-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 夢の中で

昨夜から今朝まで
睡眠のない夢の中で過ごしてて、
現実というものを見失っていた。
明るいようで暗い
楽しいようで切ない夢だった。
それをずっと引きずったまま
夕方まで過ごしていたら、
フッと、カレンダーが目についた。

「やばい!」

今日は大事な仕事があったんだ!
と、一瞬にして現実に引き戻される。

新○会の総会に呼ばれてて
本当だったら午後2時には
Bathurst北の教会に着いてなきゃいけないのに
気付いたのが4時。
慌てて持っていく書類をかき集め、
会場の住所が書かれた紙をポケットに入れる。
ストリート・カーのみで行ける場所だと思っていたら
さらにバスに乗り換えねばならず、
やっとこ会場に着いたのが5時…
当然、大ヒンシュクを買ってしまった。

総会の後で、ハワイから偉いお坊さんが来ていて
講堂では、ありがたい説法が始まっていた。
ほとんど耳に入らず、
ただ謝るチャンスだけを探していた。
俺の悪い癖で、
謝らなきゃいけない場面では、
なぜか堂々と胸を張って謝ってしまうところがある。
謝られた方からすれば、ちょっとは腰を低く
「すみませんねぇ〜」ゴマすり ゴマすり
くらいはして欲しいはずだ。

遅れたものは取り返せない。
なら、遅れたことを謝るより、
そこでやれることを一生懸命やる。
それが大事だと、身勝手な持論をもっている。

何事も無かったようにローストビーフ・ディナーを頂く。
一応、最後まで居て、日系の知り合いなどに挨拶して
会場を去る。

そのまま家に帰る気にならず
リトル・イタリーのカフェを2軒はしごした。
大好きなパティオがある【Kalender】には、
なかなか一人では入りずらいので
横のスタバで我慢する。
日中は16度もあったので
パティオも大いに賑わっている。
それを横目に数枚のスケッチをする。
たぶん、これはパステルで描くだろうなぁ、と考えつつ
コーヒーをすすっていると
今朝の夢がまた目の前を覆ってきた。

その夢が消えないように
大事に大事に
抱えるようにして家に帰る。



2004年04月17日(土)
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