よるの読書日記
DiaryINDEXpastwill


2001年09月30日(日) 歯が命取り

雑誌の記事で気になったのが「歯科治療で幼児死亡」(女性セブン)
2歳の女の子をおむつだけにしてネットで簀巻きにし
口を患部だけ見えるように固定、麻酔を使って
3人の歯科医が分業で治療していたため
チアノーゼなどに気づかず発見が遅れた…というもの。
医者の分業なんて聞いたこともないぜ。

それに、今もあるか知りませんが「お母さんと一緒」(NHK)で
歯磨きのコーナーがあったよね?
あれって3〜5歳の子だったと記憶してるけど、
「しあげはおかーあさーん」だったぞ。
まして2歳児がどうやったら前歯から奥歯までそこらじゅう
虫歯になれるわけ?
親の管理が悪かったと言うより、金儲け目当ての臭いがするわ。
専門家の話では、「歯科治療は小さな外科手術」である
認識を持つべし、だそうです。


2001年09月28日(金) 親が親なら子も子だった

とうとう終わりですー。
最後の最後に夏江さんあんたもか!女好きの父、姦通した姉、
花柳病治療歴のあるのバツ一兄に対し、君だけはと思っていたのに。
敬虔なクリスチャンじゃなかったのか君。
しかもわざわざ告白しなくても……
正直は必ずしも美徳じゃないのだよ、君の姉上を見たまえ。
もっとも彼女は知らないわけだけど。

それにしてもあの五郎という男の最後の手紙。
底知れぬ悪意の産物なのか、純粋な恋文なのか、判断がつきかねるのですが。
現段階では前者のような気がして(そのほうが面白いし)怖い。

さて物語のスタートから12年の年月が流れたのですが、
そのせいか特に悠次と初江の言葉づかいがちょっとずつ
変化していたような気がします。
初江の言葉づかいが奥様風からオバサンくさく
なっていったのに対し、(夏江と比べるとすごくよくわかる)
悠二はどんどんべらんめえな江戸っ子口調に。
その他利平の長州ことば、金沢弁も出てきてバラエティ豊か。
方言って文字なら自分の知っているイントネーションで読めるので
そんなに違和感無いことを発見。
でも金沢ってそんなに関西風かな?
富山はちょっと高知弁に似ています。語尾が。
福井は…地域差があるので言及しにくい。



2001年09月27日(木) 狂気の沙汰

「永遠の都」も6巻です。
物は無く多くの人の生活が困窮を極めた時代に天皇が現人神ってことに
なってる国でキリスト教徒は特に生き難かったようです。
外人神父と親しいとスパイ容疑をかけられたり
靖国神社への参拝を要求されたり。
キリスト教史ってそのまま迫害の歴史だから、
生き残りのために当時の国策に迎合する動きをしていたみたいです。
バチカンも満州国を承認している。
志を曲げて自分の身を守った人も、信じる教えを忠実に
守ろうとして周囲から白い目で見られて辛い目をした人も、
どっちも不幸ですよね。
今アメリカにいるイスラム教徒もこんな気持ちかなぁ。
戦争って言うのはやっぱり狂気の産物だと思います。

そういえば作者の名前だから、そのうち出てくるかなぁと
思っていたら疎開先の地名に出てきましたよ石川県。(笑)
しかも町名私の前住所!川のほとりってことは御近所率高し。
古都だから結局空襲は免れたわけだけど、
でなくてもあそこならたぶん大丈夫。
今でこそアパートが林立していますが、当時はたぶん畑だらけ。
やるなら思い切って城内の駐屯地狙うでしょう。
兼六園のそばで良かったねぇ。
終戦直前に隣の福井(7月)と富山(8月)はやられちゃったんですけど、
攻撃された一帯はまさに焦土と化したと言います。
あんまり簡単に空爆空爆って言わないで欲しいわ、
下には生きてる人がいるんだってば。


2001年09月26日(水) 割れ鍋に閉じ蓋ってことですか

年寄りの話は長いしくどい。
「永遠の都」5巻は妻の姦通疑惑に心を痛めモルヒネ中毒になった
利平が精神病院に入って治療することに。
昔の日記なんか読み返しちゃって日露戦争で森鴎外に会ったとか
乃木大将に会ったとか、小説の主人公だから許される豪華さだけど
戦時中で皆大変なんだってば、早く治って
外の世界に目を向けてくれ!と思いましたわ。
ついでに三つ巴仲悪衆全員にお手つけだったことが判明。
このエロじじい、若い後妻貰って不倫されて因果応報じゃボケ。

しっかし後妻のいとさんってのもたいした玉だわホントウに。
どんな高級品か知らんけど、先妻の残した着物まで自分のものにするかな普通。
家具調度品とかならともかく、普通そういうのって二人の娘に
形見分けするのが筋ってもんじゃない?
ここまで図々しくないと押しかけ後妻になんかなれないわね、
ああ、ヤダヤダ。


2001年09月25日(火) 時間迷宮

迷宮シリーズの新刊が出てたことをぽかっと忘れてましたワタクシ。
正式には「青迷宮 君は晴れた空の下で 京&一平シリーズ 23」 
<神谷悠/花とゆめコミックス>(長い)
ですね。途中まで表紙にシリーズ番号入ってないので時々
まとめ読みした後並べにくいんですよね(^_^;)

「霧迷宮天の郷の殺人 京&一平シリーズ 17 
の決着編と言うことで、表紙は初めて!アキラ君&結城氏です。
どうせならまどかママ&小太郎パパになればよかったのに…。
強くて明朗快活なママはワタクシの憧れです。

今回はそういうことであんまりメイン二人は印象薄いのですが、
それでも相変わらず甘ーい生活ぶりですな、京ちゃん(注・男!)達。
いい年した成人男子二人がべったり一緒で
よく怒らないなこのみさん(一平君の彼女)。

作者自身ここまで長いシリーズになるとは思ってなかったみたいで、
長期連載によくある、前後矛盾した設定が生じるたびに
殺人事件を起こして何とか理由を作ってしまう
力技を繰り返しやってのけてくれていたんですけど…。
まさかシリーズの番外編までシリーズになると思ってなかったみたいで、
わはは。最初大学生だった一平がとっくに社会人なのに
アキラ君は永遠の17歳。いいのかなぁ…。


2001年09月24日(月) 暴走フィクション

私は昔「宵越しの本は持たない」と豪語した友人に
京極夏彦の本をまとめ貸ししたことがあります。
ここに懺悔致します。今まさに罰を受けています。
ところで件の「鉄鼠の檻」<講談社文庫>を書店で見て、
脳貧血起こしそうになりました。文庫って言うより文鎮。電話帳並の厚さ。
前に見た文庫版英和辞典より厚くないか?
おまけにこの価格。千円越したら文庫じゃねえよ…。
割高になってもいいからこれは同時発売の上下巻に分けるべきだったと思う。
加筆修正はあるけどストーリーは変わらないとのことで購入は控えましたが、
知らない人は買う気失せるぞあの分厚さ。

手持ちの「永遠の都」がなくなったので
「龍馬伝 青春編」「決死編」<つかこうへい/角川文庫>読みました!
すっごい。フィクションとわかってても時々
「えーと、ドストエフスキーの『罪と罰』って…幕末の時代に
存在したっけ?(←します。世界史に疎い)」とか考えてしまう。
ここまで破天荒にスケールでかいともう好きにしてっって感じ。

総司君は「純情伝」より更に多情でがらっぱちに描かれていますな。
土方が好きで新選組に入るのは同じだけど、
その他に高杉だの桂だの出るわ出るわ、
嫌ってたくせに龍馬が芹沢鴨にオカマ掘られちゃったらヤキモチ焼くし、
実は初恋は義兄の海舟で、どうなってんだ。(^_^;)

土方は二枚目路線だったのに今回は完璧ダメ男。人相から何から
えげつない設定に変わっていて、ちょっと気の毒。
でもまぁ押し倒した女に好かれようなんてキスしてエイズに
感染するより確率低いと思うので、これでいいのかも。
「龍馬伝」だし。(笑)

この小説のはっとさせられるところは視野の広さです。
日本だけじゃなく欧米の動き、世界史から見た
大政奉還の意義なんてものも出てくる。
かと思えば底辺に河原者や遊女達が生きていたことも描かれます。
更には歴史の暗部もかっちりと。大奥や公家の暗躍だけならともかく、
宮中や高野山お抱えの暗殺集団なーんて何だか伝奇小説みたいですが
どうだろう。ないとは言い切れない、気もする。
私の習った政権交代は武士による革命でしたが、
皆生きていて自分達がもっと行きやすい世の中を望んでいたなら、
もっと違う、語り継がれない戦いがあったのかも。
でも学生時代に読んでたらきっと混乱してたわ、
今まで放っておいて正解だったかも・・・と言えない問題が一つ。
ここまで読んで「おわり」ってどゆことー!
コラ待て、誰が龍馬を殺したんだ、総司はどうなったんだぁ!!呆然。


2001年09月23日(日) 読書熱    

津田雅美の「気まずい関係」<「天使の棲む部屋」収録/花とゆめコミックス>で
本好きの主人公が読書の秋に「一生のうちに読める本には限りがあるのよ、
叩き込めるだけ叩き込んでお墓に行きたーい!」
と言うような台詞を吐くシーンがありましたが、
今の私の心境はそれに近いです(-_-;)
「永遠の都」シリーズが止まらない〜〜。
3、4巻をノンストップで読み干してしまいました。
休館前にもう一回図書館行かねば。

3巻は一応ヒロイン(なのかな?)初江の息子悠太の目から見た世界。
同じ事件や人も子供の視点から見ると全然違っていて面白い。
子供って思いのほか大人の発言をちゃんと覚えていたり、
別の観点から人間を評価したり(こっちの方が正確なことも)するんですねー。
そいえば今思えば私も子供の頃は大人が思っている以上に
自分が色々考えていると知っている嫌な子供でした。

4巻は逆に大人の視点で見る世界。女は怖いなぁ。
姦通の疑惑をかけられて(事実あるのだけど)嘘八百並び立てつつ、
心中では女中に手をつけた夫やずっと妾を囲ってた父や
その妾だった継母に言われたくないわよ、
と罵りながら泣き伏すんですよ。
まぁね。一回り近く若い旦那の甥っ子に愛されちゃって
子供までそいつの子かも(血液型からはわからず、
血縁関係があるのでどっちにも似ているように見える。)
しれないんだもの、必死で秘密守るわな。
2巻で子供の出生の疑惑愛人に打ち明ける所なんかドキドキしましたわ、
アンナ・カレーニナ(愛人の子を産む)を読んでる話を長々として、
最後に「あなた、鈍感だわ。」だぜ。怖っ。


2001年09月22日(土) 事実は小説よりも

もうすぐ図書館が蔵書整理期間に入ってしまうので、
「永遠の都」<加賀乙彦/新潮文庫>シリーズをまとめ借り。
今2を読み終えたんだけど、しかし本当に女性のバトルが怖い話です。
見たことないけど流血格闘技より怖いかも。大きな個人病院が舞台なのですが
女中頭(元婦長)⇔古参の薬剤師⇔現婦長(院長の元オンナ、一児有り)が
三つ巴で仲悪く、事務長だった正妻(絶対心労が寿命縮め)が亡くなったら
ちゃっかり妾(元看護婦)が乗り込んできて、しっかり後妻に収まって
でかい顔すると言う…。昔近所にあった病院の、妙に後ろめたい感じの
裏口の雰囲気とか噂とか、思い出して身震いしてしまいました。

ところでこの小説の話を某ベテラン看護婦さんにしたら、
「どこにでもある話だよ。」
だって。婦長の子供が病院長に似ていると言うのが昔は
個人病院のセオリーだったそうで。
つーか自分のオンナを婦長にしちゃってたらしい。
他にもすんごい話聞いたけど、おぞましくてとても掲載できません。


2001年09月21日(金) 大団円

「世界で一番大嫌い」(13・完)<日高万里/花とゆめコミックス>が
終わってしまいましたね。約4年間の連載。何が恐ろしいって
出たばかりの1巻を買い求めた覚えがあることだな。
きっちり付き合っちゃったよ、ぎゃー。ま、大体シリーズの流れから
予想はついていたけど表紙はやっぱり結婚式で。良かったんじゃないでしょうか。
 私は絶対!!真紀ブチ切れ野獣化→万葉妊娠→できちゃった結婚
→千鶴大荒れ→「詩を聴かせて」に続く、と踏んでたんですが、
考えすぎでしたね。でもそんなことでもないとハイパーお姉ちゃん子の
ちいちゃんがあそこまで荒れないと思ったんだけどな。
しっかし出会ってヒロインが告白するまでに2年近くかかってたのに、
(コミックスだと優に八巻分)プロポーズから式まで約半年かい!
でもまあついこの間「キス」(全8巻)<マツモトトモ/花とゆめコミックス>
の最終回にちょっとがっかりした身としては、このまとめ方はよろしかったと
思います。最終回の描き方に作家の力量が一番出る気がする。

ところで周知の通り私よるはロシア文学と少女マンガと時代小説を並行して
愉しめる人間です。(懐が深いんだか節操がないんだか・・・。)
読んでくださる方にとってのストライクゾーン内はともかく、
知らない作品(特に長期連載やシリーズ物)については
わかりにくいことこの上ない日記になってしまっていると
最近特に感じるので、ぽつぽつ解説を作っていこうと思います。
少々お待ちください。


2001年09月20日(木) M&Nな仮想未来

面白いかって言うと実はよくわからないんだけど、
独特な世界が気になってつい読んでしまうのが
「MとNの肖像」<樋口橘/花とゆめコミックス>。
私はM(マゾ)でもN(ナルシスト)でもないですが。
これも、もう3巻。まだ続くみたい。フ…フフ。
ちょっと困っている最近…またそろそろ収納スペースが……。
私が今死ぬとしたら交通事故死か地震等による本棚の転倒→圧死
だと思います。ある意味マゾヒズティック&ナルシスティック。
ところで死んで地獄に行った場合、マゾの人の扱いはどうなるんでしょう。
普通の人と同じじゃ悦びかねない。かと言ってその人だけ重くしたら
他の人が「あの人よりはマシだよなっ。」と心のオアシスにしかねない。
いや、もともと痛覚は人によって違うわけだし、そこから生じる
不公平は…と考え出すと夜も眠れない私です。阿呆かい。


2001年09月19日(水) 方向音痴とそうでない人の違い

方向音痴でない人の考え。
1、地図が悪い。
2、道路標識が悪い。
3、ナビゲーターが悪い。

一昨日読んだ本に書いてあった、日本以外に
方向音痴という言葉に対応する言葉はあまりない、
と言う現象が何故起こるかを垣間見たような気がする一日
人を悪く言わず自分を責める謙虚さから来てるのでは。
たぶんね。
もっともこんな所で実の父親をこっそりけなすような謙虚さなら
一々標識作った人を罵る彼のほうが娘より人間的にはマシかもしれません。
どっちもいい性格してますが。


2001年09月18日(火) 悪女アンナ

「アンナ・カレーニナ 下」(トルストイ/岩波文庫)を
読み終わりましたぁ〜。前にもちょっと触れた気がするが
最初から結末がばれている、あれです。
誰からも愛され尊敬される美しい淑女だったヒロイン・アンナが
不倫の恋に身を焦がし若い恋人と駆け落ち、
途端に社交界からは軽蔑され(当たり前だ)
我が子には逢えず(だから駆け落ちなんだってば)
夫からは正式な離婚を拒否され、やがては愛人の恋情さえも
疑い列車に身を投げる、というストーリーです。
バレエのあらすじでは(日本で忠臣蔵が歌舞伎になるように、
ロシアで名作はバレエになるのね…お国柄が出ますね(^.^) )
別の美人と結婚されてしまう、と聞いたような気がしましたが、
小説にはそれはなかったですね。別の作品と勘違いしたのかな。
そのせいかあんまりかわいそうだと思わなかった。

昔の小説というのは現在と常識がかけ離れていて面白いことが。
国民性の違いもあると思うけど。
アンナは作中、妊娠するのですが、父親は愛人です。
日本でも「源氏物語」で女三の宮がやっちゃった奴ですね。
旦那にも当然ばれている。
ここで旦那に許しを乞い正式な夫婦の子として育てるか、
生まれる前に駆け落ちしちゃうかだと思うんだけど、
自宅で産後の肥立ちが悪いからって夫に愛人呼んで
和解してくれと言ったりする。できるかいっ。

結局生まれてから駆け落ちして、残してきた旦那との間の
子に逢えないからって家に乗り込んでいったり。
どんなお屋敷か知らないけど、何つう女じゃ。
もう子供「お母さんは死んだ」って言われてたのに。
自分の欲求だけで徒に子供惑わすようなことするなよ。

しかも残してきた子恋しさであんまり愛人とこさえた
子は可愛がらない。生えている歯の数も知らないって、乳母だの
看護婦だの雇える貴族ならではだけど、あんまりじゃない?

眠れないからってモルヒネ、阿片(これは別の夫婦がお産にも
使っていた…事情を話せば薬局で売ってくれる。)飲むし。
非業の最期もひょっとして薬物中毒による妄想が
あったんじゃないのか?かなり常用していたみたいだったし。

本当に悪い女だよな、アンナ。でもそこがまた魅力的だったり。
魅力的だけどやっぱり関わるとひどい目に遭うよ、悪女。


2001年09月17日(月) 放っておくとこうなる

また幕末マイブームが来そうな予感。肩慣らしに
何年かぶりに「龍馬伝 野望編」〈つかこうへい/角川文庫〉
を読み直す。まだ「青春編」「決死編」と続くのですが、
内容の過激さにちょっとついていけなくて放ったらかしにしていたのです。
えー、「沖田総司は、Bカップだった。」ていうキャッチコピーで
映画化もされた「幕末純情伝」〈同上〉と設定は良く似ています。
あの映画についてはワイドショーの取材で
「ま、何カップだろうとさらし巻いてた筈ですけどね。」
「何が言いたいんですかっ。」
と龍馬役の渡辺謙と総司役の牧瀬里穂が掛け合い漫才(?)
していたことも記憶に新しいです。
――どーしてこう人生になんら関係のない情報ばかり
忘れないんだろう私の脳は。

話を戻すとあの美貌の剣士は川原の捨て子で
実は女だった!と言うのはほぼ一貫した設定なのですが、
「純情伝」では幕臣小栗忠順の義妹だったのに対し、
「龍馬伝」では更に飛躍して、実は不吉な予言のために
妖刀菊一文字を添えて捨てられた帝の第一皇女で、
幼い頃は川原者(被差別芸能民)に拾われて育てられた
勝海舟(若い)の義妹、とまぁ正統派歴史ファンだったら
泡吹くような内容なんです(^_^;)
他にも土方は田んぼも持てない土方(どかた)だったとか、
フィクションにしても大胆でしょ?

そろそろ私も大人になったし、続きを読もうかなーと
思って取り合えずオンラインで調べてみたら、
何だかうまく行かない。検索にすら引っかからないサイトも。
あーもうこれだから角川はっ。
すぐ廃刊にしちゃうんだからぁー!!



2001年09月16日(日) 地図が読めない女、話も聞かない女

問1.次の文章を英訳しなさい。
この道を真っ直ぐ行って、三つ目の信号を左に曲がりなさい。
二ブロック歩いたら、銀行の角で右に曲がりなさい。
100メートルほど歩いたら、左手に郵便局があります。


学生時代、この手の問題を見るたびに憂鬱になったものです。
こんな問題が私の人生にどう関係があるんだよ、と。
別に外国に行く気がないのではなく、同じことを日本語で
案内されてもどうせわからないからです。
言われたことを覚えていられないんです。
仮に覚えていても、まずブロックと言う感覚がない。
銀行の角って手前か前を通ってから曲がるのかわからない。
100メートルってどのくらいか見当がつかない。
そもそも右と左をよく間違える。(致命的)

で、「方向オンチの科学」 <新垣紀子 野島久雄/講談社ブルーバックス>
を読んでみました。
もしかしなくてもやっぱり認知心理学の話だったのねー。
この分野に片足突っ込んだことのある身としては、
メンタルローテーション(心的回転)とか認知地図とか
用語が出てくるたびにむずむずしてしまいました、はっはっは。
「知ってるけど自分ではうまく説明できない知識」を
目の前で展開されるもどかしさ。
単に私がでたらめな位不勉強だっただけだろ、と
知人には突っ込まれそうですが……。

この本に載っていた「方向感覚質問紙簡易版」
という質問リストをやってみた所、
方位に関する意識→10(女性の平均22.10)
空間行動における記憶→17(女性の平均27.19)

と言う結果に。ついでにこの本の結論は、私の読解によれば、
「地図が悪いこともある、自己認知(自分に対する評価)
を高く持とう!」でした。(それだけじゃないけど、総論として)

経験からこの自己認知にたどり着いたのだが、うーーー。


2001年09月15日(土) 昨日の続き。

田辺聖子も久しぶりに読んだけど、いい話だった。
原因不明の下肢麻痺の妻と夫の話。
短いけど「BEAUTIFUL LIFE」より私は好きだな。
勝気で我儘で強がりなジョゼが、
「好きな人ができたら怖くてもすがれるから、
動物園で一番怖い虎を見たい」
と思っていたと言うのが可愛い。
実際に障害を持つ人の恋愛って大変だとは思う。
本人同士は良くても家族の反対とかね、
程度によるけどどうしても介護や補助が必要になるだろうし。
障害者/健常者と言う仕切りが少しでも小さくなるには、
どうしたらいいんでしょう?

連城三城彦もこれからは要チェックだわ!と思った。
最後に水上勉の「猿籠の牡丹」
おお。これはまさしく!
「妊娠小説」<名著です、オススメ…斎藤美奈子/ちくま文庫>で
“民話とオカルトをミックスさせたような妙な芸風”として
取り上げられていた作品群と同系統ではないかっ。
おかげで結末も(短編だから特に問題ないけどっ)すぐ読めたぞぉ。
ところで舞台は合掌造りで有名な一帯の近辺ですが、
方言はどうも関西弁…いいけどね…。






2001年09月14日(金) 読書する雷鳥

あー絶対車中で足りない、と思ったので(体調が万全なら)
キオスクで本を一冊買い足す。
まず「紫蘭の花嫁」〈乃南アサ/文春文庫〉を。
前もこの人の花嫁の話〈「6月19日の花嫁」/新潮文庫〉を読んだなー。
映画化もされたらしいけど。
私には今回読んだ方のが面白かった。
登場人物がみんな秘密を抱えていて、
作中に次々その正体を示すヒントが出てくるのを、それぞれに
パズルのようにはめたり外したりする楽しさがありました。
段々皆怪しく思えたり。

次に買ったばかりの「わかれの船」〈宮本輝 編/光文社文庫〉。
宮本輝の本かと思ったら、彼が選んだ短編集でした。
豪華な顔ぶれだし、読んだことない作品ばかりだったから良いか。
これでまたご新規さん(それまで読んだことない作者のこと)と
巡り会えるかも。
林真理子の「四歳の牝牛」はお金持ちのおじちゃまと
若い女の子の出会いと別れ。焼肉の描写がぽーっとなるほど美味しそう。
こういう地方出身の女の子が贅沢覚えて綺麗になる
「マイ・フェア・レディ」みたいな話ってみんな好きね。
私も嫌いじゃないけどさ(笑)


2001年09月13日(木) 京都で読む京都・2

超ハード日程(自業自得)で疲れすぎ、眠れなくて昨日の続きを読む。
二条城、天龍寺、高台寺、伏見稲荷など、見てきたばかりの
地名がわしわし出てきてじーん。ついさっき見た場所を違う印象で思い出す。
いつもより時代の熱を強く感じたような気がします。
ついでに「埋もれ火」〈北原亞以子/文春文庫〉も。
女の目から書いた女性達の幕末物って
あまり読んだことがないなーと思っていたので。
正直言って、これを読んで初めてお龍を哀れだと思った。
それまでははっきりきっぱり嫌いでした。
女見る目ないぞ龍馬!!と本気で怒ってました、私。(^_^;)
でも人間付き合ってる人間に合わせる所がどうしてもあるから。
もしお龍の性質を面白いと褒めそやす男(龍馬)がいなかったら、
彼女もちょっと風変わりな美人として寺田屋の女将か誰かの
仲介でもっと普通の結婚をしていたかもしれない。
酒びたりになって、亡き夫の昔の想い人の悪口を言って
泣き喚いて。もし龍馬と出会わなかったら。
そう思ったら、初めて可哀想だと思った。
お龍だけじゃない、この本の中の、
運命の人と出逢って、取り残された全ての女性達も。
時代を駆け抜けていった男達は、
その最期に彼女達を思ってくれていただろうか。


2001年09月12日(水) 京都で読む京都・1

今日から京都一人旅。もう一つの日記とリンクしてお届けします。
前夜、衝撃のテロ事件発生。驚愕のため
なかなか寝付けなかったのが原因でしょう、
最近は結構丈夫になっていたのに見事なまでの電車酔い。
おかげで車内で読もうと思っていた「幕末新選組」〈池波正太郎/文春文庫〉
は三分の一程しか読めなかった。(逆にいうと無理して
読んだから余計に症状が悪化したような気もするが…。)
新選組の中では割とマイナーな永倉新八が主人公。
旅先の地名が出てくると、人や場面が
何だかリアルに感じるから不思議です。

それにしても一番近い席で良かった、
トイレに駆け込むこと三回(:_;)。
もうこの旅は駄目かと思いました。
隣には娘さんのお舅さんが亡くなったと言うお婆様が。
せっかく話し掛けてくれたのに、まともに答えられなくてすみません。
――電車が止まるまでそれどころじゃなかったもので。
ええ本当に。改札の真ん前が薬局で良かった。
(ありがとう、JR西日本。これがお宅らの陰謀だとは
決して考えないことにします!)


2001年09月11日(火) 旅行前夜

荷造りそっちのけで永遠の都<加賀乙彦/新潮文庫>を
読み出したら、止まらなくなってしまった。
それぞれの登場人物が生きてるわ〜。
面白い。これぞ大人数の長編小説。
あと6巻も読めるぅ。う、嬉しい。
――但し、帰ってきてからね。


2001年09月10日(月) 六道輪廻

明後日からの旅行の準備でガイドブックと睨めっこ。
ついでに時々図書館で見つけた
「京都・異界をたずねて」<文・蔵田敏明/写真・角野康夫/淡交社>
を見てうっとり。
いつか京都ミステリーツアーをやってみたい。
六道珍皇寺でしょ、晴明神社でしょ、化野念仏寺……フ…フフ。

六道といえば、最近気になる広告が。
駅ビルのポスターなんだけど、

生まれ変わってオトコだったら、死んでやる。  だって。

ああ、つまりおしゃれでカワイイ自分が大好きって言いたいのね。
生まれ変わりがあるとして、人間とは限らないと思うけどね。


2001年09月09日(日) ゲド…戦記。児童文学?

「さいはての島へ」「帰還」<ル・グウィン/岩波書店>
帰還<同上>。
実は両者が書かれる間には16年の歳月が流れております。
物語上ではほぼ直後のお話なのですが。
いやー参りました。
ゲド戦記ってどうも邦題らしくて、3巻、4巻のゲドは
はっきりきっぱりおっさん(ーー;)。
特に4巻では前半はほとんど噂話にしか出てこないお人。
読む側には2巻のテナー、3巻ではアレンにどうしても感情移入して
しまうように書かれている気がする。
もともと作者の意図が魔法が息づき竜の住む世界アースーシーを
描くことにあったとすれば、ゲドをタイトルに
入れちゃったのは失敗だったかも…。

ところで児童虐待の被害者が登場人物で出てくるのですが……。
まさか対象年齢小学6年、中学生以上の本で
「強姦」とか「処女じゃない」とか言葉が出てくるとは。
8歳の女の子が2歳くらいの重さしかなくて、言葉もほとんど知らず、
肉親にレイプされたあげく焼き殺されかけて顔から腕まで
ひどいやけどを負い片目を失明って、……物語とは言え、
中学生のときに読んでたら重かったろうなぁ……。
今でさえ胸が痛むもの。
こういう惨い話が現実にもあるという事実はつらいことです。
だからって何でも規制して過保護にしてないで、
犯罪や戦争がどんなに愚かしくて人を傷つけるか
ちゃんと子供に教えないと、真の勉強にはならないと思う。
そういう意味では、これを書いた作者も、変に
「いたずら」とかなんとかごまかさなかった訳者も偉い。
グリム童話だって本当は恐ろしいのだ。






2001年09月08日(土) 天然印でいこう。

「天然素材でいこう。」(8)<麻生みこと/花とゆめコミックス>
の中では美春(ミハル)さんが一番好きなキャラ。
癖のある人ぞろいの中で最もシンプルだから(笑)。
理々子さんもヨシハル君みたいな男の子を好きになれたら良かったのに、
とのたまわれていましたが……私だったら弟に欲しい。
恋人や配偶者にするには、無邪気すぎてしょわしない(落ち着きがない、
やんちゃ、じっとしてない、騒々しい……の意)。


2001年09月07日(金) 天国

遠藤淑子のファンです。彼女の絵を見てうまい!という人はまずいないと
思うけど、彼女のような作品を描ける人もそういないと思う。
「ヘヴン」(2)では<花とゆめコミックス>
万能ロボットルークの誕生悲話でした。今まで読みきりか連載でも一話完結の
多い人だったので、こういう続きものの話もつくれるんだ、とびっくりした。
しかもいろんな因縁が実はあるみたいで、1巻と比べながら見ると
すごいことになってます。これまた今後が楽しみ。


2001年09月06日(木) もうすぐ十五夜

お話がとうとう人類の起源にまで行ってしまい
壮大すぎてなかなか先に進まない輝夜姫(18)
<清水玲子/花とゆめコミックス>ですが、今回はちょっと衝撃的。
私は今までまゆが積極的に嫌いだったんだけど、
だからってやっぱり女の子が痛い目に遭うのを見るのはつらいですわ。
彼女のわがままさや独占欲の強さという欠点も、今思うと環境も原因だろうな。
お金持ちだけど離婚家庭で父親と会ってる印象はなかったし(男嫌いはこの辺も原因か)
お母さん養女(それも彼女の大切な晶)に手ぇ出すような人だしね。
近頃では同性愛遺伝子の存在も論議されているらしいし、
体の弱さが自信のなさ=無理矢理にでも相手をつなぎとめたい、
という思いにつながっているような気も。
あんまり彼女を責めるのは酷だったかしら。
他にも問題山積み、久しぶりに続きが気になって仕方ない展開でした。


2001年09月05日(水) ヤーねその鏡

解離性人格障害、いわゆる多重人格が一般的になる前の話の割に、
「ヤヌスの鏡」って良くできたドラマでしたな。(知ってる?)
人格の分離が虐待による、というのが現代的だ。
厳格なおばあさまに叩かれたり親の悪口言われたり
納戸に閉じ込められたりして育ったんだよね、ヒロインは。

ところで試しに検索してみたら
こんなページもあるようです。
ちょっとびっくり


2001年09月04日(火) 抜きたてのほやほや

抜かれてきました、ズボッと。
今は麻酔が効いていますが、念のため痛み止めも貰ってきました。
ところで先生、抜いてから
「あー、根元曲がってるねー。」
って言わないで。
「狭い所無理矢理生えてきてるからねー。もう一本もそうだねー。」
って骨格見れば狭くて曲がりそうなことくらい事前にわからない?
抜く前に呪文のように
「簡単な親知らず、簡単な親知らず。」
といってたのは何だったんだー!!


2001年09月03日(月) 今なぜか若年層向け魔法ファンタジー

今なぜか若年層向け魔法ファンタジー

「ゲド戦記」<ル・グウィン/岩波書店>です、イエーッ!(二冊まとめ読みしてハイになってる)
ここでハリーポッターだったら直球過ぎてつまらないでしょ、ほほ。
児童文学とかファンタジー物をあまり読まない子供だったので、
今となって後悔することしばしば。
この話は「千と千尋の神隠し」にも影響を与えている部分があると言うので、
試しに読んでみたら面白かったの〜〜。
そう言えば津田雅美も「彼氏彼女の事情」11巻<花とゆめコミックス>で
イイと書いてたな。

一作目は「影との戦い」で、素晴らしい素質を持った
少年ゲドが魔法使いとして成長していく物語。
お師匠様のオジオンが渋い。
相手の「真の名」が魔法を使うときに重要だとか、
確かにここから来てるみたい。
そう思って読むと千尋とハクは第二部「こわれた腕環」の
テリーとゲドみたいに見えないこともない。
お話の構図としては囚われのお姫様を救う魔法使いなんだけど、
これまで通り安穏だけど暗闇に仕える大巫女として死んだように暮らすか
困難な道を自由な少女として生きていくか、ちゃんと選んだのは彼女。
偉いぞテリー!頑張れー。
―――何かつい女の子に肩入れしてしまう私。
主役はゲドなんだけど、やっぱり物語には華がないとネ。



2001年09月02日(日) ☆ミ 運命の再会 ☆ミ

……っつ〜訳でお友達Kちゃん(仮名)と井波で半日過ごしました。
きっかけは富山市内でめぐり合ったこと。
思いがけない出会いは人を熱くさせます。
誘いに乗ってついでに未来のお義父様の(同性だってば)
車に乗っておうちまでGO!
お迎えにご両親揃ってみえたので
「も、もしかして家族水入らずでこの後富山で
過ごそうと思われてたんじゃ……。」
と思いながら図々しくもついて行ってしまいました(笑)。

まずは瑞泉寺。
ほえ〜〜。こんな大きいとは知りませんでした。
随所に見事な匠の技が光ってます。
木彫りだけどキラキラです。
「お寺の天井ってどうしてネットが張ってあるの?」
「ツバメが巣を作るからよ。」
そうだったのか!
忘れかけていましたが今は風の盆。
おわらツアーのお客様で結構混み合っております。
うろうろしていると御長寿相撲番付とか色々妙なものを発見。
興味のある方はこちらに写真が掲載されています。

門前は小京都と呼ばれるだけあって風情のある通り。
バス停やお店の看板も木彫り。工房もたくさん。
造り酒屋さんが多いのは飛騨高山を思わせます。お水もおいしいのだ。
ここで「田舎饅頭」を購入。
自分で申告しちゃう潔さが素晴らしい。
帰ってから食べましたが控えめな甘さで美味。

次に創遊館へ。四年に一度世界各地の彫刻家が集まっているとかで
あちこちの野外に珍しいトーテムポールやオブジェが。

そんなこんなで楽しい一日でした。Kちゃんありがとう〜〜。





2001年09月01日(土) 先行公開

こんな拙い日記を読んでくださる奇特なあなたに
先行して御案内する世迷言。
「よるの迷走日記」、こっそりお披露目です。


よる |MAILHomePage