ID:104863
G*R
by K・カヲル
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■絶対的な響きをもって鐘の音は時を告げた 4
食料が必要になると、ギンと乱菊は農業を営む家に手伝いで数日住み込んだりした。道行く荷馬車の護衛をしたりもした。かっぱらいや魚釣りよりも確実に、食料だけでなく、これまで知り得なかった情報も手に入った。
この食料の多くは中央へ運ばれること。そこで得たお金で、村の整備や、いろいろな日用品を購入すること。数の大きめな地区では農業が、小さくなると工業が発達していること。死神の住まう中心の場所は瀞霊廷と呼ばれていること。死神は流魂街の治安よりも、現世とこの世界……尸魂界との関係を保つことを仕事としていること。
もちろん、中には悪い人間もいたし、人買いなどもいたが、二人とも気配を察知してすぐに逃げ出した。それに、自分達が住んでいた地区よりもそんな人間の割合は小さくなっていた。人々は穏やかに集団生活を営んでいた。ギンは何度も、ここで二人で暮らしてもいいのではないかと思った。けれどその度に、自分の持つ、人を殺しかねない力は死神になってこそ使える力になるんだと思い返した。自分を無駄にしない、前を向いた生き方をしたかった。そうすれば、乱菊と何も思い悩むことなく暮らせると、ギンは思っていた。
地区を過ぎるに連れて集落が大きくなり、町の様相を呈してくる。地区そのものの面積が小さくなるため、広く土地を使う農業よりも、工業の方が発達していた。人々はそれぞれの家で日用品を作り、それをまとめて売りに出ていた。二人はいろいろな、初めて見る品々を見て回っては歓声を上げた。
幸福な旅路だった。もう二度とはないだろうと思わせるほどの、いるならば神と呼ばれる存在が、二人を哀れに思って与えてくれた時間としか思えないほどの完璧な旅路だった。
そして旅の終わりがやってくる。
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03月28日(火)
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