無責任賛歌
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|藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2004年02月07日(土) 入院日記6/けーかほーこく

 朝刊に、私とグータロウ君が昔お世話になったことのある国文学者の松田修氏が、6日、肺炎で亡くなられたことが載っていた。享年76。
 近世文学、芸能史が専門で、それ以外にも異端文学に造詣が深く、探偵小説界では既に評価が高かったにも関わらず、文壇では無視にちかい扱いを受けていた夢野久作についても、「もっと評価されるべき」とのご意見であった。寺山修司とも親交があり、その早すぎる死を悲しんでいらっしゃった。
 長い間闘病生活を続けておられていたので、近年は著書も少なくなっておられたが、全集が発行されていたので、きっとお元気でいらっしゃるのであろうと思っていたのだが。
 正統も異端も区別はない、そこには人間がいるだけであるという氏のご姿勢が好きだった。そういう偏見のない人は滅多にいないのである。残念でならない。


 主治医から、この一週間の診断の説明を受ける。以前の検査と比較して見ると、一時は12%もあったヘモグロビンA1Cの値が、10%まで落ちている。ということは、この一月、二月ほどの血糖コントロールは、かなりうまくいっていたということである。しかし、平常値の「7%以下」にはまだ程遠い。
 運動不足、ストレスがコントロールを狂わせていることは間違いなさそうである。食後1時間経ってからの運動を勧められるが、仕事に戻ったらそう簡単にいかないこともわかってることだからなあ。
 と愚痴ってばかりもいられない。運動療法は来週からの予定だが、早速午後は外出許可を貰って病院の周辺を散歩する。見覚えのある道をぐるぐると散策してみたが、以前あった古本屋が一軒、つぶれてしまっていた。若いころに行きつけだった古本屋は、もう一軒もない。本当に、昔ながらの古本屋が消えていっている。ぶらりと発ち寄れる店が消えて行くのは本当に淋しい。
 仕方がないので、デパートの本屋に寄って、新刊本をなんぽか買う。


 今月の『文藝春秋』、芥川賞受賞特集。金原ひとみ『蛇にピアス』、綿矢りさ『蹴りたい背中』をパラ読み。内容の好対照が面白い。どうせ「2作目以降続くかどうか」とかやっかも半分の下らんことを言い出すヤカラはいるだろうが、その作家さんが続くかどうかはどうでもいいのである。評価されたのは作品であって、人ではないのだから。面白いものを書けば続くし、つまらなければつぶれるだけの話である。
 唐沢俊一さんが『“へぇ”の効用』と題したエッセイで、「この“へぇ”を使えば、それ(雑学披露)に何の苦労もなく切り返し、その知識に点数をつけて批評することで、逆に相手より上の位置につくことが可能となる」ということを書いている。真っ先に切り返されるのがこれまで雑学をススメてきた唐沢さんご本人だと思うがなあ(^_^;)。

2003年02月07日(金) ベスト?/『赤ちゃんをさがせ』(青井夏海)/『じつは、わたくしこういうものです』(クラフトエヴィング商會)/映画『白夫人の妖恋』
2002年02月07日(木) びっくりにびっくり/アニメ『七人のナナ』第5話/『なんだかコワレ丸』1巻(矢也晶久)ほか
2001年02月07日(水) ♪それ行け、不倫不倫不倫、どこまでも♪/『萩原朔太郎写真作品 のすたるぢや』ほか


2004年02月06日(金) 入院日記5/こわれた女

 午前中、トレッドミル検査。
 これはベルトコンベアの上を電極付けて走って、心拍数の変化を見るものである。
 「『トレッドミル」ってどういう意味ですか? と技師さんに尋ねたら、「トレッドミルさんが考案したんです」とのこと。山田さんが考案したら「山田検査」になるところだったのだな。
 心拍数、一分間に140〜150くらいまで上がるが、機械を止めて3分経っても120くらいまでしか下がらない。運動不足のようだが、小学生の昔から私の脈拍は速いのである。ふにゃふにゃなくらいにリラックスしていてなんとか80くらい、100が基準のようなものだから、120なんて息がちょっと切れてるくらいにしか感じないのだが、キカイを見てるお医者さんはそんなふうに判断はしないだろう。退院が遠のくような気分になって、タメイキが出てくる。


 糖尿病教室が終わったころ、しげ、見舞いに来る。
 以前の入院のときにも、しげにいろいろ頼みごとをしたはいいのだが、忘れ物と勘違いの連続でほとんど役立たずであった。それに懲りて、今回の入院については「ムリに見舞いに来なくていいよ、洗濯はコインランドリーで自分でやるから」と言っておいたのだが、しげは「金曜は病院帰りに寄れるから」と、どうしても来たがったのである。
 来るなら来るで、用事を頼まないわけにもいかないので、やっぱり以前と同じように着替えや何やら、「これくらいなら失敗しないで持ってこれるだろう」と思われるものを頼んでおき、念のためにメールまで打っておいた。それでも海馬が餓死しているしげのことだから、失敗の可能性は決して消えない。念には念を入れて更に石橋を叩いて渡るように直前に電話まで入れて確かめた。するとしげはもう家を出ていて、バスタオルやジャージなど、頼んでおいたものはやっぱり殆ど忘れていた。
 「途中で買おうか?」と言うので、「それはいい。こっちに来たら外出許可を貰うから一緒に買い物に行こう」と言って、これ以上の失敗をしないように制止した。
 それでもそれでもこちらの予想をはるかに越えて、トンチンカンですっとぼけたドジをしげはやらかしてくれるんじゃなかろうかと心配していたら、まさしく予感は的中したのであった。しげの腐れ脳は人類の想像の及ばぬところにある。

 「勝手に買い物するなよ」と厳命しておいたのに、「無印商品」で余計なものを買ってきているのである。バスタオルが千円で、ジャージが上だけで二千五百円。ムチャクチャ高い。しかも「寝巻き用に」ジャージを頼んだのに、「運動用に」フードつきの分厚いものを買ってきている。こんなの着てちゃ、暑くて寝れるものか。運動と言っても散歩だから大袈裟なものは要らないのである。なぜ寝巻き用だと気付かないか。
 しかも、駅から病院への通り道には百円均一のダイソーがあって、バスタオルは二百円で買えるし、ドンキホーテに寄って来れば、ジャージだって千円で買えるのである。よりによってどうして無印で買うのか。わけを聞いて見たら、
 「だって人の流れが無印に向かってたから」
 親カルガモのあとに付いてく子ガモか、オマエは。
 ここまではまだいいのである。もう一つ、運動中の脈拍を測るために、「秒針付きの時計」を持ってきてくれるように頼んでいた。ところが、しげが持ってきたのは、確かに秒針が付いてはいたが、「置き時計」だった……。
 こんなの持って歩けるか(-_-;)。
 そりゃ「腕時計」とはっきり言いはしなかったが、普通、「秒針付き」と言われて「置き時計」を連想するものだろうか。何に必要なのかも考えなかったのか、と問い質したら、
 「だって、秒針が付いてないとアンタ目が悪いから時間がわからないのかと思って」
 「目が悪くて時間を確かめたいなら、アナログよりデジタルを頼むだろう」
 「ああ、そうか」
 ……真性のバカである。
 結局、外出許可を貰って、ドンキホーテまで時計やジャージを買いにいくことにした。またまた無駄な出費である。

 6時前にしげ帰る。窓から病院の前の道を見ると、しげ、名残惜しそうに振り返り振り返りヨチヨチと帰っていく。車に撥ねられるぞ。

2003年02月06日(木) 新聞がみんな同じに見えるのは気のせいですか(~_~;)/DVD『明智小五郎対怪人二十面相』/『D坂の殺人事件』(江戸川乱歩)
2002年02月06日(水) なんかもー、下血とともに生きる毎日ね/『幻竜苑事件』(太田忠司・大塚あきら)/『よみきり▽もの』1巻(竹本泉)ほか
2001年02月06日(火) 文化はやはり相対的なもの/『NOVEL21 少年の時間』ほか


2004年02月05日(木) 入院日記4/気持ちのいい検査(* ̄∇ ̄*)

 夕べも寝つけず、病室とトイレを行ったり来たり、本を読んだりして時間をつぶす。
 朝方になってやっと眠気が来る。ちょうど検査のために朝食抜きで、食堂まで行く必要もなかったので、そのまま朝寝を決めこんだ。
 10時過ぎになって目を覚まし、朝刊を買いにロビーまで降りた(外出できない人のために、新聞と雑誌は自販機があるのだ)とき、折悪しく同室の関西人がそこのソファーに座っていた。この人もかなりな喫煙家で、全館禁煙になってしまったのでしょっちゅう外に出てタバコを吸っているのだが(もちろん医者から喫煙は禁止されている)、服にタバコの煙が染みついていて、近づくと臭くてたまらない。
 会釈だけして通り過ぎようとしたら、また余計なことに「よう寝られますなあ」と声をかけてきた。つい「寝てないですよ」と声を荒げてしまったが、私が会ったことのある関西人は、こういう無遠慮な人が実に多い。大阪や神戸自体には、決して親近感がないわけではないのだが、やっぱりそういう押しつけがましい土地柄なのだろうか。


 午前中、喉と腹のエコー(超音波)検査。
 私は裸でベッドに横たわっているのだが、そこに美人の女医さんが寄り添って、腹だの首筋だのに探触子(高周波の音波を発する装置)を押しつけてくる。ところが私の腹には脂肪がたっぷりと付いているので、なかなか音波が届かない。うまくいかないから女医さんは私の腹を抱きかかえるようにしてエイエイとやるのである。当然女医さんのウエストだのヒップだのも密接しちゃうのである。嬉しいけど困るのである。脈拍も一緒に測っているから、ドキドキが速くなって、プッ、プッ、プッ、とパソコンから聞こえてくるのである。どうすりゃいいのか。どうにもしようがないのだが。
 なんと午前中いっぱいかかったのだが、「映りませんでした」。結果的には時間と金のムダだったのであるが、怒っちゃいけないような引け目を感じてしまっているのはなぜなのであろう。


 朝食を取っていなかったので、昼食と一緒にまとめて取る。
 いくら糖尿病食で量が少ないからといって、さすがに二食分を一緒に食べるというのは、胃にもたれてしまう。偶然、今朝の朝食がご飯ではなくパンであったので、何とか食べたが、同室の関西人、私が寝過ごして二食一気に食べているものと勘違いしたらしい。
 「寝坊したんですか」と聞いてきたので、「いえ、検査があったんです」と答える。どうにかならんだろうか、この人。


 糖尿病教室は運動療法について。これも復習ではあるが、食後1時間ほどしたら、30分、息が切れない程度に歩くのが血糖を下げるのには一番効果的なのである(正常な人は食前の方がよい)。
 ちょっと勘違いしてたのは、30分歩くのが効果的なら、1時間歩けばもっと効果が上がるかというと、全く上がらないのだそうな。有酸素呼吸をしながら15分から30分、汗ばむ程度の運動が脂肪を燃やすのには一番よいとのこと、みなさん覚えておきましょう(^o^)

2003年02月05日(水) タクシー慕情……演歌だね/DVD『銀座カンカン娘』/『総特集 江口寿史』
2002年02月05日(火) ゴーマンかましちゃ、いけまっしぇん/『コンセント』(田口ランディ)ほか
2001年02月05日(月) 恐怖のブラック・メール/『真・無責任艦長タイラー1 入隊編』(吉岡平)


2004年02月04日(水) 入院日記3/またヘンな夢を見た

 窓の外は雪。天気予報だと、寒気はまだ続くとか。
 夕べも朝まで寝つけず、結局、昼寝してしまう。こういうのが体によくないのだが、慣れるまではもうしばらく時間がかかりそうだ。

 久しぶりに長編の夢を見る。
 父としげの3人で、世界旅行に出ている。豪勢な話だが、その晩泊まったのは、ヨーロッパのどこか分らない小さな国の一つで、ロジェ・ヴァディムの『血とバラ』に出て来るような古い、廃墟のような屋敷であった。でも中はなぜか日本間である。
 二階に上がって、部屋に通されると、そこには相部屋の先客がいた。高校受験にやってきた母親と娘二人の三人である。ヨーロッパでどうして日本人が高校受験、という疑問は当然夢だから浮かばない。足下には客用一人一人にテレビとビデオが設置されていて、私はその受験するというお姉さんのために、よい映画を見せてやろうと思いたち、レンタルビデオ屋に走っていって、ウッディ・アレンの『カメレオンマン』を借りてくるのである。なんでそんなものを、と理由を聞かれても困るのだが、その時の私は「これが受験の役に立つ!」と思いこんでいたのだから仕方がない。
 もう夜も更けて、みな蒲団を敷いて寝床に入っているというのに、私はわざわざそのお姉さんの足元のテレビにビデオを入れて、『カメレオンマン』を再生させ始めた。「面白いですよ、これ」と言いながら。お姉さんは黙っているが、見るからに迷惑そうな顔をしている。私は内心、「一度見出したらきっと面白くて気分がハレバレするにちがいない」とか勝手に思っていて、映画を見せ続けるのだが、これがどういうわけか全然面白くならない。というより、中身が『カメレオンマン』ではなくて、全く別のドキュメンタリーだったのである。
 お姉さんは俯いてしまっているし、私は居たたまれなくなって、寝たふりをすることにした。するとやがて妹が起き出してきて、テレビを切ってしまった。「なに考えてるの、こいつ」。妹の毒づく声が聞こえたが、全くその通りである。
 母娘は部屋にいることすら憚られたのか、突然蒲団から抜け出して外に出ていった。こんな夜中にどうしてだろうと訝しく思って窓から中庭を覗くと、そこに礼拝堂があって、母娘を含めてたくさんの人が行列を作って中に入って行く。ヨーロッパだから仕方ないよな、と思いながら何だか妖しいムードなので、父としげを起こして宿を発とうとしたが、空港からの連絡で、飛行機が誰かに勝手にキャンセルされてしまっているとのこと。
 「そんな、困りますよ、三席ちゃんと用意してくださいよ」と空港に電話で文句を言うが「ないものはない」の一点張り。しげは「だからあんたと旅行に行きたくないんよ」と文句タラタラである。どうして私のせいになるのだ。
 仕方なく、飛行機は諦めて列車で帰ることにした。家までは15時間もかかってしまったが、目覚めて考えてみたら、ヨーロッパまで列車で15時間ならすごく近かったんじゃなかろうか。夢ってホントにヘンである。


 咳が相変わらず止まらないので、看護師さんにお願いして、イソジンを頂く。病室内の洗面所でうがいをしていると、例の向かいのベッドの人が、「飴を差し上げましょうか?」と言ってきた。「うがい薬を頂きましたから、大丈夫です」と断ったのだが、席を外しているときに、20個近くものど飴が机の上に置いてあった。
 「いや、こんなにたくさん……」
 お節介な人なのだろうか。喋ってる言葉を聞くと、イントネーションが関西である。心からの親切なのか、やっぱり「うがいの音がうるさい」という謂なのか、判別に苦しむ。
 「ノンシュガーですから嘗めても大丈夫ですよ」と仰るが、ノンシュガーでも甘味のあるものは血糖値が上がるのである。かといって今更突っ返すわけにもいかず、ありがとうございます、と頭を下げたが、ちょっと一緒に居難い感じの人である。

 糖尿病教室は食事療法について。
 先生が随分若そうな女の子(と言いたいくらいに若い。見た目が10代なのである)で、どうも栄養士になりたてらしくて、説明の仕方がたどたどしくて分りにくい。
 さっきの同室の関西の人が、「肉とか魚とか、焼いたりしたら脂が落ちるでしょ、どれくらいカロリーに差が出るんですか?」と質問するが、うまく答えられない。脂が落ちるんだったら、その分のカロリーは計算に入れる必要がないから、そもそもこの質問自体が意味がないなあと思うのだが、その人続けて、「生で肉食べることはないでしょ? 調理したらどう変わるか教えてほしいんだけど」と聞いてきた。……ああ、これはただの意地悪だ。「生で食べることがない」のだから、頂いた食品交換表に載ってるのは当然調理済のもののカロリーなのである。この人、知っててわざと聞いているのだが、突然の質問にびっくりしてしまった栄養士さん、この人の悪意には気付かず、「……調べときます」と頭を下げた。
 ……いやな人だなあ。こういう人と同室ってのは、関わりあってるとツラくなりそうだ。今回は外出をなるべくしないつもりでいたのだが、一緒にいると余計なストレスが溜まりそうである。買い物だの何だのと理由を作って、昼間はできるだけ病室にいないようにしよう。


 消灯時間は9時なのだが、そんな時間に寝ていては、真夜中の2時とか3時に目覚めてしまうので、患者さんたちはみんな暗い部屋の中でテレビだけを点けて10時、11時くらいまでは起きている。見回りの看護婦さんもよくしたもので、12時までは見回りに来ないのである。
 だもんで、今週も『トリビアの泉』を見る。ネタはもう殆ど教育テレビの小学生向け番組レベルにまで落ちているのだが、「子供も見てるから」を言い訳にして、スタッフが手を抜いているのではなかろうか。
 「水戸黄門の旅、最大の遠出は鎌倉(61へぇ)」、テレビでも雑誌でも、これまで何度紹介されてきたか分らない「水戸黄門は諸国漫遊していない」ネタだけど、こんなの今更「トリビア」として取り上げなきゃならんのだろうか。背景をイラストで処理せずに月形龍之介の水戸黄門を流していたのは嬉しかったけれども。
 「韓国の『つまようじ』は食べられる(66へぇ)」。けど危険だから食べちゃダメなんだって。つまり「食べられない」のだな。これはもうちょっと表現の仕方を変えて、「韓国の『つまようじ』は(煮ると)食べられる(ようになる)」とすればよかったのである。その方が正確になるばかりか、わざわざ煮てまで食うかいというおかしみも加わるし。
 「ミツバチは巣にスズメバチが侵入すると蒸し殺す(87へぇ)」。これはまあ、表現の勝利かな。まあちとばかしドギツイけれども。
 「桜の木を切ったと正直に言った事で有名なワシントンは桜の木を切っていない(59へぇ)」。たしか元ネタが何かあったはずだ。そこまで調べてくれてたらねえ。
 「缶切りは缶詰ができてから48年後に生まれた(78へぇ)」。「48年後」がないとおもしろくも何ともない、当たり前のネタですね。ライフルで缶詰を空ける様子を見せるのは蛇足。
 「『OK牧場』は心理学用語である(64へぇ)」。正しくは「『OK牧場』という言葉は心理学用語としても使われている」だな。『OK牧場の決闘』が心理学用語から取られたわけじゃないだろうにねえ。下手すりゃスタッフも『OK牧場』ってガッツ石松が発明したと思ってるかもな。
 「『ベルサイユのばら』の舞台となった18世紀のパリはウンコだらけだった(63へぇ)」。これも世界史の授業を受けるとセンセイが必ず余談として披露するネタ。実際に『ベルばら』のコマと上田みゆきさんを使って解説したあたり、工夫はしてるが、ファンは激怒してないか。つか、激怒させようとわざとやってるな。どうも品がないことである。
 一番どうしようもなかったのが、「ラーメンに入っているなるとは鳴門のうず潮の506分の1(8分咲き)」という「トリビアの種」。なるとだって大きさは千差万別(平均取ったって意味はない)だし、渦も同様。つか、渦の直径ってどこからどこまでなんだよ。
 こんなん1000分の1の場合だって5000分の1の場合だってデッチアゲられるだろう。「ムダ知識」の「ムダ」だけあって、「知識」になってないんである。で、そんなの調べるのにわざわざ船出してメジャー渡そうなんてするなよ(-_-;)。
 たまには「おお」と唸らせられるようなの、出してもらえんものだろうか。

2003年02月04日(火) 予想通りに世の中が動くって味気ないね/DVD『パパ・センプリチータ』/『名探偵コナン 10+PLUS SDB』(青山剛昌)
2002年02月04日(月) チョコレート一本勝負/『何だかんだと』(ナンシー関)ほか
2001年02月04日(日) HOME,SWEET HOME/『犬の気持ちは、わからない』(押井守)


2004年02月03日(火) 入院日記2/またヘンな人に会ったよ

 昨日に引き続いて、午前中は検査いろいろ。運動が始まるかと思ったら、来週からだそうだ。糖尿病は人によっては運動がかえって低血糖症状を招いて危険な場合もあるので、事前の検査がいろいろと必要なのである。

 午後から、久しぶりの糖尿病教室。
 医師、看護師、薬剤師、栄養士の先生方が、毎日入れ替わりで講義をされるのである。これを真面目に受けないと、退院させてもらえなくなるかも(^_^;)。一度習ったことも多いのだが、改めてノートをきちんと取ろうという意気込みで、ノートもマッサラなのを買って来ていた。
 席に座ると、隣りに座っていた患者さんが、「昨日はよく眠れましたか?」と聞いてきた。顔を見ると、どうやら向かいのベッドにいた人らしい。
 「いえ、あまり……」と答えると、「最初は鼾が聞こえてましたがね。すぐに静かになりましたよ」と仰る。別にこちらの方から寝ているときどうでした、とも聞いていないのに、突然この人は何を言い出すのだろう、とキョトンとしたが、これはつまり逆に「鼾がうるさかった」ということを言いたいのだろう。しかし、そんなことを言われても、寝ている間のことなどどうにもしようがないのである。……ちょっとうるさがたの人と同室になってしまったのだろうか。

 今日はもう一人の副院長先生(お二人いらっしゃるのである)から、糖尿病の検査についての講義。「糖尿病」という呼称がそもそも誤解を招きやすいのだが、尿糖が検出されるのは副次的なもので、これは血液の病気である。
 膵臓で作られるインスリンの効果が悪いために、栄養をうまく利用できず、糖分が血液中に溢れた状態(高血糖)になってしまっているのだ。分りやすく言えば、血がベトベトになって、流れにくくなるのね。当然、喉が乾いて多飲する、頻尿になる、倦怠感が生じて元気がなくなる、急激に痩せる、ひどくなると昏睡に陥る、などの症状が出るようになり、これを長いこと放置すると、合併症(網膜剥離、神経障害、腎症、動脈硬化)を引き起こしてしまうのである。
 時分が糖尿病かどうか、これは血液検査を受けなければわからない。ブドウ糖を飲んで、空腹時と食後の血糖値がどうなるか、調べる。空腹時の血糖値が110��/dl以下で、食後2時間後の値も140��/dl以下であるなら、正常型である。この値で糖尿病になった人は、過去のデータには一切存在しない。そして親の血筋に糖尿病患者がいなければ、どんなに自堕落な生活を送ろうと、糖尿病になることは決してないのである。日ごろの運動不足が祟って肥り気味で、自分はいつか糖尿になってしまうのではないかと懸念されておられる方は、安心なさるがよろしい。
 日本人の10人中9人は、いくら暴飲暴食をしようと、絶対に糖尿病にはならない(高血圧で動脈硬化起こす危険はあるけどね)。意外と知られてないが、糖尿病は遺伝病なのである。つまり、糖尿の遺伝子のない者はそもそも発症のしようがないということだ。
 糖尿病だと診断されるのは、空腹時の血糖値が126��/dl以上、食後2時間が200を越える場合。そこまで至りはしないが、正常でもない、という人は「境界型」と言われ、これは遺伝子を持っていると考えられるので、いつか糖尿病と診断される危険がある。ご注意を。
 糖尿病の原因は、半分は遺伝であるが、それはそういう要素を予め持っているというだけのことで、他の要因が重ならなければ、やはり糖尿病は発症しない。栄養過多(過食)、運動不足、睡眠不足、ストレスなどの、生活習慣の乱れが作用して、その結果、糖尿病と診断されることになる。以前は「成人病」と言われていた糖尿病が、最近は「生活習慣病」という呼び方に変わっているのはそのためなのだが、われわれはもともと、カレーライスを一杯食っただけで、血糖値は100くらいババンと上がってしまうのである。これを「過食」とか「生活習慣の乱れ」とか言われたら、そもそも何ひとつ食えるものはなくなってしまうではないか。
 「酒飲みなんだろう」とか「甘いものばかり食ってるんだろう」と誤解されることも多いのだが、酒もお菓子も断っているから、私の場合「これくらいですんでいる」のである。そう説明してもやっぱり疑いの目で見られることもあるのだが、そういう人は話をよく聞いてみると、たいていご本人が酒飲みで無軌道な生活を送っているのである。つまり「自堕落仲間」がほしいんだね。相手が糖尿なら、きっといい加減な生活をしているに決まっている、と思いたいのである。その「期待」が裏切られると、かえって怒り出したりするのだから、全く迷惑な話である。

 悲しいのは、同じ病人、糖尿病患者の中にそういう人がしばしばいることで、今日も同室の人からいきなり「酒もタバコもできないのは辛いでしょう」と声をかけられてしまったが、「いえ、どちらももともとやらないんですよ」と答えたら、絶句されてしまった。それでどうして入院することになるのだ、という表情をしていたが、絶句されたってこちらだって困るのである。


 夜、テレビで『剣客商売』第1回「昨日の敵」。
 タイトルでネタバラシしてしまってるけど、いいのか。
 藤田まことは、第一シリーズのときは老けメイクをしていたように思ったが、今は地で演じて不自然じゃない雰囲気である。やっぱり中村主水復活はムリか。

2003年02月03日(月) 世界は非常識でいっぱい/『ホスピタル』1・2巻(唐沢なをき)/『軽井沢シンドロームSPROUT』2巻(たがみよしひさ)ほか
2002年02月03日(日) ラーメンファイト!2/映画『ヴィドック』/『萌えろ!杜の宮高校漫画研究部 辣韮の皮』1巻(阿部川キネコ)
2001年02月03日(土) 笑いの王国/『かめくん』(北野勇作)ほか



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藤原敬之(ふじわら・けいし)