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2013年12月21日(土)
『こねこのミーシャ』

『こねこのミーシャ』@ヒューマントラストシネマ渋谷 シアター3

ロマン・カチャーノフ監督没後20周年記念、ロシアのパペットアニメが『mitten+(ミトン プラス)』として日本初公開+リバイバル。『こねこのミーシャ』『ミトン』『迷子のブヌーチカ』『レター』が上映されました。初日おみやげでマシュマロチョコやポストカードが配布され、上映前にマトリョーシカ+テルミン=マトリョミンの演奏会もありほのぼの。会期中いろんなイヴェントが開催されるようです。上映館側の企画に好感。

前回『ミトン』を観たときの感想はこちら。
・『ミトン』

そうそうこちらにも書いてるけど全て父親不在の話なのよ…そしてここ一年でロシアに関する知識が増えたので(…)いろいろ思うところがいっぱい!人形の仕草もお話もたいそうかわいらしいのだが、端々にソ連時代の社会事情が見え隠れ。『こねこのミーシャ』の労働賛歌(文字通りここミュージカル調になる)とかひいーってなります。あと住宅事情な……。そうやって改めて観ると、『ミトン』『レター』のお母さん描写にも恐ろしいものが。最後はいい話になってよかったよかったって感じになってますけども、根っこの部分はなんら改善されていないと言う……ソ連のおかあさんってああなの?ねえ、どうなのこれ(泣)。

しかしその制限された生活のなかにも楽しいことはあるのですよと言う…複雑な気分ですけども、こういういいとこ探しと、暮らしは物量よりも心が豊かであることがだいじ!そして想像力(妄想とも言う)がだいじ!と言う前向きな姿勢がよい。『ミトン』の主人公の女の子なんか、いぬを飼いたいあまりミトンをいぬに見立てて引きずって歩いてたら、そのうちミトンが生きたいぬとなって駆け回りますからね!もう泣ける!つらい!でもかわいい!『こねこのミーシャ』のミーシャ(あたまが有り得ないしましま模様でちょうかわいい)も家がなくなって、あたたかい心地よい寝床を夢に見るんですが、その場面(ここの三番目に出てくる画)がもう……きらめくちょうちょ?、ふかふかのクッション、ねずみの壁紙、飲んでもなくならないミルク。ペーパークラフトのそれらがかわいらしいやら文字通り吹けば飛ぶよな紙製なので儚いやらでのたうちまわりました。

てか上記の作品紹介のサイト、いちばん最初に出てくる画面(家の跡地でぼんやりするミーシャの後ろ姿)でその仄暗さが伝わると思われる。かわいいせつない。ロシアとチェコアニメは本当にせつない。

『迷子のブヌーチカ』のとあるシーンで、おまわりさんが女の子にあげたチョコレートがまさにあの六角形包装のあれでわー!となりましたわ。ソ連時代からあるお菓子。ここ一年ちょこちょこ通販して、包装紙も集めています。どれもかわいい。

はあーロシア楽しい(そこに落ち着く)。物販にこらしめられて帰ってきました。ぬいぐるみもほしかった……。