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2013年12月22日(日)
『ア・ラ・カルト 2〜役者と音楽家のいるレストラン〜』

『ア・ラ・カルト 2〜役者と音楽家のいるレストラン〜』@青山円形劇場

このタイトルを書くのも最後か。青山円形劇場と書けるのもあと何度かな。

ファイナル行って来ました。四半世紀近く観続けてきたものが終わるのはやっぱりさびしい。青山劇場の前ではこどもの城存続のための署名運動が続いていました。

基本的に構成はいつものとおり。閉店とは言わない。しかしところどころに予感が潜んでいる。また来るねとかずっと来るねとかお客に言われて苦笑い、複雑な表情を浮かべる店長。ついていきますよ、と先輩に声をかける若手ギャルソン。食事をして「おっ、おいしい!すっごくおいしいね!ここのレストランって…おいしかったんだね」と言う台詞にはウケたわー。例年と食材が違うのか?(笑)

ノリコさんと来店しなくなったタカハシのワインを嗜む会は解散の危機を乗り越える。後輩は僕だけになっても続けると言う。父娘や老夫婦は来なくなり、伴侶を亡くした男女がやってくる。幕切れは「例え世界がなくなっても、私だけは生き残りますように」と言えた無邪気な時代から「このレストランだけはずっとここにありますように」へ、そしてその言葉もなくなる。随分遠くにきた。四半世紀を噛み締める。

偉そうですが、中山さんすごい巧い役者さんになったなあと思いました。不遜なふりして天然、キッツいのに愛される毒舌。あの味はなかなか出せない。リニューアルしたこのレストランに彼がいてよかったと思った。

ゲストはイケテツさん。ご自分で言及してらしたがそうだった、女装でヒロスエと言えばイケテツさんだったわ(笑)現在人生最大の体重だそうで、踊りもちょっとあぶないですと事前に言っておられました。ふとったイケテツさん、昔の会社の同僚に似てるんだよね……(笑)。

最後の挨拶では高泉さんも中西さんも感極まっておられた。カーテンコール、観客はスタンディングオベーションで迎えた。いつもどおりの上演だけど、最後の最後で表情が崩れた。何度この公演で笑い、涙し、あたたかい気持ちで劇場をあとにしたことか。長い間有難うございました。