よるの読書日記
DiaryINDEXwill


2001年08月31日(金) 地獄絵図的リアリティ

何でだか「ネバーランド」(TBS、金曜9時)を
ここのところずっと見ている。
寮で暮らす男子高校生が皆何かしら心の傷を持っていて、
その中でも学費援助の見返りとして義母と性関係を持っている少年、
という結構ショッキングな設定が出てくる。

が、あんまりピンとこない。
三宅健(実年齢22)だし。義母高島礼子だし。
だってさぁ、好みもあるだろうけど彼女だったら
普通に肯ける設定としては、
密かに若くて美しい継母を思慕する少年は
彼女が貞淑に愛し続ける亡父or新しい恋人に内心嫉妬の焔を燃やし、
二人きりになったある嵐の夜、ついに熱情を押さえきれず、
また継母も彼の若さに抗いきれず…ってそれ「砂の城」(昔フジテレビで
やってた昼メロ、原作は一条ゆかり<集英社>で舞台はフランス)じゃん!
てな感じだよねぇ。若くて綺麗なんだし
よっぽどショタコンじゃなければすぐ素敵な男の人見つかるって。

リアリティがないわ。お伽話みたい。
ここはどーんと(?)泉ピン子なんてどうだろう。
急に話がえぐく感じるわ。裏を返せば美人ってやっぱり得ね。
ついでにやっぱり相手が青年では危うい感じが出ないわね。
じゃ、今一番旬の十代と言うことでえなりかずき。

……………凄惨すぎて続行不能。



2001年08月30日(木) 蝕まれた口内

今年に入って今日までで、前の3年間の合計よりも
多く医療機関に通っております。(普段超健康体)
高熱で1回。その後気管支炎が2回。
銀歯取れたのも2回。歯医者通いなんて7年ぶり位よ。

さて治療が済んだ後、
「他に気になることないですか?」
―――自己申告かい。ついでに検診してよ。
「そうですねー、この間奥歯磨いてて出血しました。」
お姉さんチラッと見て、
「あー、親知らずが虫歯ですね。先生に診てもらいましょう。」
生えてたのか!(←驚く所違う)
先生登場。いとも気軽に
「あー、やられてるね。抜いちゃいなよ。」
私の脳裏に以前伝聞した親知らず抜歯における
幾多の流血の惨事が駆け巡る。その怯えを見てとってか、
「大丈夫、色々聞くだろうけど、
これはまっすぐ生えてるから簡単に取れちゃうよ。」
と先生。彼は私の父とは旧知の仲です。

信じますよ、先生。あんまり痛くしないでね。
次回9月4日、親知らず抜歯篇に続く。


2001年08月29日(水) 哀しい性

「光の帝国」<恩田陸/集英社文庫>

長寿や予知、芸術など、常人とは違う
素晴らしい才能を持つ常野一族を描いた作品です。
巻頭の「大きな引き出し」は、暗記力を持つ春田一家の物語。
「虫干し」って発想が面白いですね。
情報を吸収していくと飽和状態になるので、
それを並び替え、取り出しやすいように七〜十日眠る。
ハードディスクのデフラグみたいなもん?

そして表題作の「光の帝国」は、
戦時中に常野の子供達を襲った哀しい物語。
もしものすごい能力を持つ者がいると知ったら
利用してやろうと考える大馬鹿野郎がいても不思議じゃない。
頑是無い子供に何てことするんだ!
と勝手に日本軍を恨む私。小説だってば。
でもここで出て来るような特殊部隊の連中が、
実験と称して外国で、罪もない人々を
苦しめたことは事実なんだよね。
あー、許せん。哀しい。

ところで惚れこんだ作品のあとがきに
次回作の構想とか書かれると
早く書いてくれー!!と、身悶えしたくなります。
あの、寡作で遅筆な新井素子さんなんか頭の中に
千年分架空王朝の興亡が入ってるらしいのよ。
やめてー、書けないなら言わないで〜!!





2001年08月28日(火) よると延期の髪(で)隠し

お天気にも恵まれて、
友人延期と日本一の滝を見に行ってきました。
30分歩いた価値のある絶景。
落石の危険のため一番良いポイントは立ち入り禁止でしたが、
それでもうっとりいたしました。
空気がひんやりとしていて下界の暑さが嘘のよう。
滝の飛沫が飛んできて、眼鏡が邪魔になるほど。
マイナスイオン浴びまくり。
「ああ、幸せ。」
単純な私に呆れる延期。
人間って簡単なことで幸せになれるものです。

次はネパールの豆カレーを賞味し、
チャイをいただいて満腹に。
幸せ倍増。

そして最後にお湯屋に行きました。
打たせ湯やサウナ、箱蒸しもあってなかなか充実した設備でした。
のんびりと俗世の垢を落としていた二人ですが、
悲(喜)劇はここから始まったのです。

自宅の風呂では鏡が側面にあるため、
洗い場であまり見ないオールバックの自分の顔を
正面からぼーっと見ていたよるは気がついた。
「私って、こんなおでこ広かったっけ?」
細い毛でごまかされているけれど、
こめかみの上のほうがいわゆる剃りこみのような
状態になっている。毛がナイ。

ああー、抜けると思ってたら…(昨日の日記参照)
そう言えば吹き出物もホルモンバランスの乱れが原因かもって
化粧品屋さんに言われたことあったっけ……。

老化どころか男性化!?

「気にするほどじゃないって、髪の毛下ろしてれば
わかんないよ。」
と優しくフォローしてくれる延期でしたが、
どうしても内心のショックを隠しきれない私。
人間って一瞬で不幸になれるもんです。

生まれ変わりを経ずして次のステージに
向かいつつあるよるの明日はどっちだ。
ちなみにこの日もお休みではなく夜からお仕事でした……ストレス?



2001年08月27日(月) 私と小鳥と鈴と

楽しみにしていた「明るいほうへ 明るいほうへ」(TBS)を
4分の3以上も見逃して、しっかり最後で号泣した。
最近涙腺がもろくなっています。
抜け毛も多いし、物忘れも激しいような・・・。

主演の松たか子は石井ふく子プロデューサーが
スケジュールの空くまで2年も待っていた甲斐があって
素晴らしい演技でした。
普通だったらどうしようもなくひどい夫役も、
渡部篤郎が演じると人間の弱さを感じさせました。
とどめに渡哲也が渋くまとめて滂沱の涙。
前半は菅野美穂で泣き所がもう一つあった筈なのに、悔しい。

久しぶりに「金子みすゞ童謡集」<ハルキ文庫>を
本棚から出してみました。
特に好きなのは「星とたんぽぽ」。

見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。


2001年08月26日(日) お熱い唇

「BS FAN」
今月の表紙はアンジェリーナ・ジョリー。
新作映画「トゥームレイダー」の予告がめっちゃ格好いい彼女です。
旦那の血液入りのガラスのペンダントをしていて、
結婚記念日にお墓を買ってお互いに遺書を書いたとか。
鷺沢萌が「キネマ旬報」の連載で最近のハリウッド女優は
みんな薄い感じ、と書いていたけどこの人は濃いよね〜〜。
あのちょっと厚めの下唇が妙なことに女のワタクシにも
フェロモンを感じさせるのですが、殿方の意見はどんなもんでしょう。

唇がセクシーな女優と言えば「氷の接吻」のヒロインだった
アシュレー・ジャッドもかなぁ。
でもやっぱり元祖はマリリンっすね。(今ファンなのです)



2001年08月25日(土) 思いこんだら一直線

37歳まで7年以上ありますが、
「YOMIURI PC」を時々参考にしています。
初心者の頃はこれが一番わかり易かった。
そこで見つけたのが Harbot

ポスペにもやられちゃった私が気に入らない筈がない。
一目惚れで早速導入。
でもこれ、常時接続環境にある人に向いている
サービスのように思います。早まったかな、へへ。


2001年08月24日(金) 永遠のマドンナ

マリリン・モンローと言うとイメージしてしまうのが、
なんとなくいやらしい感じの金髪、
豊かな胸や腰を強調するような動き、
なまめかしい表情でこってりした赤い口紅に
甘ったるい声。

正直言って同性に最も嫌われるタイプの女性だ。
しかし、いつも実際の写真や映像を見ると、自分のイメージが
そっくりさんやものまねの手による粗悪なコピーだったことに気づかされる。
先に述べた条件が全て当てはまるにもかかわらず、
彼女は息を呑むほど美しい。

「追憶 マリリン・モンロー」<井上篤夫/集英社文庫>は、
検死官(日本人だったって初めて知った)や最初の夫、
友人や写真家13人にインタビューしたノンフィクションである。
帯に ‘みんなマリリンが好きだった’とあるが、
本当に彼女は男女問わずあらゆる人に愛されていたんだと思う。
そしてその人たちの目を通して浮かび上がるのは、
寂しがり屋で優しく、かわいい無垢な女性である。
遅刻魔だったとか演技が上手じゃなかったとか、
もし自分が現場にいたらやってられなかった一面もあったろうけど、
それでも許してあげたくなるような印象だ。

松本侑子は小説「偽りのマリリン・モンロー」<集英社文庫>で
ヒロインにこんな台詞を言わせている。
「(前略)でも私だって、彼女を放っておけない気がするわ。
もしモンローが生きていたら、きっと彼女のために
何かしてあげたいと思うに違いないわ。」

来年で没後40年。亡くなったのは36歳、
奇しくもあのダイアナ妃と同い年であった。
二人ともこれからも語り継がれていくんでしょうね、
伝説の美女として……。




 


2001年08月23日(木) 曇天もまた良し



建築探偵シリーズ第2作「玄い女神」<篠田真由美/講談社文庫>
第3作「翡翠の城」では江戸っ子神代教授も登場で盛り上がってまいりました。

私は大体推理小説を考えずに読む(そして騙されたのを喜ぶ。
簡単にわかるとむっとしてしまう)方で、犯人・トリック・動機の謎を
探偵が如何にして解くのかを面白がる傾向があります。

そういう意味で言うとこの三作、犯人当ては3回とも外れているので期待通り。
ただ、このシリーズ全部の共通点なのかはまだわかりませんが
必ず「Aが実はBだった」という大どんでん返しがあるのです。
これはね、今回は2回とも「やっぱり」って感じ。
しかしそこにさらに大きな発想の転換が。
ひゃー、それはさすがに考えなかったわ。次の作品も楽しみです。


2001年08月22日(水) 青空は最大の読書誘因である

坂東眞砂子の「屍の聲」〈集英社文庫〉。
どこにでもいそうな人達の中の、‘闇に巣くう情念の呪縛’を
丹念に描かれるととても怖いです。
誰にでも、自分にも嫉妬や猜疑心は起こり得る。

ところで今年のナツイチは窪塚クンですか。
うまい所ついてきますね(笑)。
選ばれている本の顔ぶれも大分以前と変わってる気がします。
またあれこれ欲しくなってしまう。
夏は危険な季節です。
紫外線を生涯の敵と定めたよるには、むしろ積極的に室内にいたい季節。
そして出版社のキャンペーン。
気がつくとまた手をつけてない本の山が……。
ヤバイ。


2001年08月21日(火) 文庫大好き

前から面白いと聞いていた「建築探偵シリーズ」一冊目の
「未明の家」〈篠田真由美/講談社文庫〉ようやく手に取る。
……うん、いつもながら講談社ノベルズ出身のシリーズ物はレベルが高いと思う。
一気に読んでしまい、もう3冊目が出ていることを知り大いにあせる。

四姉妹が全部色の名前、と言うと京極夏彦の
「絡新婦の理」〈講談社ノベルズ〉ですね。
あっちは紫・茜・葵・碧。
こっちは蘇芳・朱鷺・珊瑚・理緒。
四女が特別って言うのもちょっと似ているけれど、ここは言わぬが花。

さて、私は基本的に文庫派である。持ち運びに便利で場所を取らず、
安いのは言うまでもなく、頭に「文庫が最終形態」と言う意識があるからだ。
あとがきを書く作家ならハードカバー・ノベルズ版と文庫版の両方が
収録されるのが普通だし、
文庫化にあたって加筆訂正されることも少なくない。
それでもたまーに例外があって、今頭を抱えているのが京極夏彦である。
「狂骨の夢」〈講談社〉が文庫で400枚だか加筆訂正されると
聞いたときにはどうしようかと思った。
次の「鉄鼠の檻」もそうなるなら今後は両方購入の憂き目に遭いそうである。
そうそう、ノベルズでもう一つイヤなのは分厚いと真ん中に
折れ線ができてしまうことだ。そのうちパキッといきそうで。
板チョコじゃないんだから。


2001年08月20日(月) 「千と千尋」もこうして生まれた?

今更ながらビデオ「もののけ姫はこうして生まれた」を全部見終える。
見たいとなったら矢も盾もたまらぬくせに、
一度に見たいとか変なことにこだわっていたら4年近く経ってしまった。

見てよかったです。


2001年08月19日(日) 路面電車と出会い系徒歩

用事ができたので、久しぶりに路面電車に乗りました。
私が狂気のように愛してやまない映画に「人狼」があるのですが、
その中で路面電車が大変印象的に登場するので、
ずーっと乗りたかったのです。

電車が揺れたりカーブを曲がったり信号で止まるたびに
内心ニヤニヤしていた私。精神年齢五歳児並。
始発から終点まで堪能いたしました。
本気でもう一往復しようかと思いましたが、
さすがにもう一人中にいる大人の人格に止められてしまいました。

ご機嫌で帰る私に車の中から声をかけてきた人が。
何だろう、道でも聞かれるのかと思って
安全距離(引ったくりだと困るから)を保って近づくと、
「良かったら、ちょっとカラオケかドライブしない?」
良くねえよ。夏場は頭の中身もあったかい人がいて困るね。
しかし私って声かけられてふらふらついて行く
お馬鹿さんのように見えたんだろうか。よるショック。

足早に去って本屋で涼んでいたら、
「アレ、さっき歩いてた子だよね。
ねぇ、ホントにちょっとでいいんだけど。」
人の良さそうな笑顔がかえって怖い。
もちろん丁重にお断りしました。
壺も英会話の教材もダムの底も結構です。


2001年08月18日(土) 買いにくい

「東京クレイジーパラダイス」<中村佳樹、花とゆめコミックス>
も17巻ですか。
はー、それにしても何だこの表紙は。
ギリギリトップは隠してあるけどほとんどバスト丸見え。
中ですっぽんぽんがあろうと絡みがあろうと別にいいけど、
こういうの表紙に持ってこられると困るなぁ。……結局買ったけど。

ところで時々少女小説の表紙なんかでスーツと学ランで
レスリングごっこ(……としか考えたくないよ、トホホ)
してるのとかがたまにありますが、
アレを買う乙女はどんな気分なんでしょう。
ある意味高校生がエロ本買うより勇気が要りそうに思うのですが。
慣れれば平気なのかしら。
いい年こいて少女マンガ買う私に言われたくない?


2001年08月17日(金) 親子な二人 

2時間ドラマを見ていた母と私。
生後間もなく別れ、19年振りに再会した我が子が
障害者であることに戸惑っていた母親が、
心を閉ざしたままの息子に過去を打ち明ける場面。
画面そっちのけでワイドショーも真っ青の追及に熱を上げる私達。

私:「浮気した息子が悪いのに、嫁追い出して孫まで取り上げるなんて
   キッツイ姑だよね。」
母:「あー、でもこの人なら負けてなかったと思う。」
私:「確かに。女の争いに旦那嫌気さして愛人に走ったって感じ?」
母:「意地悪婆さんならきっと嫁の悪口いっぱい言っただろうね。」
私:「子供を産み捨てて行った位のことは言いかねない。」
母:「そんなこと聞かされれば実のお母さん恨むよね。」
私:「でもその割にいい子だよね。義理の母親が良かったのかな。」
母:「自分の子供も生まずにね。あ、でも子供できにくかったって、
  もともと旦那に原因あったんじゃない!?]
私:「有り得る。昔の人なら全部嫁のせいだよね。」
母:「旦那もずるいよねー。」

画面ではひしと抱き合う親子。


2001年08月16日(木) 眠レヌ子供

最近、旅行してエッセイ書いて小説書いて、
節操ないって言うか丸儲けって感じで
気になっていた吉本ばななサンですが、
「ハードボイルド/ハードラック」<幻冬舎文庫>は久々に
初期の作風に近い印象で良かったと思う。

久々に夜の怖さを思い出した。
昔、うんと子供だった頃、夜はいつも真っ暗だった。
うっかり目覚めてしまって再び寝入れないとき、
寝返りを打ったらそこに化け物がいるかも、と思ったり、
死んじゃったらどうなるんだろう、と考えるのは本当に怖かった。
胸がざわざわして叫び出したいような泣きたいような気持ち。

まーなんてセンシティヴなお子様だったんでせう。
二十歳すぎてただの馬鹿に育って、メデタシメデタシ。



2001年08月15日(水) 続・とりあえず達成感

ふー。何とか終わった。
4巻半ばで良心の呵責に苦しむイヴァンが
悪魔と対話なんか始めた時にはページも遅々として進まず、
もう読んでるこっちが発狂するかと思いましたが、
クライマックスの法廷劇はそれぞれの証言と
裁判の行方が気になって何とか読みきることができました。
最後で少年達とアリョーシャが固く誓いを交わす所も良かった。

文芸大作ってやっぱり読み継がれているだけのことはあると思う。
慣れれば面白いよ。固い感じの先入観があるけれど、
なーに、要は父ちゃんと息子が同じ女を争って、
父親の方が金で女の気を引こうとした直後
何者かに殺されて、さぁ犯人は誰でショー!! である。

名作と言えばトルストイの本がこれまた最後の一冊になって
まだ手をつけないままになっている・・・。
だってこっちはヒロインの悲惨な末路が有名すぎて、ねぇ?











2001年08月14日(火) とりあえず達成感

やったぁー\(^o^)/やっと読み終えたぞぉー!

あ〜長かった。この数日「読書日記」が停滞していた原因、
「カラマーゾフの兄弟」4巻<ドストエーフスキイ/岩波文庫>。
3巻を読んでから半年以上経ち、このままではいかん!
と取り組んでいたのですが、ロシア文学と言うのは
つぼにはまらないとなかなか読めないのですよ、
見開きページ全部一人の台詞とかしょっちゅうありますもん。
今回は裁判の場面もあって検事と弁護士が
代わる代わる喋る喋る。

ただでさえドーミートリイ → ミーチャ
アレクセイ → アリョーシャ 
てな具合に人物の呼び方が変わるのが厄介なのに
表記もイヴァン → イワ゛ン
ドストエフスキー → ドストエーフスキイ
スメルジャコフ → スメルヂャコフ
でおかしいと思って奥付見たら1巻の初版1927年!
改版が1957年、それにしたってもうそろそろ半世紀よ。
薄餅にプリンとルビついてて台詞で「鮭が入ってる」
って・・・もしかしてプディングのこと?
わっかりにくー。

かのマリリン・モンローがこの作品の映画化と
ヒロインの一人、グルーシェンカ役での出演とを
熱望していたって話、ありましたね。
白痴美(これって今差別用語?)的な印象が
ある彼女ですが実際は結構読書家だったらしい。
そのうち評伝でも探してみようかしら・・・。

あー肝心の感想書く気力が残ってない。
また明日。












2001年08月13日(月) 活字と映像2

「FOCUS」も最終刊が出ちゃいましたね。
廃刊の理由もいろいろ語られてますが
部数が伸びなくなったのは、
活字よりも1枚の写真がもつ雄弁性、
その力強さと脆さを私達が良く知るように
なったためではないかという気がする。

テレビでこの季節欠かせない心霊写真の特集、
自称霊能力者がどれもこれも
「心霊写真です」の一言で片付けてしまういい加減さ。
科学的な検証をすれば、光の映り込みとか
2重撮りで解決してしまうものも結構ある筈だ。
悪意を持って見れば、合成によるものだって
たくさんあるに違いない。
胡散臭さごと面白がってみる分にはいいけれど、
もうそろそろ勘弁してほしい。

写真や映像が訴えるものは力強い。
しかしそれらが容易く捻じ曲げられるものだと
今の私達は知っている。そして信じていいものか
戸惑いも感じている。

そうそう、先日面白い新聞記事を発見。
都内の高校教諭が、被災樹木を探しているそうです。
戦災や震災によって焼け焦げ、
その後再び芽吹いた木のことをそう呼ぶんだって。
彼らは歴史の無言の語り部。
存在そのもので私達に訴えるのですね。
妙にじーんときた私。
私の生まれた都市も空襲に遭っているので、
探せばあるかも。




2001年08月12日(日) 中毒

スーパーで特売だったので、うちの御用達
ネスカフェエクセラ250Gを2本買う。
今、「千と千尋の神隠し 21世紀の笑顔プレゼント」
をやってるし。
( http://www.nestle.co.jp/events/sen/ )

新しいの開けたばかりだから1本にしようかと
思ったんだけど、どうせ全部年内になくなるだろうから
まあいいや。

我が家のコーヒーの6割、いや7割は
私が消費していると思われる。
飲みすぎかなぁ、と言ってるそばから
もうマグカップが空になっている。
入れてこよう。


2001年08月11日(土) 行け行けガッセリー菌

ピルクルという活性乳酸菌飲料を最近好んで
飲用している。
生きたまま腸に届く乳酸菌「ガッセリー菌」使用。
今日飲んだ後、500ml紙パックの側面に
更に宣伝文句が書いてあるのに気づいた。
曰く、「胃酸に負けない乳酸菌なので、
腸まで生きて届きます。強い乳酸菌だから、
おなかの中で大活躍。」
・・・なんかスゴイモノを身体に入れてしまった
のではなかろうか。酸で溶けないなんて。
実際かなりの整腸作用があるみたい。
飲んだ翌日は、おなかの中で大暴れ。
ラクになることうけあいです。
ついでに「シャーベットにしても!」いいらしい。
低温も大丈夫なのか。最強生物ガッセリー菌。


2001年08月10日(金) 活字と映像

薄幸そうな美人に弱い。そんな中でも
「青い鳥」の夏川結衣はベストだ、綺麗で、
切なげで、ちょっと蓮っ葉で、儚い。
本当に何であのドラマは彼女が死んだところで
終わらなかったんだろう?
トヨエツが若い嫁さん貰って南の島で
能天気に暮らしている特別編に至っては、
もうTVのプラグ引っこ抜いてやろうかと思った。

これはまあ極端な例ですが、
野沢尚脚本のドラマは途中まで大好きで、
最後までに嫌いになることが意外と多い。

しかし「乱歩賞作品」にも弱いので
とりあえず「破線のマリス」<講談社文庫>を読んでみた。
意外。ずっと途切れない緊張感。
そして、ラストのヒロインの台詞が最も心にずんと響く。
映像化を前提とした脚本と、想像力に訴える
小説との違いだろうか。
この作品は黒木瞳主演で映画化されている。
ちょっと観てみようかな、と思った。


2001年08月09日(木) 甘い痛み

柳原望の描く話は何故かどれも優しい。
そしてちょっと痛い。
登場人物は皆欠点を持っている。
わがままだったり、向こう見ずだったり、
策略家もいるし頑固者や悪党もいる。
でも誰かを苦しめたり傷つける行為が、
加害者にとっては時にその人なりの愛や
正義のためであったりするのだと強く感じさせる。

「さんさんさん」2巻〈花とゆめコミックス〉
でも、それは随所にちりばめられている。
例えばパン屋が子供にあげたパンを
地面に投げ捨てた母親には
我が子の健康を守る義務があり、
それが何であれ断りもなく与えられては
困るという考え方だってあるのだ。
(しかもまずいと言うものならナオサラ(^_^;)

人間て弱くて愚かで仕方ないなぁ、
と彼女の作品を読むといつも思う。
自分も含めて皆情けなくてみっともなくて
失敗だらけで、でもそれがひとなのだ。
じんわり優しくて、ちょっと痛い実感である。

ついでに最近特に良かったのは
「ひまわりの記憶⇔録」(「くだんからの伝言」所収)。



2001年08月08日(水) 子供を生むということ

お婆さんが頑張れば、桃太郎を自分で
産めてしまう時代が来てしまった。
(一寸法師でも可、かぐや姫はエイリアンの
寄生になってしまうので不可)
果たして、これは本当に不妊で
悩む人にとって福音となるのだろうか。
プレッシャーを受ける期間が延び、
別の幸せの選択を妨げる場合もありそうだ。

だいたい閉経後のスカスカの骨で
子供なんか産んで大丈夫なのか?
寿命は縮むと思うぞ、明らかに。
それでもやっぱり、欲しいものなのだろうか。
好きな人と自分の子供というものを。

そんな重いことを頭の片隅に置きながら
「火宵の月」9巻〈平井摩利/花とゆめコミックス〉
を読んだ私。一応関連性はあるのですよ。
1巻から一貫して赤ちゃんが欲しい
火月ちゃんに対し、異種間婚の結果生まれた
自分への嫌悪からろくに手を出す事もできなかった
有匡氏なのですが、このたびめでたく
煩悩に負けてしまったのでした(笑)
まあいろいろあって二世誕生はまだまだのよう。
火月ちゃん不憫なり。

それにしても回想のミニミニ有匡かわいすぎっ!
こんな激っぷりエンジェルなら
今すぐにでも欲しいぞっ!!

しかぁーし、元ネタが私だからなぁ。
いくら親ばかのフィルターを通してみても
あんな美幼児が出てくる筈ないだろうな・・・。
ちぇーー。仕方ない、子供の件は父親候補が
できてからもう一度真剣に考えよう。
大丈夫、タイムリミットまであとウン十年ある!




2001年08月07日(火) 部屋と歪曲と私

映画版で、今や日本一有名なプッツン女優と
その巻き添え食ってる俳優が共演したことでも
話題の「秘密」(東野圭吾/文春文庫)。
女優さん巻末にエッセイを寄稿してますが
「東京デザート物語」(林真理子/集英社文庫)
の解説同様、素直でいい子の文章だ。
本当に本人が書いたか知らんけど・・・。
優等生が壊れると怖いねぇ。
少なくとも芸能界では、元気でさわやかな
トップアイドル。紛れもなく優等生だったはずの彼女。
この先どうなるのか、はっきり野次馬根性で楽しみだ。

で、「秘密」である。実は映画を先に見ちゃったのだけど
原作の方が二人で秘密を抱える年月が長いらしいし、
気になってやっぱり読んでしまった。
うーん、やっぱり切ない。切ない愛の物語だ。
しかしねぇ、それが成立するのはやっぱり父と娘だからだよ。

これが妻が留守番してて息子の身体に旦那の魂、
なんてことになったらただの地獄。
まずこの先生きていくために働かなきゃいけない。
慣れない仕事でくたくたになって帰ってきたら
夫はすっかり童心取り戻して泥んこだらけ。
お米ひとつ研いであるわけじゃなく、
すんなり第二の人生を謳歌中。
ヒステリー起こそうものならそんなときだけ
夫面してなだめすかそうとしたり、呆れたように
「お前、鏡見てみろ。」
なんて大嫌いだったあの口調で言う。

自分だけが老いていく。自分だけが取り残される。
破綻はすぐに訪れる。
休日の掃除中、遊びに出かけた彼の机の
引き出しからはみ出した、花柄のかわいい封筒。
この時期は女の子の方が早熟だから・・・。
封筒を握りしめる彼女。

その日の夕食は彼の好物ばかりが並ぶ。
久しぶりにご機嫌な彼女に夫もほっとした表情。
これこそまさに毒入りスープで一緒に行こう!の世界だ。

「秘密」がそんな話じゃなくて良かった。
でなければ読んでる途中で恐怖のあまり本を
落っことしてたかもしれない。


2001年08月06日(月) 好きにしてもオッケィ?

今日読み終えたのは
「数奇にして模型」〈森博嗣/講談社文庫〉。
前回出番が少なかったので久しぶりな印象の犀川先生。
無敵っぷりに磨きがかかってます。
ところでどうしても邪推してしまうのが
犀川さんを良く知ってそうな女医の存在。
まあ5歳位年上なら対象内でしょう。
13歳下よりはマシ。
過去に何もないって言うのもつまらないし、
萌絵嬢が今後それでやきもきするのもまた一興。
女性読者は意地悪なのだ。

お金持ちで頭が良くて美人、そして
エキセントリック。これが小説で本当に良かった。
出会いと別れを好きにできるのなら
なるべく関わりになりたくないタイプの人だ。
運悪くもし身近にいたら、羨んだり
妬んだりする間もなく、とにかく困るだろうなぁ。
そういう人って黙ってても
(何とかしてあげなきゃ。)
と言う雰囲気を持ってて、こっちが勝手に
空回りして疲れてしまいそうだ。
そしてそこまで考えて
(現実にもしいても縁はなさそうだな。)
とはたと気づいて舌打ちしたくなる。

そんなわけで、何でも持ってるヒロインに
女性読者は厳しいのである(笑)。


2001年08月05日(日) ハードボイルドに恋愛小説


「漂流街」〈馳星周/徳間書店〉読了。
いいけど背表紙にあるあらすじの場面に
至るまで3分の2読まなきゃならなかったぞ。

この手のジャンルはあんまり読まないから
実は皆そうかもしれないし「不夜城」〈角川書店〉
のときも思ったんだけど、全編に性描写が
ある割にはあんまりやらしくないのね。
何かいつでもどこでも誰が相手でも
「これでもか!これでもか!」みたいな感じで
優しさがないからじゃないかと・・・。

乾いた街で非情な人間達が繰り広げるドラマ
なんだから、こういう感想は作者にとったら
してやったりなんだろうか。

もし馳氏が真っ当な恋愛を描いたらどうだろう。
ベタな設定だけどそれぞれ不幸で
お互いだけを信じてきた恋人同士、とか。
案外電気消したところで場面展開しちゃったりしそう。
で、男が悪の道に片足突っ込んで姐さんに
誘惑されたりするとまたいつもの調子に戻ったり。

読んでみたい気がしませんか、馳星周の恋愛小説。
甘美に書かれていたらさすがプロだぜ、と思うし。
妙にストイックだったら(こんなこと言ったら
殺されそうだけど)カワイイんじゃない?



2001年08月04日(土) 矛盾の人。

宮崎駿は著書「出発点」〈徳間書店〉で自分を
「矛盾を抱えて平然としている」と述べている。
確かに辞めるって言って辞めてないし。(笑)
もっともこれは「もののけ姫」製作中に
「次回作は?」と聞かれて頭に血が昇り
「俺はもう辞めるんだ!」と言って引っ込みが
つかなくなったのが真相だそうですが(^_^;)

だからこの本にも矛盾がいっぱい詰まっている。
彼を人格者のように言う人は多いけれど、
実際家庭人としては、仕事で忙しすぎて
夫婦共働きの約束も結局果たせず、
子育ても妻任せのダメなお父さんだったりする。
そのおかげで我々は良質なアニメーションを
見て育つことができたわけなのだけど。

御本人は作ったことを後悔されているらしいけど、
正直私は「紅の豚」を観た時嬉しかった。
これで「情操教育にとりあえず
宮崎アニメ見せときゃいいだろ。」
なんつー馬鹿親が減るんじゃないかと思って。
結局は外れたけど。

宮崎さんだって矛盾を抱える
人間だと思う。何か皆過剰に期待してないか?
大ファンのくせに、他人が彼を崇拝する
ような口ぶりで語ると何かイヤーな気分になる。
私も矛盾してますな。オチがついたところで
今日はおしまい。


2001年08月03日(金) 十二国記をもう一度

「華胥の幽夢」〈小野不由美/講談社文庫〉
を読み終える。
やっぱり十二国記は面白い。
面白いのだが・・・。
ついこの間図書館の最新刊コーナーにあった
「東の海神 西の滄海」〈同上〉
を読み終えて気づいたことを再確認してしまった。
いくら私にとっては約七年ぶりの再会とは言え、
こんなに忘れてていいのか!?
間に「魔性の子」〈新潮文庫〉が
あるから麒麟、王についての設定は頭に
残っているけれど、登場人物については
かなり怪しい。「東の―」を読み終えるまで、
既読だと言うことにすら気づかなかったのだ。
「黄昏の岸 暁の天」〈講談社文庫〉だって、
読みながら新キャラが出てくるたびにはらはらした。
本当に初登場か。それとも私が忘れているのか。
やばい。やばいぞ私の記憶力。


2001年08月02日(木) 読書日記スタート。

書店で別冊コミックボックス「千尋の大冒険」、
「華胥の幽夢」〈小野不由美/講談社文庫〉を購入。
早速読み始める。作画監督の安藤さんが
「人狼」のことにちょっとだけ触れていて、
思わずニヤリ。私はこういうものづくりの人たちの
インタビューを読むのが好きだ。
出来上がった作品にどれだけの苦労と愛情が
注がれているのかを知ると、より親近感が湧くから。
どんなものだってそうなんだし敬意を払わなきゃ、
と思ってはいるのだがね・・・。

この日記を書くにあたって読みかけの本が
何冊あるか数えようとし、片手を越えたところでやめる。


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