初日 最新 目次 MAIL HOME


I'LL BE COMIN' BACK FOR MORE
kai
MAIL
HOME

2006年06月23日(金)
『蛇』

『蛇』@青年座劇場

こっそり赤堀雅秋月間です。ええ、こっそり。今回は脚本部門。赤堀さんの名前だけでチケットとりまして、他のスタッフ、キャストは殆どが初見、情報も入れずに観ました。

いやもう隙がない…すごい。ワンセンテンスたりともスルー出来るところがない。早起き(ええ日本戦も観ていますよ…)だったので開演前は眠くて眠くてあかん寝るかもと思っていたのに、始まったらシャッキーンでした。

そして老舗劇団の強靱っぷりを見せつけられた。まず出演者の年齢層の広さ。昭和30年代に入団のひともいる。そして皆演技がしっかりしている。今回の脚本で扱う三世代同居、婿養子、介護、ひきこもり、前衛を気取っているのに大島渚の名前しか出せない映画監督の卵。そして意外にも緩衝剤になったのは、いちばん激しい気性に見えた次女。この幅広いキャスティングを、派手なメイク等使わず自然な姿で、台詞にも出て来るような“技術”で魅せる。

前衛云々の台詞は、赤堀さんが青年座に持っている印象かも知れない。さりげないメッセージかも知れない。

お父さんの名前に反応されたカメラマンの微妙な表情や、「私はやらせてもらえなかった」のに、「夜中の2時でも、明け方の4時でも」呼び出してくださいと言う医師。優しい顔をして実はいちばん残酷な隣の夫。多分全部を知っていて「嘘っぱちでもいいじゃない」と言う店主。序盤で唄われた時には気付かなかったひょっこりひょうたん島の歌詞の意味。

全てに意味がある。それが全て会話の台詞になっている。

先週『ヴァージニア・ウルフ〜』を観たあと「普通の家族って何だろねー」と話してたんですが、あんまり突っ込んで話すと暗い森に入るので、茶化しているうちに「麦茶に砂糖入れるとこあるよ!」とか話してて、それが出てきたんでちょっとウケた。

で、普通の家なんかない=皆普通じゃないんだったら、それって普通じゃない?と言うワケの判らない答えが出ました(笑)それでいいじゃんね。

多分今度の日曜日、飯田橋に勤めているOLはやってくる。妻は家に残る。生活は続く、それが嘘っぱちでも。

-----

もっといろいろ書きたいんだけど、ウチのジェイムズ(Mac)が本当にお別れっぽい…30分使ってると落ちる…いやー!がんばってジェイムズ!と言う訳でそろそろリミットです。後日だらだら書き足して行くと思います…。