ケイケイの映画日記
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2009年12月23日(水) 2000年代ベスト10

お友達のつんちゃんに誘われて、やってみました。いや難しい!手帳には観た作品は残してあるものの、2003年くらいから、劇場鑑賞は年間80〜100本ほどに。毎年のベスト10だけでも四苦八苦なのに、もう大変!劇場で鑑賞した作品だけに的を絞り、映画的完成度は度外視して、自分の「大好き」な作品だけ選んでみました。以下、日本公開の年代順です。紺の字はサイトを初めてからの作品なので、リンクで飛べるようになっています。

★ アメリカン・ビューティー(米・2000)
★ インファナル・アフェア(香港・2002)
★ 少林サッカー(香港・2002)
★ アントワン・フィッシャー/君の帰る場所(米・2003)
★ 東京ゴッドファーザーズ(日本・2003)
★ シティ・オブ・ゴッド(ブラジル・2003)
★ オアシス(韓・2004)
★ 嫌われ松子の一生(日本・2006)
★ 善き人のためのソナタ(独・2007)
★ イントゥ・ザ・ワイルド(米・2008)

今の気分でババンと浮かんだ作品数十本を書きだして、悶絶して悩みながら残したのが、この10本。全体的に感動する・解りやすい・元気になれる・面白い、が選んだポイントみたい。みたいって他人事風ですが、選んだ後で気付きました。誰もが入れる作品あり、どちらさん?的作品ありです。

どちらんさん?の代表は、「アントワン・フィッシャー」だと思います。大阪ではシネコン一館だけで上映でしたが、あのデンゼル・ワシントン初監督作品で、彼らしい真面目な熱意と誠実さに溢れる作品です。不幸な生い立ちの主人公が、愛する人と巡り合い、彼女の手助けで辛い過去に立ち向かい、親に会いに行くまでを描いた作品で、天涯孤独だと思い込んでいた主人公が、扉を開けると、たくさんの初めて会う親戚に大歓迎されるシーンは、オーソドックスながら、心が愛で包まれる様な演出で、今でもしっかり覚えています。昨今新聞やネットで、親から虐待される子供たちの事を目にすることがたくさんあり、パソコンの前で思わず涙が出る事もしばしば。そんな子供たちに、大きくなったら是非観て欲しい作品です。

「東京ゴッドファーザーズ」は、狭いテアトル梅田の100席余りのスクリーンの最前列で、当時小5だった三男と観た作品。一見実写でも可能なストーリーですが、細部に目が届くと、絶対実写じゃ無理な作品。実写じゃツッコミの嵐になります。この作品ほどツッコムと人でなしの作品はありません。ちょうど今の時期にぴったりの作品です。二人で笑いまくり、私だけ感動して泣きまくりました。いや息子も感動はしたそうですから!

え〜、一位だけ発表(他は順不同)。「シティ・オブ・ゴッド」です!大好きなフェルナンド・メイレレスの記念すべき長編初監督作品。「神の街」と呼ばれるブラジルのスラムを舞台に、将来は野球選手になりたいです、と同じ感覚で、将来はヤクの売人になりたいデス、と不敵な面構えで応える年端の行かない少年たちの、主に子供時代から青年になりかけまでを描いています。こう書くと湿っぽくて悲惨さばかりが浮き上がるように思うでしょ?それが信じられないほど超面白い!熱気とバイタリティに満ち溢れ、先の読めない展開に行きつく暇もありません。だから一瞬の隙に描くユーモアや、切ないという感情もわからず生きていた彼らの哀しさが浮かぶ時、深い余韻を残します。

公開当初、スタイリッシュだ、いや子供が銃撃戦するなんてけしからんと、色々な感想を拝読しましたが、どれも私的にはしっくりきません。私は子供から思春期までの子たちの凄まじい生命力と、その有り余るバイタリティを生かすも殺すも大人次第だと、監督が政治家や権力のある大人たちの鼻先に突き付けた作品だと感じました。多分生涯の10本でも選ぶ作品です。未見の方は是非どうぞ!

さぁ今年も後少し。2010年からの10年は、どんな作品に巡り合えるのでしょうか?すごーく楽しみです。


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