Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 シューマッハ引退でF1はどう変わる?
2006年09月13日(水)

 アイルトン・セナの亡き後のF1を牽引し続け、ほとんどの歴代記録を塗り替えて名実ともに史上最強となったミハエル・シューマッハの引退は、今後のF1に大きな影響を及ぼすと言われている。では実際、シューマッハが引退した後のF1は、どう変わっていくのだろうか。

 まずシューマッハの母国であるドイツ国内においては、ドイツグランプリの興行収入や視聴率が大幅に減少することが予想される。ミハエル・シューマッハ以外にも弟のラルフ・シューマッハ(トヨタ)やニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)、それに期待の新人ニコ・ロズベルグ(ウィリアムズ・コスワース)といったドイツ人ドライバーはいるが、彼らはまだチャンピオン経験がなく、さらに今後彼らが優勝する可能性は高いとは言えず、ドイツ国民のF1離れは避けられないだろう。さらにF1は今後“1国1グランプリ開催”が原則となるため、これまでドイツ国内で行われてきたニュルブルクリンクとホッケンハイムでの2グランプリも交互開催となり、ドイツにもたらされる興行収入は激減するだろう。ニコ・ロズベルグの成長に期待したいところだ。

 ドイツ以外でも、これまで熱狂的にミハエル・シューマッハを追い続けてきたいわゆる“シューマッハ至上主義者”たちがF1から離れていくのは間違いない。これは1994年のシーズン序盤に思いがけず英雄アイルトン・セナを失った多くのF1ファンがF1から離れていったのと同じだ。未だに「セナのいた頃は観ていた」という“元F1ファン”の言葉をよく耳にする。

 これに関連して、熱狂的なフェラーリファン、いわゆるティフォシの中でもF1から離れていく者が多くいるだろう。ティフォシの中には「昔からフェラーリが好き」という人もいれば、「シューマッハがいるからフェラーリを応援する」というファンも少なくなく、シューマッハとフェラーリのタッグにより、全世界のF1ファンの半数以上がフェラーリファンなのである。
 その全世界で過半数以上を占めるフェラーリファンの多くがF1から離れていくとなると、F1全体の興行収入が激変することは間違いない。現時点ではまだフェラーリは最高水準の戦闘力を維持しており、シューマッハが引退した後もしばらくはチャンピオンシップをリードできるだろうが、まだチャンピオン経験のないキミ・ライコネンとフェリペ・マッサではミハエル・シューマッハほどのカリスマ性はないため、おそらく来シーズン以降のF1全体の興行収入は90年代前半までの水準に戻るだろう。

 しかし、ドイツ国内における興行収入やF1全体の興行収入などはあくまでも主催者側の問題であり、我々純粋にモータースポーツとチャンピオンシップを楽しむF1ファンにとっては、主催者が儲かろうが儲かるまいがどうでもいいことなのである。

 では、F1ファンから見たシューマッハ引退後のF1は、どう変わるのだろうか。

 シューマッハファンやフェラーリファンにとってはあまりにも寂しいシーズンになるだろうし、シューマッハファンでなくとも、来シーズンの序盤は、グリッド上にミハエル・シューマッハの姿がないことに違和感を感じるだろう。しかし、シューマッハがシーズン序盤に負傷してチャンピオンシップから長期離脱していた99年シーズンがそうであったように、ミハエル・シューマッハがいないという違和感はシーズンが進むに連れて次第に薄れ、F1ファンは目の前で起こっているタイトル争いに釘付けになるものだ。従ってシューマッハファン以外のファンにとっては、シューマッハが引退しても大した影響はないのだ。

 では、タイトル争いはどうだろうか。

 これは至って簡単である。これまでミハエル・シューマッハはその圧倒的なカリスマ性によって、フェラーリチームやF1主催者であるFIAから恩恵を受け、チャンピオンシップは不当に操作され、さらにシューマッハ自身のアンフェアなプレイだけが容認され続けてきたが、シューマッハの引退によって、F1チャンピオンシップは、少しは公正でまともなものになるだろう。
 また、それらよってミハエル・シューマッハだけが特化した存在となりパワーバランスが偏っていたが、シューマッハが引退することで再びパワーバランスは均等化され、来シーズンは誰がチャンピオンになるか分からない混沌としたタイトル争いになるだろう。

 昨年シューマッハに打ち勝ち史上最年少チャンピオンとなったフェルナンド・アロンソ(ルノー)がシューマッハに引導を渡し、いよいよ世代交代が完了した来シーズンは、まったく予想も付かないシーズンが待ち受けているのである。毎戦のグランプリも、これまではどこもシューマッハが大本命だったが、来シーズンからは誰が勝つのか最後まで分からないグランプリが毎回楽しめるのだ。

 F1ファンとして、これほど楽しみなシーズンはない。



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 キミ・ライコネンにエールを
2006年09月12日(火)

 先週末に行われたF1第15戦イタリアグランプリの決勝後、フェラーリチームから来シーズンのドライバーラインアップがリリースされた。すでにレース終了後の記者会見の席上でミハエル・シューマッハが今シーズン限りの引退を表明しており、ドライバーラインアップは大方の予想通り、現マクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネンの新加入とフェリペ・マッサの残留というものだった。

 ミハエル・シューマッハが5年間君臨したワールドチャンピオンの座から陥落した昨シーズン、多くのシューマッハファンは「今年シューマッハがチャンピオンになれなかったのは、マシンがベストではなかったから」と言い訳をしていた。

 その通りである。

 F1とはドライバー同士の戦いであると共に、マシン同士、チーム同士、エンジン同士、タイヤ同士の争いであり、その総合力で競い合う“モータースポーツ”である。従ってマシンがベストでなかったシューマッハが昨年タイトルを逃したのも紛れもない“敗北”であり、ベストなマシンがあれば、そこそこ速いドライバーならチャンピオンになれてしまうと言っても過言ではないのだ。
 ちなみに、ミハエル・シューマッハが初めてチャンピオンに輝いた1994年、シューマッハはベネトン・フォードに乗っていたが、よく言われる「シューマッハはベネトン時代、決してベストではないマシンでチャンピオンになった」というのは間違いである。1994年のベネトン・フォードのマシンはエンジンこそV8の非力なものだったが、現フェラーリのデザイナーでミハエル・シューマッハのチャンピオンマシンを長年手がけてきたロリー・バーンの設計したシャシーは、非力なV8を考慮して中高速粋での抜群の安定性を実現しており、シャシー性能だけを見れば当時のウィリアムズを凌いでおり、ベストマシンであったことは明らかである。

 「マシンがベストでなかったからチャンピオンになれなかった」と言えば、シューマッハよりもむしろキミ・ライコネンの方がより如実だろう。ライコネンは今や、昨年史上最年少でチャンピオンに輝いたフェルナンド・アロンソ(ルノー)と並んで、ミハエル・シューマッハを凌駕するドライバーである。ところが、アロンソが信頼性抜群のルノーエンジンによって昨年シューマッハを打ち倒したのに対し、ライコネンは毎年タイトル争いには絡むものの、2000年までのミカ・ハッキネン時代から続いている慢性的なメルセデスエンジンの信頼性不足などにより、トップ走行中にリタイヤすることもあり、“速いがもろいマクラーレン”の足かせによってこれまで何度もタイトルを逃してきた。もしメルセデスエンジンにフェラーリやルノー並みの信頼性があれば、ライコネンはこれまでに1度ならずチャンピオンになっていただろうし、シューマッハの5連覇もなかっただろう。

 そのライコネンが、速さと信頼性を兼ね備えたフェラーリに移籍するのだ。

 これはライコネンにとっては大きな人生の節目となることは間違いない。おそらく来シーズンはライコネンが初タイトルをものにする可能性が非常に高い。クールなライコネンがフェラーリでシューマッハ同様の待遇を受けるかどうかはわからないが、ライコネンにとっては、マシンが速ければ、そして最後まで走ってくれればどうでもいいのである。ただ、個人的にはライコネンにはシューマッハ的な待遇は受けて欲しくない。フェラーリには同世代のチームメイト、フェリペ・マッサとのガチンコ勝負を期待したい。

 これまでマクラーレンで苦汁をなめ続けてきたライコネン、来シーズンは“壊れないフェラーリ”で思う存分今までのうっぷんを晴らして、悲願の初タイトルを手にして欲しいものである。ライコネンはチャンピオンになるべきドライバーだ。



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 ミハエル・シューマッハ引退宣言
2006年09月11日(月)

 F1でもうかなり前から言われ続けてきたXデーが、いよいよやって来た。昨日のF1第15戦イタリアグランプリ後の記者会見の席上、フェラーリのミハエル・シューマッハが、今シーズン限りでF1から引退することを自らの口で発表したのだ。

 一昨日の予選でのアロンソに対する不当なペナルティ、そしてその影響による昨日の決勝でのアロンソのリタイヤがなければ、僕にとってレース後のシューマッハの引退発表は、少しは感慨深いものだっただろう。

 しかし、一昨日と昨日の一件があったことで、レース後のお涙頂戴的なシューマッハの引退発表は、単なる茶番にしか見えなかった。当初シューマッハの引退発表は、レースが終わった後にチーム側から来季のドライバーラインアップと共に行われる予定だった。しかし、イタリアグランプリ主催者によるフェラーリを有利にさせるための八百長行為からメディアの目を逸らすため、そしてミハエル・シューマッハに対してそのことに関する記者からの質問が及ばないために、シューマッハがあえてレース後の記者会見の席上で口を開いたのではないかと推測してしまう。

 いずれにせよ、シューマッハの引退発表は多くのF1ファンの涙を誘ったようだが、僕自身はその直前のレース結果が到底受け入れがたいものだったので、全く以て何も感じることはなかった。僕はシューマッハの引退に対して、「お疲れさま」だとか「ありがとう」だとか、労いや感謝の気持ちは微塵もない。ただただ、これで長い不正の時代が一旦幕を閉じ、チャンピオンシップが少しは正常で健全なものになるだろうと安心しているだけだ。



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 もはやスポーツではない(イタリアグランプリ決勝)
2006年09月10日(日)

 F1第15戦イタリアグランプリは、前日のイタリアグランプリ主催者による八百長行為により、ルノーのフェルナンド・アロンソが予選5番手から10番手に降格させられ、その結果決勝レースではエンジンに負担をかけながら懸命に追い上げを見せたが、その無理が祟って43周目に信頼性は最高レベルのはずだったアロンソのルノーエンジンは悲鳴を挙げ、アロンソはリタイヤ、ノーポイントに終わった。

 一方、イタリアグランプリ主催者のアロンソに対する不当なペナルティの恩恵を受けたフェラーリのミハエル・シューマッハは、フェラーリの母国であるイタリアの期待通りの優勝を収め、それまでアロンソとのポイント差が12ポイントもあったものを一気に2ポイント差まで縮めることに成功した。

 F1というスポーツは、そして今年のチャンピオンシップは、崩壊した。

 レース後、怒りしかなかった……。

 主催者側のフェラーリ贔屓がまかり通り、フェラーリとしてはこれ以上ない最高の結果が転がり込んできたのだ。これでこのままミハエル・シューマッハがチャンピオンになったなら、僕はこの先ずっとフェラーリファンを、そしてミハエル・シューマッハファンを許すことはないだろう。例え身近な者が、親しい者がそうであったとしても、それを改めない限り、フェラーリファン、シューマッハファンであるという「罪」を許すことはないだろう。FIAと癒着してチャンピオンシップを不当に操作しているフェラーリと、1年に1度以上は不正をしないとタイトルを獲れないシューマッハ、そしてモータースポーツであることを無視し、どんな汚い手を使ってでもシューマッハが勝てばいい、またはシューマッハは間違っていないなどと言っている一部のシューマッハ至上主義者は、「罪」である。

 要するに、今季のシューマッハのタイトルはもう決まっているのだ。FIAによって不正にチャンピオンシップはコントロールされ、シューマッハがチャンピオンになる筋書きがすでに決まっているのである。残り3戦でアロンソとルノーがどれだけ頑張ったとしても、FIAによってシューマッハ有利に操作され、シューマッハは8度目のタイトルを持ってF1を去ることになるだろう。

 アロンソとルノーは今シーズン、マス・ダンパーの不当な禁止令、そして今回の言われもない濡れ衣と、非常に厳しい逆境を強いられている。しかし、それに屈することなく、何とか最後まで死力を尽くして、ドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルのダブルタイトルを勝ち取って欲しいものである。

 このグランプリの決勝レース後の記者会見の席上、ミハエル・シューマッハはF1からの引退宣言をおこなった。この件に関しては明日のVoiceで改めて言及することにしよう。



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 イタリアは卑劣な国(イタリアグランプリ予選)
2006年09月09日(土)

 イタリアグランプリの予選は、セッション中の波乱もさることながら、予選セッションが終了してから5時間が経過してから、イタリアグランプリ主催者によるフェラーリ贔屓の驚くべき裁定がルノーのフェルナンド・アロンソに科せられた。言うまでもなくルノーのフェルナンド・アロンソは、フェラーリのミハエル・シューマッハと熾烈なタイトル争いを演じており、ポイントでは今回のイタリアグランプリを加えて残り4戦という現時点でアロンソが12ポイントリードしている。

 ところが、今回のイタリアグランプリ終了後にミハエル・シューマッハが引退発表をおこなうと言われているためか、あるいは単なるフェラーリのライバルであるルノーを陥れるためだけなのか、いずれにせよまったくアロンソに否がないフェラーリ側の言いがかりを、そしてそれを証明する全世界に発信された国際映像という明白な証拠があるにもかかわらず、イタリアグランプリの主催者はあっさりと受け入れ、アロンソに対して予選最終ピリオドでのタイム抹消のペナルティを科すという驚愕の暴挙に及んだ。

 これによりアロンソは、予選最終ピリオド終了時点で5番手に位置していたが、10番手まで降格させられ、明日の決勝では非常に不利な展開を強いられる結果となってしまった。

 予選最終ピリオドが始まり、第1・第2ピリオドをクリアした10台のマシンが周回を重ねていく中、セッション半ばでアロンソが右リアタイヤがバースト、ボディワークもコース上に飛び散るというトラブルに襲われた。アロンソがピットに戻りマシンの修復を続ける間にもセッションは進行し、マクラーレンのキミ・ライコネンが今季3回目となるポールポジションを獲得。2番手にミハエル・シューマッハ、3番手にニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)、4番手にフェリペ・マッサ(フェラーリ)と続いた。そして大急ぎでコースインし、セッション終了2秒前に最後のタイムアタックに入ったアロンソは、渾身の走りで5番手に食い込んだ。

 ところが、この予選戦ション終了後にフェラーリのフェリペ・マッサが、アロンソの最終アタックの際に後方にいて、アロンソがマッサの進路を妨げたと異議申し立てをイタリアグランプリの主催者側におこなったのだ。しかし、前述のように全世界に発信された国際映像を見る限り、マッサのオンボード映像から見える前方のアロンソのマシンは80メートル以上も前を走っており、さらに状況から考えてもアロンソはセッション終了ギリギリでコースインし、そのアウトラップでセッション終了わずか2秒前にフィニッシュラインを通過し、最終アタックにこぎ着け、その後もダメージを負ったままのマシンで渾身のアタックを決め辛くも5番手をもぎ取った事から考えて、アロンソに後方のマッサを妨害する意志など全くなかったこと、妨害などあり得なかったことは明白である。

 にもかかわらず、イタリアグランプリ主催者は、マッサの言いがかりを受け入れ、アロンソに対してペナルティを科したのである。これは言うまでもなく、イタリアグランプリ主催者による、ルノーを陥れる八百長行為に他ならない。今回の一件で、僕がこれまで再三に渡って言い続けてきた、FIAとフェラーリの癒着がおわかりいただけただろう。これでもなお「癒着などない」という人がいるとしたら、その人は愚かな盲目である。

 イタリアは、サッカーにおいても不正行為がおこなわれているが、F1でも同じのようだ。イタリアは観光するにはいい国だが、スポーツにおいてはアンフェアで卑怯な国であるとしか言いようがない。イタリアは、自分たちの国のチームが優位になるためには、何をしても良いと思っているのである。それはスポーツに対して、特にサッカーやF1で熱狂的に陶酔する国民性からくるものなのだろうか。いずれにせよ、このような行為が平然とまかり通ってしまうF1は、もはやスポーツではない。単なるフェラーリのデモンストレーションに過ぎない。

 もう一つ付け加えておこう。

 今回のイタリアグランプリ主催者のフェラーリ贔屓の八百長行為は、明かな映像証拠と状況証拠が揃っており、ドライバーの間からも「あれはないよな……」という主催者に対する非難とアロンソに対する同情の声が出ていて、言い訳のしようがないあからさまな不正行為となってしまったが、普段「フェラーリは悪くない」「シューッマッハは悪くない」と、今までのフェラーリやシューマッハの不正行為に対して何の根拠もなく言い張ってきた多くのフェラーリサイトやシューマッハサイトでは、今回の件に関して、一切の言及が見られなかった。

 僕にしてみれば今までのフェラーリファン、シューマッハファンたちの開き直りも愚かとしか言いようがないが、今回ばかりはさすがに何も言えない状況なのだろう。ただ、それでも多くのフェラーリサイトやシューマッハサイトで今回のあからさまな八百長行為に対して何の言及もなかったことは、ファンとしてあまりにも無責任であると言わざるを得ない。
 結局のところ多くのフェラーリファン、シューマッハファンは、イタリアのティフォシ(熱狂的なフェラーリ陶酔者)同様、フェラーリが有利なら、シューマッハが有利なら何をしてもかまわないのである。そしてそれは純粋なモータースポーツとしてのF1を侮辱することに他ならない。

 今あえて、改めてはっきりと言おう。

 僕はフェラーリが、そしてフェラーリファンが嫌いである。

 そして勘違いしてはならない。

 僕の言っていることは、暴言やひねくれではなく、至極正論である。



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 S2000シルバ、ポテンシャルアップ
2006年09月07日(木)

 Voiceをお読みになっている方の中で、僕の愛車はホンダの「シルバ」というクルマだとお思いの方がいるようで、『ホンダのシルバというクルマは聞いたことがないのですが、どんなクルマなんですか?』と尋ねられたことがありますが、シルバというのは僕が名付けた愛称で、僕が乗っているクルマは、ホンダのS2000です。

 さて、今年の2月で5年目を迎えたMakoの愛車S2000(愛称シルバ)ですが、このたびいつもお世話になっている、全国的に有名なチューンナップショップ「ドッグハウス」で、いくつかのパーツを交換して、ポテンシャルがアップしました。

 今回交換したパーツはブレーキパッド、スパークプラグ、エアフィルター、クーラント液、ブレーキフルード、クラッチフルードです。ブレーキパッドは純正からディクセルのMタイプに交換しました。スパークプラグは新たにオカダプロジェクト(オカプロ)の「プラズマダイレクト」というものを装着したので、それに伴って純正からデンソーの「イリジウムパワー」に交換し、プラグサイズも従来のものより大きなもの(ノーマルサイズ)にしました。エアフィルターも純正からK&Nに、クーラント液も純正からARCスーパーLLCにそれそれ交換しました。

 まずブレーキパッドですが、ディクセルのMタイプは高い効きと扱いやすさをそのままに、究極にブレーキダストを低減させた新世代ブレーキパッドで、セダンからスポーティカー、ミニバン、SUVなどあらゆる車にマッチします。クイックな初期制動とワイドなコントロール性能を高次元で実現し、0℃〜500℃までの温度に耐えることができます。

 そして今回のポテンシャルアップにおいてもっとも大きな変更点は、最強のエンジン点火チューニングを施したことです。これでS2000シルバは、初めてチューニングが施されたことになります。
 S2000はV−Tecエンジンで9000回転まで回る高回転型のエンジンなので、まずはオカプロの「プラズマダイレクト」というチューニングパーツを装着しました。プラズマダイレクトは、点火エネルギーを増大させると同時に、複数のスパークをプラス・マイナス交互に発生させ、燃焼効率、着火性能を大幅に向上させることができる点火強化パーツです。エンジンのパワー・トルクアップはもちろんのこと、燃費向上、有害排出ガスの低減、始動性の向上、レスポンス向上など、さまざまな効果を発揮します。
 プラズマダイレクトは、ダイレクトイグニッションコイルと「プラズマブースター」を合体させた製品です。イグニッションコイルに一体化させることで接点や配線で発生する抵抗等のデメリットが一切ないため、全くロスのない最強の点火チューニングをすることが可能です。また、取り付けは既存コイルと交換するだけでなので、配線作業等の複雑な作業は一切必要なく、簡単に点火チューニングが完成します。

 さらに、前述のようにスパークプラグも純正からデンソーの「イリジウムパワー」に変更し、プラグサイズも従来より大きなものにしたので、これにより、従来よりアクセルを踏み込んでから高回転に到達するまでの時間が短縮され、エンジンの回転効率は飛躍的にアップすることになります。
 デンソーの「イリジウムパワー」は、0.4mm径イリジウム合金中心電極と特殊な接地電極の採用により、かつてない優れたスパーク性能を実現し、様々な運転条件下において安定したハイレスポンスを生み出します。その結果、標準プラグ使用時に比べ、加速性とトルクも向上します。さらに僕は普段の街乗りでS2000に乗ることが多く、燃費がかなり気になるところですが、「イリジウムパワー」なら着火の悪くなりがちなアイドリング時においても、ミススパークを低減しアイドリングの回転数を安定化してくれます。これにより、エンジン音の静寂性と燃費性能も高まります。

 その他の変更点としては、ブレーキフルード(油圧式ブレーキにおいて、油圧系統内に充填される液体)の交換に伴い、ドライバーがマスターシリンダーに入力した力(ブレーキペダルを踏んだ力)をよりダイレクトにキャリパーに伝達するために、ブレーキホースを従来のゴムからステンレスに変更しました。これによりブレーキペダルを踏んだ際、ゴム製のブレーキホースだとホースがふくらんでペダルがグニャッと奥まで踏み込まれてしまっていたものが、ステンレス製のブレーキホースではふくらむことがないので、カツンとブレーキペダルが止まり、ダイレクト感が増すというわけですね。



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 FIA、トルコグランプリの表彰式を問題視
2006年09月03日(日)

 前戦第14戦トルコグランプリの表彰式で、優勝したフェリペ・マッサへのプレゼンテーションが政治的に利用されたとして問題になっています。F1を統括しているFIA(国際自動車連盟)のスポークスマンはこの問題に関して、来年のトルコグランプリ開催が許可されない可能性を示しました。

 問題となっているのは、トルコグランプリ決勝後の表彰式で、キプロス系トルコ人のリーダーであるメフメト・アリ・タラート氏が優勝したフェリペ・マッサにトロフィーを渡すプレゼンテーターを務めたのですが、この際テレビのテロップには「北キプロス・トルコ共和国首相」と紹介されたというもの。
 アリ・タラート氏はキプロスのトルコ系政治家で、キプロス再統一支持派として知られていますが、「北キプロス・トルコ共和国」を承認しているのはトルコ政府だけで、国際的にはかなり論争を呼ぶ部分であり、場合によってはテロリストの反発を招く可能性すらあるということです。

 この問題は非常に複雑で、いわゆる「キプロス問題」が絡んでいます。なるべくわかりやすく解説しますと、キプロス共和国(通称キプロス)は、トルコの南の東地中海上に位置するキプロス島1島からなる島国なのですが、ギリシャ系住民とトルコ系住民の混住する複合民族国家なのです。キプロスは1974年以来南北に分断されており、島の北部約37%を、国際的にはトルコ共和国のみが承認する「独立国家」であるトルコ系住民による北キプロス・トルコ共和国が占めています。

 キプロスは紀元前にはヒッタイト、アッシリア、エジプト、ギリシアなどの支配を受けた後、紀元前76年にローマに併合され、ローマ帝国の分裂後も東ローマ帝国(ビザンツ)の支配下に留まりましたが、十字軍の時代にイングランドに支配され、その後ヴェネツィア共和国、オスマン帝国、イギリスなどの植民地となり、第一次世界大戦でイギリスと併合しました。
 その後第二次世界大戦後にギリシャ併合派、トルコ併合派による反イギリス運動が高まったため、1960年にイギリスから独立したのですが、1974年にギリシャ併合強硬派によるクーデターをきっかけにトルコ軍が軍事介入して北キプロスを占領し、さらにトルコ占領地域にトルコ系住民の大半、非占領地域にギリシャ系住民の大半が流入して民族的にも南北に分断されてしまいました。
 現在、南北キプロスの間では国際連合の仲介により和平交渉が何度も行われ再統合が模索されていますが、解決を見ておらず、北キプロスのトルコ系住民は、軍事的な後ろ盾となっているトルコの承認を得てキプロス共和国からの独立を宣言した1983年以来、トルコのみが承認する「独立国家」北キプロス・トルコ共和国として南との分離を主張してます。

 つまり、国際的にはキプロス共和国という1つの国家として認識されており、トルコを除く各国は北キプロス・トルコ共和国を承認せず、この独立を認めていません。特に、北キプロスの分離によって実質的にギリシャ系政権となった南のキプロス共和国政府や、その後ろ盾であるギリシャ政府は、北キプロス政権を非合法なものとみなしており、トルコの傀儡国家として強く非難しているのです。それにも関わらず、前戦のF1トルコグランプリの表彰式では、開催国のトルコだけが承認している北キプロスを独立国家とした国際的には認識されていない「北キプロス・トルコ共和国」という国名がテロップに使用されたことが、FIAで問題視されているというわけです。
 それでは表彰式でのメフメト・アリ・タラート氏のテロップが「キプロス共和国」だったら良かったのかと言えばそうではなく、トルコグランプリの表彰式でトルコ共和国の人間ではなく、キプロス系トルコ人のリーダーが登場したことが、すでに問題であると言うことです。

 さて、ここで大きな疑問です。単なる国際モータースポーツを統括するだけのFIAが、このキプロスとトルコの2国間の問題に口を挟む権利が、果たしてあるのでしょうか。国際的な調和と平等を目的とする中立組織である国連ならともかく、F1がヨーロッパの文化であることを背景に、過去にはアイルトン・セナなどの非ヨーロッパ系のドライバーに対して、現在でもホンダやトヨタと言ったアジアのチームに対して未だに人種差別的な行動をおこなっているFIAに、今回の問題をとやかく言う権利などあるのでしょうか。

 FIAは「トルコグランプリの主催者はわれわれを欺き、中立であるべきスポーツを政治的な目的のために利用した」と、強く反発し、今後この件を世界モータースポーツ評議会に提出するとしています。

 大笑いですな!まさかFIAから「中立」などという言葉が出てくるとは!現在に至るまで人種差別やフェラーリとの癒着といった不公平を平気でおこなってきた、中立とは無縁であるFIAから「中立であるべきスポーツ」などという言葉が出てこようとは!

 トルコグランプリの主催者がキプロス系トルコ人を表彰台に上げ、その国際映像で勝手にトルコだけが主張している「北キプロス・トルコ共和国」というテロップを流してしまったことは大きな問題ですが、FIAはそんなことで騒ぐ前に、まず自らが不平等な働きをやめ、「中立であるべきスポーツ」を運営するべきなのです。

 「自分のことは棚に上げる」とはまさにこのことですな。



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 F1モンツァ合同テスト
2006年09月02日(土)

 F1は来週末に第15戦イタリアグランプリが行われますが、それに先立って今週グランプリの舞台であるモンツァ・サーキットでの合同テストが行われました。

 先月30日から始まった合同テストは、初日にスーパーアグリが、前戦トルコグランプリで投入された新型マシンSA06完全型にいきなりマシントラブルが発生し、今回の目的だったマシンの熟成がままならぬまま、ステアリングを握った山本左近はわずか3周のインストレーションラップだけに留まりました。
 一方、このコースを得意としている地元のフェラーリは、前戦トルコで初優勝を決めたフェリペ・マッサがトップタイムをマークし、テストドライバーのルカ・バドエルも2番手タイムをマークしてワンツーとなりました。

 2日目は、スーパーアグリは前日のトラブルを解決し、ようやくまともな周回ができ、ステアリングを握った山本左近はこの日トータル67ラップを周回しました。しかし、午後から予定されていた佐藤琢磨の走行はなく、琢磨による開発・熟成は最終日の1日だけに賭けることとなりました。
 この日はレッドブルとトロロッソが加わり全11チームが出揃い、ウィリアムズのニコ・ロズベルグが前日のマッサのタイムを上回る1分22秒038のタイムでトップに立ちました。この日は9番手のルーベンス・バリチェロ(ホンダ)までが同じ1分22秒台に並ぶという熾烈さをみせました。また、タイトル争いを続ける注目の二人はルノーのアロンソが5番手に、フェラーリのシューマッハが7番手につけました。

 そして最終日は、タイトル争いを繰り広げるフェラーリとルノーで、トップタイムを記録したのはフェラーリのマッサ、以下アロンソ、シューマッハと前戦トルコグランプリの表彰台そのままの顔ぶれが上位3位までを占めて終えました。そしてホンダのジェンソン・バトンが修復不能な大クラッシュに見舞われ、バリチェロはホンダが投入した2007年仕様のエンジンの大ブローに見舞われました。そしてもう一方のホンダ・エンジンを搭載するスーパーアグリでは、またもギヤボックスとみられるトラブルで時間を失い、遅くなってやっと佐藤琢磨がドライブするものの、予定のプログラムをすべて消化することはできませんでした。

 今回の合同テストは、来週末に行われるイタリアグランプリの舞台で事前にテストができるとあって、多くのチームは来週末のレースを見据えた調整を入念に行いましたが、やはりトータルでは地元のフェラーリが好調でしたね。フェラーリはなぜかサンマリノやモンツァと言った地元でのレースでは好調ですが、タイトル争いでは残り4戦でシューマッハがアロンソに12ポイント差を付けられており、さらにイタリアグランプリ終了後にはシューマッハの去就が明らかになるのではと言われているため、絶対に負けられないレースとなります。しかしアロンソが最終日にフェラーリのマッサに次ぐ2番手タイムをマークしているため、来週末のレースでもシューマッハとアロンソの接近戦が期待できそうです。

 注目のスーパーアグリは、まだ完成間もない新型マシンSA06が相次ぐトラブルによってマシン開発と熟成がままならず、来週末のレースでも期待できそうにないですね。ホンダが今回のテストで初めて持ち込んだ2007年用のエンジンも信頼性に不安があるため、おそらく来週末のレースでは従来のエンジンに戻されるものと思われます。



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 クリスチアーノ・ダ・マッタ歩き始めた!
2006年09月01日(金)

 昨日、非常に嬉しいニュースが入ってきました!先月22日のVoice先月4日のVoiceでお伝えしましたが、チャンプカーでのテスト中にコースに飛び出した鹿と激突し、頭部を強打し重体となっていた元F1ドライバーのクリスチャーノ・ダ・マッタが、その後奇跡的な回復ぶりをみせているそうです!

 治療にあたっているチャンプカーのメディカル・ディレクターによると、ダ・マッタはまだ多少混乱があるものの、意識はしっかりとしていて、英語とポルトガル語を使って医師と会話を交わすことができ、また最小の介助を受けながらも自分自身で歩くトレーニングを始めているとのことです!

 ダ・マッタは先月初めに事故に遭ってから、長い間意識が戻らない状態が続いていましたので、最悪の事態も心配されていました。先月22日のVoiceでは容態が好転しているというニュースをお伝えしましたが、それでも、希望の光が見え始めた矢先に容態が急変してしまうというケースもありますから、僕を含めた多くのファンは、回復への期待とともに、不安を抱き続けてきました。
 しかし、ダ・マッタは無事に生還しました。多くのファンの祈りやサポートに応え、一命を取り留めたのです!これからまだリハビリが待っていて、以前と同じような生活に戻るにはかなりの時間を要すると思いますが、何よりクリスチアーノ・ダ・マッタが生きていることに感謝したいと思います。

 クリスチアーノ・ダ・マッタのオフィシャルサイトに掲載されていた、今日付の最新レポートをご紹介しましょう。このレポートはダ・マッタの家族が記したものです。



 クリスチアーノが骨の修復手術のため、午前8時30分に手術室に入ってから約1時間後、医師が私たちのところへやって来て、「若干感染があって処置ができなかった。」と言いました。私たちは、医師が万全を期すため、感染したまま骨の修復手術をおこなうことで、さらなる問題が発生することを防ぎたがっているのだと理解しました。

 クリスチアーノは自分の部屋に戻されると既に目覚めていて、落ち着きませんでした。医師はリハビリテーションのスケジュールを続けると決め、そしてクリスチアーノは回復センターがある6階に移されました。
 私たちは、クリスチアーノがずっと入院し続けるとは思っていません。回復センターには、楽器、ジム、そして彼が通常の生活に戻るための運動を続けさせる日課表があります。そして現在、クリスチアーノは自分で衣服を着ることができます。腕時計を付け、歯を磨くなどの基本的なことや、手を洗い、トイレに行くこともできます。

 私たちは不安になり、そして悪い方へと考えてしまいがちです。あまり意味のないことかもしれませんが、クリスチアーノは自分の生活の中で起こったことを覚えていて、私たち全ての人のことも認識しているのに、どこで事故に遭ったのかを覚えていないのです。彼がどんどん話をすることと歩くことが進歩していることは、とても驚異的です。私たちはクリスチアーノの進歩に非常に満足しています。そして、3週間以内には外科手術が行われることになるでしょう。



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 ぽよぎへのプレゼント
2006年08月31日(木)

 昨日のVoiceでは、約2年7ヶ月ぶりにハーボカートでのコースレコードを更新したというお話をしましたが、そのコースレコード更新の記念に、ぽよぎにプレゼントを買ってあげることにしました。

 買ってあげると言っても本当にお金を出して何かを買うわけではなく、ぽよぎの世界「ハーボリオン」でぽよぎが拾って集めていたアイテムを、商品と交換するというものです。ハーボリオンには、発明家のハーボット「シューボン」というキャラクターがいるのですが、このシューボンが住んでいる宇宙船「フラプラー」に行って、シューボンの発明品とぽよぎが集めたアイテムを物物交換するというわけです。
 昨年11月13日のVoiceで、ぽよぎが集めたアイテム6個と交換して、シューボンの発明品「シューダイス」を手に入れたという話をしましたが、今回はぽよぎが集めたアイテム12個と交換で、「シューライダー」というアイテムを手に入れました。



シューライダー


 このシューライダーは、ハーボットの日課であるおさんぽがもっと楽しくなる高性能スクーターです。特製イーサドライブも2基ついてて、とっても速いし、おまけにさんぽメーターもついてる優れものだそうです。ぽよぎがこのシューライダーに乗る姿は、ぽよぎが角を片方外してサークルの真ん中に置き、おさんぽに出かけるときに見ることができます。さらにぽよぎを開いたときにちょうどぽよぎがお散歩中だったときは、しばらく待っていると、ぽよぎがシューライダーに乗って帰ってくるのを見ることができます。

 皆さんも、是非ぽよぎのシューライダー姿を見て下さいね!



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