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2009年04月29日(水)
『KYO-MEIツアー ―創造のパルス』とか

■『神様とその他の変種』がらみの話をもうちょっと
タイミングよく?Bobbidaさんのブログに興味深いテキストがアップされていました。
・Bweebida Bobbida『J.D.サリンジャー 「ナイン・ストーリーズ」』
親の“愛し方”に気がついているこどものやるせなさみたいなものを考えるとなんとも…。しょうがないことでもある。サイバラさん曰く「“しょうがない”は“なんとかなる”ってこと」。しかしそれがケンタロウのように諦めに転化する可能性は多大にある

■それにしても
みのすけさんはいくつになってもこども役がはまりますね(笑)なんであんなに半ズボンが似合うのか

■やっと届いた
・REPORT SUSPICIOUS ACTIVITY『REPORT SUSPICIOUS ACTIVITY』
注文したの昨年の12月。2ndを先に聴いてしまったよ…何度iTSの購入ボタン押そうと思ったか。いやしかし待った甲斐がありました、すげーいいよー!1曲目からガツンですよー!カッティングもトレモロも冴えわたり、躁病のシューゲみたいになってます(なにそれ)音の壁の厚いこと高いこと。
J.ロビンズがベース。ダレン・ゼンテックがドラム。
Jとダレン、Jの奥さまジャネット・モーガンはチャンネルズと言うバンドを組んでいるんだけど今はお休み状態。Jとジャネットのお子さんカラムくんが病気なので、なかなか動きづらいようです。ライヴで聴けないのは残念だけどしょうがない。しょうがないはなんとかなるってこと、サイバラいいこと言う!音が聴けるだけでも嬉しいですよう。
しかしチャンネルズ聴いてからすごい勢いでJさんにはまって歴代バンドの音源を集めているんだけど、どれも好きな音ばっかりだ!ジョウボックスもバーニング・エアラインズもすげー好きー!BAは来日してるんだよね…逃したのがくやしー!

■もひとつ待っているもの
こちらはもう半年は待っている(笑)
・『WHO KILLED AMANDA PALMER BOOK』
ドレスデン・ドールズのアマンダのソロワーク。昨年ソロアルバムがリリースされた時、このアートブックとのセットをオーダーしたのですが、「本は出来上がり次第送ります」ってことで先にサイン入りCDだけが届いたんですね(マーカーの匂いまみれのアマンダ(笑))。
しかしいつ迄経っても届かない…追って出ると言っていたアルバムの別ヴァージョンのお知らせも来ない……英語で問い合わせるの面倒だなあどうしようかなあと思っていたら、先月お詫びとオルタナヴァージョンMP3のダウンロードコードが届きました。通販を請け負っていた会社とトラブルがあったそうです。ウチに無事CDが届いたのはラッキーだったのかな。それとは別にアートブックのデザイナーともトラブッて解雇したとのこと。サイトにもアマンダからのメッセージとFAQがアップされています。
・『WKAP PRE-ORDER PROBLEMS FAQ』
質問と答えがこのひとらしくていい(笑)笑ってる場合ではないが。
ヴィジュアルワークに独自のセンスがあるひとなので、出来上がりが楽しみです。ゴシックなのにおきゃんで気風のいいところが魅力。無事届きますようにー

■これを書いてるのは30日
あ、アマンダ今日誕生日だって。おめでとー!

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THE BACK HORN『KYO-MEIツアー ―創造のパルス』@JCB HALL

おんわわわわ「泣いている人」が聴けたー!ぎゃー!

JCBホール初めて行きました。場所知らないけど駅からそれっぽい格好のひとに付いて行けば大丈夫だろうと黒ずくめのひとりを追っていったら、そのひとは後楽園遊園地に入っていってしまった…なんで?なんでひとりで遊園地?

その後なんとか辿り着きましたが中でも迷いました。国際フォーラムみたいだねー。エスカレーターで各フロアに行くの。まあそれはおいといてなんかいいホールだった!見やすい!音もよかった!NINも今度の単独ここでやればいいじゃない!(前コーストでやればいいじゃないと言ってたら実現したのでことだまことだま)…単独もうなさそうだけどね……(泣)

そんな訳でバックホーンの『パルス』ツアーファイナル。バンド史上最長のツアーだったそうです。昨年の10月からやってたもんね。松田くんが「(移動が多かったので)高速で車がひっくり返ってたかも知れないし、栄純が奇病に冒されたかも知れないし、俺が骨折ったりしててもおかしくなかったかも知れないけど、無事ファイナルに辿り着けて有難い」と言ってました。ちょ、そのどれもがシャレになんないのでやめてよそういうこと言うの!(泣)

長いツアーでしたが皆さん楽しかったと言ってました。よかったよかった。MCもゆるゆるで面白かった。手ぶらでマイク通さずぼにゃーと話す菅波くんがおかしーよ(笑)松田くんから「マイク使って喋ってもらえますか」とツッコまれ、岡峰くんから「つうかおめえギター持て」ってツッコまれていた。そんなぼにゃーな菅波くんは、演奏始まると狂言顔になっていた。あれだ、あれに似てた。顔が。

・狂言面 青武悪2(あおぶあく)

このひとの顔芸(いや本人は芸してるつもりはなかろうが)は本当に面白い…。しかしああ見えてカッティングとかすごいきちんと弾いてるよねえ。いや、カッティングとかきちんと弾いてる分ハジケるところは際限ないんだろうか。「アカイヤミ」では絶叫してフロアに飛び込んでしまってました。スタンディングとは言えキャパ多い綺麗めなホールですっごい異物感。演奏も…なんだろすごい異物感があるんですよね。なんでこんなに綺麗な声でこんな歌詞なんだろうとか、なんでこんなに小気味いいのに耳にひっかかりまくる音なんだろうとか。それがこんだけ支持されてるのもすごいなあ。

綺麗な声と言えば、バックホーンのライヴってまだそんなに観ていないんだけど(思えば完全ワンマンのスタンディングって初めてではないか)今迄でいちばん山田くんの声が綺麗に出てたなー。コンディションがそんなによくなさそうな時でも“聴かせる”ひとですが、今日は思いを乗っけた歌を無理なく喉に通すことが出来ていたみたいに感じた。よかったなー。いやそれにしても「泣いている人」はよかった…この声で聴けてよかった……。『パルス』からの曲もほぼ聴けてよかった!



2009年04月28日(火)
小ネタ

■あーそれなら納得
25日付の日記に書いた「Brian Eno & Harold Buddの『Against The Sky』をサンプリングしているラップ調の曲」、U2だった。最新作『No Line On The Horizon』に収められている「Cedars Of Lebanon」。
検索したらこちらが見付かりました。インターネットって便利だなー。
・U2の新作に「Against The Sky」が使われていた
詳しい解説も書いてあります。有難うございますー。
そらU2なら街中でも流れるわなーU2ならイーノたん使ってもおかしくないわなー。てかあのヴォーカル、ボノだったのか…声の感じが違ってわからんかった……

■こんなんありますよ
・「アメリカン・オルタナティヴ・ロック特選ガイド」出版記念イベント
以前鈴木さんがやった『super audio lounge 4』がとても面白かったので、これもかなり興味深いものが聴けるのではないかと。ウチではなかなか爆音で聴けないしね。
「※高音質メディアとは、SHM-CDのことではありません。」てのにちょっとウケた

■爆音で思い出した
こないだウチの上に住んでるひとが夜中の3時過ぎにぼんじょびを爆音で聴き始めてどうしようかと思った…隣のひとに注意されて3曲で止めてたけど。
最近は反省?したのか静かです。
それにしても、なんでウチの上に住むひとはぼんじょびを夜中に爆音で聴いたりひらいけんを大声で唄ったりするんだよ。そんでDVゲイカップルだったり泥酔して号泣したり風呂場ですっころんだりするんだよ。丸聞こえやねん

■て書くと
ぼんじょびもゲイカップルもひらいけんも同じひとみたいですが、違うひとです。引っ越してくるひとが代々強烈なんです。なんでだよ…(泣)

■いつもパンチが効いている
・マニックスの日本サイト
どるさんから教えてもらった。あまりにもステキングなので転載する。コピペでなく自分で入力しなおしたくなる程です。もはや写経です。
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何かに迷ったらハートに訊け!
見つけられなかったものがきっとここにある
繊細でメランコリックな漢詩(おとこうた)
MANIC STREET PREACHERS
NEW ALBUM
JOURNAL FOR PLAGUE LOVERS
ジャーナル・フォー・プレイグ・ラヴァーズ
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いつもすごいコピーつけんだよねここ…帯文も濃いいんだよ!実は毎回楽しみにしている。
アルビニ録音だし、リッチーの詩だし、入荷日即買い、正座して聴きそうな勢いです

■おかねのはなし
おふたりとも堅実という訳ではないのですが(笑)お金の稼ぎ方、使い方にはほうほうと感心すること多数。給食費滞納してる親は読めばいい。でもそんなことしてる親は読んでもわかんないのかなーああ虚しいなー。
・『この世でいちばん大事な「カネ」の話』西原理恵子
日曜日の『エチカの鏡』はおいおいってな再現ドラマになってましたが…(ところでこの番組の編成スタッフ小松純也さんて、元そとばの小松さん?)まあいろいろある。でもしょうがない。その上でお金をどう稼ぎ、どう使うか。それを全部ネタにする。全部自分に返ってくる。それでいいと腹を決めている。
サイバラさんとお金と言えば脱税ネタも面白かったんだけど、それはこの本には書いてないな(笑)隠してる訳じゃなくて、この本には必要なかったと言うことでしょう
・『しあわせのねだん』角田光代
「私たちはお金を使うとき、品物といっしょに、何かべつのものも確実に手に入れている」。記憶の話がよかったな。
そしてイララックの話が面白かった。思えば土曜日に観た『神様とその他の変種』は、モンスターペアレントがモチーフになっていたところがあった。こういう仕組みが彼氏の携帯見る行為とかに繋がるんだろうか。こどもも彼氏も自分の分身、なんでも見たいし知りたいし、どんなことにおいても最優先で、それを邪魔するやつは人間以下の扱いみたいな

■と言えば
『悩みのるつぼ』で「彼の携帯を見たら…」と言う質問に対する岡田斗司夫さんの回答が鮮やかだったなー。この連載、岡田さん、上野千鶴子さん、車谷長吉さんとあとひとり誰だっけ、計4人が週代わりで悩みに答えると言う豪傑な相談コーナーです(笑)



2009年04月25日(土)
『神様とその他の変種』とか

■金曜日
SPARKS@O-EASTに行きましたーよかった!後で書き足しますアップしましたー

■誰だ!
ユニクロで買い物してたらBrian Eno & Harold Buddの「Against The Sky」が聴こえてきたのでビックリ。店内BGMでかかるような曲じゃないから…その後それがループになりラップが入ってきてまたビックリ。サンプリングかー。しかし誰の曲だこれ?全然見当がつかない、すげー気になるー!

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NYLON100℃ 33rd SESSION『神様とその他の変種』@本多劇場

ネタバレあります。

ケラさんが献身、贖罪、信仰を描くとこうなるんだな。至極納得が行く部分もあり、そして変化も感じる。

納得が行った部分。ひとは皆ちょっと変わっている。と言うことは、ちょっと変わっていることは普通のことである。だからちょっと変わっていることは普通である。そこには排斥や同質指向が介入してはならない筈だが、ひとは変わったものを排除しようとし、画一化を求めがちだ。何が正しいかを決められるのは自分だけだが、その思いはなかなか他人には伝わらない。

変化と感じた部分。これ迄ケラさんは「記憶」を失うものとして描き(『ナイス・エイジ』や『消失』が顕著)、そこに救いようのない救いを見出す傾向があったように思う。しかし今回描かれた「記憶」は失われるものではない。決して忘れることが出来ず、そして失ったもの迄が取り戻される。その上で終末を描く。

誰も出口を見付けられない。退路は次々断たれる。話し相手だった動物たちは死に、謝っても取り返しがつかず、つらくて忘れてしまったことを思い出す。殺人は本人の知らぬ間に妄想にすり替えられ、背負ってもいいと思っていた罪は実在しない。憎しみは宙に浮き、復讐は全て霧散する。誰も報いを受けない。

記憶を持ったまま、ひとは生きる。神様は何もしない。見ているだけ。そして時々奪うだけ(下着も奪ってたな(笑))。だからひとはひとに祈る。野菜炒めに祈る。それでひとは生きていける。

ちょっと変わっているひとたちは、生きていてもいいんだと祈る。誰に?何もしない神様に。でもそれは神様ではないかも知れない。贖罪には生け贄が必要で、ふたりの命が持っていかれる。神様はただでは許さない。

と言ったようなことがてんこもりに詰め込まれており、ちょっとした台詞のニュアンスで印象がガラリと変わりかねない。難易度が高い脚本に思える。笑いを誘うか誘わないかも同様で、精度に大きく左右される。勿論解釈はひとそれぞれだが、作者の本意を伝えられる精度の高い演技が出来るキャストは、今回のメンバー以外ではちょっと思いつかない。それ程の阿吽の呼吸。

「ケンタロウは死なない、あれはケンタロウを守るための飲み物だから」。出典がある台詞かも知れない。しかし、山内さんが放ったこの言葉にははっとさせられ、考えが反転させられ、胸に突き刺さった。具体的には「毒は僕がビタミン剤とすり替えていたので、あれを飲んでもケンタロウは死なない」と伝えられればいいシーンだ。しかし台詞をああすることで、夫の妻と息子への愛情と、ふたりの思いを無駄にしない為の精一杯の思いやりが痛々しい程に感じられ、切なさの重みがずしんと増した。

ケラさん本人が言うとおり、異色作かも知れない。「安定はしたくない」「『ナイロン100℃というのはこうした芝居をやる集団である』みたいな規定からは常に逃れ続けたい」と言っていたけれど、ナイロンだからこそ、ナイロンでなければ成立しない作品にも思える。もう円熟(ってケラさんの嫌いそうな言葉ですけどね)の域ではないかと思わせられる脚本、演出の手腕。それは劇団のそれであり、役者、スタッフワークのそれでもある。とにかく巧い、巧さを巧いと感じさせない程に巧い。皆がよかった…すごかったな。いつも思うことだけど。近年のナイロンには本当にハズレがない。

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以下参考および引用文献としてクレジットされている作品。
・別役実『木に花咲く』『そして誰もいなくなった ―ゴドーを待つ10人の小さなインディアン』
・山崎哲『ホタルの栖』(育ケ丘団地一家心中事件)、『子供の領分』(金属バット殺人事件)
・ヤスミナ・レザ『GOD OF CARNAGE』
・いしいしんじ『ぶらんこ乗り』
・ミシェル・ウエルベック『ある島の可能性』



2009年04月24日(金)
An Evening With SPARKS『Heavenly Creatures』

An Evening With SPARKS『Heavenly Creatures』@Shibuya O-EAST

東京1日目は『「Kimono My House」を中心に21枚のアルバムからお贈りする究極のイブニング【Exotic Kimonos】』、2日目は『「No.1 In Heaven」を中心に21枚のアルバムからお贈りする珠玉のイブニング【Heavenly Creatures】』、最終日大阪は『70年代から現在に至るまで21枚のアルバムからお贈りする華飾のイブニング【Then And Now】』と言う日替わりメニューだったがGW進行もろもろで東京2日目のみ。うわーん「Suburban Homeboy」聴きたかったー兄のタップダンス観たかったー!

しかし2日目だけでもちょう楽しかった。二部構成で、セットリストはこちら。

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EXOTIC CREATURES OF THE DEEP
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00. Intro
01. Good Morning
02. Strange Animal
03. I Can't Believe That You Would Fall For All The Crap In This Song
04. Let The Monkey Drive
05. I've Never Been High
06. (She Got Me) Pregnant
07. Lighten Up, Morrissey
08. This Is The Renaissance
09. The Director Never Yelled "Cut"
10. Photoshop
11. Likeable

NO.1 IN HEAVEN
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12. Tryouts for the Human Race
13. Academy Award Performance
14. La Dolce Vita
15. Beat the Clock
16. My Other Voice
17. Number One Song in Heaven

ENCORE
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18. Dick Around
19. Mickey Mouse
20. When Do I Get to Sing "My Way"
21. This Town Ain't Big Enough for the Both of Us

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最新作『EXOTIC CREATURES〜』と1979年作品『NO.1〜』を曲順通りにやるメニュー。一部はダンサー参加で華やかに、2006年の公演昨年のフジでも使った映像とロン兄のシンクロ演出(これは全編通して)ありで聴くのも観るのも盛り沢山。

ダンサーさんたちは5人、日本人。メンバーよりも衣装替えが多く(笑)イントロでは白いドレス姿でショッピングカートを押して登場。「〜Pregnant」ではご懐妊ロン兄コスプレ、「〜Renaissance」ではスクリーンに映し出されたボッティチェリ画『春(プリマベーラ)』と同じポーズをとり、「The Director〜」ではカチンコ出しと大忙し。YouTubeで観たロンドン公演とは別のひとたちのようなので、各国現地調達?と思っていたら、出演者さんのブログを教えてもらいました。

・天翔ゆうりさんのブログ
『sparksライブ1日目終了!!』
『ライブ終了!!』

ああーこのひととても印象に残ってた!監督さん役だったひとだー。宝塚出身の方だったんですね。他のひとたちもプロのダンサーさんたちだったようです。皆ストレンジでファニーでキュート!

そして勿論兄弟もストレンジでファニーでキュート。おにいちゃんがもー面白くて面白くて目を離したくないんだけど弟もダンサーさんも面白い上スクリーン演出も矢継ぎ早で、もうどうしろと!と狼狽して視界がぼやける自分のダメっぷり。途中である意味諦めて無意識で目が向いた方に焦点を合わせることにしました(笑)と言う訳で、いちばん近かったロン兄をガン見する比重が高くなりました。でもラッセル弟はよく動きまわって(元気だよねー!)、ロン側にも頻繁に来てくれて嬉しかったよー。てかラッセル、あのオペラティックヴォイスを始終ぴょんぴょん跳ねたりスキップし乍ら唄い続けられるその体力気力はどこから…すごいよー。

みるみる時間が過ぎてしまった。てかロン兄の「Ronald」key、「Ronald」だけにRolandだと思ってたらYAMAHAだった(笑)Rolandのロゴ書体で名札張ってるんだよね。なんかこう…無表情でロボつうか人形ばりのキャラでエレピを弾くおにいちゃんがそんな小ネタを細かく仕込んでるところがまたかわいいよー。一部では幅ネクタイ(パンツにイン)、二部では蝶ネクタイって細かい衣装替えもかわいいよー。ちなみにパンツはものっそいタック入りだよー。ヤンキーか!そしてアンコールでは白シャツ(これがまた何げにワイシャツから丸首シャツに着替えていた。それともワイシャツの襟を内側に折り畳んだか?って、そうだったらそれは何のために?)の上からバンドT着てしかもそれがパンツにイン!もう大ウケですがな。

そんな無表情で演奏し、無表情で映像のピアノを弾き、無表情で映像のさるとタイマン張るおにいちゃんがアンコールでにっそり笑ってお辞儀をしたのがもう…いやーん!ラッセルが「有難う、と彼は言っています」て通訳してた。キャー!その後アンコールでラッセルにマイク持たされたら喋った!喋ったよ!にっそりして「次に来た時にはもっと日本語が話せるようになっていたいです(ベルリッツに行くとか言ってなかったか(笑))。どーもありがとー」 って言ったよ!あーかーわーいーらーしーいー!

バンドは兄弟+G、B、Dの5人編成。こんだけバラエティに富んだメニュー、どんだけリハしたんだろうか。兄弟も数十年前の曲とか忘れてそうだし(笑)なんつうか…観客を楽しませるショウをやることが本当に好きなんだろうなーと思えるとっても楽しい夜でした。ありがとー!フジ効果か若いリスナーも増えたようです。老若男女に愛される奇妙で愛らしい神様の変種バンド、また来てね!22枚目のアルバムが出来たら、21枚のアルバムを全部燃やしちゃうパフォーマンスを見せてください!

と言えばこのパフォーマンスやってる時、燃やされるアルバムのアナログジャケットをその都度掲げてたお客さんがいました。何枚持ってきてたんだ(笑)ひょっとして全作品?すげー。



2009年04月22日(水)
いろいろ

■軍艦島が開放されました
コースは限定されているようです。そして上陸費がかかるんですな(小学生150円、中学生以上300円)
そっとしといた方がいいような気もするけど、そうすると非合法に上陸しちゃう(つうか実際そうだからあんだけ画像やらなんやら出回ってる訳だが)ひともいるし、そこで事故とか起きたら大変だし…てことでしょうなあ

■うさぎ島
前にも書いたけど、こっちは休暇村になってるんだよね

■『EVOLUTION THROUGH REVOLUTION』brutal truth
20日にうきうき買いに行ったら、21日入荷ですと言われた。恥ずかしい…てかそんなに楽しみだったのかと言う。
アルバムとしては12年振りだっけ?新譜です。カトリーナがなかったらこの再結成もなかったんだと思うと複雑な気分ですが…しかし……いやあ、いい。速い速い、うるさいうるさい。22曲で43分。
1曲1曲が短いってのもあるけど(インストもある)、リルカさんの流麗なベースは唄いまくるし、エリックさんのギターはフックが利いてて(面白いリフが沢山)飽きませんわー。てかエリックさんは再結成からの参加なので、初めて聴いたのは一昨年の来日公演。この時はベースドラムヴォーカルに圧倒されてあまり印象がなかったのだけど(ごめん)、改めて音源で聴けてよかった。
“Be A Good American!”とスリーヴに書いてあって笑う。歌詞も相当ブラックです。
ミニットメンのカヴァー「Bob Dylan Wrote Propaganda Songs」も収録。うはははは、こうなるか!思わずオリジナルを聴き返してしまった(笑)
あーライヴで聴きたい。また来日ないかなあ。
マイスペはこちら→http://www.myspace.com/BrutalFuckingTruth

■わー!
teru☆さん→MIOさんから教えて頂きました、有難うございます!
水橋くんがブログを始めたよ!
・水橋研二の『えごのみ公園』
これでとりあえず何の仕事やってるかは伝わりやすくなる…筈!ちゃんと定期的に更新されますように……

■たべもの
・『LIFE なんでもない日、おめでとう!のごはん。』飯島奈美
はらがへる……。あいだあいだに入るエッセイも面白く、読み物としても楽しめます

■どうぶつ
・『ママになったネコの海ちゃん』岩合日出子、岩合光昭
海ちゃん映画になるのよね。海ちゃんの母ねこ役の募集要項がなんか人身売買みたいな内容で(何年何月にこどもを産める状態のねこ)複雑な気分になった(苦笑)

■ねこと言えば
近所にいるひもねこ(つないである)太郎さん(21歳)が久し振りに表に出されていたので遊んでいたら飼い主さんが出てきて気まずい…が、「ねこ好きなの?」と喜んで、太郎さんの話をいっぱいしてくれた。出勤前だったが面白いのでいろいろ訊いてしまったよ…。
なんでひもねこなのかと言うと、これ迄飼ったねこが皆くるまに轢かれて死んじゃったからだそうです。「この子は家の中で育てたから長生きしてるんだと思うわ。天気のいい日は(つないで)出してあげるの」と言っていた。ここ近辺、ひもねこが多いのでなんでだろうと思ってたけど、そういうことだったんだ…。
最近は白内障になっちゃって、足腰も弱ってきたそうです。これから爪を切ってあげるんだって。
実は今住んでるとこ、引っ越し先を探していた時に太郎さんを見掛けて「うわすごいねこが近所に!ここにする!」と決めたんですよ…。それくらい強烈なルックスなの。どう見ても洋ねこなのに名前が太郎なの(笑)
あれからもう10年以上経ってるから、歳もとるよね、お互い。
しかしよたよた歩く太郎さんを見たのは初めてで(外につないである時は滅多に動かないから)結構ショックだった。
会社に遅刻はしませんでした

■パッチョのサイトがリニューアルしたよ
書こう書こうと思ってるうちにひと月近くたってしまった。
えらい充実しましたね…(笑)グッズも増えてるしね……にやにや



2009年04月19日(日)
『ザンジバルナイト in 野音 '09』

■野音帰り
ごはんの場で、すずかつさんのことを演劇界の三池崇史って呼ぼうぜ〜って話になりました。スタジオミュージシャン時代の菊地成孔とかね(笑)

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『ザンジバルナイト in 野音 '09』@日比谷野外大音楽堂

ぼんやり行ったのでソウルセット以外誰が出るんだっけ?と言う……(だめすぎ)しかしすんごい楽しかったー。観ようと思っていたものも、出るって知らなかったけど観られてラッキー!なものも両方面白かったー。

長丁場だし、とコンビニでお菓子買ったり、シャンテ前でやってたミニライヴを聴き乍らコーヒー買ったりしてたら遅刻した(バカ)慌てて入場したらあれー、浅野くんとブライアンがろうぜきしているよ…SAFARIですやん。うわ、出るの知らなかった。「持ち時間15分なんで、沢山曲やりたいからメドレー作ってきました。でもメドレーにしても皆俺らの曲知らないし!」と自虐的なことを言っていた。浅野くんは宝くじの神さまのCMまんまの髪型だったので、「わあ神さまだ!神さまだ!」とニヤニヤする。

転換時の繋ぎ(笑)はウクレレえいじさんと猫ひろしー。ニャー。このイヴェント、ゆるいけど退屈はしないんだよね…ニャー。

■TOKYO MOOD PUNKS
チャーベくんは「ゲーセンのバイトが休めなくて」(笑)お休み。リリーさん以外がバカテクなメンツなんですが、ムードなパンクスですからバカテクでもいいじゃない。歌詞も終始ふざけてる振りして痛いものが多く、最初はニヤニヤして観てるんだけど段々真剣になって聴く羽目になる。「ハマケンの出番を減らしてやる」とだらだらやろうとしていた。ふはははは

■浜野謙太
で、出番を減らされたハマケン。マンチカンに似てると気付いた。そうポンチさんに言ったら、「ああ、スーツの柄が模様で」と言うのでもうそうとしか見えなくなった。
実は私ハマケンのトロンボーンの音色かなり好きなんですよ。でも今回はシーケンサーとCDJの押し語りだったので、(生)あたたかい目で観ました

■SLY MONGOOSE
おお結構早い出番に!ぎゃーかっこええー!どすぐろいー!どすぐろいタンバリンー!
雑食もいいとこなんでどんな音楽かってのをすんごく説明しづらいバンドなんですが、ホント格好いい。グルーヴの権化

■清水ミチコ
わー初めてライヴでネタを観たよー!ちょーかっこええー!!みっちゃん素敵ー!
レコーディングする際、ネタ元の方々に許可申請をするそうです。で、許可を出してくれなかったひとのネタはライヴで…とやってくれました。「私もいつ消されるか分かりません」と言っていた。男前。みっちゃんが消されるのは嫌なので、誰のネタかは書きません。
キヨシローさんの「Daydream Believer」のものまねをやった時、ひときわ大きな歓声がわきました。ちょっと泣いた。
アッコちゃんの「ひとつだけ」もやってくれて嬉しかった

■峯田和伸
このひとも言うことがいちいちおかしいのでニヤニヤ観るが、歌が始まると持ってかれますよね…「吐くまで踊る 悪魔と踊る」って切実さは、かけらかも知れないけど、その共感は幻想かも知れないけど、ちょっと解るような気もするのです。吐こうが悪魔と手を繋ごうが、踊ることは止められない

■TOKYO No.1 SOUL SET
ビッケ………………。
もうどうすればいいのか。あまりにショックでヒロシくんや俊美の記憶が殆どない

■箭内道彦
スナフキンのテーマ弾いてくれました。わースナフキンー。
その後斉藤和義さんとリリーさんとで1曲。いいもん観た

■斉藤和義
おとことおんなのあれやこれ。河は深いわー。「ベリーベリーストロング」って歌がすごくよかった。深い河でも浅瀬や舟があったりするもんですね。まあそれに足をとられて溺死したりもするんでしょうが

■サイプレス上野とロベルト吉野
このひとら最初に観たのってDCPRGとの対バンで、それはもうアウェイもアウェイで気の毒になる程で、本人らもかなり毒づいて険悪ムードでどうしましょうって感じがまた笑えると言うもんだったのですが(いやー面白かったなあれ。エレガンなDCPRGファンってこわいわー)、実はこのひとたちってどこに行ってもアウェイなのかも知れん。と言うかアウェイです!て先に提示しちゃうのが芸風なのかも知れん。で、それに乗っかるゴキゲンな客が多いのがザンジバルなのかも知れん(笑)
でもリキッドでワンマンするくらいだから、そういうとこではホームな雰囲気なのかしら。
キャラクターはヤンキーぽいけど、バックトラックは格好いいのです

■スチャダラパー
バックトラックと言えば、最近のシンコのトラックはエレクトロ寄りですね。ハウス繋ぎみたいなものが多い感じがする。ヒロシくんもいつからだったか、ぐぐっとハウス寄りになったんだよなあ。これってどういうことなんだろう

■スチャダラパー+木村カエラ
いやあかわいいわーカエラちゃん

■THE HELLO WORKS
大団円。きたーハナレグミ!ブギーバック!

フジに勝井さんがいるように、ザンジバルにははなちゃんが。今回も大忙しでした。

そして4月の野音はちょっと肌寒かった。



2009年04月18日(土)
『MISSING BOYs』初日

『MISSING BOYs ―僕が僕であるために』@赤坂ACTシアター

いやーよかった。いろんな意味で胸をなでおろした(笑)ドリンク自販機が120円になった時、「ぬくもりが百円玉で買えなくなったわねえ」と連想するくらいにはOZAKI(敢えて記号化)刷り込まれ世代です。しかし、スズカツさんが構成演出でなかったら行かなかったであろう企画でもありました。尾崎豊さんの書いた歌をモチーフに、スズカツさんがどんな舞台を作るのかに興味があったのです。

いやーもうめっちゃスズカツさんでしたわ。15年後の『MARQUEE MOON』だ!ミュージカルではない、ライヴとも違う、音楽が側にある舞台。タイトルには「A original music play with OZAKI songs」と言うコピーが付いていました。プログラムにも書かれていましたが、「理解する」ではなく「感じる」作品だと思います。骨格となるストーリーはある。しかしそれが全てではない。役者、唄い手、ラッパー、ストリートバスケチーム、タップダンサー、ダンサーとセクション分けされた出演者が思い思いに自分の見せ場で自分の能力を最大限に発揮するシーンの連続で飽きさせません。

尾崎さんの書いた歌詞が台詞の端々に現れ、歌はさまざまなアレンジで唄われる。驚いたのは、藤本涼さんのモノローグと熊谷和徳さんのタップのシーンが、この作品のキモ(と個人的には思った)になっていたことでした。このシーンには、尾崎さんの曲と詞が使われていないのです。演奏はない。歌もない。独白調の台詞は感情を排し、抑揚を抑えたもの。照明はピンスポットのみ。しかし藤本さんのモノローグにはメロディが宿り、熊谷さんのタップのリズムは何よりも雄弁な音楽で、なおかつ尾崎豊と言う人物が存在した、と言うことを示すものになっていたのです。

熊谷さんが、敢えてタップの板から降りて踊るシーンがあります。この光景は、まるで作品の魂のようでした。

一幕終盤にもこのふたりのシーンがあります。こちらは藤本さんのポエトリーリーディング(尾崎さんが書いたテキスト)と熊谷さんのタップ。両者ともに劇場全体を支配するかのような存在感でした。熊谷さんがすごいひとだと言うのはもう周知ですが、初舞台(つうかデビューですよこれが)の藤本さんもすごい。デビューって誰しも一度しかないものですが、その舞台でこれだけ観客の集中力を惹き付けることってなかなか出来ないことではないかと思います。今後の活動が気になります。

舞台上に生きる登場人物たちには、尾崎さんの人物像を思い起こさせるキャラクターが潜んでいる。若いからこその焦燥、大人になったからこその諦念。そのどれもが決して器用に対処出来るものではありません。尾崎さんの残したものは歌なのでしょうが、その歌が、曲や詞から離れたところでも何らかの形で作用するようなマジックを見た気がしました。

その他おぼえがき。

・いやースズカツさんてツラガマエメンクイだよねー(笑)
・トリックスター、インチキ、“15 minutes of fame”
・インチキって命を賭けられるもんだよね…
・と言うか、インチキって命を持ってかれる程魅力的で恐ろしいものなんだ
・あれ、この振付…と思ったら川崎悦子さんだった!うわーんあのピラミッド隊形でのダンス、第三舞台のダンス刷り込まれ世代には感涙ものです
・「一体何だったんだ!こんな暮らし」のラインはOZAKIの叫びで刷り込まれているのですが(苦笑)、ポエトリーリーディング的に語るとビッケ@ソウルセットみたいになるんだわ(笑)
・日替わりゲスト、初日は河村隆一さん。ACTシアター繋がりかな?
・22日マチネには坂本美雨ちゃんが出るよ!
・そしてそうだった、『トゥーランドット』の時思ったんだった、ACTシアターて音響バランスがなかなか難しいところだったと…
.オーケストラピットの上がフェンス(って言うのか?地下鉄の通気口みたいな感じ)になってるんですが、そこの上で唄う中村あゆみさんのピンヒールが穴にはまって何度かガクッとなっていた。大丈夫ですか…
・中村さんの歌は流石でした。毎日公演であのテンション維持するのはとても消耗するだろうなあ。無事楽日を迎えられますように
・早乙女くん、喋り方とか唄い方が尾崎さんにすげい似ててびびる。でも似せたって感じではなかったんですよね…自然にキャラクターが重なっていたように思えました
・客層がすごいバラバラで面白かった。皆どんな仕上がりになるのか分からないまま来たんだろうなー。私もですヨ!
・ちょっと今お金に関する本を立て続けに読んだところだったので、いろいろ思うところがありました。労働の対価って?才能をお金に換算することって?とか
・と言えば、今音楽流通がすごい変化している時なので、それに関してもいろいろ考えた
・マルコム・マクラーレンみたいなプロデューサーって今後現れるのかしら?とか
・ヨーコ、ユカワと言ったキャラクター名にもニヤリとさせられました

スズカツさんの作るものって、いつも非常にリスクが高いもので…多分初日になる迄完成形って演出家の頭の中にしか見えてないと思うのね。それでも…うーんなんて言うんだろ、私は業界の仕組みとか全く判りませんけど、スズカツさんが今売れっ子(笑)って状況が続いているのって非常に面白いなと思います。過程がなんだか訳分からなくて、本当に出来上がるのか?と不安になるひとも多いだろうし、ぶっちゃけ全体像が見えなさ過ぎてチケットの出足が遅いってこともあると思う(笑)それでもこの演出家にデカいプロジェクトを任せてみようと思うプロデューサーがいる訳でしょう。ああ、まだまだショウビズを信用してもいいな、と思えます。

尾崎さんの歌詞って好き嫌い関係なく頭に残るものでしたが、その中でも個人的に非常に好きだったライン「あの頃わけもなく笑えた俺の友達は みんなこの橋を死物狂いで走った」をライヴで聴けたのはとても嬉しかったです。



2009年04月12日(日)
『ダイアログ・イン・ザ・ダーク TOKYO』とか

『ダイアログ・イン・ザ・ダーク TOKYO』@レーサムビル B1F

飴屋さんの『バ  ング  ント展』後に知って、でもなかなかチケットがとれなかったり、スケジュールが合わなかったりで、ようやく体験することが出来ました。ひー、4年越し。わずか8名のためだけにあるイヴェント、見えない展覧会。

20分毎に、8人1グループで出発。指定時間に集合し、まず自分の身長に合った白杖(はくじょう)を選びます。目を慣らす為、徐々に照明を落とした部屋を進んで行きます。真っ暗闇になる一段階前に、アテンドさんを紹介されます。暗闇のエキスパートである視覚障がい者さん。自己紹介をして、お互いを呼ぶ愛称を決め、暗闇の空間に入っていきます。

本当に真っ暗。聴覚と触覚、嗅覚、気配を読む感覚だけが頼り。

林を抜け、水辺に立ち、橋を二回渡って(一回は吊り橋)アテンドさんのおじいちゃんの家へ。縁側で靴を脱ぎ、畳の部屋に上がってちゃぶ台に載せてあるひんやりした野菜に触り、箪笥の上に置いてある鉛筆の匂いを嗅ぎ、鉛筆削りやラジオを手に持ってみる。おじいちゃんは留守だったのでおいとまして、靴を履き街へ出る。点字ブロックや自転車が置かれている通りを歩き、アテンドさん行きつけのバーへ。席に着いてのみものを頂き、そろそろお別れ。少し照明を入れた部屋に移動して、感想を言い合います。アンケートに回答して外に出る。ロビーに夕方の日差し。スタッフさんに挨拶をしてさようなら。

入った空間がどのくらいの広さか、どのくらいの天井の高さだったか、どんな間取りだったか等の種明かしはありません。ボランティアスタッフに参加すれば、(設営や整理があるので)明かりがついた状態で見れますよとのことでした。途中アテンドさんが経過時間を教えてくれます。感覚が尖っている状態だからか、体感時間とあまり差はありませんでした。

コースの途中でお互いの誕生日順に並んでみたり、ひとりずつ数字を21迄言う(被ったら最初からやりなおし)ゲームをしたり。せっかくなので3の時ナベアツになってみました。初対面同士で声を掛け合い、手を繋いだりして道を進む。触覚と聴覚がセンサーのメインになるので、普段(視覚を使っている状態)よりも積極的に声を出すし、積極的に触る。異性だろうが躊躇なく触る(笑)それが自然なコミュニケーションになる。

アテンドさんは最初の自己紹介で全員の声と名前を把握していたようで、名乗らなくても誰がどこにいる、と言うのを殆ど判っていたようでした。バーで乾杯する時「せっかくですから、さっき教えてもらった皆の誕生日で、いちばん今日に近い○○さんをお祝いして乾杯しましょう」と言っていた。バーにはのみものを準備してくれるお店のひとがいたんだけど(多分このひとも暗闇のエキスパート)オーダーする時誰がどの位置にいる、と説明をしなかったのに動きに迷いがなかったように感じたし、サーブしてくれる時もグラスがぶつかるようなことがなかった。こちらはグラスを傾ける角度の感覚が判らず、飲む時だーとなりかかったりした(笑)無意識に視覚に頼っていることって沢山あるんだなあと改めて認識。

無意識に頼っている感覚と言えば、足の裏の感覚をすっごい自覚したー。能楽師か!てな程摺り足で歩いたし。なかなか足を地面から浮かせられないんです。反面感覚を鋭くしていたつもりだったのに、いきなり目に葉っぱが入ってきて痛ー!となったり。葉っぱなんてかさかさ言うから気付くもんだろうと思ってたけど、風が起こらないところでは思ったより気配が摑めませんでした。こういう場合は実際に触っていかないとダメだなあ。あと使ってみて解る白杖の便利さ。すごい使えます、この道具。ねこのひげみたいなものなんでしょうな。

暗闇恐怖症らしき子がひとり参加していて、入る前に怖がっていました。始まってからはパニックを起こした様子もなく、ああ大丈夫だったんだなと思っていたのですが、終了後スタッフさんにどうだった?と訊かれ、「しばらく涙が止まらなかった」と言っていました。この気配は読めなかったな…この子は誰にも気付かれず泣いていたんだ。暗闇が怖いのに、どうして参加してみようと思ったのかな。勇気がある子だな。動機を訊いてみたかったけど、そのまま別れてしまった。

私が参加したグループは奥ゆかしいひとが多かったようで、終了後は皆いそいそと帰っちゃった(苦笑)わーん暗闇ではあんなに打ち解けてたのにー!思えば出発前、スタッフさんに「元気がないですね〜、大丈夫ですか?(笑)」と心配されたんでしたよ…他のグループは出発する時合コンかって程の元気のよさで「いってきまーす!」とか言ってたよ(笑)私たちが出発する前に出て来たグループは、「おつかれさまでした、有難う、さようなら!」とかってお互い声を掛け合って解散していた。個性が出ますねえ。そして今回友人とふたりで参加したので、「知っているひとがいる」状態だったのですが、全く知らないひとばかり8人で参加したらまた印象が違っただろうな。

常設を目指しているそうですが、手間も経費もかかるのでなかなか実現は難しいようです。でも以前より会期が長くなったし、会場が定まらないからこそ毎回コースが変わる面白さもあるみたい。チケットとれなかった一昨年は、廃校になっている赤坂の小学校で行われたんですよね。行きたかったよー。

なんだかすごくおなかがすいて、夜ごはんすげー食べた(笑)ダイアログ〜の話から気配の読み方とかオカルトの話になって、えらい深い話になった。

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『バサラ人間』@ユーロスペース 2

山田広野監督初のトーキー映画。結構まとも(暴言)な作りで逆にビックリしたど。団時朗さんはすっかり帰ってきたウルトラマンのイメージなんですが(観たのが最近だからね…)ダンディで格好よかったわー。でも役名はアナニス・オナニス(笑)
友人のおとうさんが出演していたのでした。そして今奈良さんも出ていた。先が読めなさ過ぎて真剣に観た…。
日替わり短編上映もありました。こちらは勿論活弁。こないだ観た『パパのカミングアウト』だった。日替わりってことは『ター坊、君は悪魔だよ』が上映される日もあるのか?



2009年04月11日(土)
はじめてのエレカシ

エレファントカシマシ『桜の花舞い上がる武道館』@日本武道館

MIOさんに手をひかれ初めて…確か初めての筈……のエレファントカシマシ。わたくしのエレカシの印象はエピック時代で止まっております…うらしま。あれだよ、まりんが電気にいた頃「今でも瀧と卓球のことは『こいつらZIN-SAY!だったんだよ、怖い!』と思う」って言ってたのと一緒ですよ(たとえがふるい)。エレカシと言えば3000人武道館!客立たせない!とかそういう…ブルブルブル。

そんなイメージと乏しい知識で観たエレカシは、イメージ通りのところもあり、イメージと全然違ったところもあり。

「シャララ」「珍奇男」「ファイティングマン」辺りが自分のイメージしていたエレカシで、いやー来た来た、夢のこのエレカシをライヴで聴けるとは!と鳥肌立てっぱなしだったのですが(特に「シャララ」。宮本のガナりアジりっぷりはすごいもんがあった。ホントすごい声してるなこのひと)美メロで優しく唄いあげる曲も沢山あったのには驚きました。エピックを離れて以降、熱心に動向をチェックしていた訳ではないのに聴いたことのある曲の多いこと多いこと。それだけ生活圏に自然に入ってきている曲が多いのかなあと思いました。タイアップも多いんだろうけど、それだけじゃなくて…なんだろなー、意識せずとも耳に入るのは他にも沢山あるでしょう、タイアップものだったら。でもエレカシの曲は聴いたらちゃんと身体に入ると言うか、メロディや詞が素通りにならないんでしょうね。実際ライヴで聴くと、予想していたよりも歌の伝わりっぷりが強力で、宮本の言葉と声にロックオンされる状態で地蔵のようになって聴いた曲もありました。

そしてあれだけ歌で言葉を伝えられるひとなのに、MCはとんちんかんだった(笑)てかね、同じマイク使ってるのに、音響も同じ筈なのに、歌だと何言ってるかちゃんと聴こえるのに、MCだと何言ってるか分からないんだよ!あのー単に文法がめちゃくちゃ、とか、こんがらがったまま喋るから、だけじゃなくて、ホントに言葉が聴き取れない箇所もあった(笑)ひとの名前も忘れるし、アルバム何枚出したかも忘れるし。

エレカシファン20年選手のMIOさんは感慨深いようであった。家族連れらしきひとたちも多く、近くには宮本とほぼ同じ動きをして(どういう動きかは察してください)感極まっている50代くらいのおっちゃんがいて、その隣にはシャツのボタンを外す宮本が大映しになったスクリーンを見ていやんっ!とおっちゃんの腕を摑む奥さまと思われるおばちゃんがいて、そのまた隣にはふたりの娘と思われるお嬢さんが笑顔で両手をあげている…と言う光景も見た。わあ、なんかいいわー。いやはやお誘い頂き有難うございました。桜の時期ってのがまたよかったー。

武道館を出て混雑の中のろのろ歩いていたら、試合帰りの阪神タイガースの選手を乗せたバスが通りかかって皆色めき立った。金本見たよー!そして帰ってiTSで「シャララ」を買おうとしたら、エピック時代のアルバムはひとつも売ってなくてガーンとなった。ソニーめ……。近作も聴いてみようと思います。



2009年04月10日(金)
THEATER/TOPSのはなし その1

今頃書く。思い切りタイミングを逃している。『最後の文化祭』楽日にアップしようと思ってたのにー。しかもちゃんと書こうと思って、昔のメモ(とっとくもんだなあ)等を引っ張り出したりしてるうちに何書けばいいのか判らなくなった(アホ)

と言う訳で、TOPSのサイトには素晴らしく充実したデータベースがありますので、そこにリンクを張って、観たものの思い出話をしようと思います。付記している数字は観た年月日。長いんで分けます。

てかデータベース、見るだけで面白いわー。ちょこちょこ欠けてる宣美画像、ウチにチラシあったりしますよ…提供出来ますよ……(笑)燐光群と巻上さんとおおともっちの公演とかあって腰が抜けた。巻上さん、この時期いろんな演劇公演に顔出してたもんなあ。

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■初TOPS
・ティナノザウルスプロデュース『VIRGINS ザ・ヴァージンズ』19890929
パール兄弟のふたり(作曲:窪田晴男、作詞:サエキけんぞう)が音楽を担当していたので興味を持って行ったんでした。ミュージカルでした。上杉祥三プロデュースの常連だった、EDメタリックシアターの西山水木さんが出演しており、芝居も歌もあの小さいハコからはみ出しそうなパワフルなものでした。今思うとこれ『ヴァニティーズ』がモチーフだったのかな。

■ZAZOUS THEATER
・『ソカ』19911203、19911206、19911207、19911208
・『second hand セカンド・ハンド』19971030、19971031、19971105
『ソカ』があったから今でも三人芝居には弱いんだと思う。『セカンド・ハンド』があったから、その後のスズカツさんの“空白”を待てたんだと思う。

■観られなかった分もZAZOUS THEATERは全部書く(笑)
・『モノクローム・ビュー』
旗揚げ公演がTOPS初登場だったんですよねー。

・『ストレンジ・カインド・オブ・ウーマン』
ディープパープル!

・『スリランカーナ』
ZAZOUS THEATER版『UP-TO-DATE』!ステージに水1トン入れたプール作って泳いだら、初日「冷たくて死ぬかと思った」。翌日からはお湯を混ぜたそうです(笑)

・『BLUE NOTE』
TOPSさんここリンク切れしてるっす!離風霊船の下っす!

・『古謡』
TOPSさんこれ仮チラっす!本チラ持ってるっす!←ザズゥシアターにはうるさい

■東京サンシャインボーイズ
1990年の終わり頃から「東京サンシャインボーイズってのがすごいらしい」と言う噂が流れてくる。当時はネットもなかったもんで、もっぱら当日券に並んでる時や劇場にいる時の盗み聞き(笑)です。そしてミニコミが反応早かったね!ほぼ同時期から複数の誌面に「東京サンシャインボーイズ観てきた!すごく面白い!」「脚本がとにかく面白い、役者さんたちが芸達者」と言った記事が載るようになった。『12人の優しい日本人』再演、『ショウ・マスト・ゴー・オン』の頃ピークになって、しかしそれには乗り遅れ(笑)、新作が上演されると言うので、お正月休みに当日券に並んでみたのです。

・『99連隊』19920102
いやーぶっとばされた。この頃からだんだんチケットがとりづらくなってきたけど、TOPSではその後も何本か観ることが出来ました。

・『なにもそこまで』19920516
これハプニングだったのか演出だったのか…窓枠が外れたんだよねー。ベランダに閉め出されるシチュエーションコメディなので、窓が開いたら話が終わる(爆笑)あの時の西村さんの表情と言ったら…。今となってはもう演出でもいいやと思っています。ハプニングとして受け取れたし、涙を流す程笑ったのは本当のことだから。

・『もはやこれまで THAT'S THAT』19921107
ファミレス!

・『ラヂオの時間』19930313
TSB@TOPSでいちばん印象に残っている作品。ソワレの当日券を狙って、昼から階段のところに並んでいたんですね。マチネが終わり、客出しも済んで、役者さんたちが合間の休憩をロビーでとっていたんです。TOPSのロビーってめちゃ狭いですよね…会話が丸聞こえなのですよ……。とある役者さんが電話で話しているのが聞こえました。「実は私もストーリーをまだ把握出来てなくて……」「がんばらなくちゃ。皆に申し訳ない」
前日が初日。この頃から、ただでさえ遅筆の三谷さんが多忙を極め、ますます脚本の上がりが遅くなっている…と言うのは評判?になっており、この公演の初日に西村さんが台詞を20ページ飛ばしたことは伝説になっています(笑)壁を挟んで会話を聞いていた私と友人が真っ青になったのは言う迄もない。不安と心配でぱんぱんになった状態で観たソワレは、そんなことをみじんも感じさせない仕上がりでした。
今は線引きが判ってきた、と三谷さんご本人も仰っていますが、当時は「ここをこう変えればまだ面白くなる、もっと面白くなる」と限界迄書き直すことが多かったとのこと。実際書き直すと面白くなる。劇団のメンバーとはその辺の呼吸を分かり合えているし、書いたものを見事に体現してくれると言う信頼感もある。で、ますます脚本が遅れる(苦笑)の繰り返しだったようです。
脚本の遅れに不満を漏らすこともなく、「がんばらなくちゃ。皆に申し訳ない」と言っていたのは宮地さんでした。我慢するのが偉いとかそういうことじゃなくて…宮地さんは「三谷さんが書いた台詞をしっかり客席に届けなければ。この芝居は脚本通りにやれば絶対面白い。そして、与えられたこの役を、こんな切羽詰まった状況で演じられるのは、私しかいない」と言う確信を持っていたのではないかと思います。
三谷さんと役者さんたちの信頼関係に圧倒されました。今でも忘れられません。

・『彦馬がゆく』
いよいよTOPS公演がとれなくなって、紀伊國屋ホール上演版を観たのでした。

・『罠』オリエンタル19940917、エルサレム19941015
同級生の葬儀に集まるかつての友人たち。数年後、この光景が現実のことになるなんて知らずに観ていた。お葬式の話なのにどんなに笑ったことか。今でもモルモソ讃歌唄えると思います(笑)

30年の休団の筈が、15年後に新作が上演されたことはとても嬉しかった。これもTOPSのおかげ。観られなかったけど、いいんだ。WOWOWでオンエアが決まったそうです。

水野裕子さんイラスト、鳥井和昌さんデザインの宣美もいつも楽しみにしていました。TSBとじてキンのDMは凝ってたし綺麗だし、細やかな気遣いが散りばめられていて、届くといつも嬉しかった。



2009年04月09日(木)
ヤットデタマン

タイトルに騙されたひとごめんー!タツノコとは何の関係もないー!

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★速報★『ドリアン・グレイの肖像』上演決定!

公演日程:8月21日(金)〜31日(月)
会場:世田谷パブリックシアター

原作:オスカー・ワイルド
構成・演出:鈴木勝秀
出演:山本耕史/加納幸和/伊達暁/三上市朗/米村亮太朗/ほか

一般前売開始:6月28日(日)
友の会会員先行発売:6月20日(土)
世田谷区民先行発売:6月27日(土)

※開演時間など公演詳細は、決定次第劇場ホームページにてお知らせします。

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何故に公式発表にこげな時間がかかったとか。出るところにはとっくの昔に出てたのにー!

てかだてちんが山本くんと加納さんと並んで画像載ってるのに感動しました。しかしこの写りは…(黙)それにしても何このいい声勢揃いキャスト!ひいー!

月曜日のPTA@リキッドは仕事で行けず(クラブ仕様のPTAなんて次いつ観られるやら…泣)『SEMINAR』のチケットはいろいろと敗れ去りTOPSの話はネタがごろごろ出てきてどうまとめたらいいのかおろおろ中です。そして今仕事でいじっているとかげの画像、顔が石野卓球に似ていてもうどうすればいいのか。



2009年04月05日(日)
The Birthday『38 NIGHTS ON FOOL』

The Birthday『38 NIGHTS ON FOOL』@ZEPP TOKYO

いやー今回のツアーは長かったですねー。日程発表になったのいつだったっけ、もう忘れてしまう程前だよ…ファイナルにしてようやっと観れました。『NIGHT ON FOOL』からは多分全曲やりました。

新譜(と言っても出たのは昨年)のツアーなので、これ迄のキラーチューン「stupid」「KAMINARI TODAY」辺りはやらなかったんだけど、いやはやそれがなくても超重量級、超充実の内容。演奏も進行も若いもんには出来るまいと言うベテランならではの自在さ、落ち着きさ。つってもこのバンド、2006年デビューですけどね。MCでの脱力感と、演奏時での一触即発の緊張感の落差はすごかった。肌がビリビリくる程演奏はトガッているのに、MCになるとどうしてこうユル〜くなるのだろう(笑)

「猫が横切った」はいい歌詞だなー。ねこを女性ととらえてもいいけど、もうねこでいいじゃんよ。見掛けたらそりゃ後つけるよ。てかこれ曲の構成も面白いですね…。そしてこれ迄ずっとそうだったと言えばそうだけど、やっぱチバくんていいメロ書くなあ。鋭いギターリフも重くてドライヴするリズム隊もいいんですが(マクドナルドのCMに使われたインスト曲もやった。いやーこれいいよね、音源出ないかなあ)やはりメロディが一聴で憶えられてしまうのってすごいことだと思う。

それにしても長いツアーの成果?なのか、するっと入れたので前のブロックで観ていたからそう感じたのか、バースデイってこんなに皆合唱するんだねー。コール&レスポンスがあったのにも驚いたが。ライヴがあったら逃さない!と言う程がっついて観てる訳ではないけど、1ツアー1本は観続けてる筈…だけど、どこらへんからこんなにシンガローングなバンドになったっけか。今回のツアーで何か契機があったのか?「涙がこぼれそう」なんて、冒頭のメロまるまるチバくん客に任せてしまいましたよ。この曲、客出しSEでもレゲエヴァージョンのやつが流れていたのだが、帰り難くてフロアに残っていた客が合わせて唄い出していた。微笑ましい。

「もう一曲!」「もう一曲おまけ!」と二度目のアンコールでも3曲。チバくんの歌はやっぱりすごいな。しかしこのひとにしては珍しくちょっと喉がつらそうだった。長いツアーおつかれさまでした。

終わった後ポンチさんと「もうミッシェル知らないひとも増えて、スットコドッコイなチバくんじゃなくて兄貴のチバさんて慕ってる子も沢山いるんだろうねー」と話しました(笑)いいことではないか。

そして帰宅して気付く耳鳴り。ホントにこのバンドは音がでかい。ビールかけられた腕がまだらになってた。空調が弱かったのか客の熱気がすごかったのかとにかく暑くて、ビールなんてすぐ蒸発してたんだけどなあ。



2009年04月04日(土)
『蜉蝣峠』

いのうえ歌舞伎・壊(Punk)『蜉蝣峠』@赤坂ACTシアター

あっはっは、ふるちんがふるちんだ。以下ネタバレあります。って、これもネタバレか。

まあそれはいいとして(よくない)クドカン脚本のいのうえ歌舞伎です。このふるちんやうんこ投げ等、一幕の男の子的な下ネタはこのひとらしいなーと言うところ。しかしPunkと言うからには中島脚本とはかなり趣を変えてくるかなとの予想を裏切り、結構歩み寄りがあったような印象です。クドカンの作品にしては珍しく、ストレートにウェット。器用さが作用したかな、と思いました。

とは言え、比べるのもなんですが、この台詞運びやテンポ、タイミングの噛み合いを大人計画の面々がやったらガチッとくるだろうなと感じた部分がちょこちょこあったのも事実で…クドカンと新感線が組むのって何本目だっけ?こんなふうに思ったのは初めてです。そして個人的にいちばん胸が躍ったのが(笑)じゅんさん逆木さんインディさんと言う新感線メンバーのパフューム(と勝手に呼ぶ)シーンだったんですよね。いやあ、これ曲もアレンジも絶妙でした。振付けも最高。

今迄クドカン脚本いのうえ演出で新感線が、とか大人計画が、とか意識的に感じたことはなかったのだが…うーん何故だ。いや、すごくいい舞台だったんですけどね。体感時間短かったし。一途で弱みを見せる古田さんと言う珍しいものも観られたし。いやーあんなに甘えたさんの古田さんは初めて観たと言ってもいい。お泪とぐだぐだになったまま寝ちゃうとことか、妙に生々しかった(笑)あっ、この生々しさもクドカンにしては珍しいのではないか。ここ茶化さなかったしね。この生々しさやウェットさ、心情を素直に吐露してしまうところが台詞の美しさを際立たせてもいました。人間になんて生まれなければよかった、人間に生まれたからひとでなしなんて言われちまう、しかし死ねば人間はひとでなくなる、皆仏になる。なんて台詞を、一幕でふるちんだったりうんこ投げたり着ぐるみで卵生んだりしてるひとが言う訳ですよ。そこがさりげなくとも感動的でした。

と言う訳でこう…混乱したまま観た感じだったんですが、新感線ならではの殺陣や演出はもう瞬きするのも惜しい程目を見開いて観た。あの緊張感、血が騒ぐシーンが連続する終盤はもうたまりません。特に古田さんと堤さんが一瞬だけ手を組んで闘うシーンがあるでしょう、もーそこがね!あっと言う間でええっもっと観たい!と思ったものでした。あそこねえもんどりうつ程嬉しくて同時にもどかしかったよ!目が4つくらいほしくなるね!どっち観りゃいいんだよ!同時にやるなよ!(泣)古田さんの殺陣ってほんとキマるなあ。刀を使わず、両手に下駄を持って闘うシーンがまたいい。殺陣に入る前の一瞬、敵方を睨みまわすような間があるのですが、その無言の迫力と言ったら。あれは怖い、斬り掛かったら殺されるの明白。と言う程の凄みです。そして堤さんの色気のある殺陣も映える映える。いやーもうゾクゾクする程の眼福でした。

そして盲目の目撃者、がめ吉役の善さん!いやもうこのひとがおむすびにぎると必ず悪いことが起こるので、最後に闇太郎とお泪を逃がそうとなった時に「あーきっとおべんとう持たせる!てことはおむすびにぎる!てことはきっとふたりはもう会えない!」とは思ってその時点でもう泣きそうになってたんですが、ああいう風にがめ吉自ら決着をつけるとは思わなんだ。ビックリして涙も引っ込んだわ…その分心にぐさーときましたよ……。じいさんで、盲目で、一歩退いた静かな役どころでしたが、善さんがいることでストーリーに重量感が加わりました。格好よかった。

それにしても勝地くんはいい舞台役者になりましたねー!(えらそう)じゅんさんや聖子さんと堂々と渡り合っていた。『シブヤから遠く離れて』『KITCHEN』以来だったので4年振りに観たのですが、台詞が身体を通ってる感じといい、動きの滑らかさといい、お見事でした。木村くんもよかった。

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■終演後
劇場を出たら丁度赤坂マラソン真っ最中で大混雑。猫ひろしが走って行くのを見ました

■帰宅後
日テレで『イケ麺そば屋探偵』やってた。さっき観た闇太郎と同じ人物とは思えない古田さん。役者ってすごいですね…いつも思うが古田さんは舞台で観ると何故あんなに格好いいのだろう

■と言えば
闇太郎って名前、吉祥寺の闇太郎(呑み屋)が由来かなーと(笑)クドカン確か吉祥寺在住ですよね



2009年04月03日(金)
アメリカもの

■『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』III ポール・オースター 編
リネさんの感想を読んで気になっていたもの。面白かったー。USオルタナ本と並行して読んだのも丁度よかったと言うか…土地の雰囲気が肌に浸透する感じで読めました。
中表紙に付記されているサブタイトルは「本当のアメリカン・ライフの物語」。車で移動が基本とか、「Dデー」って何?とか、移民してきたいろんな人種が一緒に暮らしてる様。宗教の違い、信仰心の篤さ。サンクスギビングやクリスマス等、家族ですごすおいわいごと、等々。そうやってアメリカで暮らしているひとたちの体験した「本当にあった物語」が、ラジオ番組でパーソナリティを務めるオースターのもとへ送られて来る。オンエアされたものを「動物」「家族」のように分類して掲載。「戦争」カテゴリがあるってのがまたアメリカらしい。
印象に残ったエピソードは、リネさんも書いていたインコの行方が40年後に判った「青空」と、微妙な仲だったゲイカップルがお互いの愛情に確信を持つ「数学的媚薬」、卒業式に履く長ズボン買ってーって頼みごとをしにいった男の子の「金の贈り物」。これ話そのものもじんわりいい話なのですが、おかあさんが焼いてる魚の描写がえらいうまそうなんですよ。あ、あめりかじんはさかなをばたーでやいてろーるぱんにはさむんだな(よだれ)
「戦争」「死」のカテゴリでは、極限の状況の中でもくすりと笑えるような人間のタフさと楽観さが沁み入ります。
不思議なことが起こるのも現実、幸せなことも、悲しいことが起こるのも現実。そのひとにしか体験出来ないストーリーを、ちょっとお裾分けしてもらった気分になる本です

■『ちいさいおうち』バージニア・リー・バートン
本屋さんで見掛けて、わーこれ憶えあるよ、読み返してみよう!と購入。
しかし…なんだか記憶と絵が違う感じがする。もっと両脇のビルが高くて…そのビルの顔がなんかいじわるで……。あと火事になったりしてなかったっけ???
気になったので検索してみると(インターネットって便利だなー)、どうやらウチにあったのはディズニー版のアニメ絵本だったようです。タイトルは『小さな家』だった。



やー動くの初めて観た。いい話だ。
ちっちゃい頃は「原作」って概念がないので、シンデレラも白雪姫もディズニーが作ったもんだと思っていた。くまのプーさんがミルン版とディズニー版両方ウチにあって、その辺りから「なんで違うんだ…」と気付いたんじゃなかったか。
そんなにディズニーに入れ込んだ憶えはないのだが(これを買い与えてくれた親もそんなにディズニー好きではなかったように記憶する)、やっぱりアメリカのものって自然に家に入ってきているなあと思った次第。まあこれは原作もアメリカなのですが。てかこの作者、『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』も書いてるんだねー

■どうでもいいが
ディズニーの白雪姫がお菓子作る時使ってたローラーめん棒(って言うのか。今知った)が、ちょう格好よく見えて当時ほしかったんだった。しかしそんな頻繁にお菓子も作らないし、すぐ飽きるだろうと見抜かれて「これでいいじゃない」とすりこぎを渡されたんだった。しかしすりこぎで生地を延ばすと弧を描く訳ですよ、持ち手の方が細くなってるから。なんつうかこう…ものさびしい感じであったよ

■それにしても
擬人化ものは怖くて苦手だったんだが、『小さな家』と『しょうぼうじどうしゃじぷた』は大好きだったなあ。どっちもちっちゃい子が受け身でがんばっていたら(矛盾)いいことが起こるような話だな。と今になって気付いた。
まあそんなのは後付けで、絵柄がかわいかったから気に入ってたんでしょう