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主婦な私のつぶやき。。...はるっち

 

 

人妻の裏心 『皮肉な幸せ 28』 忘れかけた罪 - 2005年07月27日(水)

待ちにまった赤ちゃんは、自分のおなかをいためて

産んだだけあって、可愛くてしかたなかった。

小さな手、小さなあくび、何もかもが愛おしい。

どれだけ見ていても飽きやしない。

もう、誰の子であったとしても関係ない!

アタシの子には間違いないのだし。

そう、コウタはアタシの子!



夫も、当然といえば当然なのだが、コウタをとても

大事にしてくれた。

湯船につかれるまでに成長すると、夫は仕事から

帰ってくると毎日嬉しそうに、コウタをお風呂にいれてくれた。

過去に自分がしでかした罪も忘れるぐらい、幸せな毎日だった。

当然、もう子供の血液型を検査しなおそうという考えも

頭からは消えていた。



そして、コウタと夫とアタシと3人仲良く暮らしはじめて

1年ほどたったある日のこと、アタシの携帯が鳴った。

うっすらと見覚えのある電話番号が表示されている。

もしや・・・。




出てみると、やっぱり彼だった!

今更なに?

「もしもし?」

「ひさしぶりだね?元気してた?」

「ええ、まあ・・・。

 それにしても、また唐突ね?なにか用?」

冷たく答えるアタシ。

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まったく男ってやつは・・・。

(アタシの事が忘れられないんだったら、こんな1年もほっとかないで

 さっさと連絡してこい!っつーの。

 アタシは都合のいい女じゃないんだからね!)


と、言ってやりたいくらいだったが、やんわり断ることにした。

だが、その電話によって驚くべき事実を私は知ることとなった。








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人妻の裏心 『皮肉な幸せ 27』 限りなくゼロに近い希望 - 2005年07月23日(土)

この子を産むと決断してからは、アタシはこの子を夫の子だと

信じて毎日を過ごすように心がけた。


アタシのお腹が大きくなるにしたがって

夫の優しさも正比例するかのように増していく。

けれど、その優しさが増すにしたがって、アタシの判断は

間違っていたんじゃないのかと不安が募ったこともあったが

数ヵ月後アタシは男の子を無事に出産した。



夫は毎日、仕事が終わると病院に来てくれた。

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と、夫が言うたびにアタシの心臓は激しく鼓動した。



いったいこの子はどんな風に成長していくのだろう?

血液型がAB型でありさえすれば、どんな子に成長して

いこうと不安はないのだけれど・・・。




退院の日、赤ちゃんの採血がされた。

母子手帳に書かれた血液型は・・・

よりにもよって「RH(+)A型」だった。

一番可能性が低い血液型。

アタシは溜息をつきながら、母子手帳を閉じた・・・。



ただ、その中で赤いスタンプで押されていた文字だけが

アタシの最後の希望のようにみえた。

『新生児の血液型は100%の確実さがないから

 1年後位に再検してください。』











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人妻の裏心 『皮肉な幸せ 26』 確証 - 2005年07月22日(金)

アタシの誕生日から一夜明け、夫はいつものように

アタシの作ったお弁当を持って出かけていった。

一人きりになったアタシは、これからのことを考えてみた。



アタシの中に芽生えた赤ちゃん・・・産みたい。

だけど、夫の赤ちゃんじゃないかもしれない。

もし、それがわかったらみんなが一生苦しむことになる。

アタシは自分の犯した罪だから仕方がないとしても

なんの落ち度もない夫には酷すぎる現実だ。

そしてなにより、それを知った子供はどんなに傷つくだろう・・・。



ならば、夫の為にも、堕胎してしまったほうがいいのか?

でも、流産したといったら、夫はそれはそれでまた悲しむだろう。

いったいどうすることが、夫を一番幸せにすることができるのか?

改めて、たった1度の過ちを犯してしまった自分の罪深さに

打ちひしがれた。

快楽を求めて、地獄に堕ちる・・・・恐ろしい結末。




しかし、ほんの数パーセントだったが、幸せになる可能性もないことは

なかった。

そう、夫の子であることもありえるのだ。

もしそうならば、全ては解決する。

ただ、それを確認する手立ては現段階では、ない。

産まれてくるまではわからない。



産まれてきてからなら、唯一夫の子だと証明できるものがある。

それは産まれてくる子の血液型。

アタシはAB型。

夫はB型。夫の母はO型。父はB型。

つまり夫はBO型。


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その前に、夫の精子を密かにとって、病院にもっていってみようか?

もし、そこで精子がいなかったり、活発な運動がされていないと

宣告されれば、間違いなくアタシのおなかの子は彼の子になる。

夫の素晴らしさを知った今、他の男の子供だとわかったうえで

産むのはかなり辛い。

でも、今回を逃せばもう2度とわが子をこの手に抱くことは

できないだろう。


ただ、実際問題、夫の精子をとってもっていくことは

できないだろうし、夫も子供が生まれれば自分に子種が

ないなどとは考えないだろうから、生まれてきた子が

どちらの子であるかはアタシでさえも一生わからないかもしれない。

幸い、どんな血液型の男と交わって子供ができたとしても

アタシの場合、子供の血液型で夫に疑われる心配は一切ない。

アタシと夫の間にはO型以外は全てできる可能性があるからだ。


アタシさえ黙っていれば・・・もしかしたら全てはうまく

いくのかもしれない。

アタシは決断した!この子を産もう。

数パーセントの可能性に希望を託して・・・。





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人妻の裏心 『皮肉な幸せ 25』 許される嘘 - 2005年07月21日(木)

アタシは涙をエプロンで拭いながら話しだした。

「ほんとごめんなさい・・・あなた。

 私、実はあなたが毎週、女のとこに通ってるんだって

 思ってて・・・。

 それで、ちょっと最近イライラしてあなたに冷たく

 あたってたかもしれない。 ほんと、ごめんね?」



本当に謝りたかったことは、そんなことではなかったけれど

真実を言ってしまえば、せっかく修復された夫婦の絆が

プツリと切れてしまうに決まっている。

だから、夫に今言えるのはここまでなのだ。

いや、ずっとこの先もこれ以上の事は言ってはいけないのだ。

人生の中には、知らなければ幸せな事もある。

夫にとっては今がその時なのだと思う。

もちろん、これはアタシの勝手な思い込みに過ぎないかもしれないけれど・・・。




「やっぱりかあ。きっと誤解してるだろうなとは思ってたよ。

 でも、まあ誤解が解けてよかったよ。

 あ、ついでにロウソクまで溶けちゃってるじゃん!(笑)

 早くケーキ食べよう!」

少し明るくなってきた会話にアタシも安心し、ケーキを切り

分けていると、夫がまた嬉しそうにアタシに言った。


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思わずアタシは、ケーキののったお皿を落としそうになった。

そうだ、まだ問題が全てクリアになったわけじゃないんだ!



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人妻の裏心 『皮肉な幸せ 24』 誤解と真実 - 2005年07月19日(火)

「これは、、、もしかして誕生日プレゼント?」

信じられない出来事に驚いたアタシ。

今までに、夫がこんなきちんとしたプレゼントを

くれたことなんて1度もなかった。

もちろん、プレゼントは気持ちだけで十分なんだけど

やはり自分が欲しかったものだと尚更嬉しいのが本音。



「驚いた?(笑)」

夫が、少し嬉しそうにアタシを見る。

「うん。すっごい嬉しいけど、でも、これ、高いでしょ?」

「そりゃ、本物だからね。高かったよ。

 でも、以前にショッピングに行った時、可奈、

 これを欲しそうにみてただろ?」

あっ、あの時のこと覚えててくれたんだ。

アタシの行動をよく見ていてくれたことが、

なんだかとても嬉しくなった。

アタシのことを気にかけていてくれる証拠よね。



ついさっきまで、あんなにムカムカしていた事が

嘘のようにアタシの心は幸せでいっぱいになった。

「でも、こんなにお小遣い貴方にあげてないけど・・・

 どうしたの?まさかカード?」

カードで買われたら、結局支払いは家の口座に回ってくる。

一気に十数万円は痛い!

「まさか、そんなんじゃプレゼントの意味がないだろ?

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 可奈を驚かしてやりたくてね。

 だから、ずっと嘘ついてた、、、ごめんな?」


なんていうことなの!

アタシったら、、、アタシったら、、、とんだ誤解をしていたのね?

アタシはこんないい旦那に、

なんてことをしてしまったのだろう・・・。

そう思うと涙が溢れてきた。嬉し涙半分、罪悪感の涙半分。

「ごめんなさい・・・。ごめんなさい・・・。」

アタシは謝らずにはいられなかった。

「なんで謝るんだよぉ(笑)謝らなきゃならないのは

 こっちのほうだろ?ほら、、、風俗行っちゃったし。」

「ううん、ううん、もうそんなことはいいのよ。

 このプレゼントで帳消し。

 だけどアタシこそ、あなたに謝まらなきゃいけない事が

 あって・・・実はね・・・」







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人妻の裏心 『皮肉な幸せ 23』 誕生日に目覚めた悪魔 - 2005年07月18日(月)

しかし、1時間経っても夫は帰ってこなかった。

それがアタシの中の邪悪な部分をさらに増長させ、

再び復讐劇の別シナリオを思いつかせた。

まったく男っていうやつは・・・。


そう、彼だってアタシを1度抱いたきりで、

こっちから連絡しなければ、メールさえもよこさない。

好きだと囁く言葉も、女を落とす為の一時的な偽りの言葉。

そうよ、そんな彼にもオトシマエはつけてもらわなきゃ。

夫から養育費がもらえなかったら、彼から養育費をもらえばいい。

幸いなことに、アタシは彼の家も住所も、奥さんの名前も、

子供の名前も知っている。

離婚してしまえば、失って怖いものなどもう何もなくなる。

強気で何でもできるから・・・。

アタシってなんて怖い事を考える女だったんだろう。



すると30分ほど遅れて夫がもどってきた。

「ごめん、ごめん!遅くなって。さあ、お祝いをしよう。」

夫は、買ってきたケーキを食卓の真ん中に置くと

3本のろうそくをたて、ライターで火をつけた。

「可奈、誕生日おめでとう!」

・・・素直に喜べないアタシがいた。


「どうしたんだよ?元気ないよ?」

「元気ないのは、アナタのせいよ!」

思わずアタシは言ってしまった。

「えっ?なんで?」

「アナタ、旅行の日、風俗いったでしょ!」

さすがに、毎週女に逢いにいってるでしょ!とは言えず、

まずはそこから攻めてみることにした。


「はぁ?行ってないよ。」

当然のことながらしらをきる夫。

「もうバレてるんだって。○○さんとこの奥さんから聞いたし。」

「・・・・・」

しばらく沈黙したあとに夫は、その事実を認めた。

「ごめんなさい・・・。でも行きたくていったわけじゃないし

 もう行かないから。」


「もう、、、弁解しなくてもいいよ・・・。」

知っていた事実でも、やはり実際に夫に認められると

今までよりもさらに辛くなった。

こんなんじゃ、女の事を認められちゃったら多分

アタシは立ち直れないような気がする。

2人して沈黙し、気まずい雰囲気が流れた。



その雰囲気を打破するように

「こんな事になっちゃって、すごく渡しにくいんだけど・・・」

そういって夫がアタシに袋をさしだした。

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ええっ!?どういうこと?







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人妻の裏心 『皮肉な幸せ 22』 復讐劇 - 2005年07月15日(金)

そして、いよいよアタシの誕生日がやってきた。

毎年、自分でケーキを買ってきているのだけど

なんだか今年は買う気になれず、料理だけいつもより

豪華めにつくった。



「ただいま。」

夫が帰ってきた。

「おかえり。」

今日がアタシの誕生日だって覚えていてくれるかな?



ところが、夫はお風呂にはいった後、また服に着替えてる・・・。

まだ終わってなかったの!?

「あれ〜ケーキないじゃん?ちょっと出かけてくるから

 ついでにケーキも買ってくるよ。」

どうやら、誕生日は覚えていたらしいけれど出かけるようだ。


「えっ、どこに出かけるの?」

「1時間くらいで戻るから。ケーキ買ってくるね。」

「ケーキなんていいよ。今からもうお祝いしようよ。」

「ダメだよ。やっぱりケーキがなくちゃ始まらないし」

ケーキを買ってきてくれるのは嬉しいのだけれど、

どうも「ついでに」という言葉が引っかかる。

やっぱり、まだ誰かさんとは切れてないのだろうか・・・。

私の誕生日までも、誰かさんに逢うの?

もういい・・・・・・・。

「じゃ、行ってきて。」

アタシは冷たい口調で言った。

「うん。1時間くらいで戻るからね。待っててね。」

そういい残し、夫は今日も出かけていった。



もうダメかも・・・。

でも、自分ひとりでならやり直しもきくかもしれないけれど

おなかにいるこの子と2人では、苦労するかもしれないし・・・。

かといって、今更この子を堕胎するなんてことはしたくない!

というよりも、もうアタシにはそんな酷いことは出来ない。

自分の中に芽生えた命は、何にも変えがたいくらい可愛いのだ。



そういえば、テレビでも言ってたな。

「亭主がきちんとお金を家に運んできてくれているなら

 離婚するのはもったいないよ。

 苦労せずに安泰な生活が送れるんだから。

 多少の事は目をつぶって、自分が亭主を手のひらの上で

 ころがしてると思いなさい。」



確かにそうだよな。

今、別れたとしても身重なこの体じゃ働けない。

やっぱり、夫に自分の子ではないかもしれないこの子を

一生養わせ、どうにも夫の態度に我慢ができなくなったら

捨て台詞を言って別れよう。

「あなたが今まで可愛がってきたこの子は、

 本当は別の男の子なんだから!」

・・・って。

きっと夫は愕然として、苦しむだろう。

そして、そんな夫の苦しむ姿を見ることでアタシの復讐は完成する。

でも、アタシはハッと気づいた。

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アタシってなんてバカ!?

どうやら、この復讐劇はボツのようだ。

そんな事を考えているうちに、1時間が過ぎた。





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人妻の裏心 『皮肉な幸せ 21』 最後のチャンス - 2005年07月14日(木)

赤ちゃんが出来た事を知って、夫はなにかと気遣ってくれるようになった。

高いところにある鍋をとろうとして、ジャンプしていたりすると

慌てて飛んできてはとってくれる。

そして必ず一言、怒られる。

「だめだよ!もっと体を大事にして!」



本当に夫が、産まれてくる赤ちゃんを待ち望んでいることが

アタシには痛いほど感じる。

だが、そうかといって夫は週2日の外出をやめることはなかった。

アタシはもう一度だけ尋ねることにした。


「ねえ、どこへでかけるの?」


「ん?ほら、飲みに誘われてっていってるじゃん。」


「どうして毎週同じ曜日なの?相手は誰?」


「色んな人から誘われちゃうから、たまたま同じ曜日に

 なっちゃってるのかな・・・。」

しどろもどろに答える夫。


あまりにも白々しいので、いい加減アタシも頭にきて怒鳴った。

「そんなに重なるわけないじゃん!

 そんなに嘘ばっかりついてるなら、アタシもうこの子

 産まないから!」


「おいおい、、、ちょっと落ち着けよ。

 やっと出来た俺達の子なんだぞ?

 馬鹿なこといってるんじゃないよ。」


「じゃあ、本当の事言ってよ!」

少し涙目になりながら、夫を見た。


「わかった。じゃあ言うよ・・・。

 確かに、毎週飲みにいってるのは嘘。

 騙してて悪かった。

 だけど、悪いことはなにもしてないから、信じて欲しい。

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この期に及んでまだ嘘をつく気か!あなたって人は・・・。 

そんな趣味なかったじゃない。

それにそんなことなら、わざわざ嘘つく必要もないわけだし。

アタシを気遣っての嘘なの?

もう少しましな嘘は考えつかないの!?


「わかったわ。じゃあ、アタシも子供ができたわけだし

 一人でいると心細いの。丁度、来週はアタシの誕生日。

 アナタが出かける日だけど、行かないでくれる?

 ううん、もう今日で最後にしてきて!」


嘘だとわかりつつも、信じたフリをした。

そして、これが最後のチャンス。

これだけいって、まだ続けるようなら・・・別れるわ!


「大丈夫。来週からは行かないから。今日だけ我慢してね?」

そう言うと、夫はバタバタとまた出かけていってしまった。


本当に夫はアタシのもとにもどってきてくれるのだろうか・・・。

アタシの誕生日は1週間後。





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人妻の裏心 『皮肉な幸せ 21』 大きな過ち - 2005年07月13日(水)

毎週、毎週よくも飽きもせず疲れもせず出かけていくものだわ

と、夫に嫌味の一つでも言いたいところだけど、

重大発表をしないといけないので、アタシはグッと我慢した。

夫が毎週出かけていく先を、相手を、

浮気している証拠を掴んでからじゃないと言えないから。


しかし、時折気持ち悪そうな態度をするアタシに

夫も気がつかないわけがない。

「どっか悪いのか?」

心配そうに気遣ってくれる夫。

証拠を掴んでから・・・と思ったけど、

今がチャンスのような気がして、とうとうアタシは夫に告げた。

「あのね、赤ちゃんが出来たみたいなの・・・。」

「えっ!?」

しばらくの間、夫は呆然としていた。



まさか、なにか感づいてる?

どきどき、、、どきどき、、、、アタシの鼓動が

急速に激しくなっていく。

静まれ、、、静まれ、、、、気づかれちゃう・・・。



「ほんとに?赤ちゃんできたの?病院いって確かめたの?」

「うん・・・。」

夫はじっとアタシの顔をしばらく見つめた後に

大きな声で奇声をあげた。

「うぉーーーーーーーー! やったー!」

そして、夫はアタシをギュッと抱きしめると

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そう言ってアタシの唇にキスをした。

夫の広い胸に抱きしめられながら、アタシは思った。

妊娠を告げたのは、大きな過ちだったんじゃないかって・・・。








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人妻の裏心 『皮肉な幸せ 20』 悪魔の囁き - 2005年07月12日(火)

「おめでとうございます。2ヶ月目にはいるところですね。

また2ヶ月したら来て下さい。」

医者が淡々とした口調でアタシに告げた。

診察室を出ながら、アタシは思わず涙がこぼれそうになった。

残念ながらうれし涙ではなく、困惑の涙だったのだが。



10年以上出来なくて、もうあきらめていた赤ちゃん。

それが今アタシの中に芽生えている。

ああ、なんていうことなの!

本来なら手放しで喜べる事なのに、今のアタシにはそれが出来ない。

夫の子供であるはずの、アタシの中のこの子が

よその男の子供なのかもしれないなんて・・・。



前回の生理が終わってからは、夫と交わったのは

彼と交わった翌日の1度だけ。

そして、彼と交わったのもその時の1度だけ。

どちらとも避妊せず・・・。

まさか子供が出来るなんて考えもしなかった。

アタシは子供が産めない体なんだとばっかり思ってたから。

なのに、こうして身ごもった。

と、いうことは?

まさか、夫のほうに原因があったの?

ううん、ちょっと待って。冷静に考えるのよ。

本当に夫の子かもしれないし、、、

でも、確立的には半分以下・・・。

10年以上できなかったのに、今更出来るとは考えにくい。

やっぱり彼の子なの?

どうしよう・・・・・・・・。



子供が出来たことを、夫にいってしまったら産まざるをえない。

そして夫は、それはそれは、アタシの事を大事にしてくれるだろう。

しかし、産まれてくる子は夫が最も嫌うアタシと寝た男の子供

かもしれない。



アタシが言いさえしなければ、わかる事はないだろうけど

一生夫を騙していくことに、果たしてアタシは耐え切れるのか?

でも、この子を亡くしたら、アタシは一生子供を授かることは

ないのかもしれない・・・。

それに、少し離れてしまった夫がアタシのもとにまた帰って

きてくれるかもしれない・・・。

これは神様がアタシに下した不倫に対する罰なのか?

それとも、目を覚まさせる為のチャンスを下さったのか?


その時、アタシの中の悪魔がそっと囁いた。

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そう考えたら、アタシの胸のつかえはスゥーっと消えた。









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人妻の裏心 『皮肉な幸せ 19』 浮気を知ってしまった辛さを貴方にも・・・ - 2005年07月11日(月)

浮気を知ってしまった故の辛さを、

夫にもあじあわせてしまおうか・・・。

一言「他の人とシマシタ」というだけで

夫の怒りはマグマのように噴火するだろう。

怒りをぶつけられたら、「あなただってしてるじゃない!」と

言い返してやればいい。

だけど、結局は夫が浮気をするよりも

妻が浮気をするほうが世間的には許されないこと。

そう、一時だけの感情で自分を追い詰めるのはバカらしい・・・。

じゃあ、いったいどうしたら、このやり場のないアタシの怒りを

鎮めることができるのだろう?



そんな事を考えていると、また気分が悪くなった。

うっ!

吐きそう。

急いでキッチンに向かった。

かといって、出たのはツバだけだった。

あれ?

生理予定日はいつだったっけ?

えっ!?もう3週間も遅れてる?

妹の世話、夫の浮気、、、いろんなことがあって狂っちゃったのかな?

アタシは生理不順だったので2週間くらい遅れることはよくあった。

だけど、3週間以上遅れることは今までになかった。

まさか・・・妊娠?

ううん、そんなことはないはず。

だって10年以上避妊なしでしてたって出来なかったんですもの。

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本当に小さな命が芽生え始めているのだとしたら・・・。


参考日記





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人妻の裏心 『皮肉な幸せ 18』 お互いさま・・・ - 2005年07月10日(日)

彼女との電話を切り、アタシは溜息をつきながら

リビングのソファに腰を下ろした。


アタシ以外の女を抱いたんだ・・・。

多分、夫は他の女と浮気してるんだって思っていたけど

まさか社員旅行に行った時も、違う女を抱いたとは・・・。

アタシじゃもう満足できないっていうこと?

いろんな思いが駆け巡る。



そして、ふと気がついた。

旅行の夜に珍しく夫から送られたメール。

あれは、アリバイ工作だったの!?


そう思うと、無性に腹が立った。

メールをもらい、自分のした事の恐ろしさを実感し

夫を愛おしいとまで思い、携帯を握り締めて涙したのに・・・。

あの時のアタシはなんだったの!

馬鹿みたい、馬鹿みたい、馬鹿みたい、、、

自分の事を棚に上げ、夫を酷い人だと思った。



アタシが彼に抱かれている時、夫も他の女を抱いていたんだわ。

ふっ、考えると大笑いだわ。

お互い様じゃないの。



でも、うまくできているものね。

「自分がしたことは、必ず自分にかえってきます。」

これは、アタシが新入社員の時に行った研修で

講師の人が言ってた言葉。

本当にあるんだね・・・そういうこと。

ああ、なんだか胸がムカムカする。



ソープで他の女性を知り、そして他の女性に目覚め

毎週出かけるようになってしまったの?

相手はいったいどこで見つけたの?

それとも、その時のオネーチャン?

そんなわけはないか・・・。

疑問符が頭の中をグルグルまわりだす。



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それを言えば、今までの幸せだった生活は間違いなく

崩れさってしまうんだろうけど・・・。










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人妻の裏心 『皮肉な幸せ 17』 眠れぬ夜 - 2005年07月09日(土)

彼から連絡がこないことよりも、夫が毎週決まって2回

出かけていくことのほうが気がかりだった。

飲みに行ってくると出かけていくわりには、帰ってきた時に

お酒の匂いは感じ取れない。


貴方はいったい何処へ毎週出かけていくの?

貴方はいったい誰と一緒に時を過ごしているの?

貴方はいったいそこで何をしているの?

貴方はいったい・・・


そんなことを考え出すと、なかなか寝付けない。

貴方が帰ってくるのはいつも午前1時をまわっている。

本当は貴方が帰って着た時、アタシはまだ起きているのよ?

でも、アタシが考えている事が妄想でなく

現実になってしまう事が怖くて、貴方に問い詰められない。

貴方がアタシの横で寝息をたてはじめても、アタシは

胸がどうにも苦しくて眠れない・・・のよ。



アタシは浮気相手の彼にこう言った事がある。

「いっその事、旦那も浮気してくれてたら楽なんだけどね(笑)」

でも、そんな簡単なものじゃなかったみたい。

夫が他の女と浮気しているかもって、考えただけでも

こんなに苦しいんですもの・・・。

考えすぎて眠れないせいか、なんだか体がだるい。

けれど、妹が帰るまでは、そんなアタシの心の内を悟られまいと

アタシはなんとか毎日の家事や世話をこなしていった。


そして、妹が家に来て3週間。

妹は旦那さんのお迎えで、赤ちゃんと3人仲良く家に帰っていった。

途端に、今までの緊張の糸がきれたように

アタシはどっと疲れにおそわれて、リビングでウトウトしだした。


すると、けたたましく電話が鳴った。

夫の同僚の奥さんで、アタシとも友人の美智からの電話だった。

「ねえ、ちょっと社員旅行の時の事知ってる?」

唐突に言い出す彼女。

「何を?」

「あれ?知らないの?知らないならいいや・・・。

 聞かなかったことにしといて。」

そんな意味深な聞き方をされて、聞かなかったことに

できるはずがない。

「えー、何よ?そこまでいったなら教えてよー。」

「いいのかなぁ・・・言っちゃって。

 私がいったっていわないでよ?

 実はさ、旅行の日、○○くん(アタシの夫)

 風俗に行ったらしいよ。」

「マジで?」


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あの〜そういう問題じゃ・・・・^^;




参考日記





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人妻の裏心 『皮肉な幸せ 16』 不倫のタイプ - 2005年07月07日(木)

夫は今まで同僚や友人と飲みに行く時には

仕事を終えた後そのまま行くことがほとんどだった。

また、一旦家に帰ってきてお風呂に入ってしまうと

誘われても出かけたくないという人だった。

それなのに、ここ何回かは家に帰り、風呂にはいってから

出かけていく・・・。



たまりかねてアタシは聞いた。

「ねぇ、今日も出かけるの?」

「ああ、○○さん(客先の人)に誘われちゃってさ〜。

 本当は行きたくないんだけどね。」

取引先の人といわれたら、行っちゃダメともいえないし

「そっか。気をつけて行ってきてね。」

と、つとめて明るく見送った。


夫が出かけ、その様子を見ていた妹が言った。

「お兄ちゃん、なんかよくでかけるようになったね?

 お姉さんも、ガツンといわないとダメだよ(笑)」

そうは思うのだけれど、なにせ自分がやましい事を

しているだけに、強く言えないのだ。

墓穴をほりそうで怖いし・・・。



アタシは、家庭が円満な時は、他の事にも興味は

人一倍わくけれど、夫とケンカしていたり、

夫とうまくいってないと、なにもできなくなる性格だ。

当然、彼のことだってどうだってよくなってくる。

実際、彼からもあれから連絡ないけれど、さほど気にならない。



不倫をするタイプは大まかに2つのタイプにわけることが

出来ると思う。

まずは、夫婦仲がうまくいってなくて、他により所を求めるタイプ。

もう一つは、家庭は円満なんだけど、さらに刺激がほしくてというタイプ。

多分、アタシは後者のほうなんだろう。



だから、メッセが偶然彼と繋がった時、彼が

「早く逢いたいね^^好きだよ、可奈。」

と、打ってくれても、しばらく返事が出来ず

「可奈は?」

と、催促されてついこんな事を打ってしまった。

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「そっか。そんなこというと家に遊びに行っちゃうぞw

 ま、それは冗談だけど、いつでも連絡ちょうだいよ。

 好きだよ。可奈^^」

そんな彼の返事に

「は〜い(笑)」

と、明るくレスをしたが、心の中ではわかっていた。

彼が本当にアタシを好きなわけがない。

好きならこんなに連絡とらなくて平気なわけないもの・・・。



案の定、アタシもメッセにもログインしなくなったけれど、

彼からの連絡も一切なくなった。

結局、ネット不倫なんてこんなものなのよね・・・。

それでもアタシは寂しくなかった。

それ以上に大きな問題がアタシを襲いはじめていたから・・・。









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人妻の裏心 『皮肉な幸せ 15』 不安 - 2005年07月05日(火)

妹とテレビを見ながら話をしていると

アタシのジーンズのポケットで携帯がブルブルと振るえだした。

妹に気づかれないよう、なにげなくその場を離れ自分の部屋へ。

だが、部屋にはいると電話は切れてしまった。

着信履歴には、彼の番号!

おまけに伝言がはいってる。

「これを聞いたら電話を下さい。待ってます。」と。


電話をかけちゃダメっていってあったのに・・・と、思いつつ

彼から連絡があったことが嬉しくてたまらない。

折り返し電話をかけた。

「もしもし。」

「いや〜、ひさしぶりだね。元気?」

そう聞かれて、つい本音が出る。

「全然連絡くれないから、もう捨てられちゃったのかと

 思ったわよ。」

「そんなはずないじゃん。ちょっと仕事も大きなのがはいってててね。

 でも、可奈こそ連絡してくれなかったじゃん。

 こっちのほうが心配したわ(笑)」

その言葉を聞いただけで、アタシの今までの胸の苦しさは

すっかり解消した。

ほんとに、言葉一つだけで人の心は変わるものなのね。

妹にこんな会話を聞かれてもまずいので、お互い近況を

少し話して電話を切った。



その電話いっぽんで、それから彼のことをそれほど考えることは

なくなり、カワイイ赤ちゃんと妹と穏やかな日々をすごしていた。

ところが、妹と赤ちゃんが一緒に暮らすことによって

どういうわけかアタシと夫との関係が微妙に狂ってきている

ように感じ始めた。

今まで、アタシ達は結婚して10年もたつというのに

何処へ行くにも一緒で、いつも近くにいた。


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でも、それはもう2人ともあきらめていたことだし・・・。

関係ないはずだ。



それなのに最近は、夫は一人で出かけることが多くなり、

どこかよそよそしい。

もちろん、妹がいるから家でいちゃつく事も

妹を残して長く外出することもできないんだけど・・・。

そう思っても、今までにない行動にアタシは少し不安になった。

もしかして、アタシのした事がバレたの?

それとも・・・。

そんなことを考えると、アタシの胸はまた苦しくなってきた。





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人妻の裏心 『皮肉な幸せ 14』 Hした後の男と女の気持ちの違い - 2005年07月04日(月)

アタシが彼と逢うのはこれが最後だと思ったのには、訳がある。

実は、夫の妹が出産を終えたら、ここにしばらく戻ってくる。

アタシの義母つまり夫と義妹の母はすでに亡くなっている為、

アタシが彼女と赤ちゃんの面倒を1ヶ月ほどみることが決まっていた。


だから、昼間何時間も留守にすることは出来なくて

彼と逢う時間も当然とれなくなると思ったのだ。

義妹が帰ってから逢おうと、彼は言ったけれど

たぶん逢えない1ヶ月の間に、彼の気持ちもアタシの気持ちも

変わるだろうと思っていた。



彼と交わり、夫とも翌日交わり、彼のことは忘れられると

思ったはずなのに、女とは不思議なもので

自分の身をささげた相手を、そう簡単に忘れることなど

できないらしい。


彼の声が聞きたくてしかたがない。

彼からの連絡が待ち遠しくて。

彼にもう一度逢いたい・・・。

そんな気持ちで、アタシの心ははりさけそうだった。

こんなに色恋沙汰で苦しい気持ちになったのは

何十年ぶりだろう・・・。


自分からもメールを打ったり、電話をかけたりといった連絡は

とらなかったが、彼からも3日たっても4日たっても連絡は

こなかった。

ますます、アタシは家事も手につかないほど苦しくなった。

そして、アタシは彼にあんな約束をしたことを初めて後悔した。

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そうしてお互い連絡をとりあわないまま、数日が過ぎた頃

妹が退院して、家にやって来た。

生まれたての赤ちゃんは、なんてカワイイだろう!

しばらく苦しかったアタシの心が、幾分和らいだ。



それにしても、

「俺はHしたら、やっと自分をうけいれてくれたんだなって

 思うから、安心して落ち着くなー。」

と、彼が以前に言ってはいたけれど、こんなにピタリと

連絡をくれないなんて酷い。

もしかして、アタシはただの一度限りの女だったのですか?


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人妻の裏心 『皮肉な幸せ 13』 夫とのセックス - 2005年07月02日(土)

翌日、夫が旅行から帰ってきた。

たった1日しかたっていないというのに、妙に懐かしい。



その夜、アタシはどうしても夫に抱かれたくなった。

前日に犯してしまった罪を忘れたい為なのか、

それとも、感覚なくイケなかった体の不満を

解消するためなのか、どちらであるのかは

自分でもわからなかったが、とにかく夫と一つになりたかった。



アタシは横で寝かかっている夫の股間のあたりを

なにげなくふれてみた。

すると、すでに夫のモノは誇張していた。

それに安心した私は、シャツの下に手を差し込み

夫の乳首を刺激した。

それでも夫はアタシをおそってはくれない。

そこで今度は、シャツをまくりあげ、乳首を舐めてみる。

舐めてみたり、吸ってみたり、、、。



すると、ようやく夫は上体をおこすと、アタシの上に

覆いかぶさってきた。

パジャマの上から、胸をまさぐりながら、首筋を舐める。

ああん、、、

その喘ぎ声が開始の合図だったかのように

夫は獣に変身した。



アタシのパジャマを脱がすと、ブラも一気にはずし

上半身を裸にさせ、首筋から降りてきた舌先が

アタシのおっぱいをぐるりと舐めまわした。

外側からだんだん内に・・・そして、とうとう乳首へと

舌先が到達する。

体をビクビクッと痙攣させて、アタシは喘いだ。


あぅ、、、、気持ちいぃ、、、



チュパチュパと音を立てながら乳首を吸ったりしながら

夫の右手がパジャマのズボンの中に入り、パンティの上から

アタシの茂みのあたりを撫で回す。

アタシはこらえきれなくなって、自分でズボンを脱ぐと

夫のズボンも、パンツも脱がした。

暗闇の中でも、夫のモノがいきりたっているのがわかる。

そっと握ってみる、、、硬いわ、、、。

あまりの硬さにちょっと嬉しくなったアタシは

体の向きを逆にすると夫のソレをパクリと口に含んだ。


ああん、大きいわ〜。


口を上下に動かすと、ジュボジュボと音がでた。

口からソレを抜くと、今度は舌をつかって愛撫した。

裏筋をツツゥーと舌先で舐めあげながら、

先汁とアタシの唾液で濡れた硬いモノの先っぽを

指の腹で円を描く様に滑らせる。



うぅ、、、

気持ちよさげな声を出す夫だったが、突然アタシの手を

とめると、今度は夫がアタシのクリを舌先で苛めてきた。

すでにアタシのアソコもグッショリ濡れている。

舐めながら指を入れると、グチュグチュとイヤらしい音がして

その音がまた快感の度合いを高めてくれる。


「ねぇ、、もういれてぇ〜、、、」

我慢出来ずに夫に懇願する。

「すぐでちゃうかもしれないよ?」

「ああん、いいってばぁ〜」


そして、夫はアタシの中に硬くて太いものをいれてくれた。

「ああ〜ん、いぃ〜」

夫はアタシの足を高く掲げ、自分の両肩にのせると

グイグイと突いてきた。


「いやぁぁぁん、いぃ〜〜」

ベットがギシギシと音を立てて揺れている。


「ああ、もうだめだよ、、」

夫がそういうと、硬いものがさらに硬くなっていくのを感じ

アタシもイキそうになる。

「ああ〜ん、イク〜〜〜〜〜〜ぅ」

「うっ!」

2人とも同時にイッた。

夫はアタシに倒れこみ、しばらく抱き合っていた。

ああ、やっぱり夫が一番だわ・・・。

夫を抱きしめながら、あらためてそう実感した。

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ほんとうによかった・・・。




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人妻の裏心 『皮肉な幸せ 12』 せつなさと愛しさと後ろめたさと・・・ - 2005年07月01日(金)

彼に突かれる振動で、体が揺さぶられ、アタシの頭の中が

ぐるぐる回りだす。

ああっん、、イィ、、、、、

叫びながら、意識を失いそうだった。

そう、快感ゆえの失神ならばいうことないのだが、

残念ながら、酔いからの呆然だった。

そんな感じでアタシの2度目のバージンは

いつのまにかなくなった・・・。



行為が終わる頃になると、だんだん酔いもさめはじめ

自分のいる状況、自分がおかしてしまった事への恐ろしさが

急に現実的になってきた。

もし、家に夫から電話がかかってきたらどうしよう?

もう12時をすぎてるし、なんて言い訳をすればいいのだろう?

そう思うと、抱かれた余韻を楽しむ余裕もなくて

アタシはそそくさと服を着だした。

「もう着るの?早いね・・・。」

彼は少しあっけにとられたようだった。


「うん、もし旦那から電話あったらまずいから・・・。」

「そっか。じゃあ、もう帰るの?」

「うん。」

今思えば、彼に対してとても失礼な行為だったと思う。

そしてさらに失礼極まりない言葉を帰り道に

アタシは悪気なく言った。

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男にとったらひどく傷つく言葉だよなと、家についてから申し訳なく思った。

別れ際、車の中で彼は「キスしよう」と私を抱き寄せた。

いくら雨が降っているとはいえ、こんな家の近くで・・・。

「誰かにみられたらマズイから・・・」

「大丈夫だって。こんな夜更け誰もいないよ。ねっ?」

そういわれて、キスをした。

今頃になって、感覚がもどってきたようで心地よかった。

けれども、時すでに遅し。



「今日はありがとな。またね。おやすみ。」

彼のその言葉に少し寂しさを覚えながら、

アタシは誰もいない家へと帰っていった。



しかし、雨音だけしか聞こえない部屋で

ひとりでいると急にせつなさがわいてくる。

声が聞きたい・・・。

でも、電話するのがなんだか出来なくて、メールを送ると

ほどなくして、彼からの返信。

「可奈、好きだよ。 おやすみ^^」

いつもながらに短文だ。

ほんとは声をききたかったのに・・・。

余計せつなさが募ってまた眠れなくなった。



すると、またメールが届いた。

あ、まだおきててくれたんだ?

嬉しくなってメールをみると、それは夫からだった。

普段メールをくれることなど一切ない夫がアタシにメール?

「今、部屋でひとりでテレビみてます。」



そのメールをみた途端、アタシの心は彼へのせつなさから、

今度は一転して夫への愛しさとうしろめたさに変わった・・・。



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