2004年09月08日(水)  東銀座の『台湾海鮮』

■アツコちゃん、ミキちゃん、亜紀ちゃん(=パティシエのはちみつ・亜紀子)の美人トリオと東銀座・松竹スクエア2階の『台湾海鮮』で夕食。台湾人シェフが腕をふるう本場仕込みの薬膳鍋と点心をたのしめるお店。常連のアツコちゃんによると「薬膳鍋は美肌効果バツグンよー」とのことなので、今夜は鍋に集中することに。高麗人参や生姜や干した果実がたっぷり煮込まれたスープは見るからに体に良さそう。煮込む具材は、アガリクスより効き目ありというなんとか茸、さつまいも、瓜、銀むつ、豆腐、肉団子(台湾で作ったものを輸入しているそう)、白菜などなど。とてもかわいい台湾人のおねえさんがありがたい説明を添えながら一つ一つ鍋に入れていく。薄切りの豚肉は煮込まず、しゃぶしゃぶの要領で食べる。鍋は「赤いスープ」「透明なスープ」が真ん中で仕切られ、2種類のスープを混ぜて好みの辛さに調節。自然の素材だけが溶け込んだスープは、化学調味料の味がしないので、いくらでも飲める。中華料理にも詳しく、東京中のおいしい中華を食べ歩いている亜紀ちゃんも「仕事が丁寧ねー」と感心。食べ物がいちばんの関心事である彼女は、水族館のくらげを見ても「きれいー」ではなく、「塩漬けにするとおいしいかしら、それとも干したほうがいいかしら」と考えるのだそう。鹿を見ても「よく走り込んでいるから、この腿肉はうまそう」と思うのだとか。このキャラクター、いつかわたしの作品に登場させたい。その前にテレビのお料理番組に出たら、ブレイク間違いなしだと思うんだけど。「日本一面白い女になる!」と宣言する亜紀ちゃんの爆笑トークで紹興酒もおいしく進む。最後はクロレラ入りの緑(うどんも選べる)の麺で締める。天井が高く、テーブル間隔が広く、店内はゴージャスな雰囲気。気になるお値段は、一人5千円。昼も千円前後で満腹になれるそう。「こんなのでやっていけるの?」と心配になるほど。「だからね、このお店が続くように、せっせと通っているのよー」とアツコちゃん。これで明日の朝に美肌効果が出ていれば、言うことなし。

2003年09月08日(月)  「すて奥」作戦


2004年09月07日(火)  韓国のカメラマン Youngho KWONさん

宮崎あおいちゃんの2005年のカレンダーを撮った韓国のカメラマン、Youngho KWONさんは、韓国映画のスチールの数々を手がけている売れっ子。「写真はもちろん人間的にも本当にステキな方なんで、日本に来たらぜひ紹介したい」とあおいちゃんのマネージャーの小山さん(人をつなぐ名人)が言っていたのだが、その言葉通り、来日中の彼を囲む会に声をかけてくれた。集ったのは8人。カレンダーロケのコーディネイトをしたBlessworld(東京とソウルを結ぶCMプロダクション&モデルエージェンシー)のYoo(柳)さん。KWONさんと兄弟のような親しいおつきあいをしている東京在住の新婚アートディレクター、JAMIEさんとYONGさん(5か月前から日本語習得のために来日。「明日、日本語学校の試験ですー。どうしようー」と言っていた)。アロマセラピーにも詳しいヘアメイクの立野正さん(とってもノリのいい人)。ちょっぴり大人っぽくなったあおいちゃんと小山さん、そしてわたし。撮影の同窓会にお邪魔していいのでしょうかと最初は遠慮がちだったのだけど、みなさんのあたたかさに甘え、いつの間にか昔からの友人面して楽しんでしまった。■競技用マウンテンバイクに乗るというKWONさんは若くて爽やかでにこやか、大物カメラマンというよりは親しみやすい兄ちゃんという印象。「ぼくはハンディカム」とうっとり顔でヨン様の物まねをするちゃめっけも。撮影現場はきっといい雰囲気だったのだろうと想像する。カレンダーの写真を見て、「ロケ地は韓国?」と聞いてしまったのだけど、実際はソウル組と東京組が長崎で落ち合ったそう。日本ではないような独特の空気感は、異国情緒漂う町と韓国の才能のコラボレーションが為せる業なのだろうか。奥行きのあるライティングがヨーロッパっぽいなあと思ったら、フランスでアシスタントカメラマン修行をしたそう。でも、「ボンソワ」と話しかけてもしばらく反応なし。「ほんとにフランスにいたの?」と一同に突っ込まれて、「ぼくがついたカメラマンはイギリス人だったんだー!」。たしかに英語は堪能で、ヨーロッパなまりがあった。■日本語と英語と韓国語が飛び交うテーブルは終始にぎやかで、ときどき笑いがはじけた。今年のはじめに「韓国語を勉強しよう!」と張り切って買ったチョンマルブックがグリーンのハングルバージョン(日本語を学ぶハングルユーザー向け)だったために出鼻をくじかれたわたしにとっては、生の韓国語に触れるまたとないチャンス。「そうそう」と相槌打つときは「グッチグッチ」と言うんだけど、「シャネルシャネル」って間違っちゃいそうだなあとか、「かっこいい」の「マシッソヨー」と「おいしい」の「マジッソヨー」は似ているとか、「チュセヨ」は「ください(please)」で、「ポヨ チュセヨ」だと「見せてください」になるとか、膝を打ちながら生きた表現を習得。韓国語で「おでこ」は「イマ」、「歯」は「イ」と言うので、「チェ イルムン イマイ」と言いながらおでこと歯を指して自己紹介すると受けるよとのこと。試してみたい。映画の韓国ロケ帰りのあおいちゃんは、「大丈夫」の「ゲンチャナヨー」や「かわいい」の「フィヨー(これはかなり微妙な発音)」をいい感じで使いこなしていた。ラジオドラマの関西弁も自然だったし、耳がいいのかも。「イジメ」は日本から輸入されて韓国語になっている(「ワンタ」ともいう)とか、「吉祥寺の白木屋の韓国冷麺は本格的」とか、「目上の人の前で酒を飲むときは顔をそむける」とか、興味深い話もたくさん聞けた。韓国では急に集まることを「ポンゲ」と言い、漢字で「雷」と書くのだそう。「今度はソウルポンゲだ!」などと盛り上がる。韓国が「お隣さん」に感じられた今夜はとってもキッポヨー(うれしい)。


2004年09月06日(月)  シナトレ1 採点競技にぶっつけ本番?

今月3日発売の月刊シナリオ10月号で「シナリオライターになりたい人のためのコンテンツを用意する」と宣言したので、急遽1回目を書いている。前々からやろうやろうと思っていたのだけど、自分を追い込まないとなかなかやらない。

さて、プロのシナリオライターをめざす人たちから少なからず寄せられる「デビューさせてください」メールには毎回驚かされる。デビューは自分でつかむもので、チャンスは転がっている。他力本願で万が一デビューできた後はどうするつもりなのか心配。ただし、チャンスをつかむにはコツが要る。「何度コンクールに出しても落ちます」「どうやったらうまくなりますか」といった質問には、幸運にもデビューできた一人としてアドバイスしようと思う。シナリオライターになるためのトレーニング、略してシナトレ。シナリオにちなんで、めざせ連載47回!?

アテネオリンピックを見ていて思ったのだが、シナリオコンクールは採点競技に似ている。自分の持てる力を原稿用紙何十枚という舞台でアピールする。そこには「練習で積み重ねてきた力」と「本番で実力を爆発させる力」の両方が必要になる。日頃の積み重ねについては次回以降にお話しするとして、今回は後者について思っていることを。最近シナリオコンクールの審査に関わるようになったが、「ぶっつけ本番でーす」という作品が多すぎる。体操競技に例えたら、「たった今、技が完成」「この内容で演技するのは今日がはじめて」状態で大会に臨んでいるようなもので、これでは勝てない。

入選確率を上げるためには、採点競技であることを意識して、自分の演技(作品)を客観的に見ることが必要だと思う。パソコンで打ち終えて出力したままポストへ直行という原稿はケアレスミスの宝庫で、減点の対象になる。誤字脱字ぐらいと侮るなかれ、採点ランクが1つ落ちるぐらいの覚悟で校正したほうがいい。応募者本人も読み返していない原稿を、読む気にはならない。誤字脱字出現率と作品の完成度が反比例するのも事実。

わたしはコンクール応募時代、必ず友人や家族に読んでもらい、意見を取り入れて修正したものを出した。自分の主観だけではひとりよがりな脚本になりがちで、人が読むと理解されなかったり誤解されたりする部分が出てくる。大事なのは「直すことで作品をパワーアップさせる」こと。「ここ、わかんなーい」「この台詞、なんか違う」と言われたら、単に削るのではなく、もっと面白い代案を考える。この経験は、デビューしてからとても役に立っている。プロの世界では初稿に何度も直しを重ねて決定稿に持ち込んでいく。直しを「引き算」ではなく「足し算」にできるかどうか(原稿的にも気持ち的にも)が、プロに求められるとても大切なことのように思う。

というわけで、これからコンクールに出す人は、少なくとも自分自身で読み返し(声に出して読むと、台詞のリズムがつかめるのでおすすめ)、余裕があればまわりの人にも読んでもらい、抜かりなくブラッシュアップを。コンクールの第一関門はデビューして日の浅い新人ライターが審査することが多いので、まわりの人たちが「面白い!」と太鼓判を押した作品であれば、2次審査に進める確率は高くなるはず。

2002年09月06日(金)  ミナの誕生日


2004年09月05日(日)  映画女優 高峰秀子『チョコレートと兵隊』

■チョコレートと映画が好きなわたしは、チョコレートと名のつく映画も好き。『夢のチョコレート工場』、『苺とチョコレート』、『ショコラ』、『チョコレート』と観て、今はティム・バートン監督の『チャーリー・アンド・チョコレート・ファクトリー(仮)』の公開を心待ちにしているところ。そんな折、新聞記事で『チョコレートと兵隊』というタイトルが目に留まった。1938年の東宝映画(佐藤武監督)で、長らくフィルムの所在が明らかにされていなかったが、このほどアメリカでフィルムが発見され、昨日からの『映画女優 高峰秀子』で上映されるとのこと。早速東京国立近代美術館フィルムセンターのサイトで上映スケジュールを見ると、本日5時からとある。これを逃すと、29日の3時のみ。これは行くしかない、とダンナを強引に誘うと、いつも巻き添えを食っている彼は「Tさんも誘おう」。T氏は、映画と鉄道にめっぽう詳しいご近所仲間。そもそも高峰秀子特集情報もT氏がひと月前から知らせてくれていたおかげで、わたしが張っていたアンテナに新聞記事が引っかかったのだった。「まさか今井さんのほうから誘われるとは」とT氏は喜んで参加表明。■上映1時間前に着くと、すでに列が幾重にも折れている。フィルムセンター常連のT氏いわく「300人入りますから、これぐらいでしたら座れますね」とのこと。ひとつ前の『綴方教室』は完売だったらしい。わたしたちの会話に、一列前で待っていたおじさんが「なくなった渋谷パンテオンは1200人入ったねえ」と加わってくる。高校時代からかれこれ数十年通っているT氏によると「最前列の顔ぶれはかなり固定しています」とのこと。ここから次の劇場にハシゴすると、また同じ顔ぶれに会ったりするのだそう。■さて、上映。まず最初に「このフィルムがUCLAで発見された」旨を告げる字幕が日本語・英語の順に入り、本編に。「戦意高揚のための時局映画」と聞いて身構えていたのだが、ハリウッドの戦争ものに比べると好戦度はずっと低く、普通の娯楽映画として楽しめるテイストになっていた。あらすじは、「チョコレートの包み紙に印刷されている点数を集めている息子のために、戦地の父がせっせと包み紙を集め、日本に送る。だが、点数と引き換えのチョコレートが製菓会社から少年宅に届いた同じ日、父戦死の知らせが届く」というもの。軍人になることが夢だった少年は「父に負けない立派な軍人になる」と誓うのだが、子ども思いの父が戦地に散った悲しさのほうが際立ち、戦争に行くより家族のそばにいたい気持ちを強くさせる映画のように思えた。ティーンエイジャーの高峰秀子の愛くるしさに負けず劣らず印象に残ったのが、明治製菓のOL嬢。「霧立のぼる」という宝塚歌劇団出身の女優さんで、山中貞雄監督の遺作『人情紙風船』のメインキャストの一人だそう。■最近、太平洋戦争前の日本の歴史を勉強しているのだが、昭和13年の暮らしぶりや時代の空気を感じ取る上では、本を何冊読むよりも雄弁な資料となった。「フィルムに記録されている街並みや語られる言葉などに強く興味を持ちます。映画の出来不出来とは関係なく、時の経過が新たな価値をフィルムに与えることだと思います」と言うT氏に同感。調べてみると、太平洋戦争中にアメリカ国務省の編成した対日宣伝研究プロジェクト・チームが「日本人の国民性研究の最も適当なテキスト」ととらえていたとか、『素晴らしき哉、人生!』のフランク・キャプラ監督が脱帽したとか。さらに、この映画が東京新聞に掲載された実話を元に作られたこともわかる。劇中に明治製菓の包み紙が大きく出ていたが、明治製菓のチョコレートということも実話。亡くなった兵士の息子は、その後、昭和18年に難関の陸軍少年飛行兵の試験に合格、少年時代からの夢をかなえたが、消息はわからないという。映画から紐解く昭和史も興味深い。


2004年09月04日(土)  文京ふるさと歴史館

■昨日は10時間ほどパソコンに向かっていた。もうパソコン見るのもイヤ!こんなときは家から離れるに限る。黄色い自転車にまたがって、本郷方面へ。東大界隈は走っていて気持ちがいい。スポーツジムで自転車漕ぐより、風を感じて風景が変わるほうが断然好き。まずは、前々から気になっていた輸入文具のお店、SCOS(スコス)へ。小さいお店とは聞いていたけど、四畳あるかどうかの店内にステーショナリーがひしめきあい、それを求めるお客さんでごった返している。人や物にぶつかりながら、通路をカニ歩き。色がきれいで材質がしっかりした文具がいろいろ。ドイツの小学校に一日留学したとき、子どもたちがこんなノートやファイルを使っていたなあ。オレンジのバインダーを探したけれど、見つからず。9月2日にはプランタン銀座店(本館6階メゾンフロア)もオープンしたそう。
■本郷三丁目交差点から今日も大盛況のFIRE HOUSE(ここのハンバーガーは語り継がれるおいしさ)前を通り、ラクーア方面へ向かう途中に、『文京ふるさと歴史館』の看板を発見。入場料100円を払って中に入ると、ほぼ貸しきり状態。文京区の成り立ちを地理学、考古学、文化発達史などの側面から網羅していて、「文京区弥生町遺跡で発見された弥生式土器から、弥生時代と名づけられた」「麹の産地で都内の味噌工場が集中していた」「映画館や芝居小屋があったが戦災で消失した」などなど、興味深い町の歴史を垣間見ることができる。落語『怪談牡丹燈篭』のさわりも聴けた。昔から学問や文学が栄えた土地で、滝沢馬琴、坪内逍遥、二葉亭四迷、夏目漱石、石川啄木、樋口一葉、森鴎外など歴史に残る文豪の多くはこの町に住み、愛したという。「先人たちの足跡」といったパネルを見ていると、「もうこの人たちはこの世にいないんだな」と思い、「人間って死ぬんだなあ」とあらためて思う。「人はいずれ骨になる」という運命をわたしは未だに受け入れられないのだけど、歴史館に展示してあった縄文人骨は、「骨はかつて人だった」と逆転の発想を示してくれた。「20歳代後半のたくましく、いい男。亡くなる少し前に高い所から飛び降りたらしい」との解説つき。骨からそんなことがわかるのか。この骨男さんに肉がつき、手足や目が動き、狩りをしたり恋をしたりしていた頃があったと想像すると、なんとも不思議。
■さて、どこでお茶をしよう、と再び自転車でウロウロ。本郷通りに戻って北上し、『きんのこむぎ(金の小麦)』というベーカリーカフェへ。何度も前を通ったことがあるのに入るチャンスを逃していた。ガラス張りで白い壁、気持ちのいいお店。シチューパンセットは、飲み物とデザート(今日は大葉のシャーベット)がついて1155円。スーパーで夕食の材料を買って、2時間40分のサイクリング終了。散歩もいいけど、自転車のほどよいスピード感はリフレッシュ効果大。血と気のめぐりが良くなった感じ。

2002年09月04日(水)  暑い日の鍋


2004年09月03日(金)  下高井戸シネマで『Big Fish』

■今年最高の魚を釣った!ついにキャッチしたビッグ・フィッシュは、膨らんだ期待と想像以上にすばらしい作品。脚本(分厚い!)を読んだときは、話が行ったり来たりなので、これをどうやって成立させているんだろう、と不思議だった。でも実際の映画では、話が時代を飛ぼうと国を飛ぼうと、空想と現実が入り混じろうと、途中で振り落とされることはなかった(餌に食いついた魚のように!?)。冒頭、Big Fishとタイトルが出るまでのアバンタイトル部分ですでに「この世界、好き!」。幻の町スペイシーの裸足、サーカスの時間が止まってから加速するところ、一面の水仙の中のプロポーズ、夢のある世界を描く色彩がほんとにきれい。夢を絵に描いたらこんな色になる、というリアリティがあって、信じられるファンタジーになっている。夢のようなエピソードをつなげるだけじゃなくて、ラストにちゃんと収束して、父と息子の物語に着地しているところに拍手。わたしは映画の中でも「死」はなるべく見たくないし描きたくないと思っていたけど、死ぬことや葬式がファンタジーになるんだ、とびっくりした。子どもの頃に魔女の義眼の中に見た「自分の死にざま」を宝物のようにして大きくなった父にとって、死ぬことは「魔女の予言を確かめる」という最後に遺された楽しみだったのかもしれない。葬式に集った顔ぶれを見ていると、「人生なんて、おとぎ話さ」というキャッチフレーズがしっくり来た。みんなが自分のおとぎ話を生きていると思えたら、もっとまわりのものが愛しく見えたり、人にやさしくなれそうな気がする。原作も読んでみたい。■長編監督デビュー作が『ピーウィー・ハーマンの大冒険』と知って、ますます好きになったティム・バートン監督。2005年公開の『CHARLIE AND THE CHOCOLATE FACTORY(チャーリー・アンド・チョコレート・ファクトリー)』(『夢のチョコレート工場』リメイク版)が待ち遠しい。『ナイトメアー・ビフォア・クリスマスデジタルリマスター版は10月23日から公開。東京ディズニーランドのホーンテッド・マンションが『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』バージョン(ホリデーナイトメアー 2004年9月15日〜2005年1月10日)に変身するのも注目。■下高井戸シネマは下高井戸に住む同僚が「あそこはいいよー」と言っていた通り、感じのいい映画館。ロードショーの終わった作品を少し遅れて観られるよう。先週は『グッバイ・レーニン』をやっていたそう。惜しい! 近くに気のきいたカフェがあれば最高、と思って30分ほどウロウロしたけれど、見つけられず(どなたか知りませんか)。カフェと見まがう美容院が多い町だった。


2004年09月02日(木)  「とめます」と「やめます」

■電車のドアステッカー広告を見ていたら、弁護士の「ご相談ください」広告のコピーに、「取立ては止(と)めますのでご安心ください」とルビが振ってあった。他のもっと難しい漢字は振り仮名なしなのに、なんで「止」だけ?と考えて、そっか「止めます」は「やめます」とも読めるからだと気づく。「取立ては止(や)めますのでご安心ください」と弁護士が言っているのもシュールで面白い。同じように「読み方違いで意味が変身する漢字」を探してみた。「日本橋」は「にほんばし」だと東京だけど「にっぽんばし」だと大阪。名古屋辺りでタクシーに乗るときに使うと、混乱を招くかもしれない。「人気」は「にんき」とも「ひとけ」とも読めるけど、人が寄ってこないのは人気がないということなので、意味は近い。「小人(こびと)」は差別表現になる恐れがあるので、広告ではグレー(使っていいかどうか微妙)な言葉だけど、「小人(しょうにん)料金」なら問題ない。「コピーは明朝にしますか?」は、字面だけだと書体(みんちょう)なのか締め切り(みょうちょう)なのか微妙。「米朝」師匠と「米朝」関係は同じ読み方で意味が違うのでややこしい。「今朝の便は出ましたか」は、空港のカウンターで聞くかトイレで聞くかでかなり落差がある。そう言えば、今読んでいる食べ物の語源集によると、「弁当」は便利なものということで、昔は「便当」と書いたらしい。梅干を入れてもおなかを壊しそう。

2002年09月02日(月)  My pleasure!(よろこんで!)


2004年09月01日(水)  年を取らない誕生日

■幼なじみのヨシカの訃報を聞いて3か月が過ぎ、お別れ会からも2か月が過ぎた。お別れ会のことを綴った6月20日の日記にはたくさんの反響があり、ヨシカの知り合いだという見知らぬ人からもメールが届いた。彼女の強烈なキャラクターや豪快なエピソードや奔放な発言はいろんな人をあちこちで驚かせたが、「極めつきが今回の訃報でした」と言う声が多かった。■昨日、8月31日は彼女の誕生日だった。毎年、「夏休みが終わるなあ」とセンチメンタルになりながら、「あたしにとってはめでたい日や!」と言うヨシカを祝っていたので忘れようがない。これからは誕生日が来ても、彼女はもう年を取らないのだ、とあらためて思う。人が亡くなることを「遠くへ行く」と言ったりするが、年齢という物差しで見ると、「少しずつ遠ざかっていく」とも言える。8月31日がめぐってくるたび、わたしはヨシカの年齢から離れていく自分を意識し、広がることを止められない空白にため息をつくのだろう。子どもの頃、「生まれ変わったら何になる?」と聞かれて、わたしが「女は損やから男になりたいけど、スカートは、はきたい」と答えたら、「損せえへん女になったらええ」と言い放ったヨシカ。生まれ変わりがあるとしたら、オリジナルヨシカに負けず劣らず自己主張の強いしっかり者の女の子になって、もう一度地球を騒がせにやってくると思う。

2003年09月01日(月)  「うんざりがに」普及運動


2004年08月31日(火)  東京ディズニーランド『ブレイジング・リズム』

■台風一過の東京ディズニーランドは、すごい人。夏休み最終日の今日は、夏のスペシャルイベント『バズ・ライトイヤー夏の大作戦』と『ブレイジング・リズム』のフィナーレでもあり、駆け込み来園も多かった模様。もちろん、わたしもその一人。『夏の大作戦』は、人垣の間からかろうじて見えるという感じだったけど、一度観ているので、今回はまわりの人たちの反応を見て楽しむ。本命はブレイジング・リズム。こちらも人垣の後ろからの鑑賞だったけど、スロープになっていたので見やすかった。台風の名残でかなり強い風が吹いていたので、あおられた火がキャラクター衣装に燃え移りそうではらはらした。そんなスリルも加わって、本物の炎は迫力満点。最後のほうにシンデレラ城と同じぐらいの高さの火柱がゴーッと上がったときは大歓声が起こった。リズムと炎は人を熱くする。去年、東京ディズニーランドのスペシャルイベントで人気第1位を獲得したとかで、熱い期待に応えてこの夏帰ってきたブレイジング、来年も続投しそうな気がする。
■アトラクションはどこも長い行列で、バズ・ライトイヤーのアストロブラスターは160分待ち。穴場のウェストリバー鉄道(車掌さんの案内ナレーション、何度聞いても味があって楽しい)は10分待ち。地味だけど、あなどれない面白さ。他は何に乗るのも大変そうなので、お茶することに。はじめて入ったイーストサイドカフェは落ち着いた雰囲気で、飲み物のおかわりもできて、ゆっくりできた。


2004年08月29日(日)  東京都現代美術館『日本漫画映画の全貌』

東京都現代美術館にて日本漫画映画の全貌を観る。このところア二メーションにも首を突っ込んでいるので、中吊り広告を見て、気になっていた。日本での「漫画映画」の誕生からスタジオジブリの最新作『ハウルの動く城』まで、漫画映画の歴史を作ってきたクリエイターたちとその代表作を、絵コンテなどの製作過程資料と完成した映像で紹介。わたしにはまだまだ知らないことだらけなので、立体的でわかりやすい見せ方がありがたい。脚本にはじまり、キャラクターデザインや世界観のイラストが起こされ、モノクロのスケッチに色がつけられカレーのストーリーボードになり、セル画が描かれ、フィルムに焼き付けられ、動き出す。展示でその過程を追いながら、キャラクターと世界観に命を吹き込む作業の大変さと貴さを思い、胸がいっぱいになった。漫画映画をはじめた人は、「絵を動かしたい」という素朴で純粋な衝動に駆り立てられたのだと思うし、今アニメーションの仕事に携わっている人の多くもそうなのではと想像する。自分の書いた脚本の世界が動くところを見てみたいし、それが誰かの心を動かせたらもっとうれしい。そんな気持ちで書いていきたいと思った。■東京都現代美術館のある木場公園は、一時期ジョギングコースにしていた。公園のまわりの深川界隈は、深川めしや和菓子の店が並んで下町の風情があり、散歩コースにもおすすめ。「現代美術館はこちら。ちなみにここのお饅頭おいしいよ」なんて看板も楽しい。かかしコンテストを実施中だとかで、道のあちこちに風変わりなかかしが立っていた。半蔵門線の清澄白河駅ができて、ずいぶん便利に。

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