よるの読書日記
DiaryINDEX|past|will
『魔法使いハウルと火の悪魔』 <ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/徳間書店> 2004年夏公開予定、宮崎作品の原作です。 こここ、これをどーやって映画にするんだ?! 私の貧相な想像力ではとても思いつきませぬ〜。 大体ヒロインが外見年齢90歳ってのは、ちょっと前代未聞。 余計なお世話だけどグッズを作っても売れるか心配だー。 ……じゃなくて。展開がとってもスピーディかつスリリングです。 ああ幼かりし頃に持ってた筈の柔軟な頭脳が恋しい。
でもちょっとヒロインにはシンパシィを感じますです。嫌だけど。 特に最初の方ね。物語で幸せになるのは、どうせいつも末娘。 長女は実家でくすぶって冴えない毎日を送るもんだ、 と何となく納得しちゃってるところ。イヤー。
『水迷宮』<神谷悠/白泉社> 万年失恋青年が一児のパパです。おめでとう山田君。 そういえば、花音さん(結城妹)もできちゃった結婚だったから とっくに生まれてるよね。そのうちちびちゃん達がうろうろする マンガになるんでしょうか。ちびアキラ君も可愛いので、いいか。
でもやっぱり京ちゃんには幸せでいてほしいので、 う〜ん、難しいですね。親友といつもいっしょのお父さん、 ってわけにはいかないだろうしどうせ山田君のことだから 家事に育児に仕事にばりばりやるつもりだろうけど、 ほら、マスオさん状態だから人手は足りてるし。 ウサギの一羽くらい余計に面倒見たって誰も文句言わないって。 だから京ちゃん、徐々にでいいんだからね。 急いで自立しなくて良いんだよ。
『二人の眠り姫』<茅田砂胡/中央公論新社> ああ〜もう〜。こんな熱愛でいいんだろうか〜。 読んでいてニヤニヤ笑いが止まりませんでした。 えーっと、これから読む方には電車内など人目につくところでは 読むな、とおせっかいとは思いつつ忠告させていただきます。 海賊に続き相棒と女王様がお目覚めです。 私は今まで、実はリィの自信満々で強くて自分哲学で動いてる ところがどうも苦手だったんですが、さすがキング、うまく いなしてます。……年の功なのかもしれないけど。 もしくは配偶者で慣れたのか。
『柳生十兵衛死す』上下<山田風太郎/毎日新聞社> タイトルどおり死んじゃいます。勿論最後ですけれども。 しかし何だかな、前2作品とどうも印象が違います。 はっきり言って主人公への感情移入ができにくい。 何故かと申しますとそれは十兵衛が二人、という設定から 来てると思う。もともとの主人公江戸十兵衛とその祖先が、 謡曲『世阿弥』に引き寄せられて時空を越えて入れ替わってしまう。 そして同世代の世阿弥と、謡曲の作者である子孫もまた。 更に室町時代では一休少年とその母上に足利将軍と粗暴な息子、 江戸時代では明正上皇が絡んで一悶着も二悶着もあるのです、が。 こう書くとややこしいのに、読んでいて混乱することがないんです。 不思議でしょ。ただ、熱い男十兵衛がわりと好きだった私でも、 二人は多いと感じたようです(笑)。
『あやかしの鼓』<夢野久作/角川ホラー文庫> いろいろと噂の多い夢野久作デヴューです。うひひ。 文体はそりゃー古いですが(特に女性の語り口。仕方ないわな) 読み継がれるだけの価値はあり。 発想は全然古びてなくて斬新です。おお。 これが多くのミステリ作家に愛される由縁なのね。
『神々の憂鬱』 『海賊王の帰還』<茅田砂胡/中央公論新社> 例えば、竜堂四兄弟が変身して警視庁を襲撃したとして、 ドラよけお涼はどう立ち向かうのか。やっぱりドラゴンも よけちゃうのかっ(何かそんな気がしないでもないが)。 あるいは、三毛猫ホームズと三姉妹探偵団はどっちが 名探偵なのか。 ……いくつものシリーズを持つ作家だと、ついそういう 意味のないことを考えたりすることがたまにある。 もちろん、だからと言って「どっちなんですか!?」 などと作家を困らせるような(怒るかもね)手紙を書くとか、 どこぞの喧嘩上等な掲示板でファンの意見を求めるとか する気は毛頭ないけどね。 でも、実際別のシリーズのキャラクターをこっそり ゲストキャラで出すとかいうお遊びはよく目にする。 しかしこういうのは……ありかえ? 茅田さんといえば『デルフォニア戦記』であり、 『スカーレット・ウィザード』であるが片や中世風 戦記もの、片や宇宙時代が舞台のアクション物である(たぶん)。 そして両方とも人間離れした戦闘能力の持ち主が主要登場人物。 これがまさか合体しちゃうとは思いませんでした。 今後の展開が気になってしょうがないところでは ありますがでもしかーし、帰還したところで本当に終わるかな。
『よい匂いのする一夜』西日本編<池波正太郎/平凡社> 一般人でも名前を聞いたことはあるような京都の老舗から、 北陸の女の人情が温かい名湯の宿まで。 何となく西日本のほうが和風が多かったかな。 しかしこういう本で文章に酔えればそれでいいのに、 ついつい写真に紛れてる小さな宿泊案内に 「げっ、一泊×万円?えぇぇ〜。」 と目をむいてしまう小市民な自分が愛しくも悲しい。
『北陸悲恋伝説の地を行く』<子母澤類/北國新聞社> 白い肌、黒い髪、待ち焦がれていた恋しい男の愛撫、 絡みついてくる浅黒く逞しい体に熱くなる血潮、 「ああ……。」 −−大体全篇こういう感じだと思っていただいて結構です。 著者もあとがきでぼやいてましたが、悲恋伝説といっても そうそうそのヒロイン、ヒーロー達の実像というのは 伝わってないようです。田舎の口伝だから しょうがないでしょう。なかなか難しい仕事だったんじゃないかなー とちょっと同情。伝説の地って行ったところで記念碑だのが あるわけでもないだろうし、思いを馳せる位しかしようがないとこの ほうが多いだろうし。企画がちょっと名前負け。
しかし「北陸」とつけておいて石川県の話が主流なのがやや残念かな? 知ってる場所が幕末・明治初期心中の名所だった、というのは 大変に興味深かったです。自殺はよく聞くけど心中ってのは ちょっと変わってるよね。
『どすこい(仮)』<京極夏彦/集英社> 初めて著者近影を見たとき、意外にぽっちゃりさんだなぁ。 と超失礼な感想を持ったことを思い出します。 それにしても、こんなギャグなものもお書きになるんですね 先生……。もしかしてストレス溜まってたんでしょうか。 『四十七人の力士』『すべてがデブになる』『脂鬼』 『パラサイト・デブ』……一度聞いたら忘れられないこの タイトル群。でぶでぶとうるさいわー!とちょいとむかつきつつ 笑ってしまいました。やられた。
| 2003年07月18日(金) |
ちゃらり〜ちゃらちゃちゃちゃちゃちゃらり〜 |
『京極夏彦 「怪」 ―『巷説百物語』のすべて―』<角川書店> 何か、「」の多いタイトルだなぁ……。 「怪」というのはもう何年前になるだろう、WOWOWで 『巷説百物語』をドラマ化した時の題名です。 京極堂のご先祖と思しき陰陽師を近藤正臣氏が演じてて 感心したことはくっきりと覚えているのですが、妙に 『必殺!』チックな感じがあって、正直それほど成功作とも 思わなかった。その後地上波放送したとかビデオ化した等の 噂も聞きませんが、それでもこういう関連本が出るんですねぇ。 正確にはこれ、著者・京極夏彦ほか、です。内容は登場人物紹介や 撮影所の光景など。ただ、この本にはちゃーんと目玉があるのです。 それはシナリオ版『七人みさき』。これは『巷説百物語』には 入ってないので。しかも、えー、ドラマってこんなにグロかったっけ。 という位エログロでした。いやん♪(←嬉しいんかいっ)
『マダムだもの』<小林聡美/幻冬舎> 世の中を皮肉に見てるヒトなのかとどこかで思ってたけど、 瀕死の子猫を拾って号泣、医師の診断を聞いて号泣、 看取って涙も涸れ果ててしまう作家の夫、家事のほとんどと 家族の健康管理、大工仕事まで請け負ってしまう女優の妻、 アンド犬猫の“優雅な”生活。 三谷家の動物は皆五画(妻の連れ子2匹を除く)。 画数が良いからだそうです。そんな命名方法で つけられたとび君(ラブラドール・レトリバー)の 話がどれもかわいい。オケピに使われた「ケモノ臭」って 言葉はここが由来なのかな?夫婦に限らず家族って 語彙が似ちゃうというか、共通語ができちゃうよね。
| 2003年07月16日(水) |
私生活はミステリアスに |
『パンドラの娘』<藤本ひとみ/講談社> 恋愛気質って幼少時から出るんですねぇ。 初恋の美少年を溺愛して目が悪くなるからって宿題も全部 肩代わりして甘やかすだけ甘やかし、結局何にもできない ダメ男にしちゃった話、呆れるのを通り越して感心してしまった。 かく言う私が小学生の頃好きだったのは身長差にして 約30センチ、学年一の巨大児でした。頭も良かったし 風貌のせいか妙に老成した印象のある人でした。 栴檀は双葉より何とやら。
しかし藤本さんてちゃんと結婚してた人なんですね。 昔読んだ本の後書きなんかでも友達の話は出てきても 家庭の話はないので独り者だとばかり思っていた……。 この本でも親がしつこいので仕方なくとっとと結婚したと いう感じのことは書いてあるけど配偶者がどうしたとか 夫とどうしたとか言う話はないに等しい。 ネタが別にあるならわざわざ自分の家庭のこと 書きたくないって人もいるだろうけど、それなりに気になる。 どういう感じのご夫婦なんでしょう? お互いドライに放任、夫婦と言うより共同生活。 これが一番ありそうな気だけど、結婚の経緯から 考えれば意外と尽くすタイプで古風に主婦業も こなしてるんだろうか。そんな印象ないけど、謙遜と言う 可能性はあるわよね。ホントは照れ隠しですっごい ラブラブだったりするのかもしれないし……。
| 2003年07月15日(火) |
ラストダンスまで華麗に |
『黒蜥蜴』<江戸川乱歩/創元推理文庫> さあよるさんの好きな悪女がやってまいりました。 そう、私は凶暴で残忍で意地悪な美女が好き。 黒蜥蜴さんてばいきなりエロチックなダンス披露したり 犯罪は過激で変質的でなかなか妖艶で好みに近かったのですが 引き際だけ純情可憐っぽくて嫌だったわ。 乙女チックなこと言ってないで自分から奪うくらいの 根性見せてくれないと、つまらないじゃないか。
| 2003年07月14日(月) |
Detective meets a girl |
『魔術師』<江戸川乱歩/創元推理文庫> 大宝石商を狙う復讐鬼に明智小五郎が挑む! 「仇討ち」は正義なのに「復讐鬼」になると途端に逆恨みっぽいのは 何故だろう……。 乱歩作品は、一気読みするより、忙しい時の方がより楽しめるかも。 例えば学校や会社の休み時間に読み始め、授業や就業時間が 終わるのをじりじり待つ、そういうのが似合う。連載物だからかな。 一度に読む場合も、連載をリアルタイムで読んでた少年達の、 ドキドキとハラハラに敬意を払って読むべし。もちろんそうしましたとも。
『一年の風景』<朝日新聞社/池波正太郎> 舞台『天主物語』の感想もキツイです。台詞が良く 聞き取れなかったとか。もともと舞台と関係の深い作家さんだけに、 気になったんでしょうね。
旅のエピソードも出てきますが、フランスで失敗やらかした ウェイターを励ましたら、感激した宿の主人の老母が翌朝オムレツ 焼く話なんか粋で好きだな〜。池波さんの小説でよく心づけを たっぷりと渡す、というのが出てくるけど、金額がどうかじゃなくて やっぱり誠意をちゃんと見せる、客だからしてもらって当たり前じゃない、 って態度がやっぱり、外国に行っても伝わるんでしょうねー。 フランスの片田舎なんて結構国粋主義まかり通ってそうなのに。 カッコいいわ。
『夜明けのブランデー』<池波正太郎/文藝書房> 池波さんが映画大好きだったことは有名です。 当時公開されたばかりの『乱』の感想とか、的確で素敵。 あれは『リア王』の日本版で娘を息子に設定を変えたお話ですが、 どこの戦国時代に隣国の領主を招いてお家の揉め事をばらす 領主がいるのだ、ってごもっともです。
『柳生忍法帖』上下<山田風太郎/毎日新聞社> 「柳生シリーズ」の第一弾です。ホントは『魔界転生』の 前なんですね。今回も登場人物は超豪華です。千姫、沢庵和尚など。 殿様とその奸臣に父や夫を討たれた女達の復讐ジャーニーに 協力する十兵衛の活躍を描いておるのですが。 『魔界……』でも連れてる小娘ちゃん達が敵の放った女忍者に 嫉妬したりというのはあったのですが、十兵衛にとっては 大事な恩人達の子女で妹みたいな存在というのもあり、 その辺は一応平穏だったのですが。今回は人妻、いや未亡人か、 もいるし大人数なのでその辺の争い生々しいです。 もちろん亡くなった夫は恋しいし仇も討ちたいけど、 それに協力してくれて腕も立って男らしくて頼りになる人が 現れたら、揺れるだろう!ただでさえ寂しいし。 足怪我した女をおぶえばジェラシー、誰かに洗濯頼めば ジェラシー、あっちでもこっちでも嫉妬のボヤ発火(笑)。 別に女嫌いじゃないのに、揉めないように歯を食いしばってる 主人公がしゅてき♪復讐そのものも見応えありましたが、 これはこれで面白かったぞ。
『江戸城大奥100話』<安西篤子監修/立風書房> 杉浦さんの大奥の話が面白かったので、つい。 一度も汲み上げたことがなくいろんな骨(男とか水子)が出てくる という噂の大奥のトイレ。面白いから誰か発掘してくれ。
しかし女の園ってのはよその国でもこんなかね。 めくるめく競争嫉妬確執陰謀、おおおそろし。 ただ、この本執筆者も多いんで結構章によって食い違いが(笑) 十四代将軍と和の宮の夫婦仲なんかまー許容範囲だとは 思うんですけどね。生育環境のまるで違う若い二人が、 政略結婚させられ一緒にいた時間も短かったことを 考慮に入れておかないと。もちろん判断は人それぞれだと 思うので、いいんですけどね。
『彼氏彼女の事情』16巻<津田雅美/白泉社> 15巻でゆきのんは…のあとはいつもおねむなのね。 そんなに激しいのか有馬!とか考える私にもう少女漫画を読む 資格はないかもしれない…と思ったがまだ読む。 とりあえず買ってる漫画が一つ残らず終わるまでは。
話の方は全般的には解決モードです。実母ともほぼ決着ついたし。 何となく有馬を複雑にさせつつ守りきる友達の作戦がおかしかった。 ここんとこひたすら暗いムード一色だったのでほっ。そうそう、 私はカレカノのこういう明るい場面が好きだったのよ。 しかし前巻からにおわされてるしんぱーいな伏線に拍車かかってます。 だめだろうこーこーせいがアンタ予防もなく。しかも学校で。 いかんだろ、結構な公立進学校で生徒会長が腹ぼてで答辞読んじゃ。 でもこれは確定な気がしてきました。 あと気になるのは有馬の進路ね。いきなり保父さんとか言わないでね。 あれ元々女性がメインだから給与水準低いという噂だし この少子化の折老人介護に回っちゃう人も多いぞ。何だろうな? でもせっかくおりこうなんだからその知力を無駄にしない職業に 就いてほしいな、と思う私はやっぱり悪い意味でオバサンかも。 待て次巻。
『花よりも花の如く』<成田美名子/白泉社> お能マンガです、はい。ちなみに舞台は連雀。そう、神田近辺です。 ちなみにこの兄弟メインの初登場は前シリーズの最終巻に入ってます。で、こっちにも 『NATURAL』のメンバーがちらっと登場。 前作とはほとんど時間差ないんだけどでも西門さん、 実家に戻ってから印象変わりましたね。意外にお兄ちゃん子?
憲人もとぼけてて可愛いし(六条の御息所を愛称で呼ぶ人初めて見た) 今後が楽しみです。古典芸能にますます興味わいてきました。
『蜘蛛男』<江戸川乱歩/創元推理文庫> なかなか猟奇的でスリリングなお話でした。ううむ。 新聞の求人広告……はちょっと旧式な感じだけど他の媒体 使った作戦で行けば現代でも再現できそうな感じですよね。 アイドルのオーディションでも装えばより条件のいい 獲物がゲットできちゃうのでは。危なー。
途中で挟まる編集者のコメントが何ともいい感じ。 何かミョーに丁寧なところがぞくぞくします。
『D坂の殺人事件』<江戸川乱歩/創元推理文庫> ああ、何かやっと正しい江戸川乱歩への道第一歩って感じ。 これでもうちっちっち、甘いよ明智君とか言っても いいのね!(←ダメです) 私の初乱歩は『人でなしの恋』<創元推理文庫>だったのです。 それも購入当時それが映画化されるってんで白無垢姿の 羽田美智子の横顔が帯についており、それにぽーっとなって 買ったという……。しかも、それで充たされちゃって 未だにその映画を観ていない。いい加減にもほどがある。 さあ、江戸川乱歩傑作選其の十二から私の読書遍歴も、 ようやく正当な道を歩む時が来たのだ。
短編を読むと、この人はやっぱり「江戸川乱歩」なんだなぁ と言う気がいたします。名前の由来がね。 何つって偉そうな事書きましたが私、ポーもちゃんと 読んだことがない……。いかんいかん。 我ながら読書のけものみちウォーカー。
『一九三四年冬――乱歩』<久世光彦/新潮文庫> 久世さんっててるひこさんなんですね。光って字はややこしい。 家出中の乱歩が潜伏先の宿で紡ぐ梔子姫の危うく隠微な物語と 作風に苦悩する大作家の心理。 ファンの多い作家の、それも発表されなかった名作を物語の 中でとは言え、こうやって書くなんてなかなか肝っ玉 据わってないとできませんよねー。私なんかはあんまり まだ作品を知らないので 「へー。こういうの書きそうな人なのかな?」 位にしか思いませんが、全集持ってるほど熱心な人なんか どう映るんだろうだろうとか気になるところです。 でも久世作品も乱歩作品も好きな延期さんがおすすめなんだから きっと有りなんだろうな。でも昭和初期にこんなの 出してたら、伏せ字出版になっちゃわないだろうか。 架空とは言え発禁処分とか乱歩が受けなくて良かったです。
『阿修羅の前髪』<桑原水菜/集英社> 楠正成に平清盛、平将門、豊臣秀頼。何だよー。 皆復活してきちゃってもーこれは歴史のテストかー? 結局誰が出てこよーと悪の総帥は織田の信ちゃんなんだから もーいいじゃんよー。別の時代の英雄豪傑まで 連れ出しちゃって登場人物をこれ以上増やさないでほしい。 疲れちゃうから。
『こいつら100%伝説』2・3巻<岡田あーみん/集英社> そう言えばまだ1巻を借りてない気がするぞ延期ちゃん。 見つからない君もどうかと思うが途中から借りる私も私だな。 もっともこれが連載されてた頃ってまだりぼんという雑誌に 縁があったので、どっちかというと読んでない部分の方が 多かったかも。どシリアスで疲れた頭には毒のある笑いが 心地好かったりする……けけけ。
| 2003年07月02日(水) |
ツマの言い分 オットの言い訳 |
『マダム小林の優雅な生活』<小林聡美/幻冬舎> 『三谷幸喜のありふれた生活』<三谷幸喜/朝日新聞社> 脚本・演出・映画監督でもある夫と女優の妻。芸能界では よくある組み合わせですが、結婚してから一緒に 仕事しなくなるって結構珍しいのではなかろうか。 どうも夫婦の共同作業が実現しないのは三谷さん風に言うと 妻の完璧主義のせいっぽい。この二人、家でお互いの仕事の 話はしない約束なんだそうです。妻は自分の舞台とか 夫に見られるのも嫌がるらしい。しかしよく似た題名ですな。 似たもの夫婦。もちろんお互いのエッセイにお互い 主要登場人物としてちゃんと出てきます。 と言うか、「友達が誰も遊びにこないような家にしたい」と 結婚会見のときに夫が言ったせいか、本当に誰も来ないらしく、 家の中には夫婦と犬猫ばかり、ということらしい。 一緒に読むと同じ事件をそれぞれの角度から描写したりしてて 二倍笑えます。
『よい匂いのする一夜』東日本編<池波正太郎/平凡社> 日本の名ホテル・旅館を池波さんが旅する紀行物です。 写真も多数。富士屋ホテルとか、定番だけどやっぱりイイな。 あのクラシカルでどことなく和洋折衷な感じが素敵。 それと「クレープでやる朝食」。 これは絶対いつかやってみたい! 池波さんって意外に洋食もお好きですよね。
|