-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 損して得とれ

【Tokyo Doll】のFundraising Partyが9月4日に決定した。会場はUna-Masというトロント屈指のクラブ。そこでは、一足先に出展される作品の一部を公開するのと、俺のライブ・ペインティング、アンダーグラウンド・フィルムの上映、そして豪華景品が当たるロッタリーを予定しています。

日本ではあまり【Fundraising(資金集め)】という言葉が良く思われないので、日系新聞や日本人の協力者には【プレ・オープニング・パーティー】という言葉を使うことを余儀なくされる。

この【Fundraising(資金集め)】という言葉については7月4日の日記に書いてあるので一読頂きたいが、今日はこれにまつわる更に突っ込んだ話題。

ロッタリー用の景品として、コーディネーターのロザーナとRafiは既に20点以上もの景品を入手している。例えば、一流ホテルの宿泊券やディナー・クルーズ券。人気レストランのディナー2人分、ブランド洋服の$50オフやヘア・サロンの無料券まで。

カナディアンのショップや企業にアポ無しで飛び込んでも、Fundraising(資金集め)】という言葉が浸透してるので比較的簡単にスポンサーを取ることが出来る。

実例を挙げると、カナディアンの洋服店から【オーダーメイド一着無料券】を出してもらった。店長に伝えた事柄は主に「Tokyo Dollという展覧会を成功させるために資金が必要なのでパーティをやります。」「パーティには200人以上来ます」という、たったそれだけの情報だ。

すると店長は「ウチの服を買った事ない人でも、オーダーで一着作ったら絶対に気に入るはずだ。そしてウチの洋服のファンになって、友達にも薦めるかもしれない。もちろん本人のワードローブはウチの洋服で一杯になるはずだ。ワッハッハ!」と豪快にOK。

こちらがアレコレ言わずとも、勝手にその効果を期待してくれるのだ。もちろん細かく、どんな客層が多いとか自社商品のターゲットに合うものか等、色々と突っ込んでくる人もいるが、あくまでも提供に前向きな質問がほとんど。

それと同じことを俺もやらなければいけないんだけど、俺は自動的に日系企業・店舗を担当する訳で、これが非常に困難を極める作業なわけだ。

今日、飛び込んだある日本食レストランでのやり取り:
俺「〜こういう展覧会を成功させるために是非協力をして頂けませんか?」

店主「こっちに何かメリットあるの?タダで出せるわけないじゃない。」

俺「パーティには200人以上のお客さんが来ます。良い宣伝の機会ですし、ディナー券が当たったお客さんがリピーターになるかもしれませんよ。」

店主「ウチだって商売厳しいのに他人の商売に協力する余裕なんてないよ。」

俺「人の集まるところに名前が出るので、これも一種のビジネスチャンスだと思いますが。」

店主「タダ券で飲み食いされて終わっちゃうなら、こっちに儲けが無いよ。」

俺「例えば$50のディナー券を出したとしても、お客さんがそれ以上の追加注文をするかもしれませんし、友達を2−3人連れて来るかもしれません。また、$50といっても損失は材料の原価と人件費だけですから、結果としてプラスになる事が多いと思いますが。」

店主「じゃあ、ジュース一杯無料ならいいよ。」

俺「・・・・・・・。」


まぁ、どこへ行ってもこんな具合でとても【豪華景品】と呼べるものは契約出来てません。ジュース一杯なんて、子供じゃあるまいし無料券をもらっても行く気も起きません。

こういった実例をRafiやロザーナに話しても、彼らは理解出来ないようです。「何故、日系企業はどこも景品くれないんだ!?」と真剣に考えてるけど、絶対的な価値観の違いがそこにあるから難しいです。

でも彼らに言わすと、俺の言い方がマズイそうで(笑)、「俺が日本語喋れたら絶対取れる!」と言い切ってる。やってみろって。



2003年08月01日(金)
初日 最新 目次 MAIL HOME