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2010年07月28日(水)
THEM CROOKED VULTURES

THEM CROOKED VULTURES@SHIBUYA-AX

ウォームアップギグとは思えん、地力あり過ぎ(笑)。そしてアルバムもよかったんだけど、ライヴはパワーも音の多彩さも桁違いだった。覚悟はしていたがすごすぎたわ…久々に“超弩級”を観た思い。凝った演出も仕掛けもなしに、ですよ。非常に身体的。これをAX規模で観られてしまう日本って!おら幸せもんだー。

OAはMGMT。若い子らしい謙虚さか遠慮か、ちょっと引っ込み思案な印象(機材トラブルもあったようだった)。でも一所懸命さが伝わって好感が持てました。しかしソールドアウトしてから発表されたこのOA、MGMTファンで逃したひとも多かったのでは…いろいろ勿体ないと言うか贅沢過ぎと言うか。フジではきっともっと盛り上がるよ!

さてTCV。じらしてじらして、ふらっと出て来たメンバーにフロアは大盛り上がり。アンコールなしで2時間、ガッツリやりました。ジョンジー、デイヴ、ジョシュにサポートでアラン・ヨハネスの4人編成。

まず驚いたのが、どバンドだったこと。ここ最近何故か多い、実績のあるひとたちが組んだ“スーパー・バンド”ではあるものの、ZEPとFFとQOTSAのメンバーが組みましたじゃあ済みませんよと言う。勿論足し算の部分はある。ZEP直系!ボンゾ大好き!「移民の歌」(やっぱ邦題で書くよねー!笑)なリズムパターンも大サービスなデイヴのドラミング、モンドでスモーキーでフリーキーなジョシュの歌(ハンドマイクでダンスし乍ら唄い出したのには大ウケ)、中低音でゴリッゴリにひずませたリフ連発のベースはもちのろん、様々な楽器(ベースはバンジョー型からカオスパッド付迄さまざま、ショルキーもエレピもヴァイオリンも!)を操りサウンドにグルーヴと色付けを加えるジョンジーは非常に優雅。そしてギターはジョシュとアランどちらが主導と言うのはなく、エフェクターも多用して交互に時には同時に強烈なリフを繰り出していた。

ベースの中低音が多かったせいか時々ギターのそれに近い音域が聴き取れなくなってた。まあこれは自分の耳が潰れていたのかも知れん…もう音がでけーのなんの、最高!そうそう、ジョシュすごく歌うまくなったね(無礼)!と言うか唄い方変わった?地声もすごくしっかりデカく出すようになってた。

なんかこう書くとうわあおもちゃ箱みたーい、キラキラ〜?て感じだが、実際に出る音はゴリッゴリの轟音、ハードでヘヴィー。しかし'80〜'90年代のハードロックともヘヴィーロックとも違う。'70年代のZEP的なサウンドや変拍子はあれど(追体験出来たようで楽しかった)、FFもQOTSAもド真ん中なロックではないごった煮っぷりなのでそこが出た感じかなあ…やはりモンドがキーワードになるのか?プログレな荘厳さもあり、後半はジャム展開。非常にオリジナルなバンドサウンドになっているように思いました。

パワフルで赤身の肉大好きドーナツとコーヒー大好き(何せデイヴは“FRESH POTS!”(後述)ですからね・笑)アメリカ人、てなデイヴとジョシュ(アランは肉好きかはわからんがドーナツは好きそう・笑)。ジョンジーは紅茶を嗜みそうな穏やかな、でもブラックユーモアを持ち合わせているイギリス人。実際どうかは知らないけど(笑)そんな彼らのやりとりが音になっているよう――イギリスとアメリカの交歓会を見ているようでもあり興味深かったです。

誰がフロントマン、と言う訳ではないけどヴォーカルのジョシュがMCをつとめていたところもバンドの不思議なバランスを感じました。メンバー紹介の時はジョンジーにすごく敬意を払っていた感じ、「ミッミスターJohn Paul Jones!」なんて噛んでいたところもチャーミング(笑・言い慣れてないんか)。でも演奏になるとジョシュの度量の大きさを感じたり。デイヴはドラマーに徹していました。演奏だけでなくキャラクターとしてもね。1曲終わった時点で、ペットボトルの水を頭からバシャー!口に含んで霧吹きブー!てなもんで。そしてよく笑っていた(これはいつもか)。ちょっと後ろ目の位置から観ていても、あの歯がよく見えました(笑)。いやーあの腹に来るドラムを久々に聴けて嬉しかった!やっぱりすごいドラマーだ。ジョンジーはデイヴの様子を注意深く窺い乍らベースを弾いていた。ちょっと猫背で、笑顔で。楽器を取り替える時、そおーっと、大事そうにローディに渡す様子も素敵でした。

フロアの年齢層は広かった〜。ここでは私も若手だぜ(笑)。ジョンジーが紹介された時の歓声(野太い)と拍手はすごかったなー。あまりに続くのでジョンジー照れてた(笑)。若手は“あのZEPの”ジョンジーの多彩な演奏を間近で観られたことに感動して、先輩方はジョシュとデイヴとアランと言う、こんな強烈なプレイヤーがいるのか!と唸ってくれてたらいい……。いやーよかった。金曜日フジで観るひとはお楽しみに!

んんん〜他にもいろいろあったが思い出せない…思い出したら追記する。しかしフジに行ってる間にどんどん忘れていきそう(泣)。以下小ネタ。

・近くにジョシュ大好きらしいゲイのお兄さま方(外国人)がいらっしゃって非常に面白かった…終始「I Love Josh!!!」つってた。時々思い出したように「I Love Jonesy!」と言っていたが、「I Love Dave!」とは決して言わなかった

・ジョシュ、デカい……195cmくらい?デイヴも180cm↑あった筈だけど、それよりもっと…ギターも小さく見えるよ。そんな彼がハンドマイクでダ〜ンスを始めた時にはもう大ウケ。勿論お兄さま方も大喜び

・エレピを弾くジョンジーにピンスポが当たった時は、ここだけちょっと企画もんぽかった(笑)

・終盤「Fresh Pots!」と声がかかってデイブとジョシュが苦笑い。元ネタはこれ↓。



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セットリスト

01. Nobody Loves Me(No One Loves Me & Neither Do I )
02. Gunman
03. Scumbag Blues
04. Dead End Friends
05. Elephants
06. Highway One(アルバム未収録)
07. New Fang
08. Bandoliers
09. Interlude With Ludes
10. Mind Eraser, No Chaser
11. Caligulove
12. You Can't Possibly Begin To Imagine(アルバム未収録)
13. Spinning In Daffodils
14. Reptiles
15. Warsaw or The First Breath You Take After You Give Up

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