f_の日記
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 うしろめたく

泣き言のような言葉しか
うかばない時もあって

自分のことを
うしろめたく思う

それは誰かに縋りたいからか
受け止められたいだとか

どのみち

甘えたいだけのような気がして

なんだかちょっと
うしろめたくなるのです

2007年07月20日(金)



 夏の星座

こぼれ落ちそうな星空を見ていると
ちっぽけな自分が胸の奥に染みてきて

今よりもっと星の瞬く時代に
人々はそこに何を見ていたんだろうか

きっと理屈とか科学とか差し引いても
にんげんってそういう風に出来ているんじゃないかなんて

いやまあ

にんげんってそこなんじゃないかなんてさ

2007年07月10日(火)



 時計

止められない時計もある
  
けれど


それにあわせなくていい時もある



2007年07月05日(木)



 水無月

雨に濡れている紫陽花を
ほんの少しながめていた

傘を差している自分が
ちょっぴり滑稽に思えて

街にひびく雨音に耳をすませば
コンクリートも人と森とをつなぐ手段にもなるさと

詭弁にも韜晦にもならない妙な理屈で
斜めに見える世の中をたまには修正する

空は何処までも高く
地平線は何処までも続く

地図でわかった気になるんじゃなくて
旅をしながら確かめていくこと

人はそんなに狭いところに閉じこめられてやしない

明日雨が降るのかなんて
たいした出来事じゃないのかもしれない

紫陽花をながめながら

人知れずそんなことを思った

2007年07月04日(水)



 僕らの想いは何処へ行くのだろう

空と雲と風が
胸にせまるように

目に見えない夏の姿を
其処に連れてきている

それを懐かしむ心と
遠巻きに儚む抒情と

いつかこの空も雲も星さへも
きえてなくなる時がくるというのに

そんな刹那になんの意味があるのだろう
そんな想いに何の価値があるのだろう

何か特別な気がして
とても大切な気がして

日々に感謝すること

誰かの潔さや
顧みない鋭さに

道を見つけ出すこと

そんな道程の
影も形もない

いつか消えていく全てに
僕らは何を贖えるだろうか

たとえばそれが本当のことだとして

何も刻めない
時の大河のケシ粒のことだとして

2007年07月02日(月)
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