初日 最新 目次 MAIL HOME


I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
kai
MAIL
HOME

2008年02月19日(火)
『恋する妊婦』2回目

『恋する妊婦』@シアターコクーン

うむーリピートするとまた違うところに目が行くなあ。

そもそも大衆演劇で旅を続ける役者集団、を演じているのも役者だ。演じる者を演じる。劇中劇があるところがまた憎い。終盤、稽古で皆だんだん本気になって、大仰な芝居になるところはコミカルで笑いを誘う。

舞台にあがると自然とそうなってしまう役者の性か、とも思うが、そういうふうに演じている意図もある。そしてそういうひとってのは役者でなくてもいるものだ。「あなただけに」しか見せない姿ってのは、芝居がかるものだな。ひとは常に何かを演じている。それは自分を見てほしいと言う欲求によるものなのか、逆に本当の自分を見てほしくないと言う防衛本能によるものか。その欲求、防御はどういう状況だったらとっぱらえるか。とっぱらえたとして、それを利益に変換することは果たして幸せなことなのか。

で、皆つげ口が大好き(笑)

あーそれにしても副座長は面白いな〜。ええと本音を言いますと、おーもりさんの舞台を観るのはリーディングも含めて4作品目ですが、今回初めてリラックスして観られた(失礼)今迄は単純に、声が通りづらいとか噛む(笑・まあ人間素の会話でも噛みますけど、それとは違うヒヤヒヤなんだな…「台詞を言ってます!」てのが垣間見えるっつうか)とか、そういうところが気になってしまっていて。舞台がメインのひとたちと同じ板に立つとやはりその違いが顕著で、ちょっと浮いてるなと思うこともあって。演出家や作家が「お呼ばれしてる」役柄を巧くあてはめてくれているようにも見えたところもあった(それはそれで、作品全体としてはバランスがとれていたと思う)。

しかし今回は噛む気がしない!(笑)そして実際に噛まない!そしてそういう基本的なところがクリアされると、もともと大柄で脚が長いとか動きが滑らかとか、全身の動きがすごく活きてくる。

声が通りづらいのは声質から来るものでもあるので、映像できちんと音声を拾うと魅力にもなる。そして映像はカメラアングルを意識した瞬間の演技が必要とされるところ。映像をメインにやっている役者さんが、通しで演じる舞台でも魅力的に見えるってのはすごいなあ。本人の中で切り替えがあるかは判らないけど、違いを意識しつつ、技量面も着実に身につけているのが目に見えて判るとやっぱりすごい役者さんだなと思う。

風間さんくらいになると、舞台で普通に呼吸しているくらいに見えてしまう。おーもりさんもそんなふうになるのかなー。観続ける楽しみがあります。お誕生日おめでとうございます。年男〜。

ところでこれは初見の時からすごい気になったんだが

・紙ちゃんのパンツのポケットには何が入っているの?
・あのねぎはなんであんなに綺麗に飛び散るの?

ねぎの繊維って縦に走ってるのに、あんなにバラバラになるもんなのか…切れ目入れてるのかな(笑)