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2018年01月07日(日)
『HINA-MATSURI』

『HINA-MATSURI』@豊洲PIT

ライヴ始めはこちら、ひなっちこと日向秀和ベーシスト活動25周年おめでとうの会。実のところお名前は存じあげていたものの、彼のことをきちんと認識したのはLITEきっかけのFULLARMORから。ライヴを観たのも昨年の『秋の井澤祭り』一度きり。の筈…というのも初期のART-SCHOOLとか、イヴェントで何度か観てるんだよな確か……メンバーだったって昨日知ったんだよ。ZAZEN BOYSもベースが吉田一郎になる前観たことはある筈……。自分の記憶力のなさに唖然とする。

長丁場ということもありFULLARMORの途中から観ました。そっからHINATA’S SESSION、LITE、ストレイテナー。ホストのひなっちは勿論、彼を慕う腕利きのロックベーシストが一堂に会するとあってステージ上が華やかなこと、響く低音はゴリゴリなこと。セッションでは初めてkenkenの演奏を生で観たわ。愛されるキャラクターですね、かわいい。完全インプロだったようなんですが、「昨日(確か)出るでしょ? っていわれて30分前に会場入りした」というSOIL&"PIMP"SESSIONSの社長がキュー出し+仕切りで大活躍。もともとゲスト出演していたタブゾンビとのコンビネーションも抜群でした。てかタブくんと社長、だんだん風貌迄似てきてるよね……。そして楽曲ありきではないフリースタイルの演奏で聴くと、ひなっちもkenkenもFLEAのこと好きなんだろうなあというのがよくわかる。というか、フリーが90年代以降のベーシストたちに与えた影響というものをひしひしと感じました(って、違ったらどうしよう)。誰始まりのフレーズとか、リズムの展開を本人たちの呼吸と社長の采配でいくらでも展開していけるんだなあというのをリアルタイムで聴けてスリリング。本人たちも相当楽しかったようで「これいくらでも、いつ迄でもやってられるわー」「またやろう、すぐやろう」といってました。

転換中のMCは響のおふたり。わーこちらも生で初めて観たー。序盤に皆どこから来た? というのを訊いたらしく、どうやらボリビアからLITEを観にきたひとがいるらしい。マジで…すごいな……と思いつつのLITE待ち、これがえらいセッティングに時間かかりましてん。何があったかわからんがリハでサウンドチェックだけでなく楽曲演奏を結構長くやったりしてたので「えーとこれはいつのまにか本番はじまってるやつ?」と聴き入ってしまったりしてました。で、シンセのパターン出しもかなりやったので「Image Game」や「100 Million Rainbows」をやるんだなということがわかった(笑)。てか「100 Million〜」やるんだーとここはアガッたわー。

始まってからもちょっと不安定なところがあり、中盤迄ハラハラしつつ聴く。考えてみればこれだけデカいハコでLITEを聴くことも珍しく、アタックやブレイクにちょっとタイムラグがあるようにも感じました。そりゃそうだ、コンマ何秒の精度が必要とされる楽曲も多いからねえ。感覚的にも物理的にも緊密な距離感で演奏することが多いであろうプレイヤー側も、様子を確かめながらやっている印象がありました。反して井澤さんのベースプレイがアグレッシヴこのうえない。広いフロアに演奏を届ける意図もあったと思いますが、所謂「(会場に合わせた)大きなリボンをかける」行為は流石百戦錬磨、常連さんも一見さんも振り向かせ耳を傾けさせるに充分。イントロで即歓声のあがった「Bond」では導入のギターループが合わなくてやりなおしになってしまったんだけど、そのときの構造さんの「これは…やりなおしって感じぃ? もいっかい最初からいっとくぅ?」というひとことも和むフォローでよかったな。バンドの底力を見ました。

「こんなにたくさんのひとの前でやると疲れますねー…まだ四曲とかなのにもうぐったり。それをもう四バンド分もやってるひなっちさんはやっぱりすごい。LITEも15周年なんですけど、ひなっちさんはベーシスト活動25周年、どうやっても追いつけない」と武田さん。ちなみにボリビアからきたお客さんは、LITEのとき周囲のひとに場所を譲ってもらって最前列で観られたそうです。よかったね、いい話。

オーラスはストレイテナー、ホームらしくひなっちものびのび演奏していた様子。ロビーにはひなっちモデルのベース(これがまーたくさんある)や使用機材の展示、コラボグッズ販売等、ファンやリスナーだけでなく、バンドマン、ベーシストからの信頼が厚いのだなあと思わされる。プレイヤーズプレイヤーの頼りになる兄貴、という感じなのかな。格好よかったです、25周年おめでとうございます!