濡れるがいいさ サンセットマン 一切合切太陽みたいに輝く (en1) 夜の追憶 夏の日の午後 (en2) 素晴らしい世界

ですよ。ちょっとこれは滅多に聴けない…「夜の追憶」では何故か吉村さんのこと思い出してしまった。なんでだろな、と思ったけど、まあ歌詞ですね。風に揺れるカーテン、その向こうから見えるもの。見えないものかも知れない。そういうもの。

通常アンコール一回で、客出しで桜田淳子の「わたしの青い鳥」がかかったんだけど、拍手が鳴り止まなくてダブルアンコールでございました。だって、あまりにもよかったから。で、二度目の客出しが吉野さん×星野くんの「たいやき」だった。ここにも、語らないけど伝わること。「たいやき」は吉野製作所のsoundcloudで聴けます。
https://soundcloud.com/yoshino-seisakujyo/taiyaki

吉野さんハマケンのステップ真似てたら足がつったそうです(笑)吉野さん、ハマケンになついてるって。ハマケンに「大丈夫ですよ」って言ってもらいたいって(微笑)。