初日 最新 目次 MAIL HOME


I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
kai
MAIL
HOME

2008年12月20日(土)
ハシゴ

■『石田徹也 ―僕たちの自画像― 展』@練馬区立美術館

東京では初の大規模個展。72点の絵画の他、アイディア帖14冊の一部(ガラスケース内にあるので頁をめくれないのね)を展示。盛況。昨年静岡県立美術館で開催された『石田徹也 悲しみのキャンバス』では約150点が展示されたとのことで、およそそれの半数ではあるが、これだけの数をまとめて都内で観られたのは嬉しい。とにかくサイズがデカいので、場所をとるのだ。昨年のCB COLLECTIONでの展示は16点だったもの(その16点だけでもかなりひきずりこまれたのだが)。
入口にお父さまのご挨拶があり、「残された作品の膨大な数と大きさに途方にくれ、『絵そのものは、全て捨ててしまおう』と決心し、作品の写真を撮り、遺作集を発行」したとのこと。その遺作集が評判になり、いろいろなところで紹介され、こうして展示が続いている。処分されなくてよかった。
CBで観た時に「笑えるものもあるんだけど、それは作者の意図したことなのか判断出来ないな」と思ったのですが、今回アイディア帖に本人が「自分の悩みや不安を見せつけるのではなく、それをユーモラスに、笑いとばせるようなものとしてナンセンスに表現したい」(うろおぼえなのでニュアンスは若干違います)とメモしていた。しかし別のコメントには「社会風刺は止めて、詩的に、感覚に訴えるものを作りたい」とあった。1995年辺りはポップなものも多い。かわいいいぬを描いたものもある。2000年辺りから明らかに作風が変わっている。モチーフとしてのサラリーマンの顔を自分に置き換え、現代社会への皮肉を描いていたものが、自分自身の心理状態を絵に反映するようになり、解釈が難しくなってくる。そしてその結果か、彼は今この世にはいない。思わず納得させられてしまうような経過で、しかし納得してしまうのもどうなのか?と、観て歩く足がだんだん重くなる。
イースタンユースのアルバム、シングルのアートワークに使用された『兵士』『無題』もありました。実物を観られて嬉しかった。
そうそう、おっちゃんがこたつになってるユーモラスな作品のタイトルが、展示によって『おやじ』だったり『父性』だったりするのは何故なのか。ひょっとして細部が違う別作品なのか。『おやじ』はCBで観た憶えがあるのだが、サイズが違ったっけか…?両方存在するなら並べて観てみたいよー。

■『セロテープ(R)誕生60年記念 瀬畑亮セロテープアート(R)展』@練馬区立美術館

セロテープをまいてまいてかたまりにして形成して行く立体作品。大量のテープをまきにまいてるから、芯も大量に残るので、その芯でも作品を作ってました。てりってり。つやっつや。しかしマット状のものもあって、あれは上から何か塗ってるのか?面白かったー。

****************

絵にあてられた+この後もハシゴが続くので、しばし茶なぞ飲んでぼんやりしてから新宿へ。

****************

■『We Jam Econo '08』@MARZ

マイク・ワットってスズカツさんと同じ誕生日なのね…どちらもおめでとうございますですよー。と言う訳でマイクさん51歳のお誕生日を皆で祝おうパーティです。いやあ、一年で三度も観られる有難さよ。MARZとMOTIONの両方(往来自由)に、14組のバンドが出演。マイクさん「全部観るよ!」とのことで、16:30の開演から全部のバンドを観ていたそう。この人柄がまたたまらん…。
20時過ぎに入場。へ、ヘタレですみません…サム・ベネットも観たかった……。
トリ前のMelt-Banana liteから観ました。なんでライト?今日LITEも出るから共演?と思ったんだけど、実際はメルトバナナの曲をメルトバナナのメンバーで、楽器編成を変えて演奏していた様子。音が違うのは判るが、誰が何をやっているかがよく判らん…何故ならステージもフロアも真っ暗だから(笑)アガタさんとヤコさんが頭にサーチライトを着けている。え、そのライト?(違う)あーこれ何か観た気がする、この八つ墓村仕様…帰ってから思い出した、オービタルだYO!→参照
これあっちでは何て呼ばれてるのん…八つ墓村って呼称があまりにもぴったりで他の例えが思い付かないよ…。で、まあ、ゲラゲラ笑って観ました。音は大層格好よかったです。キャッキャー。
そしてあっと言う間にトリ、マイクさんのリーダーバンドbrother's sister's daughter。今回のメンバーはB:Mike Watt/G:Nels Cline、Shimmy/Drs:あらきゆうこ/Syn:シークレットゲストと言われてても全然シークレットじゃなかった(笑)Jim O'Rourke。ミニットメン+ストゥージズにウィルコにコーネリアスにソニックユース。と言うメンツです、ぎょえー。
初っ端にストゥージズのカヴァーをやったのですが、この音の一丸っぷりにまず驚いた。うひゃあ、“バンド”になってる!2月、5月に観た時はインプロ主体だったのに!2曲目以降は前に観た時のようにフレーズ出ししてインストでセッションで、と言う流れになりましたがいやー面白かった。途中マイクさんが『月に吠える』を日本語リーディング。んん、朔太郎?と思ったのですが、ちょっと発音が不明瞭で聞き取れませんでした。でもねマイクさんがカンペ見て読む度に「きゃーうまく発音出来ないよ!」みたく照れたりはにかんだりしてて、それがかわいいのなんの。こんなかわいい51歳…たまらん。そして日本語で一生懸命伝えようとしてくれているところに感動した…右胸ポケットにはリラックマがいたし(涙)。ポケットが大きかったのかリラックマはだんだん沈んで見えなくなっていたし(笑)ああああったかいなー(泣)!
しかしそんな微笑ましいところを見せつつもベースは肉食でーすてな野太さで。今回初参加のニルスのギターも太い太い。もうぎゃんぎゃん。シミーさんはニルスの様子を見乍ら単音のロングトーンを効果的に入れたりしていました。あらきさんはカッチリ構成が決まっている曲の方がいきいきと叩けていた感じ。住んでるところもバラバラだし、リハの時間もあまりなかっただろうにアンサンブルがガッチリに聴こえる曲もあり、音楽で会話出来るひとたちの真剣なおかつ楽しそうな姿を目の当たりに。終盤は音響バランスもわやくちゃになり(笑)ジムの音は殆ど聴こえませんでしたがよかった…面白かった……。
アンコールはLITEの面々も出てきてステージぎゅうぎゅう。ジャムだー。音数の多さ+音圧の高さにPAが追い付かないのかサックスの音がソプラノしか聴こえません(テナーもいたのよ・苦笑)。マイクの挨拶で終わるかと思いきや、ジムが「皆さん今日がマイクさんの誕生日って知ってますよね、皆でHappyBirthday唄いましょ!」(勿論日本語で)と音頭をとって、フロア全員でHappyBirthday斉唱。マイクさんにこにこ、皆にこにこ。いやーん楽しかったー!

****************

■『LONDON NITE X'mas Special 2008』@CLUB CITTA'

ヒー、激混み。ロッカーももう空いてませんよと言われ、うわっぱりとバッグを持ったままうろうろですよ…しかもオールなのに再入場不可!この混みっぷりで外に出られないのはキツいな…チッタくらいのキャパなら探せば会えるだろうと踏んでいたサさんとポンチさんが見付からない。結局会えたの3:30(笑)す、すんません……。
フロアは最後列迄ビッシリ、と言うことはなかったので、ライヴは快適に観れました。バントのひとつめはTHE BIRTHDAY。6曲とコンパクトにまとまっていましたが、そのまとまりが切れ味よく充実した内容だったように思います、よかった!「涙がこぼれそう」はライヴ映えするなー。「Stupid」ではもう恒例となっている、当日の会場の名前を歌詞に折り込んで盛り上げたり、この日のDJをもってロンナイを卒業すると言うイハラさんに労いの言葉をかけたりと、チバくんはなんか…兄貴らしくなってきましたねえ……。やっぱり最初のインパクトがあり過ぎたので、未だにスットコドッコイなイメージですが(そしてまあある意味それはずっと変わらないんだろうが)、落ち着きと言うか風格が出て来たなあと思いました。「LUCCA」も聴けて嬉しかった。
そんでソウルセット。この時は結構前に行け、近くで観られた。フロアの反応まっぷたつ。面白かったけども。相変わらずお互いがお互いの話を聞いてませんでした。そして音響がいちばん悪かった。はなちゃんの音殆ど聴こえないの。ヒロシくんの音も浮き気味で、なかなかグルーヴが出ない。いろいろと惜しい…ビッケのトナカイコスプレはかわいかったが。ひとりで腹がよじれる程笑ったが。あとあれね、ビッケトナカイで俊美とPercのひと(ごめん名前ド忘れ)はサンタの格好(帽子)だったんだけど、ヒロシくんとはなちゃんは普段通り、と言うところにやはりこのふたりには「ねえねえサンタの格好しようよう」と提案しづらいのだろうかと思った(笑)
29日のワンマンは万全のコンディションで観たいものです。それにしてもビッケはここ数年観る度若返る。今高校生くらいになってる。
この日いちばん見掛けたTシャツはBRAHMAN。噂には聞いているものの「着替え忘れちゃった!」「荷物持ったまま観るなんて無理だよー」「もうフロア入っとかないと弾かれるよ」と話している声を聞いて、絶対後ろで観ようと決める。
むっちゃ格闘技だった…出囃子〜、入場〜、試合〜、試合後の談話〜、ファンへの挨拶〜、共闘〜、みたいな。もう肉弾戦。ものすごいフロアの一体感。そして自分に感じるものすごいアウェイ感(笑)
音も、コード?そんなヤワな和音弾きませんよ、単音リフでぐいぐい押しまくるに決まってます!てな感じであった。いやー格好よかったです。
途中TGMXが出てきてSCAFULL KINGのカヴァーを一曲。盛り上がった。
ロビーに出てうろうろしていたらようやくポンチさんたちに会えた。ブラフマンを中央付近で観ていてエラい目に遭ったそうです(苦笑)話しているうちLOW IQ 01 & MASTER LOWを見逃す。
DJは大ネタ連発で盛り上がってました。ロンナイ28周年おめでとうございます、憲章さんも楽しそうにしてらっしゃいました。

****************

そんなこんなで濃い一日だったー。