無責任賛歌
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|藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2007年08月11日(土) キューティーハニーがドラマ化ってねえ/コンドルズ公演『SUMMER TIME BLUES〜沈黙の夏』

 キューティーハニー:原幹恵主演でドラマ化 テレビ東京系で10月放送
 http://mantanweb.mainichi.co.jp/web/2007/08/10_15.html

 > 永井豪さん原作のマンガ「キューティーハニー」がグラビアアイドルの原幹恵さん(20)主演で初のドラマ化されることが1日、明らかになった。テレビ東京系で10月2日から毎週火曜日深夜1時、「キューティーハニー THE LIVE」として放送される。(中略)
 > 総監督は映画「スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ」やテレビドラマ「牙狼<GARO>」などのアクション監督を務めてきた横山誠さん、シリーズ構成は「仮面ライダーアギト」やアニメ「デスノート」などの井上敏樹さん、キャラクターデザインは「機動警察パトレイバー」や「ラーゼフォン」の出渕裕さんがそれぞれ手がける。

 映画版が公開されたときに、庵野秀明監督がキャンペーンでキャナルシティのHMVに来て、「いかにスポンサーからの『しばり』が多かったか」ということをこぼしていたのだけれど、要するにオタクな企画や作品であろうと、製作者の全員がオタクというわけではなく、オタクを利用して商売しようとしている連中が主導権を握っているのであるという至極当たり前な現実がそこにあるだけの話である。
 逆に言えば、そういうしばりの中であれだけの完成度を見せた劇場版は、もっと評価されたっていいと思うんだけれども、一般人とオタクの見識との間に大して差がなくなってしまった現在(まあ、昔もあったのかどうかは今や怪しいのだけれども)、多くを期待できるものでもないのである。

 でまあ、今回のテレビ実写版にしても、誰がどういう層をターゲットにしてドラマ化を企画したのか見当が付かないのだが、『re:キューティーハニー』からたいして間も経っていなくて、しかもその結末も未完のまま、という状態でのリセットリメイクというのは、スタッフは旧作なんてどうでもいいと考えているとしか思いようがない。
 ファンならご承知の通り、『ハニー』はアニメが2クールで打ち切られたために、タイアップで描かれていた原作マンガも未完のまま、宿敵パンサークローとの決着もつかないままで終わっている。その後、アニメ版の『新・キューティーハニー』や『キューティーハニーF』で一応の決着を見せたものの、旧作の正統な続編と言える出来ではなく、ファンを満足させるものにはならなかった。
 庵野監督による劇場実写版と『re:』版は、物語を一からリセットしてはいるものの、旧作企画時にボツになった原案からパンサークロー四天王などの設定を拾い出し、オリジナルの精神を生かしてハニーを新生させようという意気込みが多分にあったのである。だからこそ更なる続編を期待することができたのだが、「サトエリ嫌い」なんて浅薄なファンによってそっぽを向かれてしまったために、計画は頓挫してしまった。

 今回のドラマ版が劇場版の都筑を描くのならば、キャストやスタッフの交代も仕方ないかと思うが、またぞろ「一からリセット」なら、何のためのリメイクか、という気がまたしてしまうのである。
 ハニーはもういいから、どうせなら『ドロロンえん魔くん』をリメイクしたらどうかって思うね。


 しばらくぶりに亀の水槽を洗う。
 何年も飼っていると、亀もすっかり巨大化して、排泄物の量も尋常ではない。実際、小さな浄水器ではものの役にも立たず、一日で水は白濁、一週間でドブ水に変わるのである。カメ臭さも堪らなくなるので、やらないわけにはいかないが、時間の余裕がある日中でないとなかなかできない。休日も出歩くことが多いので、結局は一週間どころか一ヶ月も放置するということになりかねない。
 盆休みがいい機会なので、なんとか洗えたが、さて、次の洗槽はいつになることやら。


 天神・イムズホールで、コンドルズ公演『SUMMER TIME BLUES〜沈黙の夏』を見る。
 劇団四季や東宝ミュージカルを見るたびに、その演出の工夫のなさに閉口してしまうのだが、これはつまり、それらは所詮、外国のモノマネに過ぎず、日本人の感性との齟齬や貧弱な体躯が露になってしまっているからであろう。
 映画でもそうだが、「不自然でないミュージカルシーン」というのは、日本の場合、「宴会」か「お祭り」のシーンでしか描けないのである。それ以外の場面で歌や踊りを披露しようと思えば、その「感性」や「体躯」の違いを逆手に取るしかない。
近藤良平氏がそこをどう自覚しているのか、コンドルズのにわかファンである私はよく知らないのだが、立派に「日本人にしか出来ないパフォーマンス」になっていると思う。

 コンドルズと言えば「学生服」である。珍妙な思いつき程度に思っている人もいるかもしれないが、こんな「日本オリジナル」な衣装はない。しかもこのインパクトはかなり強烈で、多少、トシの行った男が着ていてもお客さんには「学生」に見てもらえる。このアイデアだけでも充分に非凡だと思う。このスタイルで、短い手足を振り回して、揃ってないダンスを懸命に披露するから、ユーモアも感動も生まれるのだ。
 もちろん、スタイルだけに依拠しているわけではなく、2時間の公演中、これでもかとギャグが盛り込まれる。ダンス部分は言葉で説明できるものではないから、パフォーマン部分だけを紹介することにする。

 「今日のテーマを四字熟語にしよう」。
 ステージの四人が、それぞれ一字ずつ、勝手に思いついた字を揮毫する。
四文字続けて現れたのは、「弱」「転」「乱」「肉」。
 「本日の舞台は、何が起きても『弱転乱肉』」とナレーション。
ステージごとにテーマが変わる仕掛け。

 本舞台は「沈黙の夏」のタイトル通り、全て無言劇。
 聞こえるものは蝉の声だけ。仰向けになってもがいている男がいて、その周囲に一人、また二人と男たちが集まってくる。
肩を組み、隊列となり、みんなで野球を始める。バッターの売った見えない球が虚空に消えて――。
 最後に現れた男が、切腹をする。
全員が正座して、その様子をただ黙って見ていて――長い長い、沈黙と静止の時間が流れ、ようやく足が痺れて立てなくなった男たちがヨタヨタと退場して、オープニングは終わり。

 「底辺×高さ÷2」
 「底辺」両手を広げて、「底辺」のポーズ。
 「×」両手を交差させて、ペケのポーズ。
 「高さ」背伸びして右手を高く挙げ、「高さ」のポーズ。
 「÷」水割りを飲む(笑)。
 「2」右手でVサイン。
 学芸会的なネタだけれども絶妙に可笑しい。

 「マッチ棒で遊ぼう」。
 床に横たわる数人の男。それをモニターで真上から見た様子がスクリーンに映し出される。
 テロップが出て、「マッチ棒を2本動かして、ゴミをチリトリから出そう」。
 てっきり、マッチ棒役の二人が移動して、図形が変わるのかと思って見ていたら――。
 二人がゴミ役の一人を殴る蹴るして外に追い出す。
次のテロップは「福岡で一番と言えば?」
男たちの作った図形がひっくり返って出来た文字は「IMS」。
 また、横たわって、「豚の形」を作っている男たち。
 「マッチ棒を一本動かして、豚の向きを変えよう」
 現れたもう一人の男、豚の顔に当たるマッチ棒役の男を動かすかと思いきや――。
 一番太った男を転がして終わり。

 原始人同士が無言でやりとり。 
 お互いの腰巻を交換すると「等価交換」とテロップが出る。
 木を擦り合わせて火を熾すと、「地球温暖化」。
 棍棒に骨を継ぎ合わせて長くしようとするけれども失敗。「耐震偽造建築」。
 原始と現代は繋がっているという落ち。

 座禅を組む男。
 そのままの姿勢でスライドし、スクリーンの陰に消える。
 スクリーンに映るのは男のシルエット。
 その影が「空中浮遊」する。
 地上に降りて、再びスライドしてスクリーンの外へ。にっこり笑う男。
もう一度スクリーンの陰に隠れると、今度のシルエットは分裂して曼荼羅になる。

 マラソンランナーが四人、スタートラインに。
 スターターがピストルを構えて――。ランナーの一人を撃ち殺す。
 またランナーが四人、スタートラインに。
 スターターがピストルを構えて――。ランナー一人を残して、全員を射殺。慌てて逃げる最後のランナー。追いかけるスターター。動きがスローモーションになって、ランナーは撃たれた弾を映画『マトリックス』のように避け、あるいは弾を掴み――。
 逃走は延々と続く。
 またまたまたランナーが今度は6人、スタートラインに。
 スターターは――。自分のこめかみにピストルの銃口を当ててパン! 自殺してしまう。
 ランナーたちはスターターの死体の周りに集まって、一斉に写メを撮り始める。
 
 最後のパフォーマンスでは、初めて全員が声を出す。
 夏休みの日記を付けている学生という設定で、一人一人がその日の日記を読み上げる。
 「夏休み、太陽、俺。虫取り網」
 「夏休み、太陽、俺。プールに行った。あの子がいた。スクール水着じゃない水着。スクール水着じゃない水着!」
 「夏休み、太陽、俺。友達が『ハワイに行く』と言った。本当かどうか分からない。そいつの家に行ってみた。窓のカーテンが揺れていた」
 「夏休み、太陽、俺。8月31日。宿題の山。宿題の山!」

 ……舞台はやはり「アイデア勝負」である。


 テレビドラマ『はだしのゲン』後編、二日連続で映像化したのは、やはり原作の第一部のみ。
 視聴率が取れれば第二部の映像化も考えているのだろうか。出来合いの感動押し付けドラマで、語るほどの内容ではないが、それでも「現代編」部分での、年老いたゲンを演じる山本学の「じゃんじゃんじゃがいも、さつまいも……」という呟きには、脚本や演出の意図を越えたと思しき寂寥感が漂う。
 ヒロシマの大地に芽生えた麦を見て明るい未来を確信したはずのゲンが、現在、本当に平和を謳歌しているとは思えない、寂しさである。


 NHKBS2『アニメギガ押井守特集』。
 『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』『アヴァロン』『イノセンス』。
 作品よりも、ダイエットした岡田斗司夫氏の痩せ具合に驚き。痩せたと言うより、やつれているようにしか見えないのだけれども、声にも張りがなくなってしゃがれているし、本当に病気なんじゃなかろうか。もっともその真相は、今月発売の『いつまでもデブと思うなよ』(新潮新書 8月17日 税込価格:735円 ISBN:9784106102271)で明かされるのかもしれない。

2005年08月11日(木) 夢の中の人/『ムーミンのふたつの顔』(冨原眞弓)
2004年08月11日(水) ウソツキは恋の始まり
2003年08月11日(月) 水がまた来る/『さちことねこさま』1巻(唐沢なをき)
2002年08月11日(日) 島田賢志君、元気?(読んでねえって)/DVD『∀ガンダム�供〃邯�蝶』/『キカイダー大全』(岩佐陽一編)ほか
2001年08月11日(土) 代打日記
2000年08月11日(金) 小心者は女房に内緒で寿司が食えるか?/『冥王と獣のダンス』(上遠野浩平)ほか



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