初日 最新 目次 MAIL HOME


I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
kai
MAIL
HOME

2012年05月30日(水)
LÄ-PPISCH 25th Anniversary『Tag of war』Vol.1

LÄ-PPISCH 25th Anniversary『Tag of war』Vol.1@SHIBUYA-AX

「おばあちゃん、その話はさっきもしたでしょう」と言われそうだがもうこれは自分がもの忘れが酷くなったときに読み返して思い出す用なんですと言うことで勘弁して…あともうボケちゃってて記憶の改竄が行われているかもしれないので間違ってたら指摘して……。そして気味悪いくらい長いんでご注意を。

レピッシュは10th Anniversaryの時にも対バンシリーズ(『10年目のQ』。『Q』が出た後ですね)と言うのをやったのですが、そのときの相手がスカパラとBUCK-TICKだったんですね。で、BUCK-TICKはあっちゃん(櫻井さんを素であっちゃんと呼んでしまうのはこのシーンを通った世代の病気です)の急病(腸閉塞かなんかだったかと。「(しばらく意識がなかったので)チ○ポにカテーテル入れられたぜ!」て話してたのを憶えている…流石ポコチンロックは言うことがふるってるわ)でキャンセル→急遽ワンマンになり、スカパラはスカパラで冷牟田さんが復帰出来るか判らない時期で、メンバーが揃わない状態で出演してくれたのです。当日、冷牟田さんが休養している理由と経過が書かれた紙が配布されました。ライヴ自体はとても楽しかったし内容も素晴らしかったんだけど、旧赤坂BLITZを出たところで「でも、残念だったよね……」と話したことを憶えています。

なので、25th Anniversaryでこうやってまた対バン出来たってことがすごく嬉しい。マグミも言ってたけど「長くやってるとこうやってまた一緒にやれる」ってね。冷牟田さんとはまた出来なかったけど、これも長くやってればひょっとして、ね。これもマグミが言っていたことだけど、「いろいろ背負っていくものがある」って言葉はこの両バンドにはしみる。BUCK-TICKとは同期なので彼らも25周年。続けることの大変さと、だからこその凄み、重みってのはあるもので、そしてそれを観られることはとても嬉しい。

とは言うものの、悪い方悪い方へとものを考えがちなので、当日始まる迄「スカパラに何かあったらどうしよう!」「マグミも腰大丈夫なんかな…」「地震で中止とかなしで!」とかドキドキしていた小心者ですよ……。いやはや無事始まって、無事終わって本当によかった。「家に帰る迄が遠足です」って言葉が年々実感を伴ってくるわ(苦笑)。

先攻スカパラ。観たのすごい久々だったんだけど(四年振りだった。冷牟田さんが在籍していた最後のツアーかな…)opでいきなりつよしくんがセンターでオラオラ弾いたので腰が抜けました、嬉しくて。私のスカパラオシメンはずっとつよしくんですよー!キャー!2曲目に早くも「ルパン三世’78」、そして3曲目「SKARAVAN」ではローディくんがステージ中央にセッティングしたばかりのマイクスタンドをつよしくんが蹴り倒す。ギャー何なの格好いい!ワイルドだろ〜!加藤くんも何すんのみたいなリアクション(笑)苦笑し乍らローディくんがまたなおしに…おつかれさまです……。それにしてもめちゃ攻めのセット、アガるわー。谷中さんの毎度ちょーハッピーなご挨拶で序盤から盛り上がる盛り上がる。谷中さんバリサクソロもあって格好よかったな……。

欣ちゃんがMCで「学生の頃から聴いてたレピッシュと対バン出来るなんて!」みたいなことを言っていて、ああそういえば欣ちゃんが加入してからの対バンは初めてなのかな…と思い、ここにも時の流れを感じたなー(調べてみたら2002年にイヴェントで共演はしていたようです。欣ちゃんがスカパラに加入したのは2001年)。「当時のtatsuさんはあんな髪型じゃなかった」だって(笑)。しばしウットリエモい喋りをした後、「僕いつもこういう喋りなんです」て断ったのが面白かった。やっぱ対バンだとその辺り説明した方がいいって自覚が…あるんですね……(笑)。そしてその欣ちゃんVo.で「めくれたオレンジ」!わーこれが聴けるとは!嬉しい!

「25周年おめでとうございまーす!」と加藤くんがギターをかき鳴らし、北原さんがサックス&ブラス・マガジンとのコラボpBone(かわいい!)を演奏したり、ナーゴが馬の首ぬいぐるみを被って馬のヒヒーンをTpで吹いたりとサービス精神も毎度乍らすごい。このときGAMOUさんが馬だ馬だと叫んでいてそれにもウケた。スカパラ今ツアー中なんですよね。ふとステージに立つひと、のことを思い返したりもしました。役者もミュージシャンもそうだけど、彼らがステージに立つことは日常。しかしライヴを観にくる土地土地のひとたちにとってそれはスペシャルなこと。その日を楽しみにして、オシャレして、いろんな期待を胸にやってくる。それら全てを受けとめて、どの土地でも、どのライヴでも皆がスペシャルな思いを抱えて帰路につけるようなライヴをする。そのショウマンシップには頭が下がります。

一時間くらいだったのかな?にも関わらずまるでワンマンだったかのような濃い内容。湯上がりみたいになって出て行くひとがいっぱい。一旦フロアががらんとなって、しばらくするとビールやドリンクを持ったひとたちが続々帰ってきました(微笑)。

後攻レピッシュ、出囃子は「KARAKURI」。この演奏には雪好も上田現も参加してるんだよなと一瞬思いました。もうどうやってもあの5人が揃うことはないけれど、ライヴハウスで大音量で、この音が聴けたのは嬉しかった。1曲目は「OUR LIFE」、ギターソロでいきなり音が出ないと言うトラブル。恭一がさあソロ弾くぞ〜ってな態でギターを交換した直後だったのでガクッとなった。あれ?と例の両腕あげるポーズで固まってる恭一にローディくんが駆け寄っていく、たのむよー。されるがままでコードの接続なおされてる恭一の姿にはちょっと和んだ。で、音が鳴ったらテへペロして弾き始めたぞこの男!あのデカい口でな!このやろう萌えるじゃねえか!

対バン効果かアゲアゲの連発、いくつになってもこういう負けず嫌いが表に出るところが“らしい”。スカ多め、ホーンセクション多めの曲を並べてきた印象で、これはやっぱ相手がスカパラだったからかなと思ったりしました。そして奥野さんが参加した効果、ライヴを重ねる毎に実感を伴ってくる。メンバー紹介のときマグミが奥野さんのことを「思ったよりすごい風を持ってきた」と言ったんだけど、メンバー自身にも相当な手応えがあるのだろう。演奏可能になった曲が確実に増えたし、その楽曲のポテンシャルが最適な形で発揮されている。あのピアノ、あのアコーディオン。「FAMILY」に「LAULA」なんて、聴いたの何年振りだ…そうそして奥野さんのアコーディオンで「ハーメルン」が聴けたの。3月の『25周年のその1』ではやらなかったのでこれはキた。

マグミが風と言う表現を使ったことが印象に残った。「10ルピー払ってボクは風を待つ だましてもいいぜ ずっと待ってる」を思い出した。待っていた風がきたんだ。

メンバーが水を得た魚のように見えた。この編成で演奏が出来る、このメンバーで暴れられる。実際皆すごく暴れてた。恭一(何度も奥野さんのところに寄って行ってたな)も増井くんも、奥野さんも。矢野くんは動けないのであれだけど(笑)。tatsuのあれやこれやがあんなに表に出るのも珍しいよね…(tatsu比)。マグミはジャンプを連発してて正直ヒヤヒヤした。4月にギックリ腰をやって、直後のARABAKIには車椅子で出演していたそうなので、大丈夫なんかと思うよね…こういうことあんまり言うと悲壮感が漂ってしまうのであれなんだけど、でもやっぱりこの歳になると心配になるのよ。そしてこの歳になるとノホホンとはやってられない、決意と言うものが必ず必要になる。レピッシュのことをいちばん好きなのはマグミなんだろうなと思うし(このインタヴューでも「最後までレピッシュをやって」なんて言ってるしね…こういうことをてらいなく口にするようになった)、実際茶化し抜きで、ステージにいる彼は死にものぐるいだ。だからMCで数も数えられなくなるのよ(笑泣)。下ネタと誰もついてこれない間合いは元来のものですけどね……。

そうこうするうち「LOVE SONGS」のイントロ。ええっやるの!?いやでもやるにしても、あれはやらないだろう今日は…「腰もいい具合になりよるけん」とさっき言ったけど完治はしてないでしょう、無理はしない方が…明後日もあるんだし……と思いつつ演奏が続くのをドキドキしつつ眺める。そのうちマグミが2回水を吹いて、ペットボトル投げて、クラウドに中央に集まれってなジェスチャーを始める…おいおい……やりましたよクラウドサーフで往復。流石に泣いた、ここは。大人は無理をするんだよ、大人げなくな。

しかしその往復スピードが過去最速であった。杉本が「今日速いー!今日速いー!」と二度叫んだ程だった(笑)。泣き乍ら笑ったわよ!AXでクラウドサーフを披露したのを観たのは20周年の単独筋少との対バンのときだけど、どちらもこんなにサクサク運べなかった…これはひとえにスカパラのファンの方の身体能力なのではと。てかスカパラファンって、このバンドにしてこのファンありと言うか、ヘルシーでタフなイメージがあるよ。で、レピッシュはひねくれ者が集まるし、筋少は文系なイメージ。偏見なのかこれ……いやでも実際あのスピードには瞠目した(笑)、マグミの腰の負担も軽くて済んだんじゃないかな…ありがとースカパラファンの方々!

そんなこんなでマグミに釘付けだったんですが、目を戻してみればステージから落ちかかった箱状の何かを抱えてスタッフがあたふたしている…キーボードですやん。なんでそこにKeyがある……奥野さんが抱えて前に出てきていたらしい(爆笑)何しとん。その後本編最後の「MAGIC BLUE CASE」のときにスタッフが奥野さんの周りにSaxを置こうとしているのか片付けようとしているのか不審な動きをしており、何やってんだろうと思ったんだよね……。

アンコール、マグミが「メンバー紹介のとき言い忘れた」と上田現の名をコール。「言っとかないと後でイタズラされるかも知れないんで」だって、確かにいろいろやられたもんね(笑泣)。続いて誰もついていけないマグミのMC。だんだん客がひいていく。いやあの…スカパラファンの皆さんひかないで…欣ちゃんや谷中みたいな、どのバンドにも不思議トークするひとがいると思ってくれると助かる……。「LAULA」ではtatsuの貴重なコーラスも聴けた、うわー!

そしてスカパラホーンズと大森さんを呼び込んで、マグミとしばしゆるゆるトーク。つきあい長いのでいろいろ面白い話が聞けた、どこ迄ホントの話かわからないとこもオモロい。初めて会ったとき谷中くんはまだ十代だったとか。あーでもそんなもんだよね、私もスカパラ初めて観たとき谷中さんまだ大学生だったもん(ひぃ)。で、マグミに「どうしたら俳優になれますか」って訊いたとか(爆笑)その頃からずっとシャツの襟がデカいとかあっはっは。GAMOUくんとは初めて会ったとき歳上だと思ってたら下でショックだった、でもずっと変わらないから今では全然下に見える。北原さんにだけは敬語だった…「唯一の歳上だから」だって。北原さんの黒幕っぷりがわかるわ……(笑)ヒットスタジオのときは有難うございましたとか言ってた、あったあった!ナーゴには「同じステージでトランペット吹きたくない」(笑)、大森さんとはスカパラより前、明大に出入りしてたアマチュアバンドの頃からのつきあい。「四十代美形ランキングで俺より2つ順位が高いので同じステージに立ちたくない」、これずっと言ってたけどどこのランキングなんだよ!と言う訳で「予想通りの」お待ちかね、オーラスは「パヤパヤ」!スカパラホーンズ+マグミ+増井くん+奥野さんの計7管、圧巻!

……さらっと書きましたが奥野さんがホーンにいたんですよ。A-Sx吹いてた。奥野さんtwitterでどなたかに「もうSaxも吹いちゃえ」とか言われてたけどさ、ホントにやりよった………。いやもう奥野さん、ドットのシャツに細身のスーツと言いちょっとだけ逆立てた茶髪と言いその挙動といい、あの、どこ迄意識してるか判らないけどホント現ちゃんに……根っこに通じるものがもともとあったのかも知れないけどいろいろとビビるわ。25周年のあれやこれやは全部関わってくれるのかしら、ホント有難うございます。

tatsuが笑い乍ら演奏する程(!)楽しい時間ももう終わり。最後、tatsuはスカパラとハイタッチもしてた。ホント珍しい…皆笑顔で帰っていく。谷中がマグミをやさしくハグしててごめんすごい笑ったけどジーンとしたわ。最後はマグミと大森さんが肩組んでレッドカーペットのフォトセッションみたいなポーズとって帰っていきました。こうやって並ぶとマグミと大森さん、シルエットが似ているね。

思えば現ちゃんが亡くなってから、こんなに笑ったレピッシュのライヴは初めてだった。

-----

セットリスト

(KARAKURI)
01. OUR LIFE
02. CONTROL
03. 無敵のサラリーマン
04. おやすみ
05. リックサック
06. ハーメルン
07. FAMILY
08. VIRUS PANIC
09. COMPLEX
10. ワダツミの木
11. 美代ちゃんの×××
12. LOVE SONGS
13. MAGIC BLUE CASE

encore
14. LAULA
15. パヤパヤ

-----

NEXUSのライヴレポートはこちら→・『レピッシュとスカパラが合体で”パヤパヤ”! 華々しい幕開けの第一夜』