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2016年02月27日(土)
『Liebesträume〜愛のオブジェ〜』写真展

『Liebesträume〜愛のオブジェ〜』写真展@PROMO-ARTE PROJECT GALLARY

前日の『原色衝動』に続き、白井剛三昧。2014年に上演された、横町慶子×白井剛のライヴパフォーマンスの写真展です。撮影は萩原美寛。

Facebook(下記リンク参照)に展示迄の詳しい様子が萩原さんのコメント付きで書かれています。「公演がそうであるように小さな生活のエピソードの断片がコラージュしてある」「ですから展示もどの位置からもエピソードが見えるように意識しました」。「写真による再演」で、またあの作品に、あの世界に会うことが出来た。嬉しかった。ふたり並んで歯みがきをするショットは、ウキウキするような気持ちが瑞々しく甦って思わずニッコリ。あのシーンすごく好きだったな、脳内で細野さんの曲が流れます。あのあとドライブに出かけるんだよ。

・細野晴臣/The House of Blue Lights

この曲ね。

ところどころ、ふたりがそっくりに見えて驚く。髪を下ろした白井さんのあるショットを、しばらく本気で横町さんと見間違えていた。顔立ちは全く似ていないのだが、白井さんの持つフェミニンな空気がそうさせるのか、一緒に作品をつくりあげていく過程でそうなっていったのか。勿論全く違って見える場面もあり、柔と剛、直線と曲線、男性と女性、という違いを強く感じるショットも多い。全身を思いのままに動かすことが出来るひとと、左半身を思うように動かせないひと、という違いも。サーブやリフトといった振付からハグ、それ以上の情熱を感じさせるコンタクト、そしてふれあわないままのダンス。それを追い、見つめる視線。お互いがお互いに乗り移るような瞬間もある。白井さんが激しく踊るとき、傍には身体を横たえた横町さんがいて、彼をじっと見ている。その目には、彼と一緒に激しく踊る彼女も映っているのだろうか、などと思う。

会場には萩原さん、白井さんのコメントと、公演時に配布された横町さんのごあいさつ、貫成人による舞台レヴューも展示。レヴューの文面は文字数の関係か? 展示とカタログ掲載のものが若干違っていた。カタログにはない、とある段落にいたく感じ入る。心のなかで頷く。それにしても、今作も『原色衝動』も、白井さんのコメントが産みの苦しみというか、他者と深く関わることに対しての傷について語っているのが興味深い。

そうそうカタログ。展示とはまた違う写真の質感でこちらもとても素敵な仕上がり。手元におくことが出来て、ウチで好きなときに開いて観られるなんて嬉しい。横町さんと、公演にテキストを提供した島田雅彦の対談も掲載されています。

在廊していた萩原さんと少しお話出来ました。こちらに警戒心を抱かせない、とても穏やかな方でした。「再演…あるといいですよねえ」「そうですよね! 待ってます」。再演を待っている。でも、急いではいない。その間、写真展のことを思い出し、カタログを見ることが出来る。

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・Liebesträume〜愛のオブジェ〜写真展|プロモアルテ ギャラリー
・『Liebesträume〜愛のオブジェ〜』写真展|Facebook

・脳波で楽しむ現代音楽の新表現 白井剛×中川賢一×堀井哲史 - インタビュー : CINRA.NET
どうにもこうにも日程が合わず諦めたんだけどこれも観たかったよ〜