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2010年07月27日(火)
広告とおかねと音楽の関係

■nau『Ken Yokoyamaと語る2010年の音楽業界』
(まずはこちらを。・『インタビュー販売という試みと、その理由。』
溜飲が下がった。インタヴューに需要はある。
お金を払う=発信者への敬意と言うのはきれいごとだろうか?タダで集めたもんをサワリだけ読んだり聴いたりして全部を知った気になることはある。だんだんそんな風潮に慣れてしまいがち。でもタダはやっぱりタダなのだ。そしてそれはやっぱり、自分の中に残らない。簡単に手に入れたものは、大事にすると言う感覚が薄い。
反面、お金を出したいものに限ってタダだったり(苦笑)、有料なのにこの内容か…と思うものも多い。
この記事は1本100円。雑誌を買うより割高だ。でも、読了して高いとは思わなかった。むしろ安い。代金の行方(アーティスト3、ライター3、カメラマン2、編集部2)がオープンにされているところもいいです。プロモーション媒体ではないメディアで、セールスプロモーションではないインタヴューを、新作リリースではないタイミングで読めたのも新鮮でした。キュレーター的なライターさんたちに面白いものを沢山紹介してもらった者としては、読みものからのきっかけにとても愛着を持っている。過去、雑誌の片隅に載った小さなレヴュー文がきっかけで今も聴いているバンドも多い。自分が出したお金がアーティストやライターに還元されるのが見えているのはちょっと嬉しい。
手続きがちょっと面倒と言うところがネック。100円と言う気軽な価格なのに、カードを持っていない若い子は購入出来ない。そして、音楽にしても読みものにしても、「お金を出さないのがあたりまえ」な感覚なのは若い子が多いんだよね……。

■asahi.com『毒に愛嬌あり 洒落っ気にしびれた』
「セールスプロモーションではないインタヴュー」については、最近朝日新聞夕刊に連載されていた『毒に愛嬌あり』を読んでいてリンクするところがあった。
広告主に話を聞きに行ったジャーナリストが「水俣病なんて騒いでるけどもね、水銀たくさん食った魚を食えば、そりゃなりますよ」とベラベラ話された。広告出してるんだからおまえは記事にしないだろうと言う訳だ。雑誌は広告で成り立っている。広告主の機嫌を損ねられないので、リスクは避ける。あたりさわりのない内容になる。その後ジャーナリストはその仕事を辞めた、と言うエピソード。
web上には第一回しか掲載されていない。第二回以降はタダでは手に入りません。購読するなり、図書館に行くなり。何かアクションを起こさないと読めない。反面これは新聞として、ウチに偶然届いた記事でもある。自分の読みたいコンテンツだけにお金を出す、ではこの記事は読めなかったことにもなる。

■rooftop『中込智子 娯楽に命を懸け続ける音楽ライターが監修した日本のオルタナティヴ・ロック総決算ガイド!』
『ジャパニーズ・オルタナティヴ・ロック特選ガイド』を上梓した中込さんのインタヴュー。「提灯できないバンドには触らないのが掟」、これもすごく解る。自分はデザイン業なので、広告の大事さ面白さは判ります。
最近いちばん気になるのは正にここ。提灯できないバンドに触りまくっている記事が多いと感じてしまうこと。ああ、仕方なくほめてるんだなー、なんて感じてしまうこと。プロフェッショナルなライターなら提灯しない書き方も出来る筈、でも媒体の特性上出来なかったり、編集にカットされたりしてしまうんだなと言うのが透けて見えてしまう。
Twitterでけなしていた数ヶ月後に絶賛する記事を書くライターとか、いるもん(つーかこのひとガード甘過ぎ)。それが判らない程読者ってバカじゃないと思うの。結構嗅ぎ分けられるもんですよ。

うーん、ジレンマ。