-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 授賞式にて

【Artfocus】の授賞式があり、今回は“Best Mixed Media”アワードをもらいました。どうもありがとう。副賞は画材店【Curry's】の$200相当のギフト券。しかしパステル買ったら一回で終わりそう(笑)

今回の【Artfocus】に出てることを、ほとんど誰にも知らせなかった。このHPですら告知もしなかった(笑)何故だか分からないけど、誰も知らなくていいと思ってしまって。

表彰式の間も、他のアーティストは家族や恋人や友達を呼んでワイワイやっていたが、俺は一人ぼっちで表彰を受けた。それがすごく心地よく思えた。

最近はいつも誰かが側にいたし、友達も大勢来てくれたりした。ちょうど、5年前トロントに来たばかりの頃、友達もおらず、こういう場では寂しい思いをしたものだが、今夜は一人でいるのが何故かとても気持ちよかった。

無理に誰かに話しかけるでもなく、声を掛けられたらそれに答えるだけ。コネを作ろうとか、知り合いになるチャンスだとかは一切頭になかった。以前の自分では考えられないほど消極的だ。何かが燃え尽きたのかな?

夜5時からパーティーが始まったけど、速攻で離脱して友達と近くのバーで飲む。近頃、説教くさくなってダメだな。さほど年齢が変わらないのに、自分だけ妙にオッサンくさいのが気になる。

それを助長するかのように、皆「トモは夢を実現させてるから」とか、「何をやればいいか分からない人の気持ちは理解出来ない」とか言いやがる。

言っておくが、俺だって未だに道を探してるし、どこへ進めば良いかなんて決めてもいない。逆に、俺は人よりも臆病な人間だと思っている。臆病だからこそ、歩き続けてないと不安なのだ。

先の事も考えず、ただその日暮らしをしてる友達を見て、ある意味羨ましくもある。だって、もし自分がそうだったら、不安で不安で堪らない毎日だと思うからだ。そんな俺より、お前らの方がずっと人間らしく生きてるよ、と言いたくなる。

結局、自分で道を切り開いて歩くのが好きな人は、先に何があるか分からないから不安が多い。周りの景色を楽しむ暇もなく、ただ前を見て進むだけだ。

一方で、他人がすでに開いた道を辿れば、日々に恐れることなく、のんびり先人が歩いた後を行けばいい。道端の花を見て楽しむことも、遠くの山を見て心を休める余裕もある。

どっちが幸せかは分からないが、後者の方がずっと人生を楽しめるとは思う。結局無いものねだりの水掛け論だが。





2003年10月22日(水)
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