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2016年07月24日(日)
『FUJI ROCK FESTIVAL '16』3日目 その1

今年は最終日のみの一日参加。20周年というか20回目だそうで、毎年必ず行っている訳ではないけど感慨深いものがありましたよ〜。何回来ても楽しいものです。そして何回来ても慣れないものです、今年はこれ迄の経験があんまり役に立たなかったよ(笑)。先が読めねえ!

昨年と同じ時間の新幹線で出発。意外にもそう並ばずシャトルバスに乗れた、待ち時間20分くらいじゃなかったか? 例年は1時間以上あたりまえなのになんでや……と思ったものの、会場が見えはじめてからの渋滞がなかなかのもんでジリジリ。リストバンド交換所の場所が変わっておりおろっとなるがこちらもほぼ並ばず。ここでポンチさんが「BO NINGEN頭から観られるかも」。なんですと、ホワイトへ直行だ! グリーンのMARK ERNESTUS' NDAGGA RHYTHM FORCE(アフロビートですげえ格好よかった。Konono No.1のリミックスとかやってるのね〜ということはバラカンさんも観てたかな?)を横目に急ぐ急ぐ。そういや2CELLOSも観たかったんだった…よ……フェスの宿命、被り悲しい。

■BO NINGEN(WHITE STAGE)
という訳でトップから観られましたよ、なんてラッキー。丁寧なごあいさつからスタート、朝イチとかしらんがななハイテンションの演奏と叫びに目も覚めますな! 思わずスピーカー前迄行ってしまいましたよ。耳がやばい、今日こそはとちゃんと準備してきた耳栓が早速役に立った。耳が痛くなる要素の音をカットする感じなので、演奏はしっかり聴こえます。
で、落ち着いて(といっても盛り上がり乍ら)聴いてみると、メロディの優しい曲が多いこと。童謡やわらべうたのような……郷愁を誘う東洋のふしまわし、この辺りも海外のひとたちが惹かれる所以なのかもしれないなあ。などと思う。疾走するリズムと地を這うベースに乗るこのメロディ、ノイズの海から浮かび上がる美しい声。終盤の「NATSU NO NIOI」では、その歌心で阿鼻叫喚だった聴衆をだまらせよった。野外でホワイトであの静けさ、これは滅多に体験出来るものじゃない。そこへ涼やかに響き渡るヴォーカル……めちゃめちゃ暑い時間帯だったのに鳥肌たちましたよ! 開きっぱなしだった毛穴が一瞬引き締まりましたね! BO NINGENは美容にもいいぞ!
ヴォーカルのtaigenくんはエモさに拍車がかかっておりかなり感極まっておりました。「NATSU NO〜」では泣いてしまったらしい。あああしかしdCprGの時間が迫っているのだった、「最後の曲を〜」と言いだしたところで離脱。なんか客んとこに飛び込んでエラい盛り上がったそうで。あああ〜また会える日を楽しみに!

■dCprG(FIELD OF HEAVEN)
フルで観ないわけにはいかなかったもので……アリガスと田中教順最後のステージです。アリガスは完全に引退、田中ちゃんもドラムから引退(という言い方だったのでなんかしら音楽には関わっていくのかもしれないと希望を持つ)だそうで、人生いろいろ。しみじみ。
FOHに到着すると、既にメンバーが出てきてサウンドチェック中。チェックし乍らも演奏がはじまっていく、曲がはじまっていく。「各自適当に合わせてって〜」という菊地さんは上下黒のトラックスーツでラブハンドルが三周くらいついている。太る宣言しただけのことはあるね〜と思う。それにしてもコロコロした小学生みたいな風情よ、体型が。おしりふりふりがアヒルのようでかわいかったです。そして髪型と帽子が岸野社長みたいになっていた。
「演奏後にメンバー紹介はしないので、今やっておきます」と全員を紹介。このあと一回ひっこんで、さて本番。「おはようございまーす!」とごあいさつ、迎える大歓声。しかし「おはようございまーす! おはようございまーす! おはようございまーす! おはようございまーす! おはようございまーす!」と繰り返し続けるのでなんだかざわざわしてくる(笑)。うひゃひゃ、とあの笑い。「ねっむくてしょうがない!」。笑いがとまらない、「じゃあ、あの(笑)みなさん熱中症に気をつけてください(笑)」。そして、Eの連打。「Ronald Reagan」だ、再びの大歓声。
大儀見さんの髪が伸びてますますジョージ・クルーニーに似ている。菊地さんでなくとも俺、生まれ変わったら大儀見になる。と言いたくなる男前っぷり。高井くんはソロ待ちにマンガを読んではいなかったが欠伸はしており、研太さんと坪口さんはバカンスでリゾートにきたさわやかインテリのよう。アリガスと田中ちゃんはえっ、こうっすか? こう展開するんすか? とコンダクターとの間にしか生まれえない交感に相好を崩しっぱなし。もはやエロい。田中ちゃんと千住くんのアイコンタクトも最後だ。類家くんのtpは刃物のよう、リスのような左の頬袋も本日はより膨らんでおるように見えます。ソリストたちは汗をかき(ヘアメイクバッチリの大村くんは汗ひとつかいていないようには見えたが)、頻繁にポカリを口にし、そしてバッキバキのソロを放つ。合間に聴衆を撮影する。大声で応える、手を振って応える。うだるような暑さなのに頭が冴えまくる。
演奏はガチで素晴らしく、しかし持ち時間50分なので(「Catch22」一曲分じゃねえか)ブラッシュアップされた構成。ところどころ綱渡りのようなところもあり、ジェンガやってるみたいだった。そんなスリルが増せば増す程プレイヤーたちは楽しそう。
「Circle/Line」の前半は初めて聴くようなリズムパターンになっていた。このときの研太さんのあんたら何やってんのという顔がみものだった。導入が相当危うかった「Hard Core Peace」、アウトロは坪口さんと小田さんが前に出てきてソロ合戦。小田さんはショルキー仕様でない有線のkey(ちっちゃいやつ)を持ち上げてきたもんだからシールドがからまりまくって前半は演奏出来ず(笑)その間坪口さんが弾きまくる。菊地さんはゲラゲラ笑ってる、多分ずっと笑ってたんだろう。「菊地ー!!!」ガラの悪い客が終始叫んでる。目をやれば結構な年配な方。ジャズオヤジだね〜。
このガラの悪さ、このカオス。一触即発。これぞ、という感じで最高でした。演奏を終えたプレイヤーたちは固い握手、ハイタッチ、フィストバンプ、笑顔、笑顔。「イキのいいメンバーを見つけたらツアーに出る。そのときはすぐに報告します」。待ってます。
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セットリスト
01. Ronald Reagan
02. Playmate at Hanoi
03. fkA
04. Circle/Line〜Hard Core Peace
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帰宅後菊地さんのブロマガ読んでちょっと涙ぐんだ(エモ)。ホントこのひとの現場を活写する筆致にはヤラれてしまうな。

はああ〜会場についてから怒涛の2アクトでしたよ、ひとまず休みましょ。おやつを買って、オレンジコート跡地はどうなってるのん……とさらに奥地へ。更地にテント、椅子とテーブルでいい休憩所になってました。同じエリアにあるCafé de ParisとBUSKER STOP、SLACK LINES、STONED CIRCLEを見物。ここはのどかでなんだかんだと例年来てしまい、まったりしてしまってなかなか下山出来ない(笑)。当日飛び入り参加OKのアトラクションばかりなので、外国人の方が法被姿でうれしそーに和太鼓叩いてたり、親子が網渡りしてたりとお祭り広場のようで楽しいです。

■はちみつぱい(FIELD OF HEAVEN)
チラ見。K一さんがいる〜。「塀の上で」を聴けた! 世代ではないので矢野顕子のカヴァーの方がなじみなのですが、オリジナルをいい環境で聴けてじわっときた。ときおりヨタロウさんみたいな声がする…と思ったらK一さんと武川さんのハモりで、やっぱ似てるねというか、ヨタロウさんのルーツでもあるからねとか話す。ドラムがかしぶちさんのご子息、橿渕太久磨さん。

■SOIL&"PIMP"SESSIONS(WHITE STAGE)
丈青が金髪メッシュ入ってて、私「MJ(みうらじゅん)……」サさん「YOSHIKIさま……」と思う。個人的にピアノはタッチの重いひとが好きなんだけど丈青は別だなー、むっちゃ軽い、むっちゃ滑らか。音も運指も。おちゃらけフレーズ弾いて社長に「意外な〆だったな」とか言われ、それがまた盛り上がるという。フジ出演も何回めかな、ホームですってな余裕ぶり。秋田さんもみどりんもガンガン行きますぜ。
タブくんはあの重いtp片手で持つことが増えててますますタフ! 素敵! 音も強い〜。よくあの楽器であの音が出るな、しかもこの暑いなか。最後はやっぱり吸入器出してたけどもはやじいさんになってもこのスタイルでいてほしい(鬼)。
やー盛り上がった、やっぱ格好いいなー!

ここでポンチさんとは別れ再びオレンジへ。まったりしていると伸びやかな歌声が聴こえてくる。サさんが「えみちゃんの声に似てる〜」と寄って行き、ついていったら、

■白崎映美&東北6県ろ〜るショー!!(ORANGE CAFE/BUSKER STOP)
本当にそうだったという。いーやーもってかれた、釘付け。ストリートパンク+大道芸の真骨頂といおうか、周囲を巻き込む膂力の強いことといったら。ビラ(こういうときはチラシというよりビラだね〜)を配って告知もバッチリ、しっかり者です。
上々颱風は何度かライヴを観ただけでどっぷり聴いてはいなかった+おかげ様ブラザーズとごっちゃになっていたので(何故)関西のイメージだった。そしてこのいでたちですし(かっこいい〜)、彼らの歌を聴いてカチャーシーを踊るひとたちが多いので(これも何故)沖縄のイメージもあった。白崎さんは山形出身だそうです、あれれ?「それこそよっちゃん(ヨタロウさん)来てんじゃない? と思ったけど『ゴーゴーボーイズ〜』に出てるから無理か」、とサさん。震災時東北をまわった仲。
みるみる踊りの輪が拡がり、なんだなんだとよってくるひとたち。龍踊り(な趣なんだけど龍じゃなくて…あれ、なんだろう? なまはげみたいなの。山形の雪男とかかしら)もはじまると外国人のひとたちがわあわあ写真を撮っている。こういうのがあるから奥地はやめられない。

■J.A.M(Café de Paris)
唄ったり踊ったりしているうちに始まってしまっていた。丈青が進行をしてるのにビックリした。にこやかにさわやかに喋りよる〜! 秋田さんもみどりんもにこにこ、軽口をきき乍らリラックスした演奏。ソイルとダブルヘッダー、間をおかず彼らのもうひとつの顔を観られるのもフェスの醍醐味。
「MINT」聴けてうれしかった、しっとりセットでした。

冷たい風が吹いてきて、雨が降り出し一気に気温が下がる。えっ? という寒さで、山の天気怖い。すぐにおさまったのでよかった。さて降りましょうか。

■BABYMETAL(WHITE STAGE)
dCprGの大村くんもダブルヘッダーです、ここにいる…筈……なんだけど、姿は全く見えませんでした。青山純さんのご子息、青山英樹さんはちょっと見えた……スクリーンで。いやもうすごいひとで。グリーンでやった方がよかったんじゃないかな〜。ホワイトはグリーンから奥地への通路としても使われるので、ここが詰まるとどうにもこうにも。ボードウォークから行くと朝霧食堂に行けないし(そこか)。聴き乍ら移動しとかねば動けなくなりそう、とジリジリ歩く。よって視界は殆どなかった。

■Ben Harper & The Innocent Criminals(GREEN STAGE)
なんとか辿り着きました。ベン・ハーパーとフアン・ネルソンのやりとりが素敵で素敵で。音楽って素晴らしい〜。夕方の風が気持ちいい〜。

ようやく今年初のOASISですよ。ヘッドライナーに備えてごはんなど…といろいろ見てまわるがこれがまあどこも混んでる混んでる。そりゃそうよね…皆アクトとアクトの間にごはん食べるもんね……。行列に並び乍ら天井が高くなったと聞いていたレッドマーキーを外から眺める。結局今年はレッドで何も見なかったなあ。

ようやくごはんを手に入れたが時間が迫ってますよ。もうグリーンに行ってそこで食べよう! となる。わかっちゃいたがすごいひと、そして暗闇。あちこちに転がっている荷物や人間をよけつつ、できあがっちゃったりあばれそうな挙動のひとを避けて場所探し。さてお待ちかね、フジでは10年ぶりのRHCPだ!