あおい世界
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午前中、実家にて家中掃除機をかけました。 今は父が丹精こめて育てている皐月が見頃。 雨が花に当たると傷んでしまうので、 毎年、父と母は二人で皐月の鉢を部屋の中へ運び入れるのですが、 今年母は父が入院中、一人であたしが下ろした簡易ベッドを二階に戻し、 十以上の大きな鉢を運び入れ、 和室とサンルームを皐月だらけの部屋にしていました。
どんなに重労働だったのでしょう。 母の疲労が容易に想像できます。 そこまでして母は父を喜ばせたい、 父を安心させたいっていう思いに溢れているのでしょう。
昼前、自宅に戻り、雑用をこなした後、 桜と桃の用事を済ませるために出掛け、その帰りに病院へ。 寝ている父の手を取ると一度目を開けたものの、またすぐ目を閉じました。
熱あるの? どこか痛い? 苦しいの?
そう聞いたあたしに父は、
毎日同じこと聞くな!
そう言い放ち、目を閉じたまま息苦しくしていました。 顔を近付けないと聞き取れないくらい小さな声でしたが、 父があたしに伝えようとしている強さを感じました。
とてもショックでした。 そうよね、そうだよね。 良くなる状況じゃなくて、毎日毎日しんどくなっていくだけなんだものね。 熱はあったりなかったりだろうけど、いつもいつも苦しいんだものね。 だから、そんなこといちいち答えたくないよね。 父は、死に向かっているんだものね。 会うことしかできないから、 父の顔を見たいから、 それだけの思いで、毎日、娘二人と一緒に足を運ぶこと、 それはあたしのエゴではないかと思わせられた言葉でした。
帰り際、父にそっと声をかけましたが、 眠っていたからなのか意識的になのか目を開けませんでした。 父のことを分かってあげられていないことが悲しくて、 改めて無力さを痛感しました。 明日、退院しなくても病院に行くのはやめようと思います。 退院できて自宅に戻るようなら、 母を励ます意味で実家へ顔を出そうと思いますが、 父の顔を見たからといって、 父のためになることは一つもないのかもしれません。 そっとそっとしておくべきなのか、どうしたらいいのか混乱しています。
検索WORD = 父の病−
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