*妄想*短文劇場-ダニーくんとマーティンくん-
きくちやひろ



 第5話『捜査官の人生』CopyCat

順調に同棲生活を送っているダニーとマーティンは
公私混同を嫌がるマーティン主導で日々の生活を楽しんでいた。




「え〜っと、こういう場合は」
ダニーはミーティング中にマーティンと筆談で
今日の予定を確認しあう。
(マーティン、今日はどないしようか?)
(そうだね、割と早く帰れそうな感じだから、
どこかで食事してから映画なんてどうかなぁ)
(おっし、そうしよう)
「僕とヴィヴィアンで聞き込みに行って来ますよ」
(レイトショーなんて学生時代ぶりだなぁ)
(俺はおまえと一緒やったら、なんでも楽しみやけどな)
(こう言うやりとりも学生の頃以来だから、なんだかドキドキするね)




「うんうん、そうやなっと」
語尾にハートマークでもつけそうなダニーは知らず知らずのうちに
顔がほころんでいた。
全く嘘のつけない性分というのも厄介である。





「おい、そこの二人、ちゃんと聞いてるのか?」
ダニー達のイチャイチャぶりを長年の捜査官として、
心理学をやってきた者として感じとったジャックは
二人に鋭い視線を投げるが、





「もちろん聞いてますよ、ボス、えーと…なんでしたっけ?」
「つか、もう帰ってもええですか?」
「おまえら…」
最近たるんできた頬をプルプルと震わせながら
ジャックが何か言おうとした時には、ヴィヴィアンにうながされて
席をたっていた。
「ボース、どうしたんですか?顔色が」
「サム、あの二人、何とかしてくれないか?」
「イヤです」
「ヴィ」
「嫌です」
恋する二人の暴走は、暫く誰にも止められそうには無かった。
ひとり項垂れるジャックの背中は少し丸くなっているようだった。



2007年01月25日(木)
初日 最新 目次 HOME

//大阪弁変換コンバーター:さくらさくらWorld