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2016年02月21日(日)
『同じ夢』2回目

『同じ夢』@シアタートラム

東京千秋楽。同じ公演をリピートするのも久々だなあ。基本の感想は初見時と変わらず。席の位置が上手側から下手側になり、大森くんの細かな演技をしっかり観ることが出来た。以下おぼえがき。

・オープニングとエンディングに流れた印象的な曲はTom Waits「Temptation」。この声絶対トム・ウェイツだよなあ、聴いた憶えもある…しかしタイトルやアルバムが思い出せない〜とのたうちまわって探していたら、twitterでヒット。有難うございます。いやあ、便利な世のなかに……



・ANiTA's room『誘惑』
歌詞対訳はこちら。有難うございます!
・こうやって聴くと、いろいろ思うところありますね。内容書くまえにタイトル決めていたそうだけど、この曲もイメージとして赤堀さんにはあったのかな
・THE SHAMPOO HATでもトム・ウェイツはよく使われていた憶えがある

・千秋楽ということもあるのか評判からやってきたひとやリピートしたひとか、通路迄ビッシリ立ち見客。反応もよく、そのノリに役者がまた乗っていく効果もあったように思う
・観客の集中度は高い。換気扇がまわっているときとそうでないときの静けさの違いが明確にわかる、それと共振するかのような登場人物たちの心の動きが伝わるこの空間。最高
・ヘルパーが家の主人に深刻な告白をするところ、麻生さんの目に涙が。前回観たときはもうちょっとドライだったようにも見えた。今回はその「なんでもない」が限界に近付きつつある様子と映り、胸に迫った

・思えば今回の座組、『動物園物語』のジェリーを演じた役者がふたりいますわね
・今回の哲司さんがジェリーを思い出させる根拠、声のトーンやさりげなく話すことの物騒さだけでなく、会話のなかで相手の家族構成やらなんやらを根掘り葉掘り訊くところもだわ。で、相手に対する予想がトンチンカンだったりするところもだわ
・赤堀さんここらへん意識したのかなあ、たまたまかな。考えてみればジェリー、赤堀作品にも出てきそうなキャラクターである

・それにしてもこの、会話のなかから徐々に登場人物の生活環境、収入、家族構成が徐々に暴かれていく構成の見事なこと。説明を排しに排した会話劇の旨味、赤堀雅秋の真骨頂と言われるのもわかる。これだ、これ
『大逆走』についてのKERAさんの批判には当時ぐうの音も出なかったが「まずホンをちゃんと書けよ(おまえはちゃんとホンが書けるんだから)」という気持ちも感じていたものです。こういうとこKERAさんって感じ、よき先輩
・でも個人的には『大逆走』は愛すべき作品なのでした