f_の日記
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薔薇を一輪買いました
グラスに飾られて
深紅が
首をかしげています

2004年10月30日(土)



 


というものがある


というものがある

添えば願いを叶えることもあり

僕は時折それに
逆らうことで

自分であろうとする

2004年10月16日(土)



 テイクアウト

毎朝コーヒーを買う

きれいなお姉さんに
ブラックをひとつ頼んで

街頭で待つ
ほんの数十秒

そんな儀式で
日常をはじめる

2004年10月14日(木)



 忘れていた

目に見えない世界と
話をしながら

そんな自分のスタンダードを最近忘れていた

自分のことだけ考えすぎたから
少し疲れているのかもしれない

取り戻して
明日へ

2004年10月12日(火)



 今日は

とても静かな夜だ
虫の音が聞こえて

煙草をくゆらせ
昼間と同じように
空を見上げて

ただ一人酔いながら
心だけはそれでも
澄み渡って

そんな夜に

何かを語りたいでもなく
理解を求めるわけでもなく

君を想い浮かべるでもなくただ

心だけが
澄み渡って


宇宙に溶け込んで


うまく生きてゆくのは

あいかわらず
下手なんだけれど

2004年10月11日(月)



 休日の午後

青い空に白い雲が映えて
鮮やかな風が木々を揺らし

なんだか久しぶりに休日らしい休日を過ごしている

日向ぼっこをする猫のように目を細めて
窓辺に手をつきあごを乗せて

運命だとか人生だとか
そんなことを忘れて
この一瞬をとても幸せに感じている

一生というやつ
いつか消えゆくこいつの

後戻りのできない
曲者の目を

どうにか潜り抜けながら

2004年10月10日(日)



 カフェテラス

どんなに真実な唄の文句も
確立された篤い道徳も

空気に触れた途端
揮発するような世界で

懊悩と煩悶の煙にむせびながら

背中を丸めて
コーヒーをすする

肌寒い風を縫う日差しに
自白を迫られながら

2004年10月04日(月)
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