無責任賛歌
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| 2004年11月27日(土) |
お客が来ても樽の中。 |
公演が近づいてきたこともあり、週末はお泊り客が増えてきているが、本日は夕方から下村嬢が来訪の予定。深夜にはカトウ君も来るとのことである。それで、また本だのDVDだので散らかりつつある居間を少し整理して行く。 テレビの前に未整理のDVDがひと山になっていたので、ラベルを付けて棚の隙間に詰めこんで行く。その過程で、自然、居間の中央にいったんDVDや本を寄せていくので、一時的に足の踏み場がなくなってしまう。それを見てしげが「何、散らかしよるん!」と怒るのだが、じゃあ、しげが片付けをしてくれるかというと全然そんなことはないのである。やっぱりディオゲネス症候群なのかね(樽のディオゲネスは自分の住んでいる樽の中を散らかしてないと落ちつかなかったそうな)。
だいたい、結婚当初は私もヒマを見つけては本の整理をしていたので、ここまで部屋が腐海化することもなかったのだが、私が片付けるはしからしげが散らかしまくり、その癖あとはほったらかし、読んだ本を適当にあちこち放り出したまま片付けようとはしなかった。いくら叱ってもしげは口先でだけ「ちゃんとする」と言うだけで、一向に改善しようとはしなかったので、私もだんだん徒労感に苛まれくたびれはてて、いつしか整理することを放棄してしまったのである。 以来、本は乱雑に積み重ねられたままである。 これもしげに人並の記憶力がからきしないせいなのだが、あの阿呆はいったん本などを取り出して半日もすると、それがどこにあったかわからなくなり、元に戻せなくなるのである(これが誇張でないことは、以前の日記でしげに「記憶実験」を試みたことがあるのをご存知の方には納得していただけるだろう)。
一事が万事その調子で家事をしないしげだが、それでも客が頻繁に訪ねて来る状況だったりすると、少しは何とかしなきゃなんないなあ、という気持ちにはなっていた。……数年前までは。 以前、よしひと嬢が泊まりに来るときにはあのしげでさえも、かなり気を入れて掃除をしてはいたのである。けれど三十路にさしかかろうかというころから、自分が「素敵な奥さん」になることは永久にムリ、と勝手に悟ってくれたらしい。洗濯ものを溜めまくって風呂場への通路を塞いで、風呂を使えなくても平気、という状態にしておいて平然とするくらいに、だらしなくなってしまっていたのである。 カネを払えば少しは家事をするかと、去年あたりは給料制でしげに家事をさせていた。ところが今度は本人が「家事をした」夢を見て(あるいは錯覚して)、それを現実と取り違えて給料を請求するようになったので、これも結果として効果はなかった。自分がサボれる方向に都合よくアタマがイカレてくれるのだから、全くありがたいことである(←この「ありがたい」は本来の意味での「有り難い」ということね)。 結局、しげに家事をさせるには、いちいち側に付き添ってやって、「あれをしろ、これをしろ」と命令するしかない。でもそれでは家事の分業なんて成り立たない。まっとうな家族関係が送れないどころか、しげと付き合うだけの体力が私にはもうなくなってしまった。自分が綿のように疲れ果てているのを感じるばかりである。
それでもここんとこ、劇団のみんなから(特にカトウ君から)「少しは家事をしたらどうだ」と責められていることもあってか、しげも少しは家事をするようになった。けれどそれも所詮は「少しは」のレベルでしかない。世間では、2、3週間に1回、洗濯をしたり、ゴミを捨てたりするのを「家事」とは言わない。しげは「なんで人んちのことにいちいち口出しされなきゃなんないんだよう」とブー垂れているが、「ウチ」というものが成り立ってないのにそんな口を利く方がよっぽどフザケているのである。
今日は珍しくもお客さんが来るんだからと、昼間から台所を片付けていたしげだったが、それもただ食器を洗っていただけである。しげにとってはそれでも大労働したつもりになれているのだから、能天気なことだ。日頃はこの程度のことも全然やらないで寝てばかりなんだから、これで履歴書に「主婦」と書きこむのは強心臓にも程があろう。 小一時間も働かないうちに気力が尽きて居間で布団にくるまりだしたから、こりゃどうせほかのところには手は回っていないだろうな、と思ってトイレを覗いてみたら案の定であった。ペーパーの芯は散乱しているし、便器の中は具体的に描写したくもない。 「トイレくらい掃除しろよ!」と寝かけたしげを叩き起こしてむりやりもうひと仕事させた。しかし、風呂場までは結局片付けられないままだった。 夕方、下村嬢が来て、「ごめん、風呂は使えないんだ」と告げたら、「そう思って、ちゃんと入って来ました」と言う。こういう気遣いを客にさせるのは全く申し訳なくて、顔から火が出る思いなのだが、胃に穴が空く状況になっている現在、私にはもうしげをフォローする元気も体力もない。勘弁して頂くしかないのである。
しげと下村嬢と、リンガーハットで食事。 しげ、「海鮮かきちゃんぽん」を注文するが、牡蠣を嫌って私のスナックちゃんぽんの上に乗せてくる。しかも食いきれずに残りを私に寄越すのである。だったらどうして最初から「スナックちゃんぽん」を頼まないかな(-_-;)。 食事のあと、3人でカラオケに行こう、という話になる。先日、下村嬢が劇団の掲示板の方に「カラオケ行きたい」旨、書き込んでいたことがあったので、それを思いだしたのである。カトウ君もからだが空いているなら誘おう、ということで、しげと下村嬢、カトウ君にメールを打つ。その返事が、「いやあ、そんなにみんなボクの歌が聞きたいのかい?」という熱気バサラみたいな内容だったので、下村嬢、「なんでコイツ、こんなに自意識過剰なの!?」と激怒する。 確かに言葉だけを見れば「ボクってモテモテさん?」みたいな自意識過剰な態度に見えなくもないが、カトウ君だって気がある相手に対してならこういう返事は寄越さないはずである。だとすれば逆にこの冗談は間接的に「あなたには何の気もありませんからね」と主張していることになるわけである。もちろん、実際に下村嬢に対してカトウ君が全く気がないことはハッキリしているのだから、実に正直な態度ではあるのだが、女性に対して正直過ぎるというのもそれはそれでムズカシイ問題を孕んではいるのである。かと言って、八方美人的な態度を取ったり、いかにも気がありそうな素振りを見せるのはもっと問題をこじらせることにもなりかねない。じゃあどうすりゃいいのかということであるが、男女の間柄は友人どうしだろうが恋人どうしだろうが、何をどうやったってこじれるしかないのだから、悩むだけムダなんだな(^O^)。
結局、カラオケには3人で。 いつもアニソンばかり歌っているので、今日はあえてアニソンを外して選曲するが、そうすると私の知ってる曲は70年代でストップしてしまう。具体的には沢田研二の『危険なふたり』とか、いしだあゆみの『ブルーライト・ヨコハマ』とかになっちゃうのだ。こういうのを小学校の帰り道で口ずさんでたんだから、なんかヤなガキだったのだな、私は。下村嬢、「アニソン歌わないんですか?」と不満そうだったので、それじゃあ、ということで『ケ・セラ・セラ』を歌う。これだって立派にアニソンだからな。 下村嬢は『美しさは罪』を歌ってほしかったみたいだが、それ、もうなん度も歌ったし。あまり同じ歌ばかり歌うと、しげがいやがるんで、仕方がないのである。
帰宅して、カトウ君に「もう帰ってきたから、今からウチに来ていいよ」とメールを打たせる。そしたら「今までどこかに出かけてたんですか?」と返事。下村嬢、「こいつ、自分が来ないとカラオケには出かけないと思ってたのかよ!?」とますます激怒する。 さて、カトウ君がそこまで思い上がっていたとは思いにくいし、ただ単にボケてただけじゃないかとは思うのだが、ともあれ、下村嬢の中におけるカトウ君の株は著しく下落してしまったようである。それはそれでまあ、別の問題は起きずにすみそうだから、安心できる面はあるのだが。
ややあって、カトウ君来訪。「今日はちゃんと明日の練習の準備をします」と宣言して、小道具作りなど始める。DVD鑑賞は公演が終わるまでガマン、ということだが、しげはどうやらいずれ、とっ散らかっているDVDやCD、ゲームなどの整理もカトウ君にさせたい意向のようだ。……だからお前が散らかさなきゃ、整理はちゃんとできるんだってば。 準備を一通り済ませて、しげとカトウ君は、階下に降りてエレベーター前のロビーで演技の練習。もう12時を回ってはいるが、ロビーにはかえって人がいないので、練習にちょうどいいそうな。いや、12時過ぎでも人通りはあると思うけどなあ。うちのマンション、夜の仕事のひとも結構いるし。 けれど、こちらもそれに付き合うだけの体力はない。というか、しげたちが下に降りて行く前に私はもう、椅子の上で舟を漕いでいた。下村嬢はマンガ持って隣室で就寝。結局、しげとカトウ君は半徹夜状態だったようだが、しげもこれだけ体力が続くなら、やっぱりちっとは家事をしてほしいものである。
余談だが、しげは「我修院達也」と「若人あきら」が同一人物だと初めて知ったそうな。 もちろん『ハウル』のパンフレットで我修院達也の写真を見ているのだから、そのとき気がついてもよさそうなものだが、しげはあほだから、「どうしてこの人は、こんなに若人あきらに似ているんだろう」と首を傾げてただけだったそうである。 だから本人なんだって(-_-;)。
2002年11月27日(水) 再爆走��/鬼が笑っちゃってひきつけ起こして寝る話/『燃えよペン』(島本和彦)ほか 2001年11月27日(火) 癒されたいの?(-_-;)/DVD『ウルトラQ』6・7巻/『ギャラクシー・クエスト』 2000年11月27日(月) 活字の本が読み進まない/『カスミ伝△(さんかく)』1巻(唐沢なをき)ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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