日々のあわ
あかり 



 自由になりたいんだか不自由になりたいんだか。

そういっていた人が居たけれど、
不自由な幸せについてはここで以前書いたとおり、
いまでも変わらない。

3ヶ月前に突然方耳が聞こえなくなって、耳鳴りと眩暈などが辛くてやむなく仕事を休職した。
聴力はもどらなかった。右耳は聾になった。

今では眩暈も頭痛もなく、日常生活は普通に過ごせるようになった。聞き取れなくてイライラすることもない。
あと2週間かぁ・・・・と思う今、この3ヶ月をちょっと振り返ってみた。

同じ職場で10年以上働いていて、その間私は通算26ヶ月仕事を休んでいる。
3ヶ月休職してスペインへ踊りの勉強をしに行った。(今じゃ考えられない:汗)
育児休暇を2回とった。
そして今回は3ヶ月の病気休職だ。
今回の休みの時間はちょっと特別だった。あたりまえだけど、身体のことなので自分の我が通らないのだ。
いくら、「私はこうしたい!」と主張したところで意味がないから。
治療に専念するための時間だからだ。

過去の日記を読んでみると、「自由になりたい」とか「破壊したい」とか「創造したい」とか「自分でいたい」とか、
「個でありたい」とかなんとかかんとか、色々言っている私がいる。
ずっとそう思ってきたし、今でもそれはそうだと思う。

けど、この3ヶ月でなんだか私は変わってしまった。
自分の意志ではどうにもならない病気になったからかもしれない。
本当の意味で家族とゆっくり向き合えたからかもしれない。

この時間がなければ得られなかった大事なものが、今後の人生の進むべき道しるべになっている気さえする。

自然に流れて変わってゆくってことか。
豊かな気持ち。らくちんな気持ち。







2004年07月29日(木)



 雑記です。

BLOGの方の調子が悪かったので日記書いていませんでしたが、やっと安定してきたようで。よかったです。長かったですね・・・。
いろいろ騒がれましたが、
「ことごといっさい良くなるための変化」と坊さんのように心で唱え、怒らないでおきましたよ。
コメントが消えちゃったのにはプチ怒りでしたけど。
すこし安定してきたようなので、皆様引き続きよろしくおねがいします。

アクセスできなかった間の出来事。箇条書き。


ハリポタ観ました。面白かったです。3人とも成長してましたね。。。ちょっとロンがかっこいかったです(意外だった:笑)。
タートルネックのセーター着せてギター持たせてみたいです(趣味的妄想)
あ、ゲイリーはもちろん素敵でしたよ。怪優万歳!
長男Rはハリポタの世界が大好きです。羊皮紙や羽ペンを欲しがります。ホグワーツ特急に乗りたがります。バックビークに会いたくてたまりません。
えぇ。まったくもってロマンチストな小学生です。

総勢30人(9家族)でキャンプに行きました!長男Rの保育園時代の仲良しさんたちです。川で泳いだり肉焼いたり、
スイカ割ったり花火したり。小学校がばらばらなので、3月の卒園式でバイバイした子供達の成長した姿と、4ヶ月のブランクなどなにも感じさせない子供達の柔軟さが眩しかったです。
「○○ちゃんママ〜」ではなく、「椿ちゃ〜ん」と呼んでくれる友達たちも相変わらずでした。

嫁になって10年、ずっと心に描いていた夢がかなってかなり嬉しかったです。感涙でした。嬉しかったので、父と母を夕食に誘って、
久々に精一杯の手料理でおもてなしをしました。そして、この人たちの娘になってよかったなぁとしみじみ思ったのでした。

声が出なくなりました。「耳に続いてこんどは声か?!」と恐怖を覚えました。全くでないのです・・・・。
まぁ、風邪なんでしょうけど。こんなに怖いと思いませんでした。ちなみにまだあんまり出ません。オカマちゃんちっくな声です(笑)
言いたいことがすぐに言えないってストレスたまるもんですね。ふぅ。

そんな感じで、職場復帰まであと2週間?!カウントダウン開始です・・・・(黙)
も、もどれるのでしょうか。あたし。。。。


2004年07月26日(月)



 あなたじゃないと・・・。

世の中にこれだけ沢山の人が居るって言うのに、
どうしてこの人じゃなくちゃ駄目なんだろう・・・。

優しい声をかけてくれたり、手を差し伸べてもらったり、
大事にしてくれる人は他にもいるのに、
どうしてあの声とあの手じゃないと駄目なんだろう・・・。



もうずっと前の、恋をしていた頃のそんな気持ちを、
うっすらと思い出す出来事があって、
切なさと懐かしさに一人ものおもいに耽る椿@3●才。

人を想う気持ちは年齢とともに変化してきた上に多種多様になった。
また、あの頃のように色恋だけではなくなって、想われる気持ちもいろいろだ。

私が入院しているときにずっと我慢していた長男Rが、一度だけ爆発して
「ママじゃなくちゃだめなんだよぅ」と大泣きしたらしい。
(それが何故かトイレでウンチをしているときに突然泣いたらしく、ちょっと可笑しかったけれど。)
私じゃなくちゃ駄目なのか。

こんなにストレートにその人だけを求める姿は切実だ。

昔、祖母が危篤状態だったとき、無口だった祖父が突然食卓を叩いて
「ここに座ってないとだめなんだよっ!なんで居ないんだっ!」と祖母がいつも座っていた場所を見つめて泣いたことがあった。


人が人を求める気持ち。
報われるか報われないかは別として、そんな風に他人を求めることができたらそれはそれで幸せだ。
受け止めてもらえなくて死ぬことまで考える人もいるけれど、全身全霊で人を想うって、とても素敵なエネルギーだよ。

「ソウルメイト」っていう言葉にとても興味があるこの頃。
それについてはまた後日・・・書けたら書きます(笑)













2004年07月12日(月)



 流れてゆく。

ジャングルジムの上で頬に落ちてきた
温かい雨。

夕立ちの後の夕日の赤。


染められた空の赤に 僕は君は沈んだ
あてのない 足跡を残したまま
【What is love】


夕日をみると条件反射でこの歌を口ずさんでしまう。


懐かしい気持ちで空をみあげ、
「あぁ、私の休みもあと一ヶ月かぁ」と思う。
なんで休んでいるんだっけ。
そうそう、耳が聞こえなくなったからだよ。
突然生活ががらっと変わったんだったよ。
ほんとにまた働きに行くのかな。

人生が思わぬ方向に転んで行くのはちょっと楽しい。
計画通りに行かなくても、そこに何か意味があるような
気がしてしまうお得な体質なのだ。

雲の流れが早いなぁ。

♪浮かぶ雲のように 誰も僕をつかめない♪

下駄を履いた足をパタパタさせながら、また鼻歌をうたう。

さて。何処へ行こうかな。










2004年07月10日(土)



 フェルメール「画家のアトリエ」


平日の上野。眩しい日差しの中公園を抜けて東京都美術館へ、【栄光のオランダ・フランドル絵画展】を観にいってきました。

前日、突然友人に誘われ、そういえば映画「真珠の耳飾りの少女」も見逃してしまったし、アジアで初公開のフェルメールの「画家のアトリエ」も見たかったので喜んでお誘いにのってしまった。

公園を歩きながら、“耳が聴こえなくなって仕事を休んで平日の昼間に美術館に行くなんていう夢のような時間を得ている私”は不幸なのか幸福なのか、またもや夢か現かっていう感覚に襲われつつも、嬉しさでニヤニヤしていたと思います。

16,17世紀のオランダ・フランドル絵画。
巨匠ルーベンスやファン・ダイクの作品もあり、聖書、神話、風俗、風景といろいろなモチーフの絵画が展示されていたけれど、
ほとんどの人の目的はフェルメールだろうなぁ。という感じで、「画家のアトリエ」の前はすごい人垣でした。

フェルメールの作品は30点ほどしかないそうですね。ファンが多いし、有名だから、30点というのは意外でした。
ウィーンでも修復やら貸出などでなかなか見ることができないのに、その絵が東京で観られる!ということで全国から人が集まってきているそうです。

遠近感が巧みで有名ですが、確かにその寸分の狂いもない距離感にすーっと引き込まれるような感覚でした。
そしてその光と影。
モデルの女性にふりそそぐやわらかい光。画家の足元にできている影。自分が部屋の陰からこっそり覗き見ているかんじで
ひきつけられました。
もう、無性に「真珠の耳飾りの少女」が見たくなってしまった。時すでに遅し。吉祥寺で今日までやってたのに。
またじっとDVDの発売を待つか。ぐぅ。

他の絵もとてもよかったので満足でした。
神話をモチーフにしている絵画は結構すきです。画家によって神々の顔が全然ちがったりして面白い。
バッカスは美青年だったり、ふとっちょの中年だったりします。軍神マルスはかっこいいイメージだったけど、今日見た絵のマルスは
ものすんごい弱そうなオッサンでした(笑)
スプランゲルが描いたケレスとバッカスがとってもエロティックでよかったです。肌質が素晴らしい!匂いたつような感じでした。

それから、風俗画もよかったです。日常生活を描いた作品になぜか心が奪われました。
花に水をやる婦人(節度を表しているらしいです。何事もやりすぎるのはよくない、ということか。)
子供の横でりんごの皮をむく婦人(平凡なあったりまえの光景が神々しくみえたのは、自分のいまのコンディションによるものか。)
などなど、とてもよかったのです。

病院にいかなければならなかったので慌しく帰ってきましたが、心に再び栄養が。
明日への活力。
大切なもの。私にとって大切なもの。
ちょっと遠出で疲れたけれど、心は瑞々しく潤っております。満足。









2004年07月02日(金)
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