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2010年05月04日(火)
『TOKYO M.A.P.S』『MUSIC DAY 2010 / SATURDAY NIGHT R&R SHOW 2010〜SPECIAL Vol.2』

『TOKYO M.A.P.S』@六本木ヒルズアリーナ
六本木ヒルズとJ-WAVEが毎年GWにやっているイヴェントだそうです。今年のオーガナイザーが菊地さんで、初めて知りました。しかしこれ、フリーで聴けていいの?と思う程のちょう贅沢ラインナップ。そして野外の仮設ステージなのにめちゃ音よかったです。
二日目のみ参加、口口口、坪口昌恭、BEATSICK.JP、山下洋輔introducing寺久保エレナを観ました。いやー、皆よかった。坪口さんピアノ使うかなと思ったらモジュラーシンセソロだった。配線コードを沢山持ってきて、その場で繋いでいって音を足したり引いたり。ustreamで手元の映像を同時中継していました。
バッキングに徹する山下さんを観られたのも新鮮…現役高校生のサックスプレイヤー、寺久保さんを前面に出したセット。寺久保さんはセッティングから出てきていてリハも全部観られたのですが(山下さんは全部おまかせで本番迄出てこなかったよ・笑)、スタッフたちがサウンドチェックでステージを駆け回る中所在なさげに音を出していたのでちょっと心配に…ところが!本番始まってみたらこれがすごかった。なんか…悟ったような音だったよ!フレッシュとかそんなんじゃなくて!小学生の時にチャーリー・パーカーを全部聴いて研究していた(!)との逸話もはさみつつ、そのパーカーと言えば、のバードからインスパイアされた山下さん提供の曲「North Bird」も披露。寺久保さん北海道の子なんだそうです。いやーよかったなー。
勿論sxが入らないパートやソロではバリッと山下洋輔な音も飛び出し、年配の観客から「ようすけー!」と歓声が飛ぶ場面も。pf、bのユニゾンの繰り返しからばあっと展開する瞬間がすごく格好よかった!
カヒミ・カリィのリハに菊地さん、おおともっち、ジム・オルーク、熊谷さんが出てきたところでタイムリミット。うわーん同じ日じゃなければ最後迄観られたんだけどなー。この日はハシゴなのでした。熊谷さんは当日発表になったみたいです。あーどんなステージだったんだろう。

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LÄ-PPISCH/筋肉少女帯『MUSIC DAY 2010 / SATURDAY NIGHT R&R SHOW 2010〜SPECIAL Vol.2』@SHIBUYA-AX

思えば筋少観るの初めてじゃないか…?アルバムは何枚か聴いていたが。橘高さん側のアンプ8台積みましたセッティングにビビり、ツーバスのドラムにおわーとなり、開演前からドキドキしたよ!なんかコール&レスポンスにお約束みたいなのがあってそれには付いていけなかったが、曲は知ってるものばかりでむちゃ楽しかった…橘高さんは全然ルックス変わらないし、内田さんはサラサラストレートヘアになっててなんか若返って見えたし(笑)、本城さんは逆にいい感じで歳とったなーって感じになってたし、オーケンはあんなだし、エディはますますパンパンになっていたようだった。
いやー素で「高木、ブー!」とか「ダーメダーメダメダメ人間ダーメにんげーん、にんげーん」と合唱してしまったよ…「釈迦」も聴けて嬉しかったなあ。新曲も格好よかった。そしてアホみたいな感想を言うがすごく演奏が巧いわ……。

最後に上田現がいるレピッシュを観たのは2007年のAXだった。それ以来の、AXでのレピッシュ。いいセットリストだった!なんか…ああ、続ける気があるな、と言うか……。新曲を作りそうとかそういう意味ではないんだけど。リハしっかりやらないと出来ないだろうな、と言う曲が新しく入っていた(3月のチッタには行けなかったので、ここらへんどう動いていってるか判りきれてないんだけど)。「東京ドッカーン」とか。『マイム』は相当しんどい状況で作られたと聞くが、個人的にはとてもとても好きでヤバいと思っているアルバム。特に上田現の詞と曲は今聴いてもゾクゾクする。こうやってまた、ライヴで聴けたことがとても嬉しかったし、これからライヴで聴けるそういう曲がまた増えていくかも知れない、と思えたこともとても嬉しかった。それがいつ迄続くかは判らないけど。

音のバランスは危ういところもある。こちらの耳の慣れもあるのだろうが、エレピのパートを増井くんが弾いていたり、シンセの音を増井くんがtbで吹いていたりするとドキッとする(増井くん大活躍だな・笑)。確実にひとり(もしくはふたり)足りない、と言う感じがする。勿論矢野くんのドラムはとてもいいんです。でも、「爆裂レインコート」を唄うひとはもうこの世にはいないし、「上田現のテーマ」や「ヒゲパワー」をやる機会はもうないかも知れない。それでもこの日の「ハーメルン」から、あ、次は絶対これだ!と何故か思って実際にそうだった「プレゼント」を聴けたことはなにものにも代え難い出来事だった。そして、マグミって作品の中の登場人物の感情を歌に乗せるのが天才的に旨い歌い手だけど、この日の「ハーメルン」や「プレゼント」はコンディション云々と言ったことはどうでもよくなる程のものだった。いや、それだけではなかったような気もする。

ARABAKIでマグミは脚を怪我したそうで「テーピングしとるんだ」とのことだったけど、そんなん言われる迄気付かなかった。と言うか、言われても「おいマジで?」てなくらい動き回って跳ね回っていて。「『リックサック』やってる時にプチッとな…」と言ってたけどええそれ靭帯?アキレス腱?だ、だいじょうぶ?水を飲む回数も多かったし、高音も出づらそうで苦しそうだった。「LOVE SONGS」ではやはりフロアに飛び込んで、クラウドサーフでPAブースとステージを往復した。ブース傍で観ていたんだけど、泳ぎ着いたマグミはかなりヤバい感じで、正直フラフラっぽかった。目もイッてた。Uターンのサポートをするためだろう、PAブース内にいたスタッフが3人フェンスを飛び越えてフロアに駆け込んで行った。

スタッフに持ち上げられてPAブースにあがった時のマグミ、ちょっと立てない感じだったのね。それでスタッフが大丈夫?みたいに手を出そうとしたんだけど、マグミは「大丈夫!助けなくていい!」とでも言うように彼らを手で制した。そしてフロアに振り返って、そこに飛び込むからセンターに集まれ!とジェスチャーをして再び飛び込んだ。ステージに戻った時酸素吸入してたし、しかし間髪入れずに「美代ちゃんの×××」のイントロに入って、あれすぐホーン入るから吹けるか?大丈夫か?と胸が痛くなったが、tpを構えたマグミはなにごともなかったようにホーンパートを吹き始めた。

実は相当調子悪かったんじゃないだろうか。いやあ…惚れ直した(どS)。

アクシデントがあったからこそ、とは思わないけれど、そういう状況にはいつでも遭っているひとたちだから、どんなことがあってもやりきる(プラスに転じる、とは言わない)ことが出来るのかもと思った。代償が大きいこともあるし、望んでそういう状況に足をつっこんでしまう訳でもないだろう。でも、そうなってしまう。もう何度も見た。と言うより、いつでもそうだったような気すらする。今後バンドが続いていっても、穏やかである筈がない。きっとまたつらいことがある、悲しいことがある。それでも聴き続ける。

橘高さんと恭一のアンプ数比べネタがオモロかった。アンコールでは散々サプライズだぞシークレットだぞと前振りしていて誰もサプライズと思ってすらいなかった(笑)水戸さんも出てきて「サイクリング」を、そしてこのイヴェントらしくポコチンコールもした。いやーポコチンロックっていいよねー。ほんと大好きだよ。

レピッシュはやっかいでしんどいバンド。でも大好きなバンド。