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2003年05月24日(土)
初日被りまくり『六月の蛇』『8 Mile』『新・刑事まつり 一発大逆転』

こんなに被らんでも。普段は空いてから行くんですが、舞台挨拶があるとなると話は別ですよ。

8:00からシネアミューズで整理券配付。寝起きすっぴんのままとりに行き(…)一旦帰宅、新宿で用事を済ませ渋谷へダッシュだ!化粧もバッチリだ!(笑)フレッシュネスバーガーでてらてらと合流。

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『六月の蛇』@シネアミューズ WEST

昨年末のフィルメックスで観た時と、編集や音の入り方が若干変わっていたような気がしたのだが…どうかな。これはもー何度も観るわよ!通うわよ!とにかくあの画に、音に溺れたい。

舞台挨拶には塚本監督、黒沢あすかさん、神足裕司さんが来場。黒沢さん、真紅のドレスがすってきー!予定外に写真を撮りまくってしまった。

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13:00からシネキタで整理券配付だったので、も〜走った走った。こんなに走ったのは何年ぶりかってくらい走った。何とか補助席の番号をゲット。よ、よかった…。そしてまた渋谷へ逆戻り。

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小説『六月の蛇』発売記念・塚本晋也監督サイン会@渋谷Book 1st

14:30スタート。これも何とか間に合った…お腹空いた、喉渇いた。監督をいっちばん間近で見られる機会なのに、化粧を直す暇もなかったさ!ノーーーーーッ!(いや監督は見てないから)

監督は丁寧に一冊一冊、サインを貰うひとの名前と蛇の絵を書いてくれてました。その蛇がかわいくてな…思わず「か、かわいい」と呟いたら、びくびくっと顔をあげて「な、なにっ!?」と応えられた。「い、いや、蛇、かわいいなあと…」「あ、有難うございます」。……このひと普段は結構挙動不審だよなあ(失礼)こんな小動物みたいなかわいいひとが(また失礼。いや、リスに似てるんだよね…リス好きのファインズさんはかわいがってくれるかしら)あんな映画作るんだもんなあ、不思議なものです。

握手もしてもらっちゃったー☆監督の長い指毛に触れちゃったわ!キャー!ふわふわしてました(笑)

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やっとひと息。ご飯を食べてヘイチン、star-sさんと合流。空いた時間で『8 Mile』を観ることに。シネタワーに向かう途中、塚本組の助監督・川原氏を見かける。スクーターで移動中でした(笑)黒木助監は監督につきっきりで、舞台挨拶やサイン会の模様をハンディカメラに収めていました。ああ初日って感じだなー、まつりって感じだなー。慌ただしいけど楽しい。

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『8 Mile』@渋東シネタワー

激混み、立ち見。丁度エミネム来日中なんだよなあ、今日これ観てから幕張のライヴへ向かうひとも多いんだろうなー。

カーティス・ハンソン監督作品は、脚本がいつもしっかりしている印象がある。エミネムを知らないひとでも、充分に楽しめる内容になっていると思う。いい話だった(涙)

映画初出演のエミネムも、普通の演技のとこはひやひやしたけど(ベッドシーン(ベッドじゃないけど(笑))とかがやっぱ緊張気味だったかな)、不器用な青年の感じがよく出ていた。ここらへん演出もよかったんだと思います。妹をかわいがってるとことか、母親のことを憎み切れない感じとか。観ていて切なくなった。ツラ構えもいい。すごい目ヂカラあるよねえ。そして何よりラップバトルのシーン!流石ホンマモン、ド迫力でした。

しかし相手をディスる力量(勿論その中にユーモアの感性や語彙を操る技術も必要だが)を競うラップバトルを観ていると、実際のヒップホップ界で抗争が絶えず、死者も出る訳だ…と改めて考えてしまった。根底に怒りがあるものだから、その怒りがなくなった時彼らはどうなるんだろう。それとも怒りはなくならないのか?ラビットの母親(キム・ベイシンガーがダメ母を熱演。すっぴん…だったりした?ひょっとして。役者魂!)にしても、ビンゴで当てた金が無くなったらまた元の生活に戻ってしまうだろうし、アレックスもN.Y.へ出たあとどうなるか。ブラック・ダリアのような末路を辿るかも…。

単なるサクセスストーリーとしては観られない。先行きは決して明るくない。でも前を向け、人生は一度きりだ。

ライムの韻を踏む面白さを伝える為に、字幕は随分苦労していた様子。通常の字幕担当者に、専門用語やスラングの監修スタッフも加わっていた。“ケージ”と“マジ”をかけていた所は「巧い!」と思った(笑)字幕に頼らずヒアリング出来るひとは相当面白かったんじゃないかな。ここらへんはやっぱり難しいな…。

パンフレット初版が、1,000部限定の12インチアナログサイズ。格好いいので買っちゃった。用語解説も載っていて親切です。

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『新・刑事まつり 一発大逆転』@シネマ下北沢

はあはあはあ、ようやく〆の1本ですよ。大森南朋くん監督デビュー作『リハビリ刑事』の初日でっす!舞台挨拶には田中“BOBA”要次さん、大森立嗣さん、中村麻美さん、榊英雄さんが来場。そして飛び入りで津田寛治さん!観客の中には森下能幸さん、新井浩文くん(金髪になってた)の姿も。

いやあ、実は第2弾がちょっと……な内容だったので(まあピンキリなんですが)不安だったのですが、第4弾はすっごく面白かった!同日初日、未見の第3弾『最も危険な刑事まつり』も期待出来そうです。

大森くんの『リハビリ刑事』は、山田英治さん(大森くん主演の『春眠り世田谷』の監督です)との共同脚本・編集。助監督には水橋“ジョニー”研二くんの名も。出演者も、光石研さん、ムラジュン、サダヲちゃん、佐野史郎さんと豪華です。いやこれ、ひいき目なしに観ても面白かった。刑事まつりの特性を逆手にとってると言うか、皆がやりそうでやらなかったことをやってます。やったもん勝ち。思い切ったなあ。こういうの、観たかったよ!

大森くん以外の作品は、トップバッターであっと言う間に観客を引き込んだ(思わず「ウマい!」って言っちゃったよー)榊監督『軍団刑事っ!』、どうなることかとヒヤヒヤした(笑)中村監督『刑事の休日』、かわいらしいながらもドキッとさせられた柳ユーレイ監督『吉田みのる刑事』、気まず〜い雰囲気づくりが絶妙、流石岩松了作品常連・戸田昌宏監督『ルーキー刑事』、井筒和幸監督を使った時点でもうおかしい!立嗣監督『よいこのでか』、マドムキゾウのコマ撮りが最高にかわいい!ウマい!いやんもうかわいい!津田監督『子象*デカ』、大杉漣さんや豊原功補さんら(竹中直人さんもちょこっと出ている!)渋いところをこんなことに!憎い!の田中監督『窯岡刑事/Coming Out Cop』と、皆面白かった。も〜笑った笑った。最後の最後(エンドロールが終わったあとも!)迄気が抜けません、危険がいっぱいです(笑)拍手も起こりますって。

こういうアホらしいこと(褒め言葉)に全力を傾ける役者・スタッフの心意気ってホント格好いい。また何かやらかしてくれないかと密かに期待してます。面白かった!

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ああ、長い一日だった…非常に楽しかったですが。『ハンテッド』も初日だったんだよね、流石にここ迄はハシゴ出来ず。いつ行こうかなー。そして渋谷=下北沢を二往復したくらいで筋肉痛になっている自分に愕然。だ、ダメすぎる。