ID:104863
G*R
by K・カヲル
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■地上の縁からのぞき込むと深遠の青が底もなく 7-1
強い口調で取り付くしまもなく言い切った教師の言葉に、ギンはわざとらしく肩を落とした。横でリンドウとツワブキがそれぞれ、
「絶対に受けないとだめだよ」
「寮まで迎えに行ってあげようか、市丸」
と囁いている。スミレは何も言わず、けれど胸の前で両手を握ってギンを心配そうに見ている。
乱菊は表情を押し隠し、一見すると無表情とも取れる顔でその光景を眺めていた。乱菊はどんなに心配しているときでも、人目があるときには表には出さないようにしていた。
楽しそうに微笑んで眺めていた藍染が、ふと乱菊を見た。それに気づき、乱菊は目を合わせる。ギンは横目でそれを確認した。
「君は市丸君の心配をしないのかい」
藍染の目は面白がっている。乱菊は少しだけ考え、そして華やかに微笑んだ。
「あたしがあれだけ注意したのに留年するのなら、まあそれは市丸ギンの自業自得でしょうから」
「うわ、酷いこと言わはるなあ級長さん」
ギンが大袈裟に溜息をつく。乱菊は横目で睨んだ。
「あれだけ人に世話を焼かせておいて、酷いも何もないでしょうが。可愛い子三人に心配されてるんだから、それ以上望むんじゃないわよ。贅沢な」
「そないなこと言うても、ボク、君ら以外に友達おらへんやんか。少しくらい心配してくれてもええやん」
「あたしはあんたの友達になった覚えはないんだけど、市丸ギン。あんたが級長をするなら考えるわよと言っただけでしょ」
「えらいキツイこと言わはるなあ。今日、君を助けたやんか」
「それについては本当にありがとう。でも、それはそれこれはこれ」
「ちょい認めてくれてもええんやないの」
「級長になるならね」
「それは未来永劫ありえへんわ」
「なら友人関係も未来永劫ありえないわね」
間でおろおろしていたスミレは、ようやく乱菊の袖を引っ張った。同時にリンドウがギンに目配せをする。真ん中で左右交互に見ていたツワブキは、藍染と目が合って、誤魔化すように苦笑した。
「見事に嫌われているね、市丸君」
藍染が笑った。
「級長さん照れ隠ししてはるだけですわ」
「何をどう照れていると受け取れるのかしら」
言い放つ乱菊の腕を、スミレが取り縋るようにそっと掴む。乱菊はスミレに笑いかけた。別に、怒っているわけではなかったからだ。スミレは安心したように微笑む。そして藍染を振り返り、
「仲が悪いわけではないんですよ……良いわけでもないんですけれど」
と言った。藍染は快活に笑った。
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06月09日(金)
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