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2013年06月09日(日)
『猫背シュージ vol.5』『杮葺落六月大歌舞伎』

この日は『ゼロ・アワー』のプレレクチャーやら『私の個人主義』やら被りまくりやん!と言う日でうがーとなりましたが、結局知った順と言うかチケットとった順に行きましたよ…どれも観たかったし聴きたかったよ……あの、すずかつさん、告知もっと早く出してくださいよとひっそりつぶやく。

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『猫背シュージ vol.5』@下北沢SHELTER

約一年振り!猫背椿×オクイシュージのミニトークライブ&猫背椿の美味しい料理をいただく会=『猫背シュージ』第五回。「構成とか雑務とかトークお手伝いとか」はプロペラ犬の座付作家、楠野一郎さん。ゲストは少路勇介さんと、オクイさんが面倒見てる劇団SNATCHから三人。今回は変則メニューで猫背さんの料理コーナーはお休み、『マシーン日記』パリ公演報告会とSNATCHの新作についてが中心でした。ひとみしりと自称する出演者ばかりが久々に集ったこともあってか、なんだか皆挙動不審(オクイさんの挙動が怪しいのはいつもだが)。段取り盛り沢山だった進行楠野さんはペース配分が判らなくなったか、途中電池切れして素で「つかれちゃった…」とつぶやく始末(笑)。

それにしても、大人計画ってひとみしり多そうですよね。あんだけハジけた芝居をやるひとらとは…ホント特殊な集団だよなあと改めて思ったりしました。いや、普段からあんだけハジけてたらそれはそれで怖いですけど。猫背さんはお休みしてる間の話とかもしてくれたんですが、ご本人がtwitter等にそのへん書かないようにしているのが窺えるのでオフレコにしておこうかと思います。お元気そうでよかった!まずはドラマで復帰だそうです。以下おぼえがき。

・オクイさんを愛でる会でした
・猫背さんや少路くんのお子さんと会ったときの話とかもうね…「いつもこうなら職質されないのにね」と猫背さん(笑)
・いやほんと難しいわオクイさんて…複雑も複雑だわ……
・フラジャイルなひとですよね……

・少路くんが呼び込まれ『マシーン日記』いろいろ。パリでの自由時間は皆単独行動なんだけど、観光で行くところって大概被るのでバラバラに出掛けても結局会っちゃう
・エッフェル塔とか。シャンゼリゼとか。ルーブル美術館とか。フランス語が判らなくて電車の切符買えなさそうだから皆歩く。バッタリ会ったオクイさんに少路くんが「ルーブル美術館、あっちですよ」とニヤニヤし乍ら教えるが、全く違う方向を指していた
・楽屋で全くと言っていい程会話がない、と少路くん。本番に向けて集中してるんだとオクイさん
・ドラえもんとか欽ちゃんの仮装大賞とか、日本でしか通じなさそうなものは松尾さんが前説で説明した。フランス語で。これが長い、しかもウケてる
・パリでの本番は下ネタが大ウケ。クリ○リスとかキン○マとかでどっかんどっかん笑う。アッハッハッハ〜オウ〜とか言って、反応がフランス人(あたりまえ)

・鈴木杏ちゃんと峯村リエさんが撮ったオフステージ画像をプロジェクターで大写しにして皆でやんや言う会
・カッコつけオクイさん、寝起きオクイさん等オモロいオモロい
・本人曰く「カッコつけてんじゃないんだよ、元からカッコいいんだよ」ええそうですね(真顔)
・公演全部終わって安心した少路くん、部屋呑みにオクイさんを誘う。泥酔画像がまたいかにも酔ってるひとって感じでウケる
・ベッドにふたり座って呑んでるんで距離がやたら近い
・「もう帰っちゃうの?」とオクイさんにぶらさがる少路くん。甘えたくん
・少路くん角度によってトモロヲさんに似てる〜
・呑めないけど飲み屋にいるのが苦ではないと言うか大丈夫と言うオクイさんに「ギャル酒ばっか呑んでるんよね」と猫背さん。ギャル酒って言葉初めて聴いた!ひとつ若者言葉を憶えた!

・SNATCHの新作は楠野さん脚本、オクイさん演出。メインとなるであろう三人を呼んだ、主役はこの子(ぼかしつつ)
・呼ばれた三人、そのことを今知る
・ひとり一芸的なことをやらされる。皆さんテンパリ気味。しかしやるときはやるで
・先日TV Bros.の松尾さんのコラムに書かれてた「オクイさんのDJではじけまくってた劇団員」もいらっしゃいました(笑)
・その新作『プロジェクトB』って何よ?ジャッキー・チェンの『プロジェクトA』からよって話からこれ観たことあるひと〜と挙手を求めたらまあ少ない。SNATCHのメンバーも殆ど観てなかった、四十代くらいじゃないと通じないよねと世代の話に

・SNATCHメンバー紹介と、そのメンバーから集めたオクイさんについてのアンケート(本人には内緒だった様子)を猫背さんが朗読
・印象は「こわい」がダントツ。「スターなので」とか「でもやさしい」とかフォローしつつ結局はいじられている
・かわいいところ、はいろいろ出たで〜(笑)「『おうちで出来るでしょ!』とか“お”をつける」「タクシーがつかまらなくてとぼとぼ歩いて行く」「服を貰ったので喜んだら気を良くして翌日また持ってきてくれた」
・いじられまくったオクイさん、あの大きな目をしろくろさせていた(笑)照れを通り越してますます挙動不審に。それがかわいいと言われますますおかしなことに

・最後に恒例のヘンな動画会。サッカーゲームのバグ集等

笑いすぎてへとへとですよ…面白かった〜。次は未定だそうですが楽しみにしております!

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歌舞伎座新開場『杮葺落六月大歌舞伎』第三部@歌舞伎座

『御存 鈴ヶ森』『十二世市川團十郎に捧ぐ 歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜 河東節十寸見会御連中』。

『鈴ヶ森』昔観たような記憶があるようなないような…どっちだよ。歌舞伎を見始めたばかりのころ、あの演出…スパッと顔が!スパッとおしりが!腕がポロリ!脚がポロリ!にうひーってなって、うへえ歌舞伎ってエグいと思った憶えがあるんですが、この描写は他の歌舞伎作品にもあるよなあ。思い出せない!と言う訳で白井権八役は梅玉さん、優雅にバサバサ斬って斬ってはらりはらりですよ。ゆったりやるからまた怖いのよね。そこへやってきた幸四郎さん演じる幡随院長兵衛。あの殺戮を見てこやつやるなとふむふむ思う、そこがもう怖いよねー。と言う訳でヒー怖い面白いーと小学生のような感想を抱く。

『助六由縁江戸桜 河東節十寸見会御連中』はまず幸四郎さんの口上から。團十郎さんが助六を演じた前期歌舞伎座さよなら公演の思い出、今回助六を演じることになった海老蔵さんの紹介、そして「何卒鷹揚の御見物を」。拍手で送り、拍手で迎える。

カシャーン、ダン、ダン。金棒引きの音が好き!花魁道中が好き!新悟くんは浮橋、やっぱ頭ひとつ出てる…好き!(笑)そして〜揚巻は福助さ〜ん、キャー!あとね個人的には白玉が大好きなのですよ…衣裳からなんから……妹分ってとこもなんかいい……七之助くんです、キャー(きりがない)。ああ助六って本当に粋で華やかで格好いい。

ここ数年でかなり痩せた海老蔵さんの助六は華奢な伊達男。團十郎さんが演じた助六は恰幅のよさ(芝居のおおらかさも含め)が見所だったので、結構違う印象でした。クセのある台詞まわしも随分聴きやすくなったように感じた。独白だとあの言い回しでもいいのですが、会話部分はやっぱり相手とのテンポがあるし。そういうところがちゃんと流れている感じ。そんでやっぱちょう美形。出端のとことか、美形だなあとまじまじと見てしまった。あと満江が出てきて菊五郎さん演じる新兵衛とともにひい〜っとなる場面はなんと言うかどハマリでした…あのーピーターラビットとベンジャミンバニーがベンジャミンバニー氏におしおきされるときのあれっぽい(わかりづらいたとえ)!シュンと立ってる姿がもうおかしくておかしくて。隈取りでビシッと決まった顔の筈なのに眉が八の字になって見える……これは逆にベテランには出せない味ではないでしょうか(ひどい)。

さて股くぐり。通人里暁の三津五郎さんはじぇじぇじぇや今でしょ!オッケー(ローラ)を引用、やんややんやと沸き返る客席。勘三郎さんのことを思い出し、楽しい場面なのにほろり。なんて言うか、この場面の通人里暁は傍若無人っぷりで笑いを誘う勘三郎さんの印象が強く残っていて、三津五郎さんもその辺りちょっと考えたのかななんて思ってしまいました。

今回奮発して二等席、初めて一階で観た。一等席と二等席の境目にあった柱がなくなって視界のヌケがいい!三津五郎さんも「柱がなくなりましてねえ」と仰ってました。あと客席の傾斜もよりついて見やすくなったような。それでいて以前より舞台が近く感じる。そしてここ、花道がほぼ客席フロアと同じ高さなのには驚いた。前もこうだったっけ?助六のときはもう一枚板載せてたけど、最初は花道と客席フロアの境目が絨毯敷いてるだけくらいの地続きで……縁がないんだもの。むちゃ近く感じた。次に一階に降りられるのはいつだろう(遠い目)。いやはや眼福でした。