無責任賛歌
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|藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2004年11月26日(金) みんなみうらじゅんが大好き/DVD『マダムと泥棒』/『トップをねらえ2!』1巻

 金曜日は定例のしげの通院の日。
 最近は院長先生の勧めで、デイケアにも参加するようになっているので、週に2、3日、多い時には連日通っている。
 けれど、デイケアは中身によっては必ずしも楽しくはないらしい。運動が好きだからスポーツの日にはウキウキして出かけているのだが、患者さんどうしでディスカッションしなきゃなんないときは、かなりつらい思いもしているようである。コミュニケーションが取れない人たちばかり集まっているのだから、そこで討論させても話がまるで進まない。それでイライラしてたまらないと言うのだ。けれどしげ自身、コミュニケーションが取れる人間ではないので、その場をなんとかできるわけではないのである。
 その場にはもちろん指導する立場の先生も当然いらっしゃるわけで、話が滞りそうになったり、あらぬ方向に向かいそうになったら、適宜リードしては下さってはいるようである。けれどしげの不満は、「やたら仕切ろうってやつがいるんだけど、ウザくて」という発言から察するに、ある患者さんの存在自体にあるようなので(~_~;)、結局そのグループにいるだけで神経が逆撫でされてしまうことになるのである。
 「ねえ、教えて。院長先生は、オレに『修行』をさせたいのか?」と私に向かって詰問してくるのだが、そんなこと言われたって私だって返答のしようがない。院長先生は「素の自分にならずに、芝居をするつもりで振る舞いなさい」と助言されているそうだから、その通り「演技」すればいいと思うのだが。つか「素の自分」なんてものがあると考えているとすれば、しげは演技者としてはまだまだ未熟者だということになってしまうのであるが。

 今日は通常の通院だったので、院長先生およびカウンセラーの方との面談。
 いつもの習慣で、しげは待ち時間に読む本を持っていっていたのだが、それが今日はみうらじゅんの『とんまつりJAPAN』。院長先生、しげが手にしたそれを見るなり、「おっ、みうらじゅんですね」とビビッと反応したとか。そればかりか、カウンセラーの先生も「みうらじゅんですね」、看護婦さんも「みうらじゅんですね」。
 しげ、「なんでこの病院、こんなに『みうじゅん度』高いんだ!」と困惑してしまったようだが、ある意味いかにも神経科らしいって気もする。少なくとも病院全員が「見沢知廉」ファンだとか、「相田みつを」ファンだとか、そういうところよりはずっと信頼できそうだと思うが、どうか。
 それより私は、しげが「みうらじゅん」を「みうじゅん」と省略する方がなんか許せないけどな。つか、それ、一文字減らしただけじゃん。それで省略になってんのかよって。


 帰りは一応しげに迎えに来てはもらったものの、急に仕事関係の本を物色せねばならなくなったので、博多駅で落としてもらうことにする。しげに付き合うかどうか尋ねたのだが、仕事があるので少しでも仮眠を取ると言って一足先に帰った。
 本を何冊かと、予約しておいたDVDを何本か購入。先日買ったDVDも含めて、かなり量が溜まってきているので、帰宅して、片っ端から見ることにする。

 DVD『マダムと泥棒』。
 先ごろトム・ハンクス主演でリメイクされた『レディキラーズ』のオリジナル版である。これまでずっと見る機会を逸していたのだが、ようやく見られた。
 旧版と新版、どちらが上かというのは一長一短があって一概にどっちがとは決め付けがたい。キャストだけ見れば、急坂ではピーター・セラーズとハーバート・ロムの“クルーゾー&ドレフュス”コンビの初共演が見られるわけで、その点だけでもどうしてもポイントが高くなってしまうわけだが。
 もちろん、「教授」役のアレック・ギネスの怪演は必見。思うにあの不気味なメイク、多分にドラキュラかノスフェラトゥを意識してるんじゃないかな。いや、そのメイクを見て「アッ!」と思ったのだが、これ、『空飛ぶモンティ・パイソン』のオープニング・アニメに登場する三白眼のおっさんなのだ! 念のため、スチールで確認してみたけれど、ほぼ間違いないと思う。本編アニメでもちょくちょく登場しては切られたり踏まれたりしてるんだけど、テリー・ギリアム、ギネス御大をこんな風におちょくっていたとは今更ながらその度胸には感服である。まあ、これは余談。

 DVD『トップをねらえ2!』1巻。
 これまでのガイナックスが培ってきたノウハウを全てこの一作に叩き込んだって印象。ガイナファンでなくても、いや、SFファンならばこの一本を見逃しちゃなんねえ、と断言したってかまわないくらいの快作だった。なんとなれば「SF」というのは常識の反転、既成概念の破壊、永遠のアンチテーゼをもって世界を再構築する面白さにこそその真価があるからである。……いやね、「萌え」ってキーワードがSF作品のタームとして機能するとは思いもよりませんでしたよ。って、そこに一番「SFマインド」を感じたんかい(^_^;)。ノノは当然、「回顧趣味」でこの「萌え」って単語を使ってるんだろうなあ。
 もちろん、オタク向けのエンタテインメントを作らせたら右に出るもののないガイナ作品であるから、SFファンでなくても楽しめる要素はテンコ盛りである。“お姉さま”ラルクがチビで短髪でソバカスの黒人とはなかなか意表を突いているが、これがまたノノと対比してちゃんと“お姉さま”に見えてくるから、前作の設定を踏襲しつつも裏切る部分もあり、しかしそれが決して的を外しているわけではなく、実にツボを押さえているのである。言わば、「心地よい裏切り」。ラスト10分のスタンピード、もはや呆気に取られるしかない「宇宙空間での“生身の”イナズマキック」のショックと来たら、何をか言わんやの大歓喜である。
 ……つて、でもやっぱりこういうのを喜んじゃうのって、オタクだってことなんだろうなあ。


 歌手の本田美奈子が実は改名していた、というニュース。
 今は「本田美奈子.」になってるんだって。
 「え? どこが改名してるの?」と首を傾げた人は、「子」の後ろをよーく見ましょう。ほら、小さく「.」(ドット)が付いてるでしょ?
 ご本人の弁によれば、「ドットを付けると画数が31画になり、開運のために変えました。いつでも歌手として人として女性として輝いていたいのでドットを付けました」ということらしい。なんだ、やっぱり占いか、とちょっとガッカリした人も多かろう。特にアイドル時代の本田美奈子を知ってる人にとっては。当時、プロダクションの言い付け通りに歌い踊るだけの“お人形さん”ばかりだったアイドル界にあって、自己主張のできるタイプに見られていた本田美奈子にはちょっとカリスマ的な人気があったのである。だから今の彼女が。単純に「迷信に引っかかりやすい女」というだけでなく、自分の意志、判断を放棄したような“他力本願的なもの”に引っかかってしまうとは、幻滅以外のなにものでもないのである
 名前そのものを変えるのはよく聞く話であるが、テンやらマルやら、「記号」を付けるってのはあまり例がない。やはりフツーの感覚の持ち主ではないのかなあ、とちょっと腰が引けてしまう。
 過去の例を考えてみても、パッと思いつくのは大友柳太朗が「友」に「、」を付けて「大友`柳太郎」にしたり、藤岡弘が「流されないで立ち止まって自分を見つめる、という覚悟と『いまだ完成せず』の意味も込めて」と「藤岡弘、」にしたりと、これくらいしか思いつくものがない(「モーニング娘。」は最初からマルが付いてたから例に挙げない)。あと、それに近い例と言えば「石森章太郎→石ノ森章太郎」くらいか。石森さんはともかく、大友さんも藤岡さんも、発音自体は変わってないので、改名した事実に全く気付いていない人も多く、何のための改名だかよく分からないきらいがある。本田美奈子の改名も、あまり浸透しないんじゃなかろうか。新聞、雑誌の記事やパンフレットなど、印刷物ではしょっちゅう忘れられると思うんだがなあ。
 ちなみに、その生命判断、当たってるかどうか、適当な姓名判断のサイトで調べてみた。

〔改名前〕
天格(10) ● 凶 家系的運勢を表します。
人格(14) ● 凶 性格や人柄を表します。
地格(20) ● 凶 個人の運勢を表します。
総格(30) △ 半吉 総合的運勢を表します。
外格(16) ◎ 大吉 その人の印象を表します。
●総合的な運勢
浮き沈みの激しい面がありますが、たくましく障害を乗り越えて行く底力を持っています。そのために、ひとつひとつの困難に忍耐強くぶつかっていけば、道も開けてきます。心根がやさしい面も持ち合わせているので、努力を続ければ実っていくことでしょう

〔改名後〕
天格(10) ● 凶 家系的運勢を表します。
人格(14) ● 凶 性格や人柄を表します。
地格(21) ○ 吉 個人の運勢を表します。
総格(31) ○ 吉 総合的運勢を表します。
外格(17) △ 半吉 その人の印象を表します。
●総合的な運勢
先祖からの徳を受けているので、才知に長けていながら、温厚で弱者にやさしい心配りのできる人柄の良さを備えており、周囲からの信用と信頼が絶大です。家庭を大切にして、幸福な人生をおくることでしょう。

 まあ、総合的にはちょっとはよくなったって感じか? でも芸能活動を続けていくなら、もとの名前の方がよかったような気も(^_^;)。

2002年11月26日(火) 再爆走�◆森�げなくても広がるリング/『低俗霊DAYDREAM』4巻(奥瀬サキ・目黒三吉)
2001年11月26日(月) そろそろこの日記タイトルにも飽きてきてるんだけど/『社会派くんがゆく!』(唐沢俊一・村崎百郎)ほか
2000年11月26日(日) オタアミが出て来た日/第3回オタクアミーゴス・IN・九州



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