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2006年10月14日(土)
緒形拳ひとり舞台『白野』初日+小ネタ

緒形拳ひとり舞台『白野』@theatre PUPA

あぶない、昨日迄これ来月の上演だと思ってた…気付いてよかった……。

シアターコクーン(繭)の中に特設されたシアターピューパ(蛹)。前回上演された『ゴドー〜』は観ていないので、ピューパ初体験です。楽屋入口から入場、コクーンの舞台上のみを使う仕様でした。椅子席はイントレ組んだその上、前方に桟敷席、すぐ近くに舞台。演者の息づかいも手にとるように感じられます。とても贅沢な空間でした。

『シラノ・ド・ベルジュラック』の翻案作品です。初見。上演時間は1時間40分、休憩なし。生演奏でチェロが入ります。音楽だけでなく、効果音もところどころ演奏で表現します。

想像力を駆使した舞台。それは、観る側の想像力を総動員する楽しさもありますが、演じる側の想像力も存分に感じられる理想的なものでした。緒方さんは白野、来栖、千種の3役を演じます。外見上は全く同じです。メイク替えも衣裳替えもありません。それでも、白野の大きな鼻が、来栖の美貌、千種の恋心がハードな程に伝わる。見える、と言ってもいい。そこには間違いなく、その3人がいました。

複数人の会話の場面では、ひとりで両方の台詞を語るのですが、当たり前のように今どちらが語っているかが伝わる。何の違和感もなく。あまりにさりげなく進めているが、これが出来るのはすごいことだ。

そして最後の決め台詞。至極シンプル、そしてまっすぐな言葉で、ペラいひとが口にしたら失笑されてしまいそうなものです。それが実に感動的に響く。静かな静かなラストシーン。観客のすすり泣きが響いていました。

ひたすら“見る”ことが自分の演出、とスズカツさんはことあるごとに話します。彫刻型の演出家ともよく言われます。演出家が場を提供し、その場で演者が存分に自分のやりたいようにやるこのやり方は、「ひとのせいには出来ない」徹底した個人主義の、プロフェッショナルだからこそが出来る贅沢な創造の場です。責任は全部自分に返ってくる。しかし、それがうまく噛み合った時のマジックは、本当にその時その場にしか現れない、舞台にしかない醍醐味だと思います。

圧倒的な舞台です。もう一度観られるのが今から楽しみ。

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■ゲット
『トーチソングトリロジー』『哀しい予感』『禿禿祭』の本チラ。『禿禿祭』の裏に『写楽考』の情報も載っています。
『トーチソング〜』『哀しい予感』の宣美いい!

■た、たすかった
TOOL決まった!
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2/8(木)Zepp Osaka
2/9(金)Zepp Tokyo
2/12(休)横浜BLITZ
2/14(水)名古屋ダイアモンドホール
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ホントに2月だった…そして15日じゃなかった…しかし1日か!確保出来るかな〜。あ、でも横浜でもやるのか!

■パール兄弟のとこに
セットリスト追加しておきました

■『TITLE』2006.11.
きたはらさんよりお知らせ頂きました、有難うございます!
文芸映画特集で『上海の伯爵夫人』がとりあげられており、ファインズさんと真田さんの対談が掲載されています!濃い!面白い!意外と日本映画を結構ご覧になっているようでニヤニヤ。
『ブラック・ダリア』の頁も濃い!滝本さんが言いたい放題です(笑)いいぞいいぞ。『カポーティ』も楽しみだよ…多分ヘコむだろうけどな〜