ID:104863
G*R
by K・カヲル
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■雲の向こうの遠雷が呟きさえも掻き消すから 3-2
「そうか。まあ、六番隊自体は朽木ルキアとは無関係だしな、阿散井に報せることもねえか。阿散井も副隊長になったばかりで、朽木に慣れる方が先だろうしな」
そう言って日番谷は茶をずずと飲んだ。もう大分温くなっている茶は、仄かに湯気をたてるだけだ。乱菊は揺れる薄い湯気を眺め、そして目を上げた。
「確かにそうだとは思うのですが、もし阿散井が朽木隊長から話を聞いていないようでしたら、こちらから話してはいけませんか」
「なぜだ」
「阿散井は朽木ルキアの幼馴染みだそうです。朽木の元来の性格や嗜好にも詳しいでしょうし」
「お前がそう言う気持ちは判らないでもないが、だめだ」
乱菊の言葉を遮り、日番谷ははっきりとした声で言った。
「俺らは朽木の義妹を捜索するわけじゃねえ。そこまで知る必要はねえし、だからそれは阿散井にこの件を報せる理由にはならねえ。阿散井に報せるか否かは、奴の上司である朽木が判断することだ」
日番谷の淡い翠の眼を真っ直ぐに見つめた後、乱菊は蒼い眼を伏せた。日番谷の言っていることは尤もで、乱菊は何も言えずに口を閉ざす。
「だから」
溜息混じりに日番谷が、独り言のように言う。
「今度、俺が朽木に、阿散井に報せてみてはどうか言っておく。それでいいか」
乱菊は顔を上げた。日番谷は横を向いて、やけに不機嫌そうに腕を組んでソファの上で反り返っている。乱菊の口の端に笑みが浮かんだ。
「ありがとうございます。……さっすが隊長。あたしの自慢の隊長ですよ」
「……たりめーだ」
横を向いたまま、日番谷はふんと鼻を鳴らした。
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07月10日(月)
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