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2003年04月19日(土)
NODA・MAP『オイル』

NODA・MAP『オイル』@シアターコクーン

しばらく拍手が出来なかった。手が震える。頭痛がする。人間は進歩がないのか?極めて理性的に考える。そうだ、確実に駄目だ。

こんなにも怒っている野田秀樹は初めて観た。怒りはいつも根底にあるが、それを皮肉で包む美学のようなものがあった。今回はそれがない。それどころじゃないと言うことだ。美術も具象が主体。衣装も普段組んでいる日比野克彦、ひびのこづえではなくワダエミ。視覚的にも、泥臭い程にダイレクトだ。

作家・演出家、出演者、スタッフ。クオリティの高さはいつものことだ。本当はそういう部分についても書きたいのだが…この題材を野田秀樹が扱ったと言う意味があまりにも重過ぎる。構想自体は数年前、これが今上演されていること。“現在”を掴まえることが出来る舞台。掴まえてしまった、と言う方がいいのだろうか。

相当の勇気と覚悟。それを賞賛しようなんて安易なことは言えない。これから多分いろんなことが起こる。構造をシンプルにした分、相当な誤解も呼ぶだろう。初日は11日。まだ始まったばかりだ。これが中断されるようでは、本当にどんづまりだ。

自由は、オイルなのか?老いるひとは、何をすべきなのか?自分で考えろ、無関心でいるな。