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2017年09月05日(火)
LIQUIDROOM 13th ANNIVERSARY LITE / FULLARMOR

LIQUIDROOM 13th ANNIVERSARY LITE / FULLARMOR@LIQUIDROOM ebisu

別名「秋の井澤祭り」。ご本人「自分がいいだした企画じゃないんだよ、リキッドルームから話がきたの」と恐縮しておりました。かくして出ずっぱり、八面六臂の活躍ぶり。あの井澤さんとしかいいようのないベースを堪能出来ました。

先攻フルアマ。五月のツアーはチケットとっていたけど体調不良で結局行けなかったのでやっと観られたよ! ホリエさんと大喜多さんはLITE-Tシャツ着用。ベーシストとしてのひなっちしか知らなかったので全編井澤さんとのツインベースでいくのかなと思っていたら、曲によってアコギもエレギも弾く。彩りゆたかでメロディアスな楽曲揃い、しかし五拍子の曲もあってリズムも面白い。ツインベースの場面ではプレイヤーの色がハッキリ違ったのも興味深かったな、唸るひなっち、唄う井澤という感じ。ひなっちのベース、なんというか浪曲のようだ。

フルアマもLITEも恵比寿リキッドの歴史と重なる活動年数で、思い出話に花が咲く。あの頃はバイトしてたとか、メールアドレス普通に公開してたとか。てか井澤さんのブログ、今でもある(そして思い出したようにときどき更新してる)けど遡るとメルアドも書いてあるよ(笑)。このブログ、学生時代にLITEをはじめた頃からの記録が本人の心情とともに克明に残されていて、今読むと微笑ましいしなんだか眩しい。バイトにもバンドにも誠実に向きあい乍らも音楽だけで食っていきたいという焦りが見えたり、海外ツアーや企画イヴェントをDIYで続けていくなかでの苦労や失敗など、青春時代の泣き笑いがつまってる。こういう記録ってとても貴重だし、残っているとこうやって遅れてきたリスナーが読めて有難いです。

それにしてもひなっちのトーク力に感心したな……講談のようだった。浪曲に講談て。お弁当のかまどやからSiri迄弁舌なめらか、まあひろげるひろげる。急に話をふられて絶句した井澤さんとの対比が面白すぎた。ベースのカラーといいほんと対照的。

後攻LITE、こちらは武田さんと山本さんがフルアマTシャツ着用。なかよし。こちらはガンガン演奏をすすめ、あーいい対バンなどと思う。すくないMCのなかでやはり思い出話、恵比寿に移ってから2年目のアニバーサリーイヴェントにも呼んでもらえたんだけど、今思うとよく出れたな、なんで呼んでくれたんだろうなんて話しておりました。リキッドはいいハコだな! 夜遊びの拠点だったこともあって新宿の思い出の方が印象深いななんて思っていたけど、気づけばもう恵比寿に移ってからの方が長い。13周年おめでとうございます。

前述の井澤さんのブログのタイトルは『LITE井澤日記』なのですが、LITEは井澤さんのホームなのだなあと感じるステージでもありました。エフェクターを駆使し、一曲のなかでも指/ピックで弾きわける等、ベースの音づくりに際しての創意工夫がつまってる。こうして井澤さんのスタイルが確立されたのだなあと思う。それにしても、いつ聴いても瑞々しいなあ。構成が練られた楽曲、それを実演する鉄壁のアンサンブル。ものっそ練習してる感が嫌味なく出てるとこがいい。この曲をやるには練習してあたりまえというか、こういう曲をやりたいからこそ練習を怠らないというか。 まず楽曲ありき、自分たちがやりたいことに対しての妥協がないように感じられる。活動年数と同じく積みかさね、磨きぬかれたスキルと、メンバー同士の信頼感。これらの地盤があると、演奏がとても自由になる。あれだけユニゾンがガッチリ合うのに自由? 矛盾しているようだけど、演奏がピタリと合うことが呼吸するように自然なことになっているということです。

リバーブがかかっていたようなドラムの音が新鮮。プレイヤーとともに演奏も楽曲も進化する、ライヴの真価。リハでも休みがなかった(そりゃそうだ)という井澤さん、「ぜんっぜんつかれてない!」。挙動もキレッキレでございました。

そうそう「7day Cicada」やってくれたの! やっとライヴで聴けたよ〜! 武田さんが「普段やってない曲」といってたけどやっぱレアなの? 七日目の蝉か、蝉の七日間か。生まれて生きて、死ぬ迄の命が曲のなかに織り込まれている。ちいさな命のなんとドラマティックで、壮大で、美しいことか。この曲にこのタイトルつけるセンスも大好きです。夏の終わりに聴けてうれしかった!

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オフィシャルFacebookで終盤四曲(「Bond」「Pirates and Parakeets」「Infinite Mirror」「7day Cicada」。太っ腹!)の動画公開。ステージ袖にフルアマの面々も見えますね。いやーよがっだー

・タイラダイスケ(FREE THROW)【生活と音楽 Vol.2】×武田信幸(LITE)バンドマンとして、バンドを続ける「不安」と「喜び」に向き合う(前編)|Sam's Up
・(後編)|Sam's Up
(後編もアップされ次第貼ります)
「30くらいになった時に周りのバンドがバタバタと止まっていくような環境もあったりして、このまま続けていくのは本当に負担が大きいなと思って」「『ミュージシャン』とか『ギタリスト』というよりは『バンドマン』だっていう感じだった。だからそれを続けるためにじゃあどうするかっていったら」。「生活」と「音楽」の両立。このやりかた、今後も楽しみに見ていきたい

・toe 山㟢廣和というスタイル | dia STANDARD
あわせてこれも。何度読んでもいいインタヴューだなー、インスタの「#山㟢家の食卓」も大好きです