三楽の仕事日記
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2015年02月24日(火) 桂しん吉さんと過ごす1日

 今日は今年度最後のゲスト道徳。ゲストは落語家の桂しん吉さん。8時30分、小牧駅で出迎え。車の中で、過去のゲスト道徳の話。それを聞いて、しん吉さん、「ハードル高いですね」とポツリ。

 応接室でさっそくゲスト道徳打合せ。用意しておいた指導案をもとに授業構想をお話する。主発問は例によって二つ。了解を得て、プレゼンの最終確認。

 2時間目。3年3組で授業。まずはしん吉さんの紹介。落語についての超簡単な解説と一節。落語家になるためにはどうするかを説明して、第一発問へ。

 「あなたたち、就職するとき、どんなことが気になりますか」
 「給料、休み、仕事内容、やりがい・・・」
 「しん吉さん、師匠のところへ弟子入りした時に、給料は?休みは?病気のときは?」
 「まったくそんな話はしていません」
 「へえ。では皆さん、なぜしん吉さんはこんな保証がない職業に就くことを決意したのでしょう」

 これが初めの山場。生徒の表現は多種多様。もちろん方向は同じ。
 「落語が好きだから、覚悟をしたから、・・・」

 「先生も落語が好きなんだけど・・・」とゆさぶり。しん吉さんからは、「吉朝師匠を見た時にビビッときたのです。惚れてしまったのです」と返答。「楽しい」という言葉については、ここに記した通り。なるほど、まさに「楽しい」という言葉の価値付け。

 話題は落語家修行に。師匠宅へ3年住み込みされたことを伝え、「なるほど。朝から晩までずっと師匠のそばにいるわけですから、たっぷり落語を教えてもらえるわけですね」と予定通り問いかけ。「いえいえ、稽古はほとんどしてもらえません」「えっ、そうなんですか。では皆さん、どんなことをして修行をしていたと思いますか。想像しましょう」が第二発問。

 「師匠の傍にいて全てを盗む」「お手伝い・掃除」「一人稽古」などと、生徒は反応。

 しん吉さんが修行を語られる中で、「恩返し」という言葉を出された。師匠は長年積み上げてこられた芸を、無償で、惜しみなく弟子に教えていただけます。弟子が師匠にお返しできることは、せいぜい掃除や身の回りのお世話をすることなのです。

 僕は、この「恩返し」という言葉にも心打たれる。本物が語る重み。

 最後に「吉朝師匠を追い越したいでしょ」と投げかける。その返答は「師匠は生涯かかって近づくものだと思っているんです」という。これまた珠玉の言葉。詳細はここをクリック

 応接室で授業の振り返り。流れ良しという判断。僕から米朝、枝雀、吉朝、千朝、米団治師匠のことを話題に出してディープな話。とてもここでは書けない貴重な情報あり。至福の時間が流れる。

 4時間目は、長岡先生がしん吉さんと道徳。僕が苦しかったところは、さすが!きっちり手を入れての授業進行。ねらいにしっかり迫り、これで今年度のゲスト道徳すべて完了。

 しん吉さんと給食をとりながら、さらに落語の話。5時間目までしばし休んでいただき、3年生全員が多目的ホールに入ったところで高座へ案内。まくらに20分程度かけてネタへ。なんと「ふぐ鍋」!吉朝師匠の十八番。初落語が「ふぐ鍋」という幸せな生徒たち。

 5時間目終了まで10分間ほどあったため、僕も高座に乗って、いきなりインタビュー。3人の生徒から質問が出て、いい感じ。最後は「落語好きな校長をどう思いますか」という質問(笑)。

 しん吉さん、小牧駅まで送る車の中で、芸論「ふぐ鍋」。8時30分から15時まで極めて幸せな時間。学校に戻って、放心状態が続く(笑)。

 ***

 17時ごろ学校を出て自宅へ。電車で名古屋へ。30分ほど時間があったのでリアル本屋へ。1万円近く書籍購入。大切な人たちと懇親会。
 
★ 今日の自己満足
 
 吉朝としん吉が教室にいる風景。全国と広し言えど、ここだけ!

 



2014年02月24日(月) 中教審生涯学習分科会専門委員として
2013年02月24日(日) 小針地区落語講座
2012年02月24日(金) 養護教諭研修会に向けて教材作り
2011年02月24日(木) 「行政上の参考」という理由
2010年02月24日(水) 終日文書検討
2009年02月24日(火) 原本にあたるしかない
2008年02月24日(日) 充実した会議日
2007年02月24日(土) 今年も落語から学ぶエコライフ
2006年02月24日(金) 荒川選手金メダル
2005年02月24日(木) 職員会議で検討
2004年02月24日(火) 担任の感覚を思い出す
2003年02月24日(月) 一転、肌寒い日に